室谷さん、今日は名前がとにかく長い助成金の話ですよね。まず最初に聞いていいですか。なんでこんなに長いんですか(笑)。
はは、正式名称は「令和8年度第2回募集 課題解決型技術開発促進事業(試作品開発・改良助成)」ですからね。でも中身はシンプルです。東京が抱える都市課題を解決する製品やサービスの試作品をつくる経費の一部を、東京都が助成してくれる制度です。
そこが大事なところで、あくまで試作品の開発・改良です。助成限度額は2,000万円、助成率は助成対象と認められる経費の2/3以内。かなり思い切った規模ですよ。
2,000万円って聞くと、ちょっと身構えちゃいますけど……。
そこは後半で計算例を出しますね。まず押さえてほしいのは、東京都が策定した長期ビジョン「2050東京戦略」の実現につながる都市課題の解決が前提だということ。ここが審査の出発点になります。
東京都と、公益財団法人東京都中小企業振興公社です。窓口は公社の企画管理部 助成課に置かれた「課題解決型技術開発促進事業(試作品開発・改良助成)事業事務局」。
じゃあ、困ったときはそこに電話すればいいんですね。
はい。電話番号は03-3251-7894、受付時間は平日の9時00分から17時00分までです。住所は東京都千代田区神田練塀町3-3 大東ビル4階。
平日9時から17時か、就業時間ど真ん中ですね(笑)。
なので、聞きたいことをまとめてから電話するのがおすすめですよ。
令和8年度の新しい事業です。業界向けの情報サイトでは5月28日の記事で「新設」として紹介されていて、6月4日から第1回の募集が始まったと報じられていました。
そうなんですよ。だからこそ、公募要領と公社のサイトをきちんと読んだ人が有利になります。今回は第2回募集で、締切は令和8年10月30日(金)17時00分です。
なるほど、第1回に間に合わなかった人にもチャンスがあるわけですね。
東京都の支援ナビでは、技術の新規開発や改良から販路拡大までを促進する助成金だと説明されています。関連する事業ステージとして「研究開発」と「販路開拓」が挙げられているんですよ。
あ、じゃあ「作って終わり」じゃなくて、売るところまで意識して書くべきなんだ。
はい。試作品の先に市場がある、という視点が申請書全体ににじんでいると強いです。
課題解決型技術開発促進事業の特徴東京の都市課題がテーマ
2050東京戦略の実現に向けた4つの支援テーマに沿う開発が対象
上限2,000万円・2/3以内
助成対象と認められる経費の2/3以内、千円未満切捨て
都内中小企業者などが対象
都内での創業を具体的に計画している人も対象に含まれる
対象経費は7項目
原材料・副資材費から規格認証・登録費まで
金額のところ、もう一回きっちり教えてください。いくら出るんですか?
助成限度額が2,000万円、助成率が助成対象と認められる経費の2/3以内。ただし助成額は千円未満を切り捨てます。
3分の2ってことは、3分の1は自分で出すんですね。
はい。認められた経費が300万円なら、助成は200万円、自己負担は100万円というイメージです。
意外と自己負担があるんだ……。資金繰りの計画もセットで考えないとですね。
そこは本当に大事です。しかもこれは、あとから精算して支払われるタイプの助成なので、立て替えの資金も見込んでおく必要があります。
「千円未満切捨て」って、実際どれくらい影響するんですか?
大きくはありませんが、計算の最後に必ず入ります。たとえば認められた経費が1,000万円だと、2/3は6,666,666.66…円。千円未満を切り捨てて6,666,000円です。
そういうことです。細かいですが、申請書に書く数字を作るときはきっちり合わせておきましょう。
じゃあ、上限に張り付くのはどのくらいの経費からですか?
認められた経費が3,000万円なら2/3でちょうど2,000万円。それを超える部分は上限に当たります。
では表にまとめますね。ここで出しているのは「助成対象と認められた経費」ベースの金額です。実際にどこまで認められるかは経費の内容次第ですよ。
| 助成対象と認められた経費 | 助成額(2/3・千円未満切捨て) | 自己負担の目安 |
|---|
| 300万円 | 200万円 | 100万円 |
| 750万円 | 500万円 | 250万円 |
| 1,000万円 | 666万6,000円 | 333万4,000円 |
| 2,700万円 | 1,800万円 | 900万円 |
| 3,000万円 | 2,000万円(上限) | 1,000万円 |
| 3,600万円 | 2,000万円(上限) | 1,600万円 |
なるほど、3,000万円の壁を超えたらもう上限で頭打ちなんだ。
はい。だから「いくら使うか」より「どこまで対象経費として認められるか」のほうが結果を左右します。経費の設計が勝負です。
対象は、都内中小企業者、そして都内での創業を具体的に計画している方などです。
「など」ってところが気になる(笑)。個人事業主はどうなんですか?
そこは「中小企業者」の定義に関わってくるので、公募要領で要確認です。ただ、都内で創業を具体的に計画している段階でも対象になり得ると明記されているのは大きいですよね。
そういうことです。判断に迷ったら、公社の事業事務局に直接聞くのがいちばん確実ですよ。
これが驚くほど広いんです。jGrantsの業種欄には、製造業、建設業、情報通信業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、農業・林業、漁業、鉱業・採石業・砂利採取業、運輸業・郵便業、電気・ガス・熱供給・水道業、複合サービス事業……と、20近い区分が並んでいます。
入っています。「サービス業(他に分類されないもの)」「公務(他に分類されるものを除く)」「分類不能の産業」まで載っているので、業種で門前払いされることは考えにくいですね。
従業員何人のところまで、みたいな線は引かれてますか?
jGrants上は従業員数の制約なしとされています。
ええ。ただし「都内中小企業者」に当てはまるかどうかの判断は別途必要なので、そこは公募要領で要確認してください。使途としては「新たな事業を行いたい」方向けの枠になっています。
開発・改良に要する経費で、大きく7つです。1つめが原材料・副資材費、2つめが機械装置・工具器具費、3つめが委託・外注費、4つめが産業財産権出願・導入費、5つめが直接人件費、6つめが専門家指導費、7つめが規格認証・登録費です。
そうなんですよ。試作品づくりは人が動きますから、人件費が対象になるのは大きいです。
逆に、これはダメ、っていう線引きはどこに書いてあるんですか?
対象外の経費の線引きは公募要領で要確認です。ただし、公式の説明に「上限を設けている経費もある」という注意書きがあります。項目ごとの枠は必ず確認してください。
上限がある経費がある、と。ここを見落とすと危ないですね。
危ないです。たとえば「全部この費目で出そう」と積み上げても、費目ごとの枠を超えた分は助成対象から外れてしまう可能性があります。
じゃあ、積み上げの設計段階で配分を考える必要があるんだ。
はい。だから最初に公募要領の経費一覧を開いて、自分たちの開発計画をどの費目にいくら乗せるか、ざっくり割り振ってから申請書を書き始めるのがおすすめです。
対象経費と、気をつけることを1枚にまとめてもらえますか?
いいですよ。ここは申請の骨格になる部分なので、何度も見返すことになります。
対象になる経費と注意したいポイント- 原材料・副資材費
- 機械装置・工具器具費
- 委託・外注費
- 産業財産権出願・導入費
- 直接人件費
- 専門家指導費
- 規格認証・登録費
×デメリット
- 経費によっては上限が設けられている(公募要領で要確認)
- 対象外となる経費の線引きは公募要領で要確認
- 自己負担が3分の1以上になる前提で資金計画を
国(デジタル庁)が提供する電子申請システム「Jグランツ」での電子申請です。公社のサイトから電子申請の案内を確認する形になります。
はい。jGrantsのページには「当サイトの代理申請」が可という表示もあります。ただし最終的な手続きの流れは、公募要領と公社サイトの案内が基準です。
そこは申請の主体や委任の扱いに関わってくるので、公募要領で要確認してください。
Jグランツを使うにはGビズIDが必要です。取得に時間がかかることがあるので、締切ぎりぎりに動き出すと間に合わないリスクがあります。
それは痛い。10月30日17時00分に滑り込もうとして、IDがまだ届いていない、とか。
最悪のパターンですね。GビズIDを取る、Jグランツにログインする、公募要領と申請様式をダウンロードする、記入してアップロードする。この順番のうち前半を早めに済ませておきましょう。
jGrantsの詳細欄に「募集要項.pdf」「申請書.xlsx」「申請書記入例.xlsx」が並んでいます。記入例があるのは心強いですよね。
経費の積み上げ、4つのテーマとの対応、そして締切です。特に締切は10月30日(金)17時00分で、これは動きません。
動きません(笑)。余裕を持って、遅くとも数日前には提出できる状態にしておきましょう。操作に手間取ることもありますからね。
申請までの流れ- 1
GビズIDを取得
Jグランツの電子申請に必要。時間がかかる場合があるので早めに
- 2
公募要領と申請様式を確認
経費の範囲と上限、4つの支援テーマを確認
- 3
申請書を作成
記入例を参考に、経費と事業計画をまとめる
- 4
Jグランツで電子申請
受付は令和8年9月14日から10月30日17時00分まで(開始日は公募要領で要確認)
- 5
審査・交付決定
スケジュールの詳細は公募要領で要確認
まずは「4つの支援テーマのどれに当てはまるか」です。持続可能で安全・安心な東京の実現、高齢者・障害者のニーズや介護従事者の負担軽減、DXの推進、暑さ対策。ここから外れた開発は、どれだけ技術的に優れていても刺さりません。
逆に言えば、テーマに寄せていく編集力が大事なんだ。
はい。自分たちの技術を「東京のどの都市課題に効くのか」という言葉に翻訳する作業が必要です。
ですよね。だからこそ、事業化の視点で書き込むのがポイントです。
「試作品開発」って聞くと、研究の延長みたいに思えるんですけど。
そこが違います。目的に「事業化を目指す製品・サービスの試作品の開発・改良」と書かれているとおり、ゴールは事業化です。
そういうことです。誰に、いつ、どう届けて、どう売るのか。そこまで書けているかが見られます。
そこは根拠が要ります。なぜその金額が必要なのか、単価と数量の内訳が追える形にしておくこと。あと、費目ごとの上限に収まっているかを必ず確認してください。
そうなります。開発計画と経費の対応が取れていると、読み手にも伝わりやすいですよ。
スケジュールを整理したいです。受付はいつからですか?
公式の制度詳細では**令和8年9月14日(月)**から。ただしjGrantsの基本情報では開始が9月13日と表示されていて、1日ずれているんです。
こういうときは公募要領で要確認です。締切はどちらも10月30日(金)17時00分で一致しているので、そこを軸に逆算するのが安全ですね。
じゃあ「10月30日17時00分が絶対」と覚えておけばいいんだ。
そうです。そのうえで、9月中旬には動き出せるように準備しておきましょう。
東京都の支援ナビを見ると、受付期間が6月4日から11月13日までって出てるんですけど。
それは複数の募集回を通した表示です。支援ナビにも「募集回によって受付期間が異なります」と注記されています。
はい。だから第2回の締切は10月30日(金)17時00分、と分けて覚えておくのが安全です。支援ナビの最終更新日は2026年7月10日なので、こまめに更新を確認するのもおすすめですよ。
少なくとも受付期間は違います。第1回は6月4日から7月3日まで。第2回は9月14日から10月30日17時00分まで。助成限度額2,000万円、助成率2/3以内という枠は同じです。
第1回に間に合わなかった人にとっては、今年度のチャンスなんだ。
そうですね。ただし第1回の審査結果の扱いなどは公募要領で要確認です。そこは憶測で動かないほうがいいですよ。
10月30日17時00分から逆算して、1週間前には書類のドラフトを固める、2週間前にはGビズIDと経費の整理を終える。このペースが目安です。試作品の開発計画をまとめるのは思ったより時間がかかるので、早めが本当に大事です。
第1回募集と第2回募集の比較| 項目 | 第1回 | 第2回 |
|---|
| 受付期間 | 令和8年6月4日〜7月3日 | 令和8年9月14日〜10月30日17時00分 |
| 助成限度額 | 2,000万円 | 2,000万円 |
| 助成率 | 2/3以内 | 2/3以内 |
| 支援テーマ | 4テーマ | 4テーマ |
第2回募集までのスケジュール令和8年5月28日
事業の新設が報じられる
業界向け情報サイトが新設として紹介
令和8年6月4日
第1回募集が開始
第1回の申請期間は7月3日まで
令和8年9月14日
第2回 受付開始
基本情報では9月13日表記。開始日は公募要領で要確認
令和8年10月30日 17時00分
第2回 受付締切
この時刻を過ぎると受け付けられない
以降
審査・交付決定
詳しい時期は公募要領で要確認
よく聞かれるやつをお願いします。お金はいつ入るんですか?
支払いの時期や手続きの詳細は公募要領で要確認です。ここは推測で計画を立てると危ないので、必ず確認してください。
はい。いずれにしても自己負担が3分の1以上になる前提ですから、資金計画は余裕を持って組んでおきましょう。
併給の可否や条件は公募要領で要確認です。ここは憶測で動かないほうがいいところです。
そうですね。同じ経費を二重に申請してしまう事故も防げますから、早めの確認がおすすめです。
さっき代理申請の話が出ましたけど、そこも教えてください。
jGrants上は代理申請が可とされています。ただ、誰がどの範囲で代理できるのかは、公募要領や公社の案内で要確認です。
お願いします。確認事項を先に潰しておくと、あとがぐっと楽になりますよ。
公益財団法人東京都中小企業振興公社 企画管理部 助成課の「課題解決型技術開発促進事業(試作品開発・改良助成)事業事務局」です。電話は03-3251-7894、平日9時00分から17時00分まで。
メモしました。公式の情報はどこで見ればいいですか?
jGrantsのページと、公社のサイトにある課題解決型技術開発促進事業のページです。どちらも公募要領や申請様式の入口になります。
基本情報を1枚にまとめてもらえますか? ここだけ見返したいので。
では表にします。開始日の表記ゆれだけは注意してくださいね。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 令和8年度第2回募集 課題解決型技術開発促進事業(試作品開発・改良助成) |
| 実施機関 | 公益財団法人東京都中小企業振興公社(東京都) |
| 助成限度額 | 2,000万円 |
| 助成率 | 助成対象と認められる経費の2/3以内(千円未満切捨て) |
| 対象地域 | 東京都 |
| 対象者 | 都内中小企業者、都内での創業を具体的に計画している者 など |
| 従業員数の制約 | なし(jGrants表記) |
| 受付期間(第2回) | 令和8年9月14日(月)〜10月30日(金)17時00分(開始日は公募要領で要確認) |
| 申請方法 | Jグランツによる電子申請 |
| 公式URL | https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WfQ000003Bwa1UAC |
これで全体像がつかめました。最後に、今日のポイントをもう一度お願いします!
はい。テーマ、経費、締切。この3つを先に固めれば、あとは積み上げていくだけです。迷ったら公社に聞いて、公募要領で確認する。これに尽きます。
ありがとうございました。今日の話、テーマから外れたら元も子もないっていうのが刺さりました。
そうですね。まずは自分たちの技術が4つのテーマのどれに効くのか、そこから考えてみてください。