「木育活動の支援事業」って名前を見たとき、正直「木育って何?」ってなったんですよね。食育は聞いたことあるけど。
ほんとに!(笑) 木育は「もくいく」と読んで、木のおもちゃや木工体験、森林散策を通じて、子どもたちが自然素材の温もりや森林の役割を体感する教育活動のことなんです。もともとは北海道で始まって、今では全国に広まっています。
そうなんですよ。2004年に北海道が「もりの木育推進プロジェクト」を開始したのが発端で、その後、国も「木育基本方針」を策定して全国展開が進んだんです。東京都もこの流れに乗って、多摩産材という自前の森林資源を活かした独自の木育支援事業を作りました。
東京都の多摩地域で生育・伐採された木材のことです。東京都多摩産材認証協議会が認証する「東京の木 多摩産材」という認証ブランドがあって、この認証材を使うことが補助金の条件になっています。東京に森があるって意外とみんな知らないんですよ!
東京に森があるって確かに意外ですね!(笑) 多摩ってそんなに緑豊かなんですか?
奥多摩エリアを中心に、東京都の森林面積は約3万8千ヘクタールもあって、都の面積の約4割が森林なんです。でも人工林の多くが手入れ不足で、間伐材の活用が課題になっています。木育事業で多摩産材の需要を作ることで、森づくりにも貢献できるという一石二鳥の設計になっているんです。
じゃあ具体的な話を聞かせてください。この補助金、いくらもらえるんですか?
補助メニューが2つあって、それぞれ上限が違います。まず表でまとめますね。
木育活動支援事業 補助額一覧
| 補助メニュー | 内容 | 補助上限額 | 備考 |
|---|
| ①木育活動・人材育成(必須) | 木育プログラム、講師謝金、研修費など | 50万円(前年度実績あり・最大75万円) | 必ず申請が必要 |
| ②内装木質化・遊具整備(任意) | 多摩産材使用の壁・床の木質化、木製遊具・什器など | 200万円 | ①と組み合わせて申請 |
| 補助率(共通) | 対象経費の2分の1以内 | — | 両メニュー共通 |
そうなんです!両メニューを組み合わせると①50万円+②200万円で合計最大250万円の補助が受けられます。ただし補助率が2分の1以内なので、実際には500万円の対象経費に対して250万円の補助、という計算になります。
前年度実績がある場合は75万円になるっていうのはどういう仕組みですか?
①の木育活動メニューは、前年度にも本事業を使って木育活動を実施していた施設なら、継続性を評価して上限が引き上げられる仕組みです。ざっくり言うと「去年もやってた施設はご褒美でちょっと多くもらえる」って感じですね。最大で前年度分と合計75万円まで。
なるほど、継続施設を優遇する仕組みがあるんですね。面白い設計ですね。
でも実は初めての施設にも大きなチャンスがあって。令和7年度から令和9年度の3年間で、本事業の補助金交付を受けていない施設が対象なんです。つまりこれまで一度も使ったことがない施設が対象なんですよ。
えっ、初めての施設だけが申請できるってことですか?
正確には、②の内装木質化・遊具整備メニューが「令和7〜9年度の3年間で未交付の施設に限る」という条件です。①の木育活動費も毎年新規から受け付けているので、過去に①を使った施設は②を今年申請することができない、という解釈になります。まずは公式の問い合わせ先(産業労働局 森林事務所 森林産業課 振興担当、電話 0428-22-1162)に確認してみてください。
わかりました。申請を考えている施設は早めに確認が必要ですね。では次に、どんな施設が対象なのかを教えてください。
うちの施設は申請できるのかな、というのが一番気になるところだと思います。対象施設を教えてもらえますか?
対象になる施設類型はこちらです。都内に所在する民間施設が対象で、国公立は対象外となっています。
| 対象施設の種類 | 具体例 |
|---|
| 幼稚園 | 私立幼稚園 |
| 認可保育所 | 認可保育園全般 |
| 認証保育所 | 東京都独自の認証制度の保育所 |
| 幼保連携型認定こども園 | 保育と幼児教育を一体的に行う施設 |
| 家庭的保育事業 | いわゆる保育ママ事業 |
| 小規模保育事業 | 定員6〜19名の小規模施設 |
| 事業所内保育事業 | 企業が設置する従業員向け保育施設 |
小規模保育事業所も対象なんですね!ちょっとした施設でも申請できるんですか。
そうです。規模に関わらず申請のチャンスがあります!ただし今回の補助金は「多摩地域」向けで、23区内の施設は対象外です。23区・島しょ地域向けには別途「令和8年度 保育園等による木育活動の支援事業(23区、島しょ地域)」という別の補助金があります(補助金ID 66634)。
その通りです!参考に、過去年度の実績として令和7年度の多摩地域版(補助金ID 1965)や令和6年度版(補助金ID 1250)もあります。毎年継続して実施されている安定した事業なので、今回申請できなくても来年度も公募があるはずです。
国公立の幼稚園・保育所は対象外です。また、本事業(多摩地域)は多摩地域の施設のみが対象で、23区内の施設は別の事業(66634番)をご確認ください。地域をまたいで複数施設を運営している法人は、施設ごとに対象地域を確認してください。
補助対象になる経費と、ならない経費を教えてください。どこまで使えるのか気になります。
まずは使える経費から。2つのメニューそれぞれに対象経費があります。
| カテゴリ | 対象経費の具体例 |
|---|
| 木育活動費 | 木育ワークショップ講師謝金、木育教材・木製おもちゃ購入費、森林体験プログラム実施費、木育イベント運営費 |
| 人材育成費 | 木育インストラクター研修受講料、外部講師招聘費、職員向け木育研修教材費 |
| 内装木質化費 | 多摩産材を使用した壁面・床面の木質化工事費、木質化に伴う設計費 |
| 木製遊具・什器整備費 | 多摩産材を使用した木製遊具購入・設置費、木製棚・テーブル等の什器購入費、外構施設の木質化工事費 |
なるほど、対象経費の種類が多いですね。逆に対象外になるものは何ですか?
多摩産材以外の木材を使用した整備費用(国産材でも多摩産材でなければNG)、国公立施設における経費、施設の新築・増築に係る費用、土地の取得・造成に係る費用、令和7〜9年度に既に本事業の補助金交付を受けた施設の②メニュー経費、消費税及び地方消費税、補助対象期間外に発生した経費
多摩産材以外はダメなんですね!普通の国産材を買っても補助が出ないと。
そこが一番の落とし穴です!(笑) たとえば岐阜産の杉の木製遊具を購入しても、多摩産材でなければ②の補助対象にはなりません。必ず「東京の木 多摩産材」の認証材を使うことを事前に確認してから発注してください。
消費税も対象外なんですね。これは忘れると計算が合わなくなりますね。
補助金申請でよくある失敗です。見積書の合計金額から消費税を除いた税抜き金額に対して補助率2分の1を掛けた金額が補助額になります。事前にしっかり計算しておきましょう。
わかりました。では実際の申請手続きの流れを教えてください。
いざ申請しようとなったとき、何から始めればいいのか全体像が見えないと困りますよね。
全部で5ステップです!
木育活動支援事業 申請から受給までの流れ
5ステップで整理されているとわかりやすいですね。募集期間は令和8年3月25日から5月12日なので、もう始まっているんですね。
そうなんです!令和8年5月12日が申請期限なので、今からでも木育活動計画を策定して、書類を揃える時間はあります。早めに産業労働局に問い合わせて、申請様式を入手しておくのがおすすめです。
審査があるということは、採択されない施設もあるということですよね。どうすれば審査を通過できますか? 次のセクションで教えてください。
審査会があるということは、落ちることもあるということですよね。採択されるためのコツって何かありますか?
ありますよ!経験上、通る申請書には共通するパターンがあります。
- 多摩産材の調達ルートを事前確認する: 補助対象は「東京の木 多摩産材」認証材のみ。申請前に多摩産材認証協議会の認証材取扱業者リストで調達先を見つけ、見積もりを取得しておく
- 継続性のある年間カリキュラムを計画する: 単発イベントより、月1回の森林体験や季節ごとの木工活動など、年間を通じた木育プログラムを計画すると評価が高まる
- 人材育成と活動をセットで申請する: 職員が木育インストラクター資格を取得し、そのスキルで保育に活かすという循環を計画に盛り込むと「持続的な取り組み」として評価される
- 写真・動画で活動記録の計画を明示する: 実績報告時に必要な証拠書類として、どう記録するかの計画を申請書に記載しておくと、実施後のトラブルを防げる
年間カリキュラムを組むって具体的にどんな感じですか?
例えば4月に「春の森探検」(近くの公園の木を観察)、6月に「木のおもちゃ工作」、9月に「どんぐり収穫とクラフト」、12月に「木の切り株を使ったクリスマス飾り作り」みたいに、季節に沿って月1〜2回のプログラムを組むんです。毎月の保育計画に木育を組み込む形にすると「継続性がある」と評価されやすいです!
なるほど!季節感を活かすの、いいですね。子どもも喜びそう。
それで実は、木育インストラクターの育成は人材育成費として①に含まれます。外部の木育インストラクター養成講座(NPOや森林組合が主催するものなど)への職員参加費用も補助対象です。施設内に木育の担い手を育てることで、補助金が終わった後も継続できる体制が作れます。これを審査員に伝えると「長期的な取り組み」として評価されますよ。
補助金が終わった後のことまで考えて計画するの、大事ですよね。
審査員は「この施設が補助金なしでも木育を続けてくれるか」を見ています。補助金頼みでなく、施設の教育方針として木育を定着させるというビジョンを計画書に書けると、採択確率がぐっと上がります。
- 施設の現状と木育実施の動機: なぜ木育に取り組むのか、施設の理念との関連
- 年間プログラムの概要: 月別・季節別のスケジュール
- 対象児童・参加予定人数: 年齢層と参加規模
- 多摩産材の調達先: 認証業者名・調達計画
- 人材育成計画: 職員研修の内容と担当者
- 事業後の継続計画: 補助金終了後どう続けるか
これだけ揃えればかなり強い申請書になりそうですね!次は、よくある質問について聞かせてください。
申請を考えている施設の先生方が「あれ、これどうなんだろう?」って迷うポイントって、どんなことが多いですか?
はい、申請できます!幼稚園、認可保育所だけでなく、認証保育所、幼保連携型認定こども園、家庭的保育事業、小規模保育事業、事業所内保育事業と幅広い施設類型が対象です。規模の大小に関わらずチャンスがあります。ただし国公立施設は対象外なので注意してください。
いいえ、②の内装木質化だけの単独申請はできません。①の木育活動・人材育成は必須メニューなので、必ず①と組み合わせて申請します。施設整備を主目的としている場合も、木育活動計画を立てて①を申請した上で、②を追加する形になります。
前年度に実績がある場合、上限が75万円になるというのはどういう意味ですか?
①の木育活動・人材育成メニューの話です。前年度(令和7年度)に本事業で木育活動を実施した実績がある施設は、令和8年度の①上限が引き上げられて、前年度分と合計で最大75万円の補助を受けられます。継続的な取り組みを奨励する仕組みです。
申請から補助金受領まで、どのくらい時間がかかりますか?
全体では半年から1年程度です。令和8年5月12日に申請締切、その後審査会で選定、交付決定は通常締切から1〜2か月後(2026年7月頃)、事業実施は交付決定後から年度末(2027年3月)まで、実績報告後に補助金が交付されます。年度またぎになることもあるので、施設の資金繰りも含めて計画を立てておくと安心です。
東京都多摩産材認証協議会の認証材を取り扱う製材所・木材業者から調達できます。東京都産業労働局や多摩産材認証協議会のホームページに取扱業者リストが掲載されています。施設整備の場合は、多摩産材を扱う工務店や設計事務所を通じて調達することも可能です。工事業者に「多摩産材を使いたい」と伝えれば、業者が調達ルートを教えてくれることもありますよ。
改めて、この補助金の基本情報を整理してもらえますか?
| 項目 | 内容 |
|---|
| 事業名 | 令和8年度 保育園等による木育活動の支援事業(多摩地域) |
| 実施機関 | 東京都産業労働局 |
| 対象地域 | 東京都多摩地域 |
| 補助率 | 対象経費の2分の1以内 |
| 補助上限額 | ①50万円(前年度実績あり・最大75万円)+②200万円 |
| 募集期間 | 令和8年3月25日〜令和8年5月12日 |
| 問い合わせ | 産業労働局 森林事務所 森林産業課 振興担当(多摩地域の園)電話 0428-22-1162 |
| 公式情報 | 東京都産業労働局 木育事業案内 |
| jGrants登録 | 補助金詳細(jGrants) |
5月12日が締め切りなので、今すぐ動かないといけないですね!
そうです!まず東京都産業労働局のホームページで申請様式をダウンロードして、問い合わせ先(0428-22-1162)に連絡して詳細を確認するのが最初の一歩です。申請様式の入手と問い合わせは早ければ早いほどいいですよ。
- 令和8年5月12日までに申請書を提出できるか(準備期間の確認)
- 令和7〜9年度で本事業の補助金交付を受けていないか(②メニュー申請の前提)
- 多摩産材認証材の調達先を確保できるか(②申請の場合は特に重要)
最後に、この補助金と似たような制度があれば比べてもらえますか?
23区向けと多摩向けで事業が分かれているんですね。それ以外で保育施設が使える補助金って何かありますか?
令和3年度に企業主導型保育施設の設置を支援する助成金もありました(
令和3年度企業主導型保育施設設置促進助成金)。ただしこちらは施設設置向けなので、今回の木育事業とは性格が違います。木育事業は毎年継続されているので、今年度の申請が難しくても来年度以降のチャンスを狙うのもありですよ。
来年度も公募されるなら、今年から木育活動計画の準備を始めて、来年本申請という戦略もありですね。
その通りです!実はそれが一番確実な方法かもしれません。今年度は少額の木育活動(おもちゃ購入程度)から始めて実績を積み、来年度は内装木質化も含めた大規模申請を狙うというステップアップ戦略が賢いですよ。東京都の多摩地域にある保育施設の先生方、ぜひ活用してみてください!
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