室谷さん、今日は「DX型CO2削減対策実行支援事業」の二次公募を教えてもらえるんですよね。名前が長くて、正直ちょっと身構えてます。
そうです、今日はこれを丸ごと解説します。名前は長いんですが、中身は分かりやすいですよ。環境省のSHIFT事業の中の一つで、工場や事業場のCO2を、DXシステムを使って減らしましょう、という支援です。
SHIFT事業……それも初耳なんですけど、まずそこからお願いします。
正式には**脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業(SHIFT事業)**といいます。この中に二つの柱があって、一つが省CO2型システムへの改修支援事業、もう一つが今日お話しするDX型CO2削減対策実行支援事業です。
はい。DX型は、DXシステムを用いた中小企業等の設備運用改善による即効性のある省CO2化や、運転管理データに基づく効果的な改修設計などのモデル的な取組を支援するものです。期間は2カ年以内とされています。
なるほど。設備を丸ごと入れ替えるというより、データを使って運用を賢くする方向なんですね。地味だけど効きそう!
そこがポイントです。大型設備の刷新は省CO2型システムのほう。DX型は、センサーや管理システムで動かし方を変えて、すぐ効く削減を出すイメージです。環境省も「即効性のある省CO2化」という言い方をしています。
目的は、脱炭素技術等の導入促進によって、バリューチェーン全体のCO2排出削減を図り、我が国の中長期の温室効果ガス削減目標の達成に貢献することです。
そうですね。工場や事業場の中で完結する話ではなく、取引先を含めた流れ全体でCO2を減らしていく。そのために、工場・事業場における先導的な事例を作り、その知見を広く公表して横展開を図る、という位置づけになっています。
先導的な事例、横展開。つまり「うちだけ得しました」では終わらないんですね。ちょっと責任重大だ。
そのぶん、モデル性のある提案が評価される、とも言えます。根拠法令としては、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律やその施行令、SHIFT事業の交付要綱、実施要領、交付規程などが挙げられています。
法律の名前がずらっと並ぶと、急に背筋が伸びますね。
で、気になるのがお金です。補助率が4分の3と聞いて、えっ、そんなに、と思ったんですが。
本当です。補助率は4分の3、補助上限は200万円です。これは環境省の報道発表にも「DX型CO2削減対策実行支援事業(補助率3/4、補助上限200万円)」と明記されています。
3/4ってことは、事業費の75%ですよね。自己負担は25%。これは大きい!
そうなんです。しかも対象は工場や事業場を持つ幅広い業種です。中小企業にとってはかなり手厚い設計だと思います。
でも上限が200万円だから、大きな設備投資には足りない?
用途次第です。DXシステムやIT導入で運用改善を進める、という目的に絞れば、200万円でも十分意味のある投資になります。次の章で金額をもう少し細かく見ていきましょう。
DX型CO2削減対策実行支援事業の特徴補助率4分の3・上限200万円
事業費の4分の3を補助。上限は200万円
DXシステムで運用改善
設備運用改善による即効性のある省CO2化や運転管理データに基づく改修設計を支援
対象は幅広い業種
製造業から医療・福祉まで全国の事業場が対象
事業期間は2カ年以内
DX型は2カ年以内の取組として位置づけ
ここ、一番大事なところなので、しっかりお願いします。
まず数字を整理しますね。補助上限は200万円、補助率は4分の3。つまり事業費のうち4分の3を補助してもらえて、残りの4分の1は自己負担です。
200万円の4分の3なので、補助額は150万円、自己負担は50万円です。
なるほど、分かりやすい。じゃあ上限200万円に届くのは、事業費がいくらのときですか?
事業費がおよそ267万円を超えると、補助額は上限の200万円に張り付きます。それ以上事業費が大きくても、補助は200万円までということです。
なるほど! 267万円あたりが一つのラインなんですね。覚えておきます。
ただ、これはあくまで補助率と上限から計算した目安です。実際にどの経費が対象になるかで金額は変わりますから、そこは公募要領と突き合わせてください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助上限額 | 200万円 |
| 補助率 | 4分の3 |
| 自己負担 | 事業費の4分の1 |
| 対象地域 | 全国 |
| 事業期間 | 2カ年以内 |
| 実施機関/事業名 | 脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業(SHIFT事業) |
全国が対象、というのもありがたい。地域を限定されないのは助かります。
そうですね。対象地域は全国です。地方の事業場でもチャレンジできます。
さっきから気になっていたんですけど、同じSHIFT事業の中の「省CO2型システムへの改修支援事業」とは何が違うんですか?
大きな違いは補助率と上限、そして対象となる取組です。省CO2型システムへの改修支援事業は補助率が3分の1、補助上限はCO2排出削減量に応じて1億円または5億円とされています。一方、DX型は補助率4分の3、上限200万円です。
そうなんです。大型の設備をガッと入れるなら省CO2型、データを使って運用を改善する小回りの効く取組ならDX型、という住み分けです。省CO2型は3カ年以内、DX型は2カ年以内という期間の違いもあります。
うちの規模だと、DX型のほうが現実的かも。身の丈に合ったほうを選べるのはいいですね。
SHIFT事業の2類型を比較| 項目 | DX型CO2削減対策実行支援事業 | 省CO2型システムへの改修支援事業 |
|---|
| 補助率 | 4分の3 | 3分の1 |
| 補助上限 | 200万円 | CO2排出削減量に応じて1億円または5億円 |
| 事業期間 | 2カ年以内 | 3カ年以内 |
| 主な対象 | DXシステムを用いた運用改善、運転管理データに基づく改修設計 | 電化・燃料転換・熱回収等による省CO2型システムへの改修 |
次は、うちでも出せるのかどうか。ここが知りたいです。
応募資格の中心は、中小企業基本法第2条に定義される中小企業者です。ただし、個人と個人事業主は除かれます。
はい。それ以外にも、独立行政法人、地方独立行政法人、国立大学法人・公立大学法人・学校法人、社会福祉法人、医療法人、特別法の規定に基づき設立された協同組合等、一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人、その他環境大臣の承認を得て協会が適当と認める者などが対象です。
そうですね。組合の場合は許可書の提出が必要とされています。あと、地方公共団体は、1から9のいずれかとの共同申請者であって、そのいずれかと建物を共同所有する場合に限り対象になります。
今、個人事業主は除くと聞いて、ちょっと気になったんですけど、どうしてここを最初に確認すべきなんですか?
応募資格の一番最初に出てくる条件なので、見落とすと全部が無駄になってしまうポイントなんです。中小企業基本法第2条の定義を満たしていても、個人と個人事業主は除かれる、と明記されています。
なるほど、つまり法人化していないと応募できない、という理解でいいですか?
応募資格の記載を読む限り、個人と個人事業主は対象外とされています。ただ、中小企業の細かい定義は公募要領を参照するようにとされていますので、公募要領で要確認です。法人であれば、まず中小企業基本法上の中小企業者に当たるかをチェックしてください。
これがかなり広いんです。漁業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、複合サービス事業、サービス業、分類不能の産業、農業・林業、鉱業・採石業・砂利採取業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉まで対象とされています。
そうなんです。従業員数の上限についても「従業員数の制約なし」とされています。業種と従業員数で門前払いされるケースは、あまり心配しなくてよさそうです。
それはありがたい! 「うちの業種は対象外かも」と諦める必要はなさそうですね。
あります。風俗営業等の規制及び適正化等に関する法律第2条に規定する「風俗営業」「性風俗関連特殊営業」「接客業務受託営業」を営む事業場は申請できません。また、旅館業法第3条第1項の許可を受けて旅館業を営む事業場であって、店舗型性風俗特殊営業を営む事業場も対象外です。
はい。あわせて、財務面と反社会的勢力の排除に関する条件もチェックが必要です。これは次の小見出しでまとめます。
ここも気になります。何に使えて、何に使えないのか。
制度の目的からすると、DXシステムを用いた設備運用改善による省CO2化、運転管理データに基づく効果的な改修設計などが対象になる、という枠組みです。使途としては設備整備・IT導入が想定されています。
なるほど、IT導入が含まれるのは助かりますね。センサーとか管理ソフトとか。
そうした取組が「モデル的な取組」として位置づけられています。機器を入れて終わりではなく、データをどう使ってCO2を減らすかが問われる、という点は忘れないでください。
具体的な経費の線引きは、提示されている情報では詳細まで示されていません。ですので、公募要領で要確認としてください。勝手な想像で「これは対象」と決めてしまうと、後の精算で困ることになります。
はい。判断に迷う経費は、質問票で執行団体に確認するのが確実です。「たぶん大丈夫」で進めるのが一番危ないですから。
さっきの財務面の条件、もう一度ちゃんと教えてください。
直近2期の決算において、連続の債務超過がないことです。貸借対照表の「純資産」が2期連続でマイナスだと対象外になります。加えて、適切な管理体制及び処理能力を有すること、そして暴力団排除に関する制約事項に同意できることが要件です。
純資産が2期連続マイナスだとアウト、と。ここも最初にチェックですね。
そうですね。決算書をすぐ取り出して確認できるようにしておくと、申請準備がスムーズになりますよ。
支援される取組と確認しておきたい点- DXシステムを用いた設備運用改善による即効性のある省CO2化
- 運転管理データに基づく効果的な改修設計
- 設備整備・IT導入
×デメリット
- 具体的な対象経費・対象外経費の線引きは公募要領で要確認
- 補助率4分の3でも自己負担分は生じる
- 個人・個人事業主は応募資格から除かれている
じゃあ実際にどう動けばいいのか。流れを教えてください。
申請までの流れ- 1
GビズIDを準備
jGrantsはログインして申請する形式。早めに取得
- 2
協会SHIFTサイトを確認
公募要領・各種様式をダウンロード
- 3
応募資格をセルフチェック
中小企業該当・債務超過なし・対象業種を確認
- 4
- 5
不明点を質問票で問い合わせ
協会の質問票を記入しshift@gaj.or.jpへ
- 6
jGrantsで電子申請
ログインして申請フォームを提出
最初にGビズIDってありますけど、これって何なんですか?
jGrantsのページには「ログインして申請する」と書かれています。補助金の電子申請にはGビズIDという共通の認証が必要になります。発行に日数がかかることがあるので、締切間際ではなく余裕を持って準備してください。
あ、これ毎回忘れがちなんですよ。焦って取りかかると間に合わないやつだ。
そうなんです。だから「GビズIDを準備」を一番最初に置きました。ここが遅れると他が全部後ろにずれます。締切だけは動かせませんから、そこが一番怖いところです。
jGrantsのページに「ログインして申請する」という導線があります。ログインして申請フォームに入力し、必要な書類を提出する流れです。詳細な操作方法や提出書類の一覧は公募要領と各種様式にまとまっていますので、そちらで確認してください。
協会SHIFTウェブサイトから質問票をダウンロードして、必要事項を記入のうえ、メールで送ります。宛先は一般社団法人温室効果ガス審査協会 事業運営センター 事業部、メールアドレスは
shift@gaj.or.jpです。質問票のダウンロード先も協会SHIFTウェブサイトです。
質問票、便利ですね。分からないまま突っ走らなくて済む!
はい。そして、jGrantsには「当サイトの代理申請 可」という記載もあります。申請の入口はjGrants、と覚えておけば大丈夫です。
ここが聞きたかった。通るためのコツみたいなものはあるんですか?
「モデル的な取組」って、どういうふうに伝えればいいんでしょうか。
制度の目的に戻るのが一番です。環境省は、工場・事業場における先導的な事例を創出して、その知見を広く公表し横展開を図ることを目的にしています。つまり「うちだけ良くなればいい」ではなく、他社にも展開できる知見になる取組かどうかが問われます。
なるほど。自社のコスト削減アピールだけだと弱い、ということか。
そうですね。DXシステムで何を測って、どう運用を変えて、どれだけCO2を減らすのか。ここをデータで説明できると強いです。運転管理データに基づく改修設計という言い方も、まさにデータが主役です。
その通りです。そして忘れてはいけないのが、審査の前に応募資格で足切りがあること。どんなに良い提案でも、資格条件を満たしていなければ土俵に上がれません。
具体的に、ここで落ちる、みたいな落とし穴はありますか?
まず財務です。直近2期の連続した債務超過がないこと。次に暴力団排除に関する制約事項への同意です。これは書類上で問題になりがちなので、先に確認しておきましょう。
知らずに応募して弾かれると、時間がもったいないですからね。
ほんとです。あと、風俗営業や店舗型性風俗特殊営業を営む旅館業の事業場が対象外であることも、業種を確認するときに一緒にチェックしておくと安心です。落とし穴というより「入口の確認事項」ですね。
日程を教えてください。ここを外すと元も子もないので。
jGrantsに掲載されている募集期間は、2026年9月11日から2026年10月15日までです。対象地域は全国です。
だいたい1か月ある、と。でも準備期間を考えると実質もっと短いですよね。
そうですね。GビズIDの準備や書類作成を考えると、9月11日を待ってから動き出しても厳しいかもしれません。早め早めが鉄則です。
えーっと、ひとつ気になることがあるんですけど……環境省の報道発表だと、令和8年度の公募期間が6月から8月になっているように見えたんですが。
よく気づきました。そこは重要です。jGrantsの掲載では2026年9月11日から10月15日、一方で環境省の報道発表では、令和8年度の公募実施期間が令和8年6月12日から8月26日正午まで、DX型の締切は令和8年8月26日正午と案内されています。
掲載元によって案内が異なるので、最終的には公募要領で要確認です。応募の前に、必ず最新の公募要領と協会SHIFT事業ウェブサイトで締切を確認してください。ここは自己判断しないほうがいいです。
分かりました。締切は最新情報を取りに行きます。危ない危ない。
日程は動くことがある、という前提で動くのが安全です。申し込み直前ではなく、余裕を持って問い合わせておくのがおすすめですよ。
公募スケジュール(jGrants掲載)2026-09-11
二次公募 募集開始
jGrants掲載の募集期間の開始日
2026-10-15
二次公募 締切
jGrants掲載の募集期間の終了日
要確認
最新の締切を確認
環境省報道発表では別日程が案内されているため公募要領で確認
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名(正式) | 【令和8年度】DX型CO2削減対策実行支援事業(二次公募) |
| 実施機関/事業名 | 脱炭素技術等による工場・事業場の省CO2化加速事業(SHIFT事業) |
| 補助上限額 | 200万円 |
| 補助率 | 4分の3 |
| 募集期間 | 2026年9月11日〜2026年10月15日 |
| 対象地域 | 全国 |
| 使途 | 設備整備・IT導入 |
| 対象業種 | 漁業/建設業/製造業/電気・ガス・熱供給・水道業/情報通信業/複合サービス事業/サービス業/農業・林業/鉱業・採石業・砂利採取業/運輸業・郵便業/卸売業・小売業/金融業・保険業/不動産業・物品賃貸業/学術研究・専門・技術サービス業/宿泊業・飲食サービス業/生活関連サービス業・娯楽業/教育・学習支援業/医療・福祉 など |
| 従業員数の上限 | 従業員数の制約なし |
| 公式URL | https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WfQ000003BrAXUA0 |
そうなんです。大企業向けの制度ではないですが、従業員数の縛りはないので、中小企業者であれば規模を気にせず検討できます。
業種も従業員数も広く開かれていて、本質的には「何をやるか」で勝負が決まる、と。
まさに。だからこそ、自分の取組がDXシステムを使った運用改善として説明できるか、そこを丁寧に組み立ててください。
さっき出た質問票ですけど、もう一度宛先を確認させてください。
はい。公募要領や各種様式のダウンロードも、同じ協会SHIFT事業ウェブサイトからできます。まずここを開くところから始めましょう。
併用の可否については、提示されている情報の中には記載がありません。制度の根拠法令や交付要綱に沿って判断されるものですので、公募要領で要確認としてください。
そうですね。気になる場合は、質問票で執行団体に直接確認するのが確実です。憶測で動いて後から返還、というのが一番痛いですから。
もし準備が間に合わなかったら、次のチャンスはあるんでしょうか?
これは「二次公募」と名前に入っていますから、一次公募があったことがうかがえます。ただ、次回の募集時期や有無についての記載は、提示されている情報にはありません。ですので、今回はこの募集期間に間に合わせる前提で動くのが安全です。
それが一番。GビズID、決算書、提案の骨子。この三つを先に手をつけておくと、締切が近づいても慌てませんよ。
今日はありがとうございました。最後に一言でお願いします!
DXシステムで運用を賢くしてCO2を減らす、補助率4分の3・上限200万円の支援です。個人と個人事業主は対象外、直近2期の連続した債務超過がないこと、そして締切日程は掲載元で差があるので公募要領で要確認。この3点を押さえて、早めにGビズIDを準備してください。
なるほど! 手厚い補助率と広い対象業種、そして「モデル性」がキーワード。今日から動きます。ありがとうございました!