室谷さん、今日は宗像市の創業応援補助金を教えてください!まず「宗業」って書いて「そうぎょう」……この名前、どういう意味なんですか?
いい質問ですね!「宗業」は「宗像で創業」の略語なんですよ。宗像市は「創業できる街」を目指して、宗像市商工会、市内金融機関、その他支援機関等と連携して、創業する方を応援しています。その費用の一部を補助してくれる制度なんです。
なるほど!街ぐるみで創業者を応援するってことですね。補助金の名前がユニークなのは、その思いの表れなんですかね(笑)
でしょう(笑)。「宗像で創業=宗業」っていう言葉自体が、市の創業支援のブランドになっているんです。宗像市の創業支援等事業計画は、国の産業競争力強化法に基づく計画として国から認定を受けていて、「宗業」という名前でPRしています。
面白いですね!聞いただけで「ああ、宗像の制度だ」ってわかりますもんね。
かなり広いですよ。建設業、製造業、情報通信業、サービス業(他に分類されないもの)、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、医療・福祉——これだけ並ぶと、ほぼ全部じゃないかと思うくらいです。
そうなんです。しかも従業員数の制約はありません。ただし、対象外になる事業もあります。宗教的活動または政治的活動を目的とするもの、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条に該当する事業、フランチャイズ又はこれに類する契約に基づくものは対象になりません。
フランチャイズはダメなんですね。それは知りませんでした。
この制度の情報からすると、フランチャイズ又はこれに類する契約に基づく事業は補助対象事業に該当しない、とされています。詳しい解釈は公募要領か宗像市に確認してくださいね。
補助率は、補助対象経費の2分の1以内です。かかった費用の半分まで、と言えばイメージしやすいですね。そして補助上限額は、通常枠で30万円、SDGs推進枠で40万円になります。
そうなんです!SDGs推進枠は、国際目標である持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する取組を行う事業のための申請枠で、上限が40万円と10万円アップします。ただし、通常枠とSDGs推進枠の同時申請はできません。どちらか一つを選ぶ形ですね。
| 申請枠 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|
| 通常枠 | 補助対象経費の2分の1以内 | 30万円 |
| SDGs推進枠 | 補助対象経費の2分の1以内 | 40万円 |
SDGs推進枠に申請するには、何か特別な手続きがいるんですか?
特別な書類というより、補助事業計画書の中身が変わります。SDGsの17の目標のうち、申請する補助事業が関わる目標(ゴール)の番号と、その目標達成にどのように貢献するのかを、具体的に記載する必要があります。
たとえば、どんな事業がSDGs推進枠に向いてるんですか?
この制度の利用目的として「エコ・SDGs活動支援がほしい」というのが挙げられています。環境配慮の設備導入や、省エネにつながる事業などは検討しやすいでしょう。ただし、審査では通常枠での審査項目に加えて、SDGs達成に貢献するかを審査します。ゴール番号を書くだけでは足りませんよ。
なるほど。具体的な貢献のストーリーが求められるんですね。
そういうことです。あと重要なのが、SDGs推進枠で不採択となった場合、その公募回では通常枠での再審査はされないという点。どちらの枠で申請するかは、慎重に決めてくださいね。
具体的に、どのくらいの金額がもらえるか計算してみましょうか!
いいですね。たとえば、設備導入に80万円かかったとします。補助率が2分の1なので、80万円の半分で40万円。SDGs推進枠なら上限の40万円まで補助される計算になります。通常枠なら上限の30万円で頭打ちです。
ということは、SDGs推進枠なら上限いっぱいまで使える可能性があるわけですね!
はい。ただし、あくまで「補助対象経費の2分の1以内」というのが大事なポイント。補助対象にならない経費が混ざっていると、その分は計算から外れます。あと、消費税・地方消費税等の税金に係る部分は対象外ですから、その点も注意してください。
ここが盲点ですね。対象経費の話はあとで詳しく聞きます!
大きく3つのパターンがあります。1つ目は、交付申請時と同年度に宗像市内で創業を予定している個人。2つ目は、宗像市内で創業後、1年未満の個人または会社。3つ目は、事業開始後5年未満であり、宗像市内で法人成り後1年未満の会社、または交付申請時と同年度に宗像市内で法人成りしようとする個人です。
創業前の人も、創業して間もない人も対象なんですね。創業から1年未満って、結構タイトな条件ですけど……。
そうですね。「創業しようと思ったら、まずこの補助金を思い出して」というメッセージかもしれません。あと、個人の場合には宗像市内に住所を有する、またはその予定であることが必要です。交付申請年度中に宗像市内に転入予定であれば対象になりますが、完了報告時までに住民票の提出が必要です。
法人の場合は、市内に主たる事業所を有する、または当該年度内に主たる事業所を設立する予定が必要ですね。あと、対象になるのは2社目以降の創業については、証明書の発行が原則対象外という点も頭に入れておいてください。
要件の中に「特定創業支援等事業を受けたことの証明書」というのがありますね。これって何ですか?
これは宗像市の創業支援プログラムを受講したことを証明する書類です。fabbit宗像または宗像市商工会による創業に関する支援を、1ヶ月以上の期間をかけて4回以上受講する必要があります。
そうなんです。しかも支援を受けたい場合は、事前に電話でのご予約が必要です。fabbit宗像は0940-62-6030、宗像市商工会は0940-36-2268ですね。
なるほど。この証明書がないと申請すらできないわけですね。
その通りです!でも、この証明書があると、融資制度やこの補助金の申請が可能になる等のメリットがありますから、創業を考えているなら早めに動くのがおすすめですよ。
市税の滞納がないこと、そして暴力団員ではないこと(暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者は対象外)も要件です。あと、補助対象事業の審査要件として、実効性が高く需要や雇用等を生み出す見込みのある事業であること、宗像市商工会またはfabbit宗像の支援のもと作成された創業事業計画に則り実施されること、金融機関からの資金調達又は自己資金で事業の実施が十分見込める計画であること——という条件があります。
市税滞納がないのは当然として、暴力団関係の要件も厳しくチェックされるんですね。
そうですね。どこの自治体の補助金でもありがちな要件ですが、しっかり確認されます。
計画書の内容もちゃんと審査されるわけですね。「申請すればもらえる」わけじゃない、と。
そういうことです。事業計画の実効性が問われるのが、この補助金の特徴ですね。
大きく5つの区分があります。委託費、工事費、備品購入費、広報費、事務所等賃貸料です。それぞれ具体例を見てみましょう。
委託費は司法書士・行政書士等への書類作成委託や試作品製造委託など。工事費は内外装工事、水道工事、電気工事などです。備品購入費は機械設備購入費や備品購入費。広報費は広報物(チラシ・のぼりなど)の作成・購入費、HP作成費、広報物掲載料など。事務所等賃貸料は駐車場や共益費、管理費を含みます。
補助対象経費と対象外経費- 委託費:司法書士・行政書士等への書類作成委託、試作品製造委託など
- 工事費:内外装工事・水道工事・電気工事など
- 備品購入費:機械設備や備品の購入費など
- 広報費:チラシ・のぼり作成、HP作成費、掲載料など
- 事務所等賃貸料:駐車場・共益費・管理費含む
×デメリット
- PC・周辺機器(Wi-Fi・ルーター・サーバー・webカメラ等)
- リース料・保険料
- 1万円以下の消耗品
- 原材料費・テイクアウト容器など
- 消費税・地方消費税等の税金
まず、PCや周辺機器——Wi-Fi、ルーター、サーバー、webカメラ、ディスプレイなどは対象外です。その他汎用性の高いものもダメ。リース料や保険料も対象外です。1万円以下の消耗品もアウトです。
えっ、PCが対象外なんですか!それは意外でした。創業したらまずPCを買いたくなりますけど……。
そうなんですよ。ここは結構つまずきやすいポイントです。あと、原材料費やテイクアウトの容器など消耗品費も対象外。飲食店を開く人は、初期設備には補助が使えても食材や容器は自費、ということになります。
なるほど。経費の計画は細かくチェックしないといけませんね。
そうですね。あと、事務所等賃貸料は対象ですが、1親等以内の親族が所有するものに係る経費は除くとされています。自宅兼店舗に係る対象経費には制限もありますから、確認が必要です。補助対象経費の具体例は一部ですので、対象になるかどうかは宗像市に問い合わせるのが確実ですよ。
はい、これがかなり重要です。補助対象となる経費は、補助金の交付決定後に着手(契約・発注)した申請事業に必要な経費で、令和9年3月31日までに請求・支払いが完了するものが対象です。
ということは、交付決定前に発注しちゃうと対象外になっちゃう?
その通りです!交付決定日以降に発生した経費のみが対象です。「もう契約しちゃった!」は通用しません。申請前に見積もりを取るのはOKですが、契約・発注は交付決定を待ってからにしてください。
交付決定前に工事を始めてしまったら、全額自己負担ってことですもんね。怖いなあ。
本当にそこは要注意です。あと、クレジットカード払いの場合、領収書に加えてクレジット利用明細書と銀行口座からの引落しが確認できる書類の提出が必要です。支払いの証拠を残すのも大事ですよ。
申請の方法を教えてください。電子申請とかはあるんですか?
この補助金は、メールまたは窓口での提出です!jGrantsのページに掲載はありますが、当サイトの代理申請は「不可」となっています。
大きく9つのステップがあります。①申請準備として特定創業支援等事業の証明書を取得、②必要書類をそろえて申請、③審査、④交付決定、⑤事業実施、⑥事業完了報告、⑦補助金額の確定、⑧支払請求、⑨支払い——という流れです。
交付決定の前に事業を始めちゃうと、補助対象外になるんですよね?
そう、そこが最大の注意ポイントです!交付決定通知後に事業を実施してください。事業完了後は、完了報告書と必要書類を提出。完了(支払いまで完了)後30日以内、または令和9年3月31日のいずれか早い日までに提出が必要です。
多いです!交付申請書、補助事業計画書、交付申請額内訳書、誓約書、創業事業計画書に係る支援の確認書、開業届の写し、住民票の写し、登記簿謄本の写し、関係部署との協議確認書、補助対象経費に係る見積書の写し、市税に滞納のないことの証明書、特定創業支援等事業を受けたことの証明書の写し、創業事業計画書、本人確認書類、許可証の写し——そして国や県、市などから他の補助金を受けている場合はその概要資料も必要です。
おお……一気に言われましたね(笑)。でも、書類は宗像市のページからダウンロードできるんですよね?
安心しました。あと「市税に滞納のないことの証明書」は申請日の3カ月以内に取得したものが必要なんですよね?
よく調べてますね!その通りです。宗像市にて発行してもらいます。開業していない場合は開業後に開業届の写しを提出、住所が市外なら住民票の写しを取得後に提出、といったように、申請時点でそろわない書類は「取得後に提出」という形になるものもあります。必要に応じて追加の書類提出を求められる場合もありますよ。
審査のポイントを教えてください!どういうところが見られるんですか?
補助対象事業の要件に「実効性が高く、需要や雇用等を生み出す見込みのある事業」とあります。ここがまず見られるポイントです。需要が見込めるか、雇用を生み出すか……具体的な数字や根拠が求められそうですね。
その通りです。さらに、宗像市商工会またはfabbit宗像の支援のもと作成された創業事業計画書に則って実施されることが条件です。ここがこの補助金の大きな特徴で、ただ市に申請書を出すだけじゃなく、支援機関と一緒に計画を練り上げることが前提になっているんです。
まず1つ目は、特定創業支援等事業をしっかり受講して、事業計画を練り込むこと。2つ目は、補助対象経費をしっかり洗い出し、対象外経費を含まない計画を作ること。3つ目は、需要や雇用の見込みを具体的に書くことです。
あと、金融機関からの資金調達又は自己資金で事業の実施が十分見込める計画であることも要件です。「補助金がもらえないと事業を始められません」という計画では厳しいでしょう。補助金はあくまで後押し、という位置づけが求められます。
SDGs推進枠の審査は、通常枠と何が違うんですか?
通常枠での審査項目に加えて、SDGs達成に貢献するかどうかを審査します。補助事業計画書に、SDGsの17の目標のうちどのゴールに関わるのか、そしてそのゴール達成にどのように貢献するのかを具体的に記載する必要があります。
ダメです!「目標7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」だからといって、番号だけ書いても説得力がありません。自社の事業がどうSDGsに寄与するのか、具体的なストーリーを組み立ててください。
令和8年6月1日(月曜日)から12月25日(金曜日)までです。この期間内に申請します。
6月から12月まで、結構長いんですね。余裕がありそうです!
でも、実はそうでもないんです。特定創業支援等事業は1ヶ月以上の期間をかけて4回以上受講し、その後証明書の発行手続きも必要です。受講を始めるのは、できれば申請受付開始前からが理想ですね。
なるほど……では、逆算して動き始めないといけないわけですね。
申請までのスケジュール目安2026年4〜5月頃
支援機関に相談
fabbit宗像または宗像市商工会に電話予約
2026年4〜6月頃
特定創業支援等事業を受講
1ヶ月以上・4回以上の支援を受ける
2026年6月1日
申請受付開始
証明書を取得して必要書類を準備
2026年12月25日
申請受付締切
メールまたは窓口で提出
2027年3月31日
事業完了期限
この日までに請求・支払い完了が必要
まず、特定創業支援等事業の受講や創業相談は、fabbit宗像(電話:0940-62-6030)と宗像市商工会(電話:0940-36-2268)です。補助金の申請に関することは、宗像市産業政策課商工観光係(電話:0940-36-0037)ですね。
国・県・市・その他の団体等から補助金を受けている場合は、その概要がわかる資料を提出することになります。併給の可否そのものについては、この制度の情報だけでは判断できませんので、公募要領を確認するか、宗像市に直接問い合わせてください。
わかりました。あと、この補助金は複数回受けられるんですか?
残念ながら1回までです。通常枠・SDGs推進枠にかかわらず、過去にこの補助金の交付を受けたことがある場合も含めて、交付は1回までとされています。
じゃあ、ここぞというタイミングで申請しないといけないんですね。
そんなことはありません!先ほど紹介した通り、宗像市内で創業後、1年未満の個人または会社も対象です。また、事業開始後5年未満であり、宗像市内で法人成り後1年未満の会社、または交付申請時と同年度に法人成りしようとする個人も申請できます。
創業後1年未満ならセーフなんですね。じゃあ、開業届はいつ出せばいいですか?
申請時に開業していない場合、開業後に提出します。個人事業主として申請する場合、開業前に申請するなら、開業後に開業届の写しを提出する形ですね。申請時に市内に住所を有していない場合も、住民票の写しを取得後に提出します。
ありがとうございます!これを見れば申請書類の準備もスムーズに進みそうです。
宗像市が「創業できる街」を目指して、商工会・金融機関・支援機関と一体になって、これから創業する人や創業したばかりの人を応援する制度です。補助率は補助対象経費の2分の1以内、上限は通常枠30万円・SDGs推進枠40万円。特定創業支援等事業の受講が必須というハードルはありますが、そのぶん計画の質を高められるチャンスでもあります。
ただお金をもらうだけじゃなく、支援機関と一緒に事業計画を練るのがポイントなんですね。
その通りです!「宗業」という言葉には、宗像で創業する人を街全体で育てていくという思いが込められています。申請を考えている方は、まずfabbit宗像か宗像市商工会に相談してみてください!