室谷さん、「化石資源由来プラスチックを代替する再生可能資源由来素材の省CO2型製造設備導入事業」って、タイトルが長すぎて何の補助金なのかよくわからないんですが…!
ははは、たしかに!(笑)ざっくり言うと「バイオマスプラスチックやパルプみたいな、石油由来じゃない素材を作る設備を導入するための補助金」ですよ。環境省が推進してる脱炭素・GX(グリーントランスフォーメーション)政策の目玉事業のひとつです。
なるほど!プラスチックって石油からできてるから、それを植物由来や再生可能な素材に置き換えようってことですね?
そうです!製造設備を入れるときの費用を国が補助してくれる、しかも補助上限が最大30億円(令和7年度補正予算分)という破格の規模です。環境系補助金の中でもトップクラスの金額感ですよ。
本当です!ただし令和8年度予算では42億8,000万円まで規模が拡大しています。令和7年度補正予算では30億円が上限として設定されています。製造業を中心に、設備投資の大きな壁を乗り越えるための強力な支援です。
それは大企業じゃないと使えないイメージがしますけど、中小企業でも使えるんですか?
使えます!しかも中小企業のほうが補助率が高くて、補助率は
中小企業なら1/2(半額補助)ですから。大企業等でも1/3補助されます。中小企業にとってはかなり手厚いですよ。
バリューチェーン補助金のしくみ(フロー図)
制度の特徴を教えてもらえますか?他の補助金と何が違うんですか?
大きな特徴が4つあります。まず1つ目が「バリューチェーン全体を対象とする」点。単に設備を買うだけじゃなく、素材をどこに供給するかまで計画する必要があるんです。
素材を作るメーカーから、それを使う利用事業者まで、一連の価値の流れです。この補助金では、作った再生可能資源由来素材を利用する事業者を把握して報告することが義務付けられています。単に設備を入れて終わりじゃなく、社会実装まで確認するんですね。
2つ目の特徴は「省CO2型に特化している」こと。バイオ素材を作るだけじゃなく、製造プロセス全体でCO2排出を抑制する設備でなきゃいけない。LCA(ライフサイクルアセスメント)の考え方が根底にあります。
3つ目は「全業種が対象」。製造業だけでなく、建設業、運輸業、小売業、サービス業まで、バイオマスプラスチックを扱う事業者なら申請できます。4つ目は「継続的な事業報告義務」。採択後も複数年にわたってCO2削減効果の報告が必要です。
確かに手間はかかりますが、逆に言えばそれだけ実効性のある制度ということです!採択後も継続してフォローしてもらえる面もありますよ。
改めて金額周りを整理してもらえますか?テーブルで見たいです。
| 項目 | 中小企業 | 大企業等 |
|---|
| 補助率 | 1/2 | 1/3 |
| 補助上限額(令和7年度補正予算) | 30億円 | 30億円 |
| 補助対象 | 省CO2型資源循環高度化設備の導入費用 | 同左 |
中小企業と大企業で補助率が違うんですね。中小企業の判定はどうやるんですか?
中小企業基本法の定義に基づきます。製造業・建設業・運輸業なら従業員300人以下か資本金3億円以下、卸売業なら従業員100人以下か資本金1億円以下などです。業種によって異なるので、自社がどちらに当たるか事前に確認しておくといいですね。
補助率・補助上限額の比較(企業規模別)
例えば設備費が10億円かかる場合、中小企業なら5億円もらえるってこと?
計算としてはそうですが、補助上限30億円の範囲内で、ですね。つまり60億円の設備投資なら30億円が限度です。それでも普通の製造設備なら十分すぎる規模感ですよ。
どんな事業者が申請できるんですか?具体的に教えてください。
応募資格は大きく3つです。「民間企業」「一般社団法人・一般財団法人及び公益社団法人・公益財団法人」「その他環境大臣の承認を得た者」です。要するに、新設の会社でも申請できるんですが、その場合は交付申請時までに設立が完了している必要があります。
新設会社でも!それは幅広いですね。事業内容の要件はどうですか?
これが少し複雑で、3つの要件を全部満たす必要があります。
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要件1: 化石資源由来プラスチックを代替する再生可能資源由来素材等(バイオマスプラスチック・生分解性プラスチック・パルプ等)の国内導入を拡大させる事業であること
-
要件2: 事業プロセス全体のエネルギー起源CO2排出抑制を図る「省CO2型の資源循環高度化設備」を導入する事業であること
-
要件3: 導入設備によるCO2削減効果と、素材を利用する事業者を把握し、交付規程第16条に基づく事業報告書を提出できること
「国内導入を拡大させる」という点がポイントになりそうですね。
鋭いです!製造した素材の多くが国外に輸出される場合は補助対象外になってしまうんです。国内供給が主たる目的であることが絶対条件です。
輸出メインの事業者はちょっと厳しいですね。あと地域的な制限はありますか?
日本国内の事業所に設備を設置することが必須です。海外拠点への設備導入は対象外です。対象地域としては全国が対象なので、北海道から沖縄まで申請できますよ。
対象経費の詳細を知りたいです。何に使えるお金なんですか?
| 経費カテゴリー | 具体例 |
|---|
| 製造設備費 | バイオマスプラスチック製造装置・生分解性プラスチック成形設備・パルプ加工設備 |
| 付帯設備費 | 省エネルギー型付帯設備・排熱回収装置・設備制御システム |
| 設備設置工事費 | 設備据付工事費・配管配線工事費・基礎工事費 |
| 設計費 | 設備設計費・プラント設計費・環境影響評価関連費用 |
| 測定・分析費 | CO2排出量測定機器・品質管理用分析装置・環境モニタリング設備 |
設計費や工事費まで入るんですね!それは助かりますね。
そうです!設備を据え付けるためのインフラ整備まで含めて申請できるのは大きなポイントです。一方で、補助対象外になる経費もしっかり把握しておく必要があります。
- 土地の取得費・造成費: 土地は対象外です
- 建物の新築・増築費: 設備設置に直接関係しないものは対象外
- 一般管理費・人件費: 人件費は補助されません
- 消費税・地方消費税: 税金分は対象外
- 交付決定前に発注・契約した経費: これが最も要注意!
- 国外に設置する設備: 海外設備は対象外
- 既存設備の修繕・メンテナンス費: 修繕は対象外
「交付決定前に発注した経費は対象外」というのが一番怖いですね!
これは補助金全般のお約束ですが、特に大型設備は長納期のことも多いので、採択→交付申請→交付決定の順番を絶対に守ってから発注してください。交付決定前に動き始めると全額補助対象外になってしまいます!
実際の申請手順を教えてください。どんな準備が必要ですか?
5ステップで進めます。この順番は絶対に守ってください!
GビズIDプライムって何ですか?普通のIDじゃないんですか?
GビズIDには「エントリー」「プライム」の2段階あって、補助金申請には「プライム」が必要です。プライムは法人情報の確認が必要で、取得に2〜3週間かかります。締切が2026年5月8日12時必着ですから、今から動いても余裕がない方もいると思います。今すぐ確認してください!
せっかく申請するなら採択されたいですよね。審査のポイントを教えてください!
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ポイント1(CO2削減効果): 事業プロセス全体でのCO2排出削減量を信頼性のある算定方法で定量的に示すこと。LCA(ライフサイクルアセスメント)手法に基づく算定が高評価を得やすい。現状の化石資源由来プラスチック製造との比較が必須。
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ポイント2(バリューチェーン): 製造した素材の供給先・利用方法まで含めた計画の具体性が重要。利用事業者との覚書や契約書の提示、素材の需要量予測、供給体制のスケジュールを明確に。抽象的な計画では採択困難。
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ポイント3(国内導入拡大): 国内のどの産業・用途に対してどの程度の素材を供給するのか、数値を交えた計画を記載。輸出比率が高い場合は補助対象外になるため要注意。
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ポイント4(実現可能性): 大規模設備投資を伴うため、資金調達計画・設備導入スケジュール・技術的実現可能性を具体的に記述。過大な計画より着実に実行できる現実的な計画が評価される。
実際に審査書類に「バイオCO2削減効果計算書」という専用の様式が用意されています。jGrantsの申請様式ダウンロード一覧にある「バイオバウンダリ方式入力表」を活用すれば、体系的にCO2削減効果を算定できます。コンサルタントに依頼するのもひとつの方法です。
そういう様式が整備されているのは助かりますね!次のセクションでは対象外になるケースも教えてください。
申請したけど対象外になってしまうケースはどんなものがありますか?
一番多いのが「素材の国外輸出問題」です。製造した再生可能資源由来素材の多くを輸出する計画になっていると、審査で弾かれます。
「交付決定前発注」ですね。これは致命的で、もし交付決定前に設備の発注・契約をしてしまうと、その経費は全額補助対象外になります。大型設備は「早めに発注しておいた方が安心」と思いがちですが、補助金では逆効果です。
- 輸出メイン計画: 製造素材の多くが国外輸出される場合は補助対象外
- 交付決定前発注: 採択・交付決定前の設備発注は全額対象外
- CO2削減算定が曖昧: 定性的な説明だけでは審査通過困難
- 利用事業者の把握なし: サプライチェーン全体の計画がない場合は減点
- 国外設置設備: 海外に設置する設備は対象外
これを事前に把握しておくだけで全然違いますね。準備次第でかなり変わりそう!
本当にそうです。計画段階から「審査官に何を見せるか」を意識して書類を作っていくのが採択への近道です。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(プラスチック資源・金属資源等のバリューチェーン脱炭素化のための高度化設備導入等促進事業)②再生可能資源由来素材の省CO2型製造設備導入事業(バリューチェーン) |
| 予算年度 | 令和7年度(補正予算)第1次公募 |
| 補助上限額 | 30億円 |
| 補助率 | 中小企業 1/2、大企業等 1/3 |
| 公募受付期間 | 令和8年(2026年)3月31日〜2026年5月8日 12時必着 |
| 対象地域 | 全国(日本国内の事業所) |
| 所管省庁 | 環境省 環境再生・資源循環局 |
| 執行団体 | 公益財団法人廃棄物・3R研究財団 |
| 申請方法 | jGrants(電子申請) |
| GビズID | プライム必須 |
締切が2026年5月8日12時必着ってもうすぐじゃないですか!
そうなんです!今日(2026年5月1日時点)から1週間しかありません。まだGビズIDプライムを取得していない方は残念ながら今回は間に合わない可能性があります。ただ令和7年度補正予算の第2次公募や令和8年度の第1次公募も予定されているので、そちらに向けて今から準備するのも有効ですよ。
第2次公募があるんですね!それを見据えた準備について教えてください。
第1次公募に間に合わない場合、どんな準備をしておけばいいですか?
4つのことをやっておきましょう。まずGビズIDプライムの取得。これは何より先です。次に「事業計画のスケルトン作成」として、どの設備を、どこに、いくらで導入するかの大枠を整理しておきます。
「バリューチェーンの利用事業者の洗い出し」です。今から製造した素材を使ってくれる取引先を開拓しておくと、計画の説得力が格段に上がります。最後は「CO2削減量の概算試算」。設備メーカーや環境コンサルタントと協力して、LCAベースの試算を準備しておくと審査通過率が上がります。
なるほど、第1次公募に間に合わなくても諦めないということですね!
そうです!類似の過去の公募での採択実績を見ると、しっかり準備した事業者の採択率は高い傾向にあります。準備に時間をかけることが採択への近道です。
似たような補助金と比べると、この補助金はどんな位置づけですか?
似たような名前の補助金が複数ありますね!どう違うんですか?
同じ「プラスチック資源・金属資源等のバリューチェーン脱炭素化事業」の枠内で、「バイオ素材の製造」「既存プラスチックのリサイクル」「太陽光パネルのリサイクル」「リチウム蓄電池のリサイクル」「金属破砕・選別」と目的別に5つのサブカテゴリーに分かれています。製造業の種類によって申請する事業が変わります。
自社がどのカテゴリーに当てはまるかを確認するのが大事なんですね。
まさに。公益財団法人廃棄物・3R研究財団に事前相談すると、どの事業に当てはまるか確認してもらえます。TELは03-5638-7162ですよ。
申請を考えている事業者からよく聞かれる疑問をまとめてもらえますか?
バイオマスプラスチック以外の素材でも申請できますか?
はい、対象です!バイオマスプラスチック(生分解性プラスチック含む)に加えて、パルプ等の再生可能資源由来素材も対象です。具体的な素材の範囲については公募要領を確認するか、事務局にお問い合わせを。
できます!大企業等の場合は補助率1/3ですが、補助上限30億円まで申請可能です。大規模設備投資には十分活用価値があります。
製造した素材を海外に輸出する予定があるのですが…?
製造素材の多くが国外輸出される場合は補助対象外です。一部輸出がある場合でも国内供給が主であれば対象となる可能性があるので、事務局に事前確認を強くお勧めします。
プライムが必要です。エントリーでは申請できません。未取得の場合、通常2〜3週間かかります。第1次公募の締切(2026年5月8日)には間に合わない可能性があるので、次回公募に向けて今すぐ手続きしてください。
採択前に設備のカタログを取り寄せるのは問題ないですか?
カタログや仕様書の取り寄せ、見積もり取得は問題ありません。ただし正式な「発注・契約」は交付決定後でなければなりません。この違いを設備メーカーにも事前に説明しておくとスムーズです。
一般的には複数拠点への設備導入を一つの事業計画として申請できる場合があります。各事業所が国内にあり、バリューチェーンとして一体の事業を構成していることが前提です。詳細は事務局(TEL 03-5638-7162)に事前相談を。
実績報告書の提出に加え、交付規程第16条に基づく事業報告書を指定期日まで継続的に提出する義務があります。報告内容はCO2削減効果と、素材を利用する事業者の情報です。複数年にわたるのでデータ収集・管理体制の構築が必須です。
執行団体の公益財団法人廃棄物・3R研究財団が窓口です。
電話とメール、両方使えるんですね。公募説明会はありますか?
説明会は実施していませんが、動画配信が公益財団法人廃棄物・3R研究財団のウェブサイトで公開されています。
廃棄物・3R研究財団の事業ページから動画を視聴できます。申請前に必ず確認しておくことをお勧めします。
それは便利!では最後に、この補助金を使うべき事業者像を教えてください。
バイオマスプラスチックやパルプ等の再生可能資源由来素材の製造設備を導入したい事業者、特に数億円〜30億円規模の設備投資を検討している製造業の方に最適です。環境省の脱炭素政策の中核を担う補助金ですから、採択されれば信頼性のある国のお墨付きもつきます。素材転換に本気で取り組む企業なら、絶対に検討すべき制度です!
ありがとうございました!環境投資を考えている事業者はぜひ活用してみてください!