室谷さん、今日紹介してもらいたいのが「省CO2型プラスチック高度リサイクル設備導入事業(バリューチェーン)」なんですけど、名前が長すぎてよくわからないんですが!
(笑)確かに長いですね!ざっくり言うと、使い捨てや廃棄されてきたプラスチックを高度にリサイクルする設備を導入する企業に、国がお金を出す補助金です。令和7年度の補正予算で措置された制度で、2026年3月31日から5月8日まで第1次公募が行われています。
国の補助金ですか。予算規模はどれくらいなんですか?
令和7年度補正予算額で30億円、さらに令和8年度予算分も含めた全体で最大42億8,000万円という大型の制度です。プラスチックのリサイクル関連では国内最大級の補助事業の一つです!
マジですか。30億ってすごいですね。これって誰でも申請できるんですか?
業種の制限は基本的にないんですよ。製造業・建設業・運輸業・卸売・小売、全部対象です。ただ補助金の目的が「プラスチックのリサイクルやリユースを通じてCO2を削減する」ことなので、関連する設備を導入する事業者でないといけません。
なるほど、リサイクル事業やっている会社向けなんですね。補助率はどれくらい?
ここが重要で、中小企業なら補助率1/2(50%)、大企業は1/3(約33%)です。たとえば1億円の設備を入れるなら、中小企業は5,000万円が補助される計算ですね。
省CO2型プラスチック高度リサイクル設備導入事業 補助率・補助額まとめ
| 申請者区分 | 補助率 | 自己負担 |
|---|
| 中小企業(中小企業基本法で定める中小企業) | 1/2(50%) | 50% |
| 大企業等 | 1/3(約33%) | 約67% |
| 補助上限額 | 最大30億円(令和7年度補正予算) | — |
30億円が上限ってことは、1社で最大30億円もらえる可能性があるんですか?それはさすがにすごいですね!
そうなんです。大型の設備投資になるほど恩恵が大きい制度です。もちろん事業計画やCO2削減効果の審査は厳しいですけど、大規模なリサイクル工場建設レベルのプロジェクトに対応できる補助規模になっています。
そもそもこの補助金、なんで「バリューチェーン」って名前がついているんですか?
ここが本制度のポイントなんです!プラスチックの資源循環は一社で完結しないんですよ。メーカーが製品を作って、リテイラーが販売して、ユーザーが使用して、最終的にリサイクラーが回収・再生する。この一連の流れ全体をバリューチェーンと呼んでいます。
なるほど!それぞれの会社が連携して取り組むということですね。
そうです。単独企業でも申請はできますが、バリューチェーン全体で連携した申請が審査上有利になります。複数の企業が協力してCO2削減に取り組む「絵」を描けるかどうかが採択の鍵です。
もう少し具体的に、どんな事業者が対象なのか教えてもらえますか?
対象者は3種類に分かれています。まず民間企業、これは業種制限なし。次に一般社団法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人も申請できます。そして環境大臣の承認を得た場合にその他の団体も対象となります。
幅広いんですね。でも「プラスチックに関わる事業者」でないといけないんですよね?
そこが少しトリッキーで、業種は問わないんですけど、補助対象要件として3つのことをクリアする必要があります。
- 要件1: 使用済製品等のリサイクル促進と、リサイクルプロセス全体のエネルギー起源CO2排出抑制を図る事業であること
- 要件2-A: これまでリサイクルできなかった素材への量的拡大、もしくは高品質な再生素材の供給を目指す省CO2型設備の導入で、再生素材の国内資源循環が安定的に見込める事業であること
- 要件2-B: またはリユースに必要な設備導入によりプラスチック使用量削減に資する事業で、国内資源循環が安定的に見込める事業であること
- 要件3: 導入設備によるCO2削減効果と、再生素材を利用する事業者を把握し、事業報告書を期日までに提出できること
ほんとに!「CO2削減効果が算定できる」というのが絶対条件なんですね。
そうです。この数値を出せないと審査に進めないので、申請前に専門家と一緒に試算しておくことが重要です。
中小企業の定義はどうなっていますか?補助率が変わるので気になるんですが。
中小企業基本法で定める中小企業の定義が適用されます。製造業・建設業・運輸業なら従業員300人以下または資本金3億円以下、卸売業は従業員100人以下または資本金1億円以下、小売業・サービス業は従業員50人以下または資本金5,000万円以下が目安です。ただし詳細は公募要領を確認してください!
- 暴力団関係者は申請不可
- 過去に補助金の不正受給があった者は申請不可
- 同一設備に対して他の国庫補助金を受給している場合は原則対象外
- 応募申請にはGビズIDが必要(未取得の場合は事前に申請を!)
実際にどんな設備・経費が対象になるのか、具体的に教えてもらえますか?
対象経費は主に4種類です。一番大きいのが機械装置費、つまりリサイクルやリユースに関わる機械・装置の購入・製造費用ですね。次にシステム構築費として、設備の運転管理・追跡管理システムの構築費用も対象です。
そうです。さらに付帯工事費として補助対象設備の設置に直接必要な工事費用、そして据付費として補助対象設備の据付・試運転費用も含まれます。これらを合計した金額に対して補助率がかかります。
| 対象経費カテゴリ | 主な内容 |
|---|
| 機械装置費 | リサイクル高度化・リユースに係る機械・装置の購入・製造費 |
| システム構築費 | 設備の運転管理・追跡管理に必要なシステムの構築・導入費 |
| 付帯工事費 | 補助対象設備の設置に直接必要な工事費 |
| 据付費 | 補助対象機械設備の据付・試運転費 |
対象外として注意が必要なのは5つあります。まず既存設備の修繕・維持管理費、つまり新たなCO2削減効果をもたらさない既存設備の補修費は対象外です。次に土地・建物の取得費、設備を設置するための建屋そのものは対象外になります。
そうなんです。さらにフォークリフト等の車両・運搬具も原則対象外、汎用パソコンや事務用品も対象外です。あと意外と見落としやすいのが、事業者自身の人件費や設備導入と直接関係のない外注費も対象外という点です。補助金の対象経費に人件費を入れようとする方が多いのですが、この制度では認められていないので注意してください!
じゃあ実際に申請したい場合、どうすればいいんですか?
大きく5ステップです!申請期限が
2026年5月8日12時必着なので、今から動かないと間に合わない状況です。
省CO2型プラスチック高度リサイクル設備導入事業 申請フロー
そうなんですよ!GビズIDの取得には通常2〜4週間かかります。申請締切が5月8日なので、今からGビズIDを申請しても間に合わないケースもあり得ます。GビズIDを持っていない方はまず確認してください!
申請するとして、どうすれば採択されやすいんですか?審査のポイントを教えてください!
4つのポイントがあります。まず一番大事なのはCO2削減量の定量算定を徹底することです。審査では「どれだけCO2を削減できるか」が最重要評価ポイントで、削減率・削減量(t-CO2/年)を明確に数字で示す必要があります。
そうです。削減量の根拠データが曖昧な申請は採択されにくいです。導入前後のエネルギー消費量の差分を詳細に算定して、電力・燃料の種別ごとに排出係数を掛け合わせた計算が必要です。
- ポイント1: CO2削減量の定量化: 削減率・削減量(t-CO2/年)を根拠データ付きで明示。曖昧な数値は失点要因
- ポイント2: バリューチェーン連携の強み: 原材料供給者・製品製造者・回収業者・リサイクル業者など複数企業が連携した申請が高評価。連携協定書・役割分担書を整備
- ポイント3: 事業の実現可能性: 設備の技術的実現可能性・運用体制・費用対効果(費用あたりのCO2削減量)を具体的に示す。類似設備の導入実績や試験データがあれば積極活用
- ポイント4: 循環経済・GXへの貢献の明確化: 脱炭素社会・循環経済・GX貢献という政策目標に沿った表現で記述
バリューチェーン連携って、どんな企業と組めばいいんですか?
理想的なチームは「メーカー(製品製造)+リテイラー(販売・回収)+リサイクラー(再生処理)」の3社程度です。例えばペットボトルリサイクルなら、飲料メーカー・スーパーチェーン・リサイクル業者が連携して申請するイメージです。
なるほど!自分だけじゃなく、取引先も巻き込んで申請するんですね!
補助金って後払いと聞いたことがありますが、この補助金はどうなんですか?
本補助金は後払い(精算払い)が基本です。設備を導入して事業が完了した後に補助金が支払われるため、事業実施中の費用は自己資金または金融機関からの融資で賄う必要があります。
えっ、そうなんですか!補助率1/2でも半分は自己負担ですし、さらに工事中は全額自分で払うんですね。
そうなんです。たとえば1億円の設備投資の場合、工事期間中は1億円を用意して、完了後に5,000万円(中小企業の場合)が戻ってくるイメージです。金融機関との事前相談を早めに始めることを強くお勧めします!
- 補助金は事業完了後の精算払い。工事中は全額自己負担が必要
- 大規模設備投資では日本政策金融公庫の「環境・エネルギー対策資金」との組み合わせが有効
- 省エネ関連の税制優遇(特別償却・税額控除)は補助金と併用可能
- ただし同一設備に対する他の国庫補助金との重複受給は原則禁止
税制優遇と組み合わせられるんですね!それはお得ですね。
カーボンニュートラルに向けた投資促進税制(特別償却50%または税額控除10%)との組み合わせが有効です。税理士・中小企業診断士と相談しながら最適な組み合わせを検討するといいですよ。
似たような補助金がいくつかあると聞きましたが、他の補助金との違いを教えてもらえますか?
本制度と合わせて検討すべき関連補助金が几つかあります。特に同じバリューチェーン制度の中に、プラスチック以外を対象としたものもあります!
おー!同じシリーズで太陽光パネルリサイクルやリチウム電池リサイクルの補助金もあるんですね。
なるほど。本制度はあくまでプラスチックのリサイクルに特化しているんですね。申請前に何が自分に合うか確認する必要がありますね!
ここまでいろいろ聞きましたが、基本情報をまとめて教えてもらえますか?
| 項目 | 内容 |
|---|
| 正式名称 | 二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(省CO2型プラスチック高度リサイクル設備導入事業) |
| 公募期間 | 2026年3月31日(火)〜2026年5月8日(金)12時必着 |
| 補助上限額 | 最大30億円(令和7年度補正予算) |
| 補助率 | 中小企業1/2・大企業等1/3 |
| 対象者 | 民間企業・一般財団法人・公益財団法人 等 |
| 対象地域 | 日本全国 |
| 申請方式 | jGrants(電子申請)、GビズID必要 |
| 実施機関 | 公益財団法人廃棄物・3R研究財団 |
| 担当省庁 | 環境省環境再生・資源循環局資源循環課 |
申請期限の5月8日まで残り数日しかないですね!急がないといけないですね。
そうなんです!今回間に合わなかった場合は、次回公募(令和8年度第1次公募)も予定されていますので、そちらに向けた準備を進めておくことをお勧めします。令和8年度予算として72億9,700万円が措置されていますので、引き続き大型の支援が期待できます。
プラスチックのリサイクル高度化設備(分別・洗浄・粉砕・再生ペレット化等の工程に関わる機械設備)およびリユース設備(容器・包装材の再使用システム)が主な対象です。バリューチェーン全体でCO2削減効果が確認できる設備であることが要件です。
単独企業での申請も制度上は可能ですが、採択評価においてはバリューチェーン全体でのCO2削減効果が重視されます。複数企業での共同申請の方が評価は高くなる傾向があります。
「補助金はいつ受け取れますか?」これも気になりますよね。
補助金は原則として事業完了後の精算払いとなります。設備の導入・試運転が完了してから報告書を提出し、審査を経て支払われます。申請から受け取りまで1〜2年程度かかることを想定しておいてください。
導入前後のエネルギー消費量の差分をもとにCO2削減量を算定します。電力・燃料の種別ごとに排出係数を掛け合わせて計算します。申請時には削減量の算定根拠を詳細に記載した書類の提出が必要で、第三者機関による確認を求められる場合もあります。
原則として同一設備に対して他の国庫補助金との重複受給はできません。ただし省エネ関連の税制優遇(特別償却・税額控除)や融資制度との併用は可能な場合があります。
はい、一般財団法人・一般社団法人・公益財団法人・公益社団法人も申請対象となっています。ただし事業の性格上、リサイクル事業を実際に行っている団体であることが前提となります。
最後に「まだGビズIDを持っていない場合はどうすればいいですか?」
GビズIDの取得には通常2〜4週間かかります。2026年5月8日の締切まで残り日数が少ないので、GビズIDを未取得の方は今すぐ
GビズIDの申請サイトにアクセスして申請してください!今回の公募に間に合わない場合は、次回公募に向けて準備を進めましょう。
全国対象とのことですが、地域によって別の補助金も探せるんですか?
もちろんです!都道府県・市区町村単位でも環境・省エネ関連の補助金があります。本制度と合わせて地域の補助金も活用することで、さらに自己負担を減らせる可能性があります。