室谷さん、今日のテーマは「蓄電池」ですよね。なんか自動車だけじゃなくて、データセンターや5G基地局のバックアップ電源にも使われるって聞いて、ちょっと驚きました。
そうなんですよ。蓄電池は電気自動車の動力源であり、太陽光・風力の出力変動を調整する役割も担う。さらに5G通信基地局やデータセンターといった重要施設のバックアップ電源、各種IT機器の電源としても欠かせない。いまや電化社会・デジタル社会の“超重要物資”です。
ええ。世界的に需要が急拡大する中で、製造・利用環境の持続可能性=サステナビリティと、安全性の確保が求められています。海外では資源の上流から製造基盤まで、サプライチェーン全体を囲い込む動きまで出ている。日本も2022年8月に策定した蓄電池産業戦略に基づいて、競争力強化とサステナビリティ確保の両軸で動いています。
特に欧州では2023年8月に電池規則が施行されて、カーボンフットプリントや人権・環境デューディリジェンス、リユース・リサイクル、データ連携に関する規制が市場に入ってきています。バッテリーパスポートの詳細運用方法に係る実施法の提示も予定されている。つまり、これは「海外の規制に対応するための準備」でもあるんですね。
jGrantsのキャッチコピーには「①データ連携(電池パスポート)」「②ビジネス実証(電池パスポート、リユース・リサイクル)」と書かれています。
電池パスポートって、文字どおり電池にパスポートがつく感じですか?
電池の原材料から製造、使用、リユース、リサイクルに至るまでの情報をデータでつなぐ仕組みですね。どの電池が、どこで、どんな材料から作られて、どれだけのCO2を出したか。それを追跡できるようにする。このデータ連携と、リユース・リサイクルのビジネス実証を支援する事業なんです。
なるほど!“つなぐ”ことと“実証する”ことが柱なんですね。
そう。「蓄電池のエコシステムに関する制度等の整備に資する事業」として、日本の蓄電池産業のサプライチェーン強靱化に向けた対策を検討するのがゴールです。設備を買うだけの補助金ではなく、仕組みづくりに一緒に取り組む補助金、というイメージですね。
この事業の3つの特徴データ連携(電池パスポート)
蓄電池のトレーサビリティ情報を企業間でつなぐ仕組みの実証
ビジネス実証(電池パスポート、リユース・リサイクル)
使用済蓄電池の価値評価や二次利用、資源回収などの実証
サプライチェーン全体の強靱化
国内外の環境規制をふまえ、日本の産業基盤を強化する
助成額、気になります! 上限はどれくらいなんですか?
補助上限は72,000万円です。ゼロの数が多くて一瞬数えちゃいますよね(笑)。
すごい桁です(笑)。ただ、あくまで上限であって、全員が満額もらえるわけじゃありません。補助率は公募要領を参照と、jGrantsのページに書かれています。
補助率の数字自体は、まだ公開されていないんですか?
令和8年度の公募要領に定められているので、まずは要領をダウンロードして確認してください。何分の何、という形で書かれているはずです。
あり得ます。だからこそ「前年度の数字」をあてにせず、最新の公募要領を読むのが鉄則ですね。
自己資金がいくら必要か、どうやってイメージすればいいですか?
補助率が決まれば、総事業費から補助額を引いた分が自己負担になります。ただ、令和8年度の補助率は要領で確認する必要があるので、「計算の前提」だけ表にしておきますね。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助上限額 | 72,000万円(720,000,000円) |
| 補助率 | 公募要領を参照 |
| 募集期間 | 2026年8月7日〜2026年9月4日 |
| 対象地域 | 全国 |
| 利用目的 | 研究開発・実証事業を行いたい |
じゃあ、対象になる経費の範囲も重要になってきますね。
まさにそこが大事です。次のセクションで、経費の考え方を整理していきましょう。
基本は日本法人(登記法人)である民間会社です。公益法人、社会福祉法人、学校法人、一般企業なども対象になります。さらに、民間会社を主申請者とする共同体や任意団体も申請できます。
いけます。ただし、地方公共団体が主申請者になることはできません。都道府県や市町村が代表で申請する形はNGです。あくまで民間が主体で、行政はサポート側ですね。
jGrantsのページに(ア)から(カ)まで並んでいます。(ア)は日本法人の民間会社、またはそれを主申請者とする共同体・任意団体であること。地方公共団体は主申請者になれません。
経済産業省が定める補助金等の交付停止事業者に該当していないこと。しかも共同申請者、請負先、委託先についても同様に扱う、とされています。
そうなんです。(ウ)は自己負担分の調達に関して十分な経営基盤を持っていること。(エ)は委託契約で民間会社に事業を実施させる場合、確定検査などの資料の写しを事業完了後5年以上保管できる体制があること。ここは地味にハードルが高い。
(オ)は事業を運営・管理できる能力と実施体制・管理体制が整っていることです。
政府からのEBPM協力要請に応じることです。申請時・事業実施期間中・事業報告提出時などに提供した情報が、効果検証のために経済産業省やその業務委託先、独立行政法人、大学などの研究機関に提供・利活用される場合があります。
うちは製造業じゃないとダメ、みたいな制限はありますか?
jGrantsの対象業種を見ると、農業、林業、漁業、鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業、卸売・小売業、金融・保険業、不動産業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊・飲食サービス業、生活関連サービス業、教育、医療・福祉など、本当にさまざまな業種が並んでいます。
多いんですよ。しかも対象地域は全国で、従業員数の上限についても「制約なし」と表示されています。ただし、業種リストはあくまで入口。いちばん大事なのは、この事業の目的に合った研究開発・実証事業を行うことです。
つまり、電池そのものを作る会社じゃなくても、データ連携やリユース・リサイクルの仕組みに関わる企業ならチャンスがある、と。
その読み方で合ってます。ただし、具体的な対象範囲は公募要領で確認してくださいね。
jGrantsの「利用目的」欄には「研究開発・実証事業を行いたい」とシンプルに書かれています。設備を買うだけではなく、研究開発や実証事業に取り組むための補助金です。
データ連携基盤の開発とか、リユース・リサイクルの実証とかが典型ですか?
まさにそのイメージです。蓄電池や部素材を実際に扱う企業間でデータをつなぐシステムやアプリの開発・改修、使用済蓄電池の回収・価値評価・二次利用などのビジネス実証が想定されています。
そこが最も要確認ポイントです。令和8年度の対象経費の詳細は公募要領で確認してください。交付規程(案)にも規定があります。「研究開発・実証に関わる費用なら何でもOK」ではないので、要注意です。
ここを勘違いすると、あとから「対象外でした」ってなりそうですね。
なりがちです。実際の支払い・精算のタイミングや必要な証拠書類も、交付規程に定められています。申請前に漏れなくチェックしておきましょう。
対象経費の考え方(公募要領で詳細を確認)- 研究開発・実証事業に直結する取組(データ連携・リユース・リサイクルの実証など)
- 公募要領・交付規程に示されている経費
×デメリット
- 公募要領に記載のない経費(要確認)
- 事業目的との関連が不明瞭な費用(要確認)
「その経費が、この事業の目的にどうつながるのか」を説明できるかどうかです。蓄電池のエコシステム、データ連携、リユース・リサイクル。このあたりの言葉と自分の事業計画がきちんと結びついているかを確認してみてください。
そうです。関連性が薄いと、どんなにお金の計画が細かくても説得力が出ません。ここは力を入れて準備したいところです。
募集期間は2026年8月7日から2026年9月4日までです。夏の申し込みですね。1か月弱しかないので、書類を集めるなら今から動き始めたほうがいいです。
ですね。夏休みの宿題みたいにギリギリまでやると危ないですよ(笑)。公募要領は早めにダウンロードして、対象経費と申請様式を確認しておくのが正解です。
いいですよ。判明しているのは、ここまでです。審査・採択の時期は公募要領で確認してください。
令和8年度の公募スケジュール(判明分)2026年8月7日
公募開始
要領・様式のダウンロード開始
2026年9月4日
応募締切
jGrantsで申請
公募要領を確認
審査・採択
合格通知・交付決定の時期を要領で確認
補助金申請システム「jGrants」から電子申請します。しかもこの事業は「当サイトの代理申請:不可」と表示されています。代理ではなく、ご自身のアカウントでログインして申請する必要があります。
はい。jGrantsを使うにはGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。これは令和7年度の公募案内にも明記されていたので、令和8年度でも同じ流れになる前提で、まだ取得していない人は早めに手続きしてください。
公募要領の確認→書類作成→jGrantsで申請→審査→交付決定→事業実施→実績報告→額の確定→補助金交付、という流れになります。図にするとこんな感じです。
補助金申請の流れ- 1
GビズIDプライムを取得
jGrantsを使うために必要
- 2
公募要領・交付規程・申請様式を入手
ダウンロード先から最新版を確認
- 3
- 4
- 5
- 6
なるほど。あとは事業計画を書くための材料も必要ですね。
そうですね。蓄電池のサプライチェーンにどんな課題があって、自社がどんな実証をして、なぜ国が支援する価値があるのか。このストーリーを具体的に説明できる資料を集めておきましょう。
まず、応募資格(ア)〜(カ)を完全に満たしていることです。特に「交付停止事業者に該当していないこと」や「委託先の資料を5年以上保管する体制」といった要件は、うっかり見落としがちです。
そうなんです。申請前に全部チェックリスト化しておくのがおすすめです。
この事業の目的は、蓄電池のエコシステムに関する制度等の整備に資する事業を支援して、日本のサプライチェーンを強靱にすること。だから、データ連携やリユース・リサイクルというテーマと自社の実証事業がどうつながるのか、明確に説明できるかどうかが大きいですね。
それだけでは厳しいでしょうね。海外の規制動向や、業界全体の課題解決にどう寄与するかという視点が求められます。
令和7年度の公募案内では、データ連携のテーマについて「実際に蓄電池やその部素材を製造する企業と連携して実証を行うこと」や「トレーサビリティの確保、カーボンフットプリントの算定、デューディリジェンスの実施のいずれかを実証に含むこと」といった要件が示されていました。
なるほど。具体的な連携企業との実証が求められるんですね。
そうです。ただしこれは令和7年度の内容です。令和8年度の要件は公募要領で必ず確認してください。サプライチェーン全体を巻き込む実証が評価されやすいという傾向は、頭に入れておいて損はないと思います。
1つ目はEBPMへの協力です。政策の効果検証のため、申請時・事業実施期間中・事業報告提出時などに提供した情報が、経済産業省や、その業務委託先、独立行政法人、大学などの研究機関に提供・利活用される場合があります。
提供したデータが、ほかの機関で使われることもあるんですね。
しかも、申請・利用・報告等を行うことで「データ利活用と効果検証への協力に同意したものとみなす」とされています。ここは理解した上で応募しましょう。
委託契約で民間会社に事業を実施させる場合、その会社に対して確定検査などを行い、確認した資料の写しを事業完了後5年以上保管する体制が必要です。
5年以上の保管かぁ。しっかり体制を組まないといけないですね。
そうですね。あと「自己負担分の調達に関して十分な経営基盤を持っていること」も要件です。資金計画もかたく立てておきましょう。
これは重要な質問ですが、令和8年度の併給ルールは公募要領で確認してください。あわせて、問い合わせ先に確認するのが確実です。
補助率が公募要領に定められているので、「総事業費−補助額=自己負担額」という計算になります。まずは要領を読んで、自己負担が捻出できるかをチェックしてください。
検討中の人が特に聞きそうなポイントを短くまとめてもらえますか?
いいですよ。まず「補助上限は?」→72,000万円。次に「補助率は?」→公募要領を参照。そして「締切は?」→2026年9月4日です。
はい。jGrantsで電子申請します。GビズIDプライムが必要です。あと「誰が申請できる?」は、日本法人の民間会社、またはそれを主申請者とする共同体・任意団体です。
メールアドレス、覚えやすいですね。“r8”が令和8年度ってことですか?
たしかに、令和8年度のイニシャルと読めますね。ダウンロードページも「chikudenchi2026」ですし、令和8年度用に用意されているのがわかります。
りょうかいです(笑)。この事業は、蓄電池のサステナビリティ、とくにデータ連携とリユース・リサイクルを支援する研究開発・実証事業向けの補助金。上限は72,000万円、補助率は公募要領を参照、募集期間は2026年8月7日〜9月4日です。
そうですね。ここで紹介した情報で「いけそうだ」と思ったら、とにかく要領と申請様式を入手して、自分の事業が対象になるかを確認してください。行動が早い人ほど、準備に時間をかけられますよ。