編集長の佐藤です。今日は「令和8年度 高度人材インターンシップ受入支援費補助金」について、株式会社MYUUUの室谷さんに詳しくお話を伺います。室谷さん、よろしくお願いします!
室谷: よろしくお願いします!この制度、海外在住の高度外国人材をインターンシップで受け入れる企業を応援する補助金なんですよ。
佐藤: 海外在住の高度外国人材?つまり、まだ日本に住んでいない外国人の方を受け入れるってことですか?
室谷: その通りです。外国人材の採用に意欲がある中小企業等と、日本で働きたい海外在住の高度外国人材をマッチングして、採用・就職前にインターンシップの場を提供する事業です。
佐藤: なるほど。採用する前にお互いを知る「お試し期間」をつくるんですね。その受け入れにかかるお金を補助してもらえると。
制度の特徴外国人材の採用前インターンシップ
海外在住の高度外国人材を採用・就職前に受け入れます
東京都主催の事業が対象
東京都が主催する高度人材インターンシップ事業への参加が必須です
宿泊費・滞在費を10/10補助
補助率は10/10、1日あたり上限5,000円です
対象期間は日本滞在期間
日本に到着した日から帰国する日までが補助対象です
補助率10/10って、かかったお金の全額が戻ってくる可能性があるってことですよね?
室谷: はい。宿泊費と滞在費、それぞれについて1日あたり上限5,000円までが補助対象です。この制度の大きな魅力ですね。
佐藤: しかも対象業種が広いと聞きました。まずは基本情報を表で確認させてください。
対象地域は東京都、実施機関も東京都産業労働局雇用就業部。つまり東京都の制度なんですね。
室谷: そうなんです。詳しい公募要領も公式URLから確認できます。申請を考えているなら、まずはここを見逃さないでください。
そもそも、どうして東京都がこんな制度をやっているんでしょうか?
室谷: 日本で働きたい海外の高度外国人材と、外国人材の採用に意欲がある中小企業等を結びつけるのが目的です。採用・就職前にインターンシップの場を提供して、相互理解を深めてもらいたいんですね。
佐藤: いきなり本採用だと、言葉や文化の違いでミスマッチも起きそうですもんね。
室谷: その受け入れに対して補助することで、事業を円滑・効果的に実施するのがこの補助金の役割です。企業の初期負担をぐっと減らせる設計になっています。
佐藤: それはありがたい。じゃあ次は、実際にいくらもらえるのか、お金の話を掘り下げましょう!
では、補助額の詳細を教えてください。
室谷: 宿泊費と滞在費、それぞれについて1日あたり上限5,000円です。補助率は10/10です。
佐藤: 10/10って、実質タダみたいなものじゃないですか(笑)。
室谷: ただし上限5,000円という縛りがあります。1日6,000円かかってしまえば、超過分の1,000円は自己負担です。ここを勘違いしていると、あとで「思ったより戻ってこなかった」となりがちです。
佐藤: なるほど。上限を超えなければ全額補助、超えたら自己負担。この感覚は大事ですね。
室谷: それと、1日あたりという単位も覚えておいてください。インターンシップ期間全体で5,000円という意味ではありません。
| 補助対象 | 補助率 | 1日あたりの上限 |
|---|
| 宿泊費 | 10/10 | 5,000円 |
| 滞在費 | 10/10 | 5,000円 |
補助対象になる期間はどう決まるんですか?
室谷: インターンシップ生が日本に到着したその日から、帰国する日までの期間です。インターンシップを実施した期間とほぼイコールで考えておけばいいでしょう。
佐藤: じゃあ、到着前の準備や帰国後のフォローアップは対象外なんですね。
室谷: そうなります。ただし、宿泊場所の提供については例外があって、東京都がインターンシップ生に宿泊場所を提供した期間は補助対象外です。
佐藤: 東京都が宿泊場所を提供する場合もあるんですか?
室谷: 事業の運営上、都が宿泊先を手配するシーンがあるようです。そこは企業側の負担ではないので、補助の対象にもしない、という整理ですね。
たとえば10日間受け入れた場合、最大いくらになりますか?
室谷: 宿泊費が1日5,000円、滞在費が1日5,000円だとすると、合計1万円×10日で10万円が上限になります。
佐藤: おお、10日間で10万円。これは大きいですよね。
室谷: ただし、あくまで上限の計算です。実際にかかった費用が上限に達していなければ、その実費額が補助されます。
佐藤: かかった分と上限のどちらか小さい方、と理解しておけばいいんですね。
室谷: そのイメージで大丈夫です。次は、誰が申請できるのか見ていきましょう。
申請できるのはどんな事業者ですか?
室谷: 高度人材インターンシップ事業に参加し、高度外国人材を3か月程度、インターンシップ生として受け入れることが決定している事業者です。
佐藤: 「受け入れが決定している」というのがポイントですね。
室谷: そうなんです。「受け入れたいけど、まだ決まってない」という段階では申請できません。まずは東京都が主催する事業にエントリーして、受け入れを確定させる必要があります。
佐藤: なるほど。その他要件もあると公式の詳細にありましたが、具体的にはどういうことでしょう?
室谷: そこの細かい部分は、提示されている情報だけでは分かりません。必ず公募要領で確認してください。問い合わせ先も後ほどご紹介します。
業種に関する制限はありますか?
室谷: ありますが、かなり広めに設定されています。農業、林業、漁業、鉱業、採石業、砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業などが並んでいます。
佐藤: 一次産業から建設、製造まで、ずいぶん多いですね。
室谷: まだまだ続きます。情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業……。
佐藤: 飲食も金融も入ってる!これ、ほぼ全部の業種が対象って感じじゃないですか?(笑)
室谷: あとは生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業、医療、福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)です。こうして見ると、対象外の業種を探すほうが難しいくらいですよ(笑)。
| 対象業種 |
|---|
| 農業、林業 / 漁業 / 鉱業、採石業、砂利採取業 / 建設業 / 製造業 / 電気・ガス・熱供給・水道業 / 情報通信業 / 運輸業、郵便業 / 卸売業、小売業 / 金融業、保険業 / 不動産業、物品賃貸業 / 学術研究、専門・技術サービス業 / 宿泊業、飲食サービス業 / 生活関連サービス業、娯楽業 / 教育、学習支援業 / 医療、福祉 / 複合サービス事業 / サービス業(他に分類されないもの) |
この広さなら、自分の会社が対象かどうか、ほぼ安心してよさそうですね。
室谷: そうですね。事業の目的である「新たな事業を行いたい」「販路拡大・海外展開をしたい」「雇用・職場環境を改善したい」というニーズに合っていれば、検討する価値は十分あります。
公式の目的に「中小企業等」とありますが、「等」には何が含まれるんでしょう。個人事業主も対象ですか?
室谷: うーん、そこは私から断言できません。提示されている情報には、中小企業等の定義や個人事業主の扱いについて明記がないからです。
佐藤: えー、気になりますね。
室谷: 心配な場合は、募集要項もしくは問い合わせ先で確認するのが一番確実です。予想で動くより、正確な情報で申請したほうが絶対に安全ですから。
佐藤: たしかに。じゃあ次は、お金の使える用途と注意点をチェックしましょう。
宿泊費の補助対象になるのは、どんな宿泊場所ですか?
室谷: 補助事業者が契約したマンスリーマンションのような施設、または補助事業者が所有・借り上げている社宅や寮などです。
佐藤: どういうマンスリーマンションならOKですか?
室谷: 「家具及び家電等が備え付けられている」「短期の定期借家契約により使用させる施設」という条件があります。そのほか、知事が適当と認める施設も対象になります。
佐藤: なるほど。じゃあ、普通のホテルはどうなんですか?
室谷: そこは知事が適当と認めるかどうかの判断になってきます。心配であれば、あらかじめ問い合わせて確認するのがおすすめです。
滞在費のほうはどうですか?
室谷: インターンシップ生に支給する滞在費で、実際に支払いを行った実費額が対象です。1日あたり上限5,000円で、補助率10/10です。
佐藤: 実費額、ということは領収書が必要になるんですね。
室谷: そうですね。滞在費管理簿兼領収書といった書類も用意されています。ただし、支払う際に発生した手数料は対象外ですから注意してください。
佐藤: 振込手数料とかですね。
室谷: はい。あと、当該インターンシップ生以外が受け取った、または受け取ったとみられる経費も対象外です。ここは線引きが大事です。
対象になる経費・ならない経費- 宿泊場所の提供(マンスリーマンションや社宅・寮など)
- 滞在費の支給(実費額、1日あたり上限5,000円)
- 補助率10/10でほぼ全額補助
×デメリット
- 支払い手数料は対象外
- インターンシップ生以外が受け取った経費は対象外
- 東京都が宿泊場所を提供した期間は対象外
ほかに気をつけることはありますか?
室谷: 先ほども話したとおり、東京都が宿泊場所を提供した期間は補助対象外です。この期間の宿泊費を企業が申請してしまうと、後から差し戻される可能性があります。
佐藤: 対象外の期間と対象の期間をしっかり分けて記録しておく必要があるんですね。
室谷: まさにそこが実務のポイントです。インターンシップ生がいつどこに泊まったか、日々の記録を残しておくと、実績報告がスムーズにいきます。
佐藤: 細かい記録が申請を左右する、と。次は申請の流れを見ていきましょう。
申請の流れを全体で見せてください。
室谷: まず交付申請をして、交付決定を受ける。その後、補助事業を実施して、実績報告します。東京都が額を確定したら、請求書を提出して、補助金の支給になります。
佐藤: 補助金は後払いなんですね。
室谷: そうですね。事業を先に進めて、その後に費用を回収するイメージです。資金繰りに余裕を持たせておいてください。
補助金申請の流れ- 1
- 2
- 3
補助事業の実施
インターンシップを受け入れ、宿泊・滞在費を支給
- 4
- 5
- 6
申請は電子申請になるんですか?
室谷: 提示されている情報には、電子申請の手順までは書かれていません。申請方法の詳細は公募要領で確認するのが確実です。
佐藤: 分かりました。最新の公募要領に沿って進めるのが一番ですね。
書類はどんなものがありますか?
室谷: 交付申請時は交付申請書兼事業計画書と誓約書が必要です。実績報告時には実績報告書に加えて、宿泊に係る確認書、滞在費管理簿兼領収書、滞在費支給に係る誓約書などがあります。
佐藤: なかなか多いですね。記入例はありますか?
室谷: あります。チェック用紙も用意されていて、交付申請時と実績報告時で項目が整理されています。初めての人でも、記入例に沿って進めれば迷わずに書けるはずです。
佐藤: それは心強い。ちなみに、代理人が申請する場合はどうすればいいですか?
室谷: 委任状が必要です。また、申請内容を変更したいなら変更承認申請書、取り下げたいなら交付申請撤回届出書を提出する流れになります。
ここで詰まったら、どこに相談すればいいんでしょう?
室谷: 東京都産業労働局雇用就業部 就業推進課 人材確保推進担当です。電話は03-5320-4628。
佐藤: 受付時間は決まってるんですか?
室谷: 月〜金の9:00〜12:00と13:00〜17:00です。祝日と年末年始は除くので、時間に余裕を持って連絡しましょう。
直接電話で聞けるのは心強いですね。次は審査のポイントを見ていきましょう。
審査でいちばん見られるポイントはどこですか?
室谷: やはり「東京都が主催する高度人材インターンシップ事業に参加しているか」と「高度外国人材を3か月程度受け入れることが決定しているか」です。ここがスタートラインです。
佐藤: この2つがそろっていないと、そもそも申請できない、と。
室谷: その可能性が高いですね。だから、補助金ありきで動くのではなく、まずは事業への参加を決めて、受け入れの準備を進めるのが正しい順番です。
申請書類を書くうえで、つまずきやすいポイントはありますか?
室谷: 対象経費の解釈です。宿泊費といっても、すべての宿泊施設が対象になるわけではありません。滞在費についても手数料や第三者への支払いは対象外です。
佐藤: 「これって対象?」と迷うケースは、やはり聞いたほうがいいですか?
室谷: そうですね。迷ったら放置せず、問い合わせ先に確認するのが一番です。申請後に書類を修正する手間を考えれば、最初の1本の電話は安いものです。
申請期間に入る前に、何を準備しておけばいいですか?
室谷: まず公募要領を入手して、要件と書類を確認しましょう。その上で、インターンシップ生の受け入れ計画を具体的に固めておくのが大事です。
佐藤: 誰を、いつ、どのくらいの期間受け入れるのか、ですね。
室谷: はい。日本に到着する日と帰国する日も見据えて、宿泊先と滞在費の計画を立てます。あとは、社内で申請書類を取りまとめる担当者を決めておくとスムーズです。
佐藤: 計画が曖昧なまま申請すると、あとで苦労しそうですね。
今度はスケジュールを整理しましょう。申請期間はいつからいつまでですか?
室谷: 基本情報では2026年8月16日から9月9日まで。公式の制度詳細では令和8年8月17日(月)から9月9日(水)までとされています。
佐藤: あれ?開始日が1日違いますね。
室谷: そうなんです。だから、正確な開始日は公募要領を確認してください。締切の9月9日はどちらでも共通していますが、初日に出そうと考えている人は要注意です。
令和8年度のスケジュール2026年8月16日〜
交付申請受付開始
基本情報での開始日。令和8年8月17日開始との記載もあり要確認
2026年9月9日
交付申請締切
令和8年9月9日(水)まで
インターンシップ期間
補助対象期間
インターンシップ生が日本に到着した日から帰国する日まで
2027年1月8日
実績報告期限
令和9年1月8日(金)まで
実績報告の期限はいつですか?
室谷: 令和9年1月8日(金)です。インターンシップが終わってから、書類をそろえて報告するまでの期間が意外と短いので、早めに動き始めましょう。
佐藤: 年末年始を挟みますもんね。余裕を持ったスケジュールが必要です。
室谷: まさに。12月までに実績報告書の下書きを終わらせておくのが理想です。
ここまでの話で、申請に関わる主要なポイントは分かりました。最後に、よくある質問をいくつか教えてください。
室谷: まず「申請に必要な書類は?」ですね。交付申請時は交付申請書兼事業計画書と誓約書、実績報告時は実績報告書や宿泊に係る確認書などが必要になります。
佐藤: 記入例も用意されている、と。つぎは?
室谷: 「申請後に内容を変更したい」という質問も多いです。その場合は変更承認申請書を提出します。取り下げるなら交付申請撤回届出書です。
佐藤: なるほど。あと、補助金が振り込まれるタイミングは?
室谷: 実績報告、額の確定、請求書提出を経ての支給になります。つまり事業完了後の支払いなので、立て替えの資金計画を考えておいてください。
佐藤: その資金繰りの視点、大事ですよね。
では最後に、この補助金の要点をまとめてください。
室谷: 最大の魅力は補助率10/10で、宿泊費も滞在費も1日あたり5,000円まで補助されること。東京都主催の高度人材インターンシップ事業に参加して、受け入れが決まっていれば申請できます。
佐藤: 対象期間はインターンシップ生が日本に到着した日から帰国する日までですね。
室谷: はい。申請期間は2026年8月16日〜9月9日。実績報告の期限は2027年1月8日です。日付の公式資料による差は要確認です。
外国人材の採用を考えている東京都の企業には、かなり心強い制度ですね。
室谷: そうですね。海外展開や新規事業、職場環境の改善を考えている企業なら、この制度をきっかけに動き出してみる価値は十分あります。
佐藤: 室谷さん、本日はありがとうございました!
室谷: ありがとうございました!皆さんも、ぜひ公募要領をチェックしてみてくださいね!