そもそもどんな補助金?海運業のCO2削減を後押し!

佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、今回のテーマは「ゼロエミッション船等の導入支援事業」ですよね。名前からしてインパクトありますけど、いったい何をする補助金なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

簡単に言うと、水素やアンモニア、メタノール、電気(バッテリー)を推進エネルギー源とする船に必要なエンジンや燃料タンク、燃料供給システムといった装置の導入を支援する補助金です!
佐藤

佐藤

編集長

おお、つまり従来の重油で走る船じゃなくて、CO2を出さない船を作ろう!っていう流れのやつですね。
室谷

室谷

代表取締役

その通りです。正式名称は「脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金(ゼロエミッション船等の導入支援事業)」。国土交通省が環境省と連携して令和8年度から公募を開始した新しい事業です。
佐藤

佐藤

編集長

新しい事業なんですね。予算はどのくらい確保されてるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

予算額は151億円です。ただし、初年度は12億円とされています。
佐藤

佐藤

編集長

151億円って大きいですね!でも初年度は12億円か……。やっぱり予算には限りがあるから早めの申請が大事そうだな。
室谷

室谷

代表取締役

まさにそこがポイントでして。募集期間は令和8年8月24日(月)から令和8年12月3日(木)正午までですから、検討するなら早めに動きたいところです。

この事業のゴールは「世界に先駆けたゼロエミッション船の需要創出」

佐藤

佐藤

編集長

なぜこのタイミングで船の補助金が出るんですか?背景をもう少し聞きたいです。
室谷

室谷

代表取締役

目的は、我が国海運業におけるCO2排出削減と、世界に先駆けたゼロエミッション船等の需要創出です。さらに産業競争力強化・経済成長も見据えているんですね。
佐藤

佐藤

編集長

つまり、国内でゼロエミッション船を実際に作り始めることで、技術を磨いて世界市場でも勝てるようにする、と。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。補助金で導入を後押しして市場を生み出し、その技術を世界に広げていく。環境対策でありながら、産業政策の側面も強い事業です。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。環境省のエネ特ポータルでも紹介されていましたよね?私、ちょっと拝見したんですが、「ゼロエミッション船等の建造促進事業」っていう似た名前の事業もあるみたいで。
室谷

室谷

代表取締役

ああ、それは令和7年度補正予算の事業で、建造に必要となる生産設備の整備を支援するものとして紹介されていますね。今回解説している「導入支援事業」は、あくまでゼロエミッション船等に必要な装置の導入に焦点を当てた事業です。目的が少し違うので、混同しないように気をつけてください。
佐藤

佐藤

編集長

補助金って似た名前が多いから混乱しますよね。室谷さんに詳しく聞いてよかった!

いくらもらえる?補助額と補助率を徹底チェック!

佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、本題の「お金」の話を聞かせてください!補助額はどれくらいなんですか?
室谷

室谷

代表取締役

ここ、ちゃんと整理して聞いてくださいね。実は補助率が推進エネルギー源の種類によって違うんです。まず、水素またはアンモニアを推進エネルギー源とする船舶に必要な装置の導入、そして電気推進のうちハイブリッドを除くものについては、補助率1/2以内です。
佐藤

佐藤

編集長

水素とアンモニアは1/2か。つまり半分は国が持ってくれるんですね!
室谷

室谷

代表取締役

はい。次にメタノールを推進エネルギー源とする船舶、あと電気推進でもハイブリッド型に限る場合は補助率1/3以内になります。
佐藤

佐藤

編集長

えっ、メタノールと電気ハイブリッドは1/3なんですか?水素やアンモニアより低いんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです。技術の成熟度や普及段階を考慮して率が設定されていると読み取れますが、あくまで私の推測です。とにかく、この差は重要なので覚えておいてください。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。じゃあ、水素船を造るほうが補助金の取り分が大きくなる可能性があるってことか。

グリーン鉄を使うと定額補助もある?

室谷

室谷

代表取締役

そして、もうひとつ特殊な補助があります。ゼロエミッション船等の建造において、GX推進のためのグリーン鉄を船体構造等に導入する事業です。
佐藤

佐藤

編集長

グリーン鉄?船に鉄を使うのは当たり前ですけど、それがどう関係するんですか?
室谷

室谷

代表取締役

グリーン鉄とは、製造過程でのCO2排出を抑えた鉄鋼材料のことです。このグリーン鉄を船体構造等に導入する場合、使用量(トン)に6万円を乗じた額に、補助率1/2を掛けて算出します。
佐藤

佐藤

編集長

ん?ちょっと待ってください。定額と聞いたのに、また補助率が出てきましたよ(笑)。
室谷

室谷

代表取締役

正確には、補助率を乗じて得た額を定額で交付する、という考え方です。さらに、GX推進のためのグリーン鉄に係るGX率先実行宣言を行った者は、補助率が2/3に引き上げられます!
佐藤

佐藤

編集長

おお、宣言すれば率がアップする!これは見逃せないポイントですね。
室谷

室谷

代表取締役

ただし注意点があります。グリーン鉄の導入補助は、関連舶用機器等の導入事業と同時に実施する場合に限るとされています。つまり、グリーン鉄だけ単独で補助対象にするわけではないんです。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。あくまでゼロエミッション船を造る際の付け足し的な位置づけなんですね。
ゼロエミッション船等の導入支援事業の3タイプ
水素・アンモニア船
補助率1/2以内。エンジンや燃料タンク、燃料供給システム等の関連舶用機器の導入が対象。
メタノール・電気ハイブリッド船
補助率1/3以内。メタノール船と電気推進のうちハイブリッド型が対象。
グリーン鉄導入
使用量t×6万円×補助率(1/2、GX率先実行宣言者は2/3)。ただし関連舶用機器等の導入と同時実施が条件。

補助率のまとめ表で確認しよう

佐藤

佐藤

編集長

頭がこんがらがってきたので、表でまとめてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

いいですよ。それが一番わかりやすいと思います。
佐藤

佐藤

編集長

ありがとうございます!これを見れば申請のときに迷わないですね。
対象事業推進エネルギー源補助率
関連舶用機器等の導入水素、アンモニア、電気(ハイブリッドを除く)1/2以内
関連舶用機器等の導入メタノール、電気(ハイブリッドに限る)1/3以内
グリーン鉄の船体構造等への導入使用量1トン×6万円×補助率1/2定額(GX率先実行宣言者は2/3)
室谷

室谷

代表取締役

加えて、補助金額の上限は公式の補助金サマリーでは「—」とされており、具体的な上限額は示されていません。ですから、上限額が気になる場合は公募要領で要確認ですね。
佐藤

佐藤

編集長

上限額が明記されてないんだ……。事業計画書と相談しながら、どれだけの規模で申請するか決める必要がありそうですね。

誰が申請できる?対象者と対象事業を整理!

佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、次は申請資格ですね。どんな事業者が対象になるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

対象業種は運輸業、郵便業です。もう少し噛み砕くと、海運業に関わる民間企業がメインになると考えられます。
佐藤

佐藤

編集長

運輸業、郵便業っていうと、船を動かす会社だけでなく、内航・外航の海運会社すべてが対象になり得るってことですね。
室谷

室谷

代表取締役

はい。正式な補助対象事業者の定義は「民間企業等(公募要領等で定める条件を満たす者)」とされています。また、地理的条件は全国の事業者が対象です。
佐藤

佐藤

編集長

全国対応なのはありがたいですね。東京に本社がなくても大丈夫そうだ。
室谷

室谷

代表取締役

従業員数の制約もありません。これは大きいポイントです。
佐藤

佐藤

編集長

えっ、そうなんですか?「中小企業向け」みたいな縛りがないってこと?
室谷

室谷

代表取締役

その通りです。jGrants上の情報では「従業員数の制約なし」とされています。大手海運会社でも、中堅・中小の内航船主でも、条件を満たせば申請を検討できるわけです。

そもそも「ゼロエミッション船等」ってどんな船?

佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、肝心の「ゼロエミッション船等」の定義をもう少し詳しく教えてください。電気推進といっても、全部が対象なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

ここがこの補助金の肝ですね。対象になるのは、以下のエネルギーを推進エネルギー源とする船舶です。すなわち、水素アンモニアメタノール、そして**電力(バッテリー)**です。
佐藤

佐藤

編集長

LNGとかは対象外ですか?
室谷

室谷

代表取締役

この4つのエネルギー源しか明記されていません。ですから、少なくともLNGは対象外と読み取れます。
佐藤

佐藤

編集長

ふむふむ。それで、電気推進にも「ハイブリッド」と「ハイブリッド以外」で補助率が変わるんでしたよね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。補助率のところで説明した通りです。電気推進でも、ハイブリッド型は1/3以内、ハイブリッドを除く純電気推進は1/2以内です。
佐藤

佐藤

編集長

電気だけで動く船の方が、より“ゼロエミッション”に近いから率が高い、ってイメージで合ってますかね?
室谷

室谷

代表取締役

そう考えておくのが自然だと思います。ただし、実際にどういう船がこの区分に該当するかは、公募要領で丁寧に確認してください。ここは自己判断が危険なエリアです。

関連舶用機器等の「新規導入」が条件?

佐藤

佐藤

編集長

あと、「必要な装置」っていうけど、具体的に何が対象になるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

公式の制度詳細には、**エンジン、燃料タンク、燃料供給システム等(関連舶用機器等)**とあります。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。船をゼロエミッション対応にするために必要な機器一式ってイメージですね。
室谷

室谷

代表取締役

ここで重要なのは、ゼロエミッション船等の建造において、水素、アンモニア、メタノール及び電力を推進エネルギー源とさせるために必要となる関連舶用機器等を新規導入する事業でなければならない、という点です。
佐藤

佐藤

編集長

新規導入ね。中古の機器を載せるのはダメ、と。
室谷

室谷

代表取締役

そう読み取れます。また、単に機器を買うだけではなく、船の建造とセットで導入する事業であることが前提になっています。補助金の名前が「導入支援」でも、その先の建造まで見据えた事業なんですね。
対象になる?ならない?簡易フローチャート
ゼロエミッション船等の建造を計画している?
はい
関連舶用機器等を新規導入する?
→ 水素・アンモニアor電気(ハイブリッド除く)なら補助率1/2
→ メタノールor電気(ハイブリッド)なら補助率1/3
グリーン鉄導入は関連機器導入と同時なら対象
いいえ
本制度の対象外
他の支援制度を検討

どうやって申請する?流れとスケジュールを解説!

佐藤

佐藤

編集長

申請の流れを教えてください。やっぱり書類が大変なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

まず全体のスケジュールから見ておきましょう。事業期間は令和8年8月24日から令和13年1月31日までです。
佐藤

佐藤

編集長

長い!つまり、令和13年までに船を完成させればいいってことですね。
室谷

室谷

代表取締役

はい。ただし、応募受付期間は令和8年8月24日(月)から令和8年12月3日(木)正午までです。ここを外すと一切受付してもらえません。
佐藤

佐藤

編集長

締切は12月3日正午。仕事が立て込む時期だから要注意ですね。
室谷

室谷

代表取締役

その通りです。しかも、この期間内に補助金申請システム「jGrants」から申請を実施し、完了させる必要があります。

まずは申請者登録からスタート

佐藤

佐藤

編集長

jGrantsというのは、デジタル庁が運営している補助金の申請システムですよね。
室谷

室谷

代表取締役

はい。応募に際しては、まず申請者登録を行います。申請者登録HP(https://pizes.jstra.jp/contact/)で登録すると、担当者に申請者ID番号や申請用メールアドレス、ファイルアップロード用のBOX URLが送られてきます。
佐藤

佐藤

編集長

BOXっていうのはクラウドストレージの名前なんですよね?公式ページに書いてありました。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。「BOXは、ゼロエミッション船等の導入支援事業で使用しているクラウドストレージの名称です」と明記されています。
佐藤

佐藤

編集長

普通のメール添付じゃなくて、BOXにファイルをアップする形式なんですね。
室谷

室谷

代表取締役

大きい設計図面や資料を扱う可能性がありますから、そういう運用なんでしょう。

事前着手届と申請フォームの入力

佐藤

佐藤

編集長

その他に何か手順はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

必要に応じて、事前着手届を提出します。これは、補助金の交付決定前に工事等に着手する場合に必要な手続きです。
佐藤

佐藤

編集長

ああ、補助金って本来は交付決定前に発注しちゃいけないですもんね。けど、船の建造は長いから、そのまま待ってられないケースもあると。
佐藤

佐藤

編集長

事前着手届を出せば、早期に発注まで進められるわけですね。これは長期プロジェクトには必須の手続きかも。
室谷

室谷

代表取締役

そして、申請フォームの入力と公募申請書類のアップロード、最後に「申請する」ボタンを押して確定です。これで申請完了となります。
佐藤

佐藤

編集長

結構シンプル?いや、書類を揃えるのが大変なんですよね、きっと(笑)。
室谷

室谷

代表取締役

まあ、そういうことです(笑)。ただ、申請者登録から申請完了までの導線自体は明確に設計されているので、迷わず進められると思います。
ゼロエミッション船等の導入支援事業 申請フロー
  1. 1
    申請者登録
    pizes.jstra.jp/contact/ で登録し、ID・メールアドレス・BOX URLを取得
  2. 2
    事前着手届(必要な場合のみ)
    公募要領を確認し、pizes.jstra.jp/preorder/ から手続き
  3. 3
    申請フォームへ移動
    jGrantsの該当ページ下の「申請する」ボタンをクリック
  4. 4
    入力・書類アップロード
    BOXに申請書類をアップロードし、フォームの必要箇所を入力
  5. 5
    申請確定
    申請するボタンを押して完了。令和8年12月3日正午まで

問い合わせ先は日本船舶技術研究協会

佐藤

佐藤

編集長

万が一、書類の書き方で詰まったらどこに聞けばいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

問い合わせ先は、一般財団法人日本船舶技術研究協会のゼロエミッション船等の導入支援事業事務局です。メールはpizes_info(at)pizes.jstra.jp、(at)を@に変えて送ります。
佐藤

佐藤

編集長

電話もできますか?
室谷

室谷

代表取締役

できます。TEL:03-5114-8943です。受付時間は9:00~12:00、13:00~16:30。土日祝日と年末年始は休みです。ただ、公式ページにも「できるだけメールでお願いします」とあるので、まずはメールで問い合わせるのが良さそうです。
佐藤

佐藤

編集長

メールのほうが、書類の該当箇所を一緒に確認してもらえるから確かに便利ですよね。

審査では何が見られる?攻略のポイント!

佐藤

佐藤

編集長

そろそろ気になるのが審査です。予算151億円とはいえ、初年度は12億円ですから、倍率はそれなりに高そうじゃないですか?
室谷

室谷

代表取締役

はい。ですから、審査で何を評価されるのかを意識して申請書を作ることが重要です。ただし、具体的な採択基準や評価項目は公式の公募要領に記載されているので、まずはそれを熟読するのが大前提です。
佐藤

佐藤

編集長

公募要領が全ての基準になるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

その通りです。その上で、私がこの事業の趣旨から読み取れる攻略のポイントをお伝えします。第一に、CO2排出削減への貢献度です。この事業は市場導入促進とCO2排出削減を目的にしていますから、計画のCO2削減効果がどれだけ見込めるかは非常に重視されるはずです。
佐藤

佐藤

編集長

どれだけ排出量が減るか、数字で示せってことですね。
室谷

室谷

代表取締役

第二に、ゼロエミッション船等の需要創出・普及への波及効果です。単に1隻造るだけでなく、その技術やノウハウが他の事業者にも広がりそうか、日本の海運業全体の底上げにつながるか、といった視点も見られるでしょう。
佐藤

佐藤

編集長

「世界に先駆けて」って文言がありましたもんね。日本の旗艦プロジェクトになり得るかどうかが問われてる感じがします。

事業計画は具体性が命!

室谷

室谷

代表取締役

そして第三に、事業計画の実現性です。関連舶用機器等の導入は、単なる機器購入ではありません。船の建造と一体で進む大がかりなプロジェクトですから、工程管理やリスク対応まで具体的に書かれている必要があります。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。「いつまでに何を発注して、いつ就航させる」というロードマップが明確かどうかですね。
室谷

室谷

代表取締役

はい。加えて、補助事業で実施する範囲と、自己資金で実施する範囲の整理も重要です。補助率が1/2や1/3ですから、残りは自社負担です。その資金計画がしっかりしていないと、事業の実現性が疑われてしまいます。
佐藤

佐藤

編集長

確かに。国としては「この会社なら確実に船を造り切るだろう」と思える相手にお金を預けたいですもんね。

申請書類は「執拗な」作成が求められる?

佐藤

佐藤

編集長

あのー、公式の応募方法に気になる言葉があったんですけど。「執拗な申請書類を作成の上」って書いてあったんですよ。執拗って(笑)。
室谷

室谷

代表取締役

ははは、気づきましたか(笑)。これはおそらく「丁寧に」「詳細に」という意味の誤変換か入力ミスだと思うんですが、公式の記載はまさに「執拗な申請書類を作成の上」なんですよね。
佐藤

佐藤

編集長

そっか……。でも、ある意味で言い得て妙かも。審査を通すには、しつこいくらい丁寧に書類を作らないといけないわけですから。
室谷

室谷

代表取締役

本当にその通りですよね。「執拗」って言葉に思わず笑ってしまいましたけど、申請書類は細部まで詰めるのが大事です。
佐藤

佐藤

編集長

このエピソード、記事を読んでいる事業者さんにも伝わりますね。「公式もこんなこと言ってるんだ」って、親しみが湧くというか(笑)。

対象になる経費と、ならない経費は?

佐藤

佐藤

編集長

補助金で一番トラブルになるのが経費の線引きですよね。対象になる経費と、ならない経費を教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

まず対象になるのは、ゼロエミッション船等に必要な装置である**エンジン、燃料タンク、燃料供給システム等(関連舶用機器等)**の導入に係る経費です。
佐藤

佐藤

編集長

具体的には、装置の購入費や設置工事費などが該当しそうですね。
室谷

室谷

代表取締役

はい。ただし、ここで注意してほしいのは、あくまで「新規導入」に係る事業であることです。改造や修理ではなく、ゼロエミッション化のために必要な機器を新たに載せる経費が対象になります。
佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、中古のエンジンを載せる場合は対象外?
室谷

室谷

代表取締役

それは公募要領で確認してください。「新規導入」という表現からすると、中古品が対象になるかは疑義が生じるポイントです。ここは自己判断せず、事務局に確認するのが安全です。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。あと、グリーン鉄の経費はどう考えればいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

グリーン鉄を船体構造等に導入する事業は、関連舶用機器等の導入と同時に実施する場合に限って補助対象になります。前述の通り、使用量(トン)×6万円×補助率(1/2、GX率先実行宣言者は2/3)という計算式で補助額が決まります。
佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、グリーン鉄だけ使って補助金をもらおう、はできないんですね。
室谷

室谷

代表取締役

できない、というか対象外になります。必ず関連舶用機器等の導入とセットで行ってください。

補助対象外になりやすいもの

佐藤

佐藤

編集長

逆に、これは対象にならないんじゃないか、というものはありますか?
室谷

室谷

代表取締役

明確に「これは対象外」と公式情報に書かれているものは、現時点で私が拝見した範囲ではありません。ただ、一般的な補助金の考え方として、事務費や人件費、建物の改修費などは対象外になるケースが多いです。
佐藤

佐藤

編集長

うーん、でも「一般的には」って、この記事では書かない方がいいんでしたっけ?
室谷

室谷

代表取締役

あ!そうでした、すみません(笑)。この記事では、提示された事実だけを使って解説するルールでした。ですから、「○○費は対象外です」と明確に言えるのは、公式情報に記載があるものだけです。
佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、ここは「公募要領で要確認」にしておくのが正解ですね。
室谷

室谷

代表取締役

はい。特に経費の線引きは、申請前に必ず公募要領と交付要綱をダウンロードして確認してください。公式のjGrantsページには公募要領(R8_koubo.pdf)と交付要綱(R8_koufu.pdf)が掲載されています。
対象経費の考え方(イメージ)
メリット
  • ゼロエミッション船等の関連舶用機器等の新規導入費
  • 船の建造と一体で導入するエンジン・燃料タンク・燃料供給システム等
  • グリーン鉄の船体構造等への導入費(関連機器導入と同時実施が条件)
×デメリット
  • 関連舶用機器等の導入を伴わない単独のグリーン鉄導入
  • 中古機器の導入(新規導入という条件の解釈に注意)
  • 設備導入と直接関係ない事務費等の扱いは要確認

令和8年度ゼロエミッション船等の導入支援事業が気になる人向けQ&A

佐藤

佐藤

編集長

ここからは、よくありそうな質問をピックアップして答えていきましょう!

Q. 個人事業主でも申請できますか?

佐藤

佐藤

編集長

個人で船を所有している船主さんとか、個人事業主でも応募できるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

対象業種は運輸業、郵便業で、補助対象事業者は「民間企業等」とされています。「等」に個人事業主が含まれるかどうかは公募要領で確認が必要です。
佐藤

佐藤

編集長

うーん、はっきり「個人事業主OK」とは書いてないんですね。ただ、民間企業等の「等」に含まれる可能性はありそうだな。
室谷

室谷

代表取締役

ここは確実に公募要領を確認してください。判断に迷う場合は、事務局に直接問い合わせるのが良いです。

Q. 併用や他の補助金との違いは?

佐藤

佐藤

編集長

他の補助金と併用できますか?
室谷

室谷

代表取締役

併給ルールについては、公式の情報に明確な記載がありませんでした。ですから、併用を考えている場合は公募要領で要確認です。
佐藤

佐藤

編集長

あと、この事業と「ゼロエミッション船等の建造促進事業」の違いも気になります。生産設備の整備を支援するのが建造促進事業でしたよね。
室谷

室谷

代表取締役

はい。今回解説している導入支援事業は、船に搭載するエンジンや燃料タンクといった装置の導入支援です。一方、環境省の一覧に載っている「ゼロエミッション船等の建造促進事業」は、建造に必要となる生産設備の整備を支援するものとされています。関連はしていますが、支援対象が違いますから、自分の計画がどちらに該当するかよく確認してください。

Q. 本社が海外にある場合、対象になりますか?

佐藤

佐藤

編集長

例えば、外国企業の日本法人などは対象になるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

公式には「民間企業等(公募要領等で定める条件を満たす者)」とされています。日本国内での事業実施が前提になると考えられますが、法人の国籍や資本構成などの要件は公募要領で確認する必要があります。
佐藤

佐藤

編集長

書いていないことは全部「要確認」に落ち着くんですね(笑)。
室谷

室谷

代表取締役

補助金の鉄則です。公式情報に無いことを勝手に判断するのが一番怖いんですよ。
令和8年度 ゼロエミッション船等の導入支援事業 スケジュール
  1. 令和8年8月24日
    公募開始・申請者登録受付開始
    jGrantsで公募開始。申請者登録HPから登録を行う。
  2. 令和8年8月〜12月
    申請書類作成期間
    事前着手届が必要な場合はこの間に手続き。BOXへのアップロードも行う。
  3. 令和8年12月3日正午
    応募受付締切
    jGrantsでの申請完了が必須。正午を過ぎると受付不可。
  4. 令和8年以降
    審査・採択決定
    審査を経て採択事業者が決定。交付申請へ。
  5. 令和13年1月31日
    事業期間終了
    この日までに補助事業を完了させる必要がある。

まとめと申請前の最終チェックリスト!

佐藤

佐藤

編集長

最後に、この補助金のポイントを総ざらいしてください!
室谷

室谷

代表取締役

はい、まとめます。まず、令和8年度ゼロエミッション船等の導入支援事業は、水素、アンモニア、メタノール、電力(バッテリー)を推進エネルギー源とする船舶に必要な関連舶用機器等の導入を支援する補助金です。予算額は**151億円(初年度12億円)**です。
佐藤

佐藤

編集長

補助率は水素・アンモニア・電気(ハイブリッド除く)が1/2以内、メタノール・電気(ハイブリッド)が1/3以内、グリーン鉄は定額でしたね。
室谷

室谷

代表取締役

対象業種は運輸業、郵便業。地理的条件は全国で、従業員数の制約はありません。募集期間は令和8年8月24日(月)から令和8年12月3日(木)正午までです。
佐藤

佐藤

編集長

申請はjGrants経由で、まず申請者登録が必要なんですよね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。申請者登録HPで登録してIDとBOX URLをもらい、事前着手届が必要なら提出してから申請フォームへ進みます。

申請前に必ず確認したい項目

佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、申請前にチェックしておくべきことをリストにしてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

はい。ちょうどいいので、最後の図解にまとめておきますね。
佐藤

佐藤

編集長

完璧です!これだけ揃っていれば、申請書類を書く前に大きな見落としはなさそうですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。あとは「執拗な」申請書類を作るだけです(笑)。
佐藤

佐藤

編集長

ははは、そこは公式を引用しておきましょう(笑)。最後に、問い合わせ先をもう一度確認しておきますね。
室谷

室谷

代表取締役

一般財団法人日本船舶技術研究協会 ゼロエミッション船等の導入支援事業事務局です。メールはpizes_info(at)pizes.jstra.jp、電話は03-5114-8943。電話受付時間は9:00~12:00と13:00~16:30です。
佐藤

佐藤

編集長

ありがとうございました!ゼロエミッション船を検討している事業者の皆さんも、まずは公式情報を確認するところから始めてみてください!
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。新しい船を造る大きな決断を、補助金でしっかり後押ししてもらいましょう!