室谷さん、「令和8年度職場内障害者サポーター事業」って聞いたことありますか?東京都の制度らしいんですけど。
あ、これ知ってる人少ないんですけど、障害者雇用の「定着支援」に特化した制度なんですよ!。公益財団法人東京しごと財団が運営してて、簡単に言うと「社員をサポーターに育てて、障害者の職場定着を支援したら奨励金もらえる」っていう仕組みです。
えっ、「育てて定着させたら」というのが条件なんですか?採用じゃなくて?
そうなんです!。障害者雇用って「採用」の話ばかりされるんですけど、本当の課題は「採用後の定着」なんですよね。厚生労働省のデータでも、精神障害者の1年以内の離職率は4割を超えるとされていて、採用はできても定着できないという企業がものすごく多い。
だから東京都は「社内から専任のサポーターを育てて、6か月間しっかり支援したら奨励金を出す」という設計にしてるんです。外部の就労支援機関だけに頼るんじゃなくて、職場の同僚や上司が支援スキルを身につけることが最も効果的という発想です。
申請の流れ(4ステップ)
奨励金の金額を教えてください。24万円と書いてあるのを見たんですけど。
正確に言うと、中小企業は最大24万円、大企業と特例子会社は12万円です。1事業所あたり年度1回限りの支給になります。
そうです。中小企業を優遇する設計になってますね。支給の条件は、養成講座を修了してサポーター登録をして、6か月間の支援活動を完遂してフォローアップ研修を修了すること。全部クリアして初めて奨励金が出る仕組みです。
| 企業規模 | 奨励金支給額 |
|---|
| 中小企業 | 24万円 |
| 大企業・特例子会社 | 12万円 |
そうなんです。途中でサポーターが退職したり異動したりしたら奨励金の申請ができなくなる。だから担当するサポーターを慎重に選ぶことが大事なんです。安定して業務をこなせる人を選ばないと、途中でつまずきます。
奨励金支給額の比較
基本的には東京都内に本社か事業所があって、雇用保険の適用事業主であれば対象です。法人格の種類は関係なくて、株式会社でも一般社団法人でも協同組合でも個人事業主でも使えます。業種も農業から医療福祉まで全業種OK。
広いですね。ただ対象外になるパターンがいくつかあって、都税の未納付がある、過去5年間に重大な法令違反がある、暴力団関係者がいる、というケースはアウト。あと国・都道府県・市町村・特別区などの公的機関も対象外です。
そういうことです!。あと注意点として、対象となる「事業所」の定義が少しこまかくて、東京都内の一定の場所(一区画)で労働者が勤務している場所が単位です。社内カンパニー制や事業部制を採用している場合、グループや事業部ごとに雇用保険適用事業所番号が異なる等の場合は別々の事業所としてカウントされます。
- 雇用保険の適用事業主であること(法人格問わず)
- 東京都内に本社または事業所があること
- 都税の未納付がないこと
- 過去5年間に重大な法令違反がないこと
- 暴力団関係者がいないこと
- 国・都道府県・市町村・特別区・政策連携団体は対象外
「先に養成講座を受けないといけない」というのが他の助成金と違う特徴ですよね。どんな講座なんですか?
これがなかなか充実してるんですよ!2日間のカリキュラムで、Web版と集合型の両方から選べます。1日目は「障害者雇用の現状と考え方」「就労支援機関の役割」「障害特性について」、2日目は「障害特性に合わせた業務支援」「社内理解促進・業務切り出し」「雇用管理の実践」といった内容です。
集合型では実際に都内企業に行って現場を見られるんです。Web版では各企業で収録したビデオを3社分見られる。受講者の声を見ると「イキイキと働く社員の姿がとても印象的だった」というコメントもあって、モチベーション向上にも効いてるみたいです!。
必要ありません。養成講座を受けること自体がスキル習得のプロセスです。正社員だけじゃなくて契約社員やパートタイム社員でもサポーターになれます。ただし1つ注意点があって、サポーターと支援対象の障害者が原則として同一事業所に勤務していることが条件です。
なるほど、一緒に働いてる環境でないと支援できないですよね。
そうです。あと「障害者を雇用してから申し込む」イメージを持つ人も多いんですけど、実は養成講座修了後6か月以内に障害者の雇用を予定していれば、まだ雇用していない段階でも申し込めます。採用計画と並行して動けるのはありがたいですね。
サポーター登録後、6か月の支援活動というのは具体的にどういうことをするんですか?
大きく分けると3つです。まず、支援計画書に基づいた日常的な支援。声かけ、業務上の配慮(作業手順の工夫とか指示の出し方とか)、体調管理のサポートなどですね。次に、財団のサポーター支援員が月1回・6回程度事業所に定期訪問してくれて、雇用管理や指導方法の助言をもらえます。
えっ、財団側から訪問支援してくれるんですか!。それはありがたい。
そこが大きな特徴なんですよ!。初めて障害者雇用に取り組む企業でも「困ったときにプロに相談できる」という安心感がある。受講者の声でも「定期的に訪問してくれて支援状況の話を聞いてくれるのは、迷いや不安の解消につながった」というコメントがありましたね。そして3つ目が、支援期間中盤のフォローアップ研修への参加です。
4時間の研修で、ケーススタディや参加企業同士の支援状況共有をやります。月1回程度のWebか集合型かを選べます。他社のサポーターと情報交換できるのが実務に役立つって評判がいいんですよね。
- 日常的な声かけと業務配慮(業務見える化・業務切り出し・週報月報活用)
- 財団支援員による月1回の定期訪問と助言(サポーターの悩みに即対応)
- フォローアップ研修への参加(他社事例から学ぶ・ネットワーク形成)
- 支援計画書・支援報告書の記録蓄積(ノウハウの社内資産化)
大きく5ステップですね。まず公式サイトで養成講座の日程を確認して申し込む。これが最初の関門です。
養成講座に申し込む(公式サイト shougaisya-support.jp から申込)。受講料は無料。Web版か集合型かを選ぶ
養成講座を受講・修了する(2日間、障害特性・業務支援・雇用管理を学ぶ)
サポーター登録申請を提出する(財団へ支援計画書と一緒に提出。養成講座修了後6か月以内が期限)
6か月間の支援活動を実施する(フォローアップ研修への参加も必須)
奨励金の申請をする(支援報告書等を提出。電子申請または紙申請を選択可)
令和6年4月から電子申請に対応しました。紙申請でもどちらでも大丈夫です。申請期間は令和8年3月31日から令和9年3月31日までの通年受付なので、養成講座のスケジュールに合わせて柔軟に動けます。
1つの事業所から複数人サポーターを申し込むことはできますか?
できます!。ただし多数の申込があると人数制限がかかる場合があるので注意。1人のサポーターが支援できる障害者の人数は2人程度が目安です。複数人を支援する場合は人数分の支援計画書が必要になります。
奨励金を確実にもらうためのポイントってありますか?
一番大事なのは「サポーターを慎重に選ぶこと」です。途中でサポーターが退職・異動したら奨励金の申請ができなくなる。だから業務が安定していて、コミュニケーション力があって、少なくとも1年は異動の予定がない人を選ぶのが鉄則です。
ほんとに?。サポーターが途中で辞めたら全部パーになるんですか。
そうなんです!。この制度の一番の「落とし穴」がここで、事前に運営事務局に連絡すれば対応方法を案内してもらえますが、原則として途中中断は奨励金ゼロです。だからしっかり担当者を固めてから申し込んでほしいですね。
「支援計画書をきちんと書く」ことです。養成講座でも作成方法を教えてもらえますし、事務局にも相談できます。あと複数のサポーターを養成しておくと、1人が万が一の際のバックアップになるので安心です。チームとして動く体制を作るのが理想ですね。
- サポーターが6か月の支援活動期間中に退職・異動した場合
- フォローアップ研修を修了しなかった場合
- 支援計画に基づかない活動だった場合
- 1事業所・同一年度内に複数回申請しようとした場合(年度1回限り)
それは本当に重要です!。「担当者だけが頑張っている」という状態では続かない。障害者雇用と定着を全社の方針として位置づけて、経営層が支持しているという環境が、サポーターが活動しやすい土台になります。
できますよ!。ただし同一取組への重複受給はNGなので、支援内容が重ならないよう整理が必要です。組み合わせで使いやすいものとしては、いくつかあります。
採用支援(スタート支援奨励金)→ 定着支援(サポーター事業)→ 長期雇用(安定雇用奨励金)という流れで使えそうですね。
まさにその順番が理想的です!。採用したての頃はスタート支援奨励金でしっかり体制を作り、社内サポーターを育てて6か月間定着支援。そのまま1年以上継続雇用できたら安定雇用奨励金で評価される、という戦略が組めます。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 事業名 | 令和8年度職場内障害者サポーター事業 |
| 実施機関 | 公益財団法人 東京しごと財団 |
| 対象地域 | 東京都(本社または事業所が都内にあること) |
| 奨励金上限 | 中小企業 24万円、大企業・特例子会社 12万円 |
| 申請期間 | 令和8年3月31日 〜 令和9年3月31日(通年受付) |
| 養成講座 | Web版・集合型から選択、2日間、無料 |
| 支援活動期間 | 6か月間(フォローアップ研修含む) |
| 公式サイト | https://shougaisya-support.jp/ |
| 問い合わせ | 東京しごと財団 障害者就業支援課 03-5211-2303(平日9時〜17時) |
申請難易度は低い方だと思います。特別な資格は要らないし、書類の記入支援も事務局が手厚くフォローしてくれる。ただし「6か月間しっかりやり抜く」という継続力が求められるので、担当者選びと経営層の理解が鍵です。
業種は全業種OKなんですけど、特に効果が出やすいのはいくつかあります。IT・ソフトウェア系は精神障害・発達障害の雇用が増えていて、社内サポーター配置のニーズが高い。製造業は身体・知的障害者の雇用実績が多くて、現場でのサポーター支援の効果が大きいです。あと介護・福祉業も清掃・洗濯等の業務で障害者雇用が拡大していて、受け入れ体制づくりに使いやすい。
従業員数の制約がないので、10人規模の企業でも使えます!。むしろ小さい会社のほうが中小企業奨励金(24万円)の対象になりやすいし、少人数でのコミュニケーションが障害者の職場定着にプラスに働くことも多い。
- 初めて障害者を雇用した・雇用予定の企業(現場のスキル不足を講座で解消)
- 精神障害・発達障害の社員を抱える企業(日常的な声かけ・配慮方法を習得)
- 障害者定着に課題を感じている企業(外部支援に頼らない自立体制を構築)
- 将来の障害者雇用率引上げに備えたい企業(ノウハウの先行投資として活用)
まず「障害者をまだ雇用していない段階でも申し込めますか?」
養成講座修了後6か月以内に障害者の雇用を予定していれば申し込めます。採用計画と並行して動けるので、先に知識をつけておくという使い方ができます!
できます。ただし申込が多い場合は人数制限がかかる可能性があります。複数サポーターを育てる場合は早めの申込がおすすめです。
これはNGです。支援対象は直接雇用されている方(週20時間以上)に限られます。派遣社員や業務委託の方は対象外なので注意が必要です。
令和6年4月に電子申請が追加されたので、どちらでも大丈夫です。電子申請の場合は公式サイトの「電子申請用手引(令和8年4月改正)」を必ず確認してから進めてください。
東京都の障害者雇用支援制度って他にもいろいろあるんですね。まずは
東京都の補助金一覧もチェックしてみましょう!