室谷さん、今日は熊本県の事業者が使える「業務改善助成金」について教えてください。名前からして「賃金を上げるための補助金」ですよね?
その通りです。正式名称は【熊本】令和8年度中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)。長いので、ここでは「業務改善助成金」と呼びます。事業場内でいちばん低い賃金=事業場内最低賃金を50円以上引き上げて、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その費用の一部を助成する制度です。
賃上げと設備投資……条件が二段構えですね。しかも「費用の一部」ということは、全額は戻ってこない?
助成率は3/4〜4/5。つまり費用の75〜80%が助成されます。そして上限は600万円です。「おお!」と思うかもしれませんが、金額はコースと引き上げる労働者数で変わります。あとで表で確認しましょう。
そもそも、どうして「賃上げ」と「設備投資」がセットなんですか?
中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援しながら、賃上げの好循環をつくるのが狙いです。機械やITを導入して生産性を上げ、その利益で賃金も上げられるようにする。人件費だけ上げて終わり、ではなく、稼ぐ力ごと底上げしようという発想ですね。
なるほど。「設備投資と賃上げのセット」がこの助成金の肝なんですね。
はい。しかも申請は「工場A」「事務所B」のように、労働者がいる事業所ごとに行います。同じ会社でも事業所が違えば別々に申請できます。ただし、同一事業所で年度内に申請できるのは1回まで、という制約もあります。
業務改善助成金のポイント事業場内最低賃金を50円以上アップ
これが必須の賃上げ条件です
生産性向上の設備投資等とセット
機械設備の導入やコンサルティングなどが対象
助成率は3/4〜4/5
かかった費用の75〜80%を助成
事業所単位で申請
工場や事務所ごと。同一事業所は年度内1回まで
図にすると分かりやすい! ちなみに申請するのはどこになるんですか?
ここが大事なポイントです。この申請フォームは熊本労働局への申請フォームです。提出先を誤ると「棄却」処理をされて、正しい提出先へ出し直しになります。熊本県内に事業場があるなら熊本労働局、というイメージでいいですが、管轄は必ず事前に確認してくださいね。
申請先の間違いは痛すぎる……。ちゃんと確認します!
まず気になるのは金額です。上限600万円とのことですが、誰でも600万円もらえるわけではないんですよね?
もちろんです(笑)。上限はあくまで「最大値」。実際の支給額は、①助成対象経費に助成率を掛けた金額と、②コース別・人数別の助成上限額を比べて、安い方が支給されます。まずは助成率から見ていきましょう。
助成率は3/4〜4/5とありました。この差はどこで決まるんですか?
事業場内最低賃金の金額で決まります。事業場内最低賃金が1,050円未満の事業者は4/5。1,050円以上の事業者は3/4です。つまり、賃金水準が低い事業者ほど手厚い助成率になる仕組みです。
| 事業場内最低賃金 | 助成率 |
|---|
| 1,050円未満 | 4/5 |
| 1,050円以上 | 3/4 |
なるほど! 低賃金の事業所ほど率が高い。これは「最低賃金ぎりぎりで頑張っている会社を重点的に助ける」という意思を感じますね。
そう読み取れます。ただ、助成率だけでなく「どのコースで申請するか」も重要です。コースは50円コース・70円コース・90円コースの3種類。引き上げる金額が大きいほど、上限額も上がっていきます。
コースと人数で上限が変わる……。ここは数字で見ないと分からないですね。
公式リーフレットの数値をそのままお見せします。まず50円コースから。
50円コース(事業場内最低賃金を50円以上引き上げ)
| 引き上げる労働者数 | 事業場規模30人未満 | 右記以外 |
|---|
| 1人 | 40万円 | 30万円 |
| 2〜3人 | 70万円 | 40万円 |
| 4〜5人 | 70万円 | 70万円 |
| 6〜7人 | 90万円 | 90万円 |
| 8人以上 | 110万円 | 110万円 |
| 10人以上 | 130万円 | 130万円 |
なるほど、30人未満の事業者のほうが手厚い場合があるんですね。続いて70円コースは?
こちらです。50円コースよりグッと上限が上がります。
70円コース(事業場内最低賃金を70円以上引き上げ)
| 引き上げる労働者数 | 事業場規模30人未満 | 右記以外 |
|---|
| 1人 | 50万円 | 40万円 |
| 2〜3人 | 100万円 | 50万円 |
| 4〜5人 | 130万円 | 130万円 |
| 6〜7人 | 180万円 | 180万円 |
| 8人以上 | 230万円 | 230万円 |
| 10人以上 | 300万円 | 300万円 |
おお、1人でも50万円。2〜3人なら100万円まで行くんですね。では90円コースは……まさか600万円もある?
あります! 90円コースの10人以上で上限600万円です。
90円コース(事業場内最低賃金を90円以上引き上げ)
| 引き上げる労働者数 | 事業場規模30人未満 | 右記以外 |
|---|
| 1人 | 100万円 | 90万円 |
| 2〜3人 | 240万円 | 150万円 |
| 4〜5人 | 270万円 | 270万円 |
| 6〜7人 | 360万円 | 360万円 |
| 8人以上 | 450万円 | 450万円 |
| 10人以上 | 600万円 | 600万円 |
90円コースで10人以上なら600万円! これは大きいですね。でも待ってください。この「10人以上」の欄、何か注釈がありそうな気配が……。
鋭いですね。公式の説明では「10人以上の上限額区分は、特例事業者が、10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合に対象になります」とあります。特例事業者については後述しますが、ここは読み飛ばさないほうがいいです。
では、実際にいくら支給されるのか、計算例を見せてもらえますか?
公式リーフレットの例をお借りします。事業場内最低賃金が1,040円の事業場。この場合は助成率4/5です。8人の労働者を1,130円まで引き上げる=90円コースだと、助成上限額は450万円。
ここで設備投資などの費用が600万円かかったとします。600万円×4/5=480万円。でも90円コースの上限は450万円。480万円のほうが大きいので、実際に支給されるのは450万円です。
なるほど! 「費用×助成率」と「コースの上限」を比べて、安いほうがもらえる金額になるんですね。
その通りです。上限に達しなければ助成率で計算され、上限を超えたら上限額で頭打ち。この計算式は覚えておいてください。
逆に言うと、90円コースに挑戦して10人以上引き上げれば、上限600万円までチャンスがあるわけですね。
ただし、前提として引き上げる労働者の数え方にもルールがあります。事業場内最低賃金の労働者を引き上げて、その結果「賃金額が追い抜かれる労働者」がいる場合は、その人も引き上げる労働者に算入できます。いずれも申請コースと同額以上引き上げる必要があります。
次は対象者です。どんな会社なら申請できるんですか?
まず大前提として、中小企業・小規模事業者であること。そして大企業と密接な関係を有する企業=みなし大企業ではないことが条件です。さらに、事業場内最低賃金が令和8年度地域別最低賃金未満であること、解雇や賃金引き下げなどの不交付事由がないことも必要です。
うちは小さな会社ですけど、業種によっては対象外だったりしますか?
対象業種はとても多いですよ。農業、林業、漁業、鉱業、採石業、砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業、医療、福祉、複合サービス事業など、19の業種区分が並んでいます。
ずいぶんたくさんありますね。飲食店や美容室、学習塾みたいなところも入っていそうです。
はい。Jグランツの制度ページでは「従業員数の制約なし」と表示されています。とはいえ、中小企業・小規模事業者であることやみなし大企業でないことといった前提条件は必ずあります。詳しい判定は交付要綱で確認してください。
ここまで「事業場内最低賃金」という言葉が何度も出てきますが、要するに何ですか?
事業場で最も低い時間給のことです。毎年10月ごろに改定される地域別最低賃金は「都道府県単位の最低賃金」ですが、事業場内最低賃金は「あなたの会社の中でいちばん安い時給」というイメージ。この助成金では、雇入れ後6か月を経過した労働者の事業場内最低賃金を引き上げる必要があります。
地域別最低賃金と同じく、最低賃金法第4条及び最低賃金法施行規則第1条又は第2条の規定に基づいて算定されます。ここは素人が自己判断すると危ないので、管轄の労働局雇用環境・均等部(室)や賃金課室に相談するのが確実です。
いちばん安い人の時給を上げる、というのは分かりました。ほかにもルールはありますか?
引上げ後の事業場内最低賃金額と同額を、就業規則等に定める必要があります。さらに、引き上げる対象労働者は、週所定労働時間が20時間以上の雇用保険加入者です。複数回に分けての引上げは認められないので、計画的に進めましょう。
さっき「特例事業者」という言葉が出ました。普通の事業者と何が違うんですか?
特例事業者になると、助成上限額の拡大が受けられます。さらに「物価高騰等要件」に該当する場合は、助成対象経費の拡大も受けられます。特例には2つのパターンがあります。
特例事業者の2つのパターン- 申請事業場の事業場内最低賃金が1,050円未満
- 助成上限額の拡大が受けられる
- 原材料費の高騰など外的要因で利益率が3%ポイント以上低下
- 上限額の拡大に加え、助成対象経費の拡大も受けられる
アは「事業場内最低賃金1,050円未満」ですね。これは先ほどの助成率4/5の条件と同じようなラインです。で、イは「利益率が前年度より3%ポイント以上下がっている」と。
そうです。原材料費の高騰など社会的・経済的環境の変化といった外的要因により、申請前6か月間平均における利益率が前年度と比べて3%ポイント以上低下している事業者が対象です。このイに該当する事業者は、パソコン等の新規導入が認められる場合があります。パソコンは通常、助成対象外なので、ここは大きい違いです。
うちは原材料高の影響をもろに受けている……という会社は、証明書類をそろえて特例を狙う価値がありそうですね。
はい。ただ「%ポイント」の計算は慣れていないと間違いやすい。経理担当者と一緒に、申請前6か月平均と前年度をしっかり突き合わせてください。
では、具体的にどんな設備を買えば助成対象になるんですか?
基本は「生産性向上に資する設備投資等」です。公式リーフレットに載っている例を紹介すると、POSレジシステム導入による在庫管理の短縮、リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮——こういった「業務の効率が上がる投資」が典型例ですね。
設備投資以外もありますよ。国家資格者による、顧客回転率の向上を目的とした業務フロー見直しの経営コンサルティング。あとは顧客管理情報のシステム化なども挙げられています。設備・機器だけでなく、コンサルやシステム導入も対象になり得るんですね。
コンサルティングまで対象なのは意外です。生産性向上につながる「投資」全般を見てくれるイメージですね。
そうですね。ただし経費区分が決まっていますので、「これは対象になるのかな?」と思ったら、交付要綱やQ&Aで確認するのが鉄則です。
まず、交付決定前に導入した設備は助成の対象になりません。これは絶対に覚えておいてください。「申請が通る前に機械を発注しちゃった」では、せっかくの投資が対象外になりますから。
うわ、それは怖い。申請が通ってから買わないといけないんですね。
もう一つ、一般事業者の場合はパソコン、スマホ、タブレット等の端末と周辺機器も対象外です。ただし特例事業者のうち物価高騰等要件に該当する場合は、新規導入に限って対象になります。このあたりは経費の線引きで迷いやすいので、図にまとめました。
助成対象になるもの・なりにくいもの- POSレジシステム導入による在庫管理の短縮
- リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮
- 国家資格者による業務フロー見直しのコンサルティング
- 顧客管理情報のシステム化
×デメリット
- 交付決定前に導入した設備
- 一般事業者によるパソコン・スマホ・タブレット等の新規導入
- 生産性向上に資するとは認められない投資
表にするとパッと見で分かりますね。でも、そもそも「生産性向上に資するか」の判断は誰がするんですか?
申請の審査や助成金の支払は、事業場所在地を管轄する都道府県労働局が実施します。審査の過程で問い合わせがある場合もあります。つまり「自分でこれは生産性向上だ!」と決めつけず、客観的に説明できる計画を立てることが大事です。
では、実際の流れを教えてください。まず締切がいつなのか、ここが命ですよね。
注意深く見る必要があります。Jグランツの制度ページでは募集期間が2026年8月31日〜2028年3月31日と表示されています。一方、公式の案内では申請期間は「令和8年9月1日から、申請事業場の都道府県において適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日」とされています。
えっ、待ってください。ポータル表示と公式案内で期間が違って見える……。これはどう理解すればいいんですか?
ここは公募要領で要確認、としか言えません。ただ、確実に言えるのは、受付開始は令和8年9月1日だということ。そして地域別最低賃金は通常10月ごろに発効するので、実質的な申請期限は「発効日の前日か11月30日のどちらか早い方」になります。のんびり構えていると終わってしまう可能性が高いです。
申請期間は短め、と。じゃあ事業をやる期間はどのくらいあるんですか?
賃金引上げ期間は令和8年9月1日から、申請事業所の都道府県において適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日まで。そして事業完了期限は交付決定年度の1月31日です。
つまり、賃上げの実施は秋ごろまでに済ませて、設備投資などの事業は年明け1月31日までに完了させる、というイメージですね。
その通り。ここで注意したいのが「地域別最低賃金の発効日の前日までに引き上げていないと対象外になる」ケースです。例えば10月1日に新しい地域別最低賃金が発効される場合、発効日の前日=9月30日までに事業場内最低賃金の引上げを完了させなければいけません。10月1日当日に実施しても対象外です。
うわ、1日ズレただけで台無しになるところだった……。カレンダーに大きく書いておきます!
業務改善助成金の主なスケジュール令和8年4月22日
交付要綱・要領を公開
コールセンターも開設。書類の準備はここから
令和8年9月1日
申請受付開始
賃金引上げ期間もこの日からスタート
〜11月30日
申請期限
地域別最低賃金の発効日の前日が早ければそちらが優先
交付決定年度の1月31日
事業完了期限
設備投資などを計画どおり完了させる
申請はどうやってやるんですか? 書類を役所に持っていくタイプですか?
電子申請です。Jグランツという政府の補助金ポータルから申請します。まずGビズIDアカウントを用意して、ログインできる状態にしておきましょう。GビズIDは事前に取得が必要なので、ここは早めの準備がおすすめです。
GビズID、まだ持っていない会社もあると思いますが、どうすればいいですか?
厚生労働省ウェブサイトに交付要綱・交付要領や申請マニュアル、Q&A、申請書の作成に便利なお役立ちツールが掲載されています。まずはこれを熟読してください。申請フォームに必要事項を記入し、作成した交付申請書・添付書類を申請フォームの「申請書類」欄にアップロードする流れです。
業務改善助成金の申請フロー- 1
GビズIDを用意
電子申請にはGビズIDアカウントが必須。事前にログイン確認を
- 2
公募要領・マニュアルを熟読
厚労省サイトで交付要綱・申請マニュアル・Q&Aを確認
- 3
賃上げ計画と設備投資計画を設計
事業場内最低賃金を50円以上引き上げる計画を策定
- 4
交付申請書と添付書類を作成
様式に漏れがないか、チェックリストで確認
- 5
申請フォームにアップロードして送信
提出先が熊本労働局であることを確認して申請
- 6
交付決定後に事業を実施
決定前に設備を導入すると対象外。完了後に結果報告
申請フォームに入力して、書類をアップロードして、ポチッと送信——という流れですね。ここでいちばん気をつけることは?
公式が明言していますが、交付申請の際に書類の添付漏れや記載ミス等が多く見受けられるそうです。申請ボタンをクリックする前に、今一度確認してくださいと注意喚起されています。さらに、申請後に書類の修正や添付漏れが分かった場合は、申請を行った都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に連絡が必要です。
あわてて申請して、書類が足りませんでした、が一番多い失敗パターンなんですね。
ええ。提出先が熊本労働局で正しいかも要確認です。「誤った提出先に申請を行った場合は、当該申請先の労働局において棄却処理を行います」とありますから、申請期間内に正しい提出先へ出し直す必要があります。
申請が通って交付決定が下りたら、あとは設備を買って報告すれば終わりですか?
そこも注意点があります。現在、取得財産の処分に係る事前承認手続きなど、一部の手続きは電子申請ができません。これらの手続きは都道府県労働局に対し直接行うことになっています。また、審査や支払は事業場所在地を管轄する都道府県労働局が実施するため、書類について問い合わせが来ることもあります。
なるほど。「申請して終わり」ではなく、事業完了までがセットなんですね。
そうですね。交付決定後に計画どおり事業を進め、事業の結果を報告することで、設備投資等にかかった費用の一部が助成金として支給されます。つまり後払い方式です。資金繰りの計画も忘れずに。
せっかく申請するなら、ちゃんと通したいです。審査で見られるポイントを教えてください。
まず何より「事業場内最低賃金を50円以上引き上げる」という賃上げ計画が確実に実行できること。そして「生産性向上に資する設備投資等」であることを、書類で具体的に説明できることです。機械を入れれば終わり、ではなく、その投資で業務がどう変わり、賃上げを持続できるのか——そこが問われます。
同じ条件でも、書類の書き方で結果が変わったりしますか?
公式が「添付漏れや記載ミスが多く見受けられる」とあえて注意喚起している時点で、書類の正確さがいかに大事か分かりますよね。審査の前に「書類が完全かどうか」でふるいにかけられると思ったほうがいいです。
確かに。せっかく事業計画が良くても、記載ミスでストップしたら元も子もない。
あと、申請期間内に募集を終了する場合があります。「予算の範囲内で交付する」と明記されているので、ギリギリまでため込まず、早めに提出するのが賢い戦略です。
不正受給です。故意に申請書に事実と異なる記載をした場合や、添付書類の偽造などにより偽りその他不正の行為で申請をした場合は、不正受給額の返還に加え、加算金を支払う義務を負う場合があります。刑事事件として告発される場合もあると明記されています。
それは怖い……。うっかりミスならまだしも、わざとやったら重いペナルティですね。
もう1点、注意喚起があります。厚生労働省から委託を受けたと装って、助成金の活用を勧誘する事業者が存在するという情報が寄せられているそうです。厚生労働省や労働局が、特定の事業者に助成金の勧誘を委託することはありません。手数料や報酬を目的に、本来受けることができない助成金の申請を提案している可能性があるので、十分注意してください。
それは心に留めておきます。相談は公式のコールセンターか熊本労働局に限る、と。
過去にこの業務改善助成金を使ったことがある会社は、もう使えないんですか?
いいえ、過去に業務改善助成金を活用した事業者も助成対象となります。ただし、同一事業所の申請は年度内1回までです。毎年コツコツ設備投資をしながら賃上げを積み重ねてきた会社でも、またチャンスがある——これは大きいですよね。
それは心強い! 一度使ったら終わり、ではないんですね。
はい。ただし、交付要綱・要領は毎年度内容が変わることがあります。「過去に通ったから今回も同じ」とは思わず、必ず最新の要綱で確認してください。
ここからは、よくある質問をまとめて解決していきたいと思います。
いいですね。私が実際に受けそうな質問を先回りして答えていきますね。
まず「上限600万円って本当に全額もらえるの?」という質問。
90円コースで10人以上を引き上げる場合の上限が600万円です。ただし、特例事業者が10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合に対象になる、という注記があります。助成率は事業場内最低賃金が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4です。
「うちは社員が3人だけど申請していいの?」という質問も来そうです。
中小企業・小規模事業者であれば対象です。Jグランツ上では従業員数の制約なしと表示されています。むしろ事業場規模30人未満の区分は上限が手厚く設定されているケースもあります。大事なのはみなし大企業ではないことと、事業場内最低賃金が令和8年度地域別最低賃金未満であることです。
「パソコンを買いたいんだけど対象になる?」という質問は多そうです。
一般事業者は対象外です。ただし、特例事業者のうち物価高騰等要件に該当する場合は、パソコン等の新規導入に限って対象になります。この線引きはしっかり確認してください。
「申請すれば必ずもらえるの?」という質問にはどう答えますか?
予算の範囲内で交付するため、申請期間内に募集を終了する場合があります。つまり先着順ではないにせよ、予算が尽きれば終了です。提出書類を整えて、早めに動くのが確実な方法です。
事業場内最低賃金を50円以上引き上げて、生産性向上に資する設備投資等を行った中小企業に、その費用の一部を助成する制度。助成率は3/4〜4/5、上限は600万円。熊本県の事業場は熊本労働局が申請先です。申請受付は令和8年9月1日から始まります。
申請期間が地域別最低賃金の発効日や11月30日とリンクしている点が、ほかの補助金と違って独特ですね。
そこがこの助成金の一番の注意ポイントです。Jグランツのポータル表示と公式案内で期間の見え方が違うので、「どっちが正しいんだ?」と混乱する前に、必ず厚生労働省サイトの交付要綱・要領を確認してください。コールセンターに聞くのも確実です。
こちらです。申請前に必ず確認したい情報をまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 【熊本】令和8年度中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金) |
| 実施機関/事業名 | 業務改善助成金 |
| 対象地域 | 熊本県(申請先は熊本労働局) |
| 補助金額 | 上限600万円 |
| 助成率 | 3/4〜4/5 |
| 募集期間(Jグランツ表示) | 2026年8月31日〜2028年3月31日 |
| 申請期間(公式案内) | 令和8年9月1日〜地域別最低賃金の発効日の前日または同年11月30日のいずれか早い日 |
| 利用目的 | 設備整備・IT導入 |
| 対象業種 | 農業、林業/漁業/鉱業、採石業、砂利採取業/建設業/製造業/電気・ガス・熱供給・水道業/情報通信業/運輸業、郵便業/卸売業、小売業/金融業、保険業/不動産業、物品賃貸業/学術研究、専門・技術サービス業/宿泊業、飲食サービス業/生活関連サービス業、娯楽業/教育、学習支援業/医療、福祉/複合サービス事業/サービス業(他に分類されないもの)/分類不能の産業 |
| 公式URL | https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDe6YMAT |
| 問い合わせ先 | 業務改善助成金コールセンター 0120-366-440(平日9時〜17時) |
ありがとうございます! 問い合わせ先と公式URLは本当に大事なので、表に残しておくと助かります。
あと、申請窓口について1点補足です。紙媒体での申請を希望する場合や、個別事案についての問い合わせは、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)が対応します。電子申請はJグランツから。まずは厚生労働省のサイトで交付要綱・申請マニュアル・Q&Aを読むことから始めてくださいね。
分かりました! 賃上げを検討している熊本県の事業者の皆さん、まずは公式情報をチェックして、計画を早めに立てましょう!
最後の最後に、記事を読んだ人が最初にやるべきアクションは何ですか?
厚生労働省ウェブサイトに掲載されている交付要綱・交付要領と申請マニュアルを読むこと。そして不明点があれば業務改善助成金コールセンター、電話番号は0120-366-440、受付時間は平日9時から17時までです。Jグランツの「この補助金に問い合わせる」機能には対応していない点も注意してください。
問い合わせ方法まで明確にしてくださり、ありがとうございました! 賃上げと設備投資をセットで考える、この制度の考え方は面白いですね。
ぜひ「従業員の給料を上げたいけど、うちに払える余裕があるかな……」と悩んでいる事業者の方にこそ、知ってほしい制度です。補助金を使って設備を整え、生産性を上げて、賃上げにつなげる——その第一歩を、熊本労働局への申請から始めてみてください!