NEDOが「大学発スタートアップにおける経営人材確保支援事業(MPM)」の公募を始めたって聞いたんですけど、これって普通の補助金とはちょっと違うんですよね?
そうなんです! これ、かなり特殊な仕組みで、一般的な補助金と全然違います。NEDOが自分たちでプログラムを設計・運営してほしい「受託者」を外部から募集する「委託事業の公募」なんですよ。
え、じゃあ大学発スタートアップが直接申請するものじゃないってこと?
まさにそこが最大のポイントです! 大学発スタートアップは申請しません。ベンチャーキャピタルやアクセラレーターなどの支援機関が「我々がそのプログラムを運営します」と手を挙げる公募です。大学発スタートアップはあくまで支援される側。
Management Personnel Matching programの略です。日本語にすると「経営人材マッチングプログラム」。技術シーズを持つ大学発スタートアップって、すごい技術はあっても経営のプロが圧倒的に足りない、という課題があって、そこを解決しようとしているんです!
確かに、大学の先生が起業しても「経営がわからない」って話はよく聞きますよね。
そうなんです。ディープテック系の大学発スタートアップは特にそう。技術力は世界レベルなのに、CEOやCFO候補がいなくて事業化できない、っていうケースが山ほどあります。NEDOはそこに目をつけて、2023年度から継続的にこのMPM事業を実施しています。2026年度が第4回目になります。
MPMの3ステップ:経営人材確保の流れ
大きく3段階があります。①発掘・育成:「自分が起業したい」または「スタートアップの経営者として参画したい」という人材候補を見つけて育てる。②マッチング:その経営人材候補と、大学等の技術シーズ・大学発スタートアップを引き合わせる機会を作る。③定着支援(メンタリング):マッチング後、経営人材がちゃんと経営に参画して定着するまでフォローする。この3フェーズを一気通貫で設計・運営してほしいというわけです。
「マッチング」って、単に出会いの場を作ればいいってわけじゃないんですよね?
そう! NEDOの定義が細かくて、「出会い」→「関係構築」→「意思決定」の3段階を踏んで初めてマッチング成立と見なされます。イベントで名刺交換しただけじゃカウントされない。大学発スタートアップが経営人材として参画させる「意思決定」の証票をNEDOに提出する必要があります。
へー、かなり本気のマッチングが求められるんですね。
2026年度の特徴として、「イグニッションチーム」という新しい枠が追加されました。起業支援・知財戦略・事業戦略などの専門人材でチームを組んで、大学発スタートアップを「ワンストップで強力に支援」する仕組みです。これは任意提案ですが、より手厚い支援ができる事業者には大きなアピールポイントになります!
なるほど、支援が進化しているんですね。じゃあ、どんな法人が応募できるんですか?
MPM応募対象者と支援の仕組み
公募要領にはっきり「大学発スタートアップの創出・成長に積極的に関わりたいベンチャーキャピタル等」と書かれています。具体的には——
ベンチャーキャピタル、アクセラレーター、大学のTLOや産学連携組織、スタートアップ支援機関あたりですか?
正解です! さらに言えば、人材紹介・ヘッドハンティング会社でも、スタートアップの経営人材確保の実績があれば応募できます。NEDO委託事業の受託能力があること、それからスタートアップ支援や人材マッチングの実績を持っていることが前提になります。
大学等の研究機関と、大学発スタートアップ自身は対象外です。あくまで「経営人材と大学発スタートアップを引き合わせる仕組みを作れる外部の事業者」が求められています。大学発スタートアップの関係者の方は、このプログラムの支援を受ける側として期待されています。
- NEDO委託事業の受託能力を有する法人(法人格必須)
- スタートアップ支援または人材マッチングの実績あり
- 経営人材候補のネットワーク(MBA人材、CxO経験者等)を保有または構築できる
- 大学・研究機関との連携実績があると強み
- 大学等・大学発スタートアップ自身は対象外(支援される側)
委託費の規模ってどのくらいになるんですか? 公募要領には書いてあるんですよね?
2026年度の具体的な委託費はNEDO公募要領でご確認ください。過去のMPM事業(2023〜2025年度)と類似のNEDO委託事業では、数千万円〜数億円規模の委託費が設定されることが多いです。規模は提案内容と採択件数によって変わります。
| 経費カテゴリー | 主な内容 |
|---|
| 人件費 | プログラムマネージャー、マッチングコーディネーター、メンター等 |
| 事業費 | マッチングイベント開催費、メンタリング運営費、人材データベース構築費 |
| 委託費 | 人材サーチ外部委託費、プログラム評価・分析委託費 |
| 旅費 | スタートアップ・大学訪問、イベント参加 |
| 間接経費 | 直接費用に対して一定率(公募要領で定める上限あり) |
受託機関自体の事業開発費、スタートアップへの直接投資、経営人材への報酬(それはスタートアップ側が負担すべきもの)、一般管理費の過大な計上、などは認められません。委託事業としての趣旨から外れるものは全部NGです。
本事業はNEDO委託事業なので、補助金とは性質が異なります。採択後は委託契約を結んで事業を実施し、成果・実績を詳細に報告する義務があります。補助金のように「申請して採択されれば終わり」ではなく、NEDOと継続的にやり取りしながら事業を進める前提でご検討ください。
2026年度公募には2つの枠があります。新規枠はNEDOが指定する日から2028年3月31日まで、つまり最大約2年間の複数年度事業です。加速枠はMPM2024年度・2023年度の採択者向けで、2027年3月31日まで(2026年度のみ)。新規で参入する方は新規枠を選びます。
そうです。過去の成果を踏まえてさらに挑戦的な実証に取り組む枠です。さらに、事業終了から1年後(2028年3月予定)にも活動報告書の提出が求められます。短期で終わりじゃなく、長期的な関与が前提ですね。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 公募期間 | 2026年4月1日〜2026年4月30日(木)正午まで |
| 公募説明会 | 2026年4月7日(火)11時00分〜12時00分(オンライン、終了済み) |
| 個別相談 | 〜2026年4月17日(金)正午まで(終了済み) |
| 新規枠 事業期間 | NEDOが指定する日〜2028年3月31日(最大2年間) |
| 加速枠 事業期間 | NEDOが指定する日〜2027年3月31日(2026年度のみ) |
| 申請方法 | Jグランツ(電子申請のみ。持参・郵送・FAX・メール不可) |
| 実施機関 | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) |
| 対象地域 | 全国 |
| 問い合わせ | MPM事務局(MPM@nedo.go.jp) |
2026年4月30日正午が締め切りなんですね! 今(2026年4月28日)だとまだ間に合う?
ぎりぎり2日ありますが、Jグランツでの電子申請完了が必要です。提出期限直前は混雑することがあるとNEDOも注意喚起しています。今から申請するなら、今日中に提案書をフィナライズして、遅くとも4月30日の朝には申請を完了させるのがベストです!
NEDO委託事業らしく、かなり細かく見られます。まず経営人材のネットワークが最重要。MBA人材、CxO経験者、事業会社の新規事業責任者など、どんな人材プールをどう構築・拡大するか、具体的な候補者数や経路を示せるかどうかです。
「ネットワークがあります」と言うだけじゃダメで、数字で示す必要がある?
そうです! 「独自のネットワークで○○人のCxO経験者にアクセスできる」「○年間でVCとして○社のスタートアップ経営チームの構築支援実績あり」というような定量的な根拠が求められます。次に大学との連携実績。大学発スタートアップの技術シーズをどう目利きするか、産学連携でどんな実績があるかが問われます。
超重要です! マッチングして終わりじゃなく、定着率をKPIに設定できるかどうか。「経営参画の意思決定に至った件数」「参画後12ヶ月時点での継続率」などのKPIを具体的に提案できると、実効性の高さが伝わります。そしてイグニッションチームを提案する場合、知財・事業戦略専門家をチームに組み込めるかどうかも加点要素になります!
- 経営人材プールの規模と質:候補者数・職歴・経路を数字で示す
- 大学エコシステムとの接点:産学連携・TLO連携・大学訪問実績
- マッチングの具体的手法:出会い・関係構築・意思決定の各フェーズの設計
- 定量的KPI:マッチング件数・定着率・活動報告書に記載できる成果指標
大学発スタートアップの立場から見ると、このMPM事業ってどう活用すればいいんですか?
直接申請はできないんですが、NEDOのMPMプログラムに採択された支援機関が展開するマッチングイベントや個別支援を積極的に活用するのが正解です。経営人材を探している大学発スタートアップは、VCやアクセラレーターのMPM採択を確認して「経営チームに誰か加わってほしい」という相談を持ち込むルートが生まれます。
NEDOのMPM以外にも、大学発スタートアップ向けの支援って他にありますか?
つまり、MPMで経営チームを整えながら、別のNEDO事業で研究開発資金を得るという戦略が取れるんですね。
大学発スタートアップがMPMの支援機関を通じて優秀な経営人材を獲得し、その経営人材がNEDOの別の研究開発型スタートアップ支援事業の申請をリードする、というシナジーが生まれるわけです。これがNEDOが描くスタートアップ・エコシステムの理想形ですね!
2023年度が初年度で、2026年度が4年目になります。加速枠が設定されていることからも分かるように、MPM2023・2024採択者が継続的に活動している実績があります。NEDOは毎年公募を続けており、スタートアップ支援の優先テーマとして位置づけています。
なぜ今、経営人材確保にNEDOがこれだけ力を入れているんですか?
日本のスタートアップ政策の核心にある問題なんです。技術力はあるのに起業が少ない、起業しても経営チームが弱くて大きくなれないというのが日本の課題でした。政府の「スタートアップ育成5カ年計画」でも起業家人材の確保は重点課題で、NEDOはその実行機関として2026年度も力を入れて継続しているわけです。
ディープテック分野に特化しているのも特徴ですよね。
そうです。AIやバイオ・量子・素材などのディープテック分野は、論文から事業化まで10年単位の長期視点が必要で、経営のプロが伴走しないと市場化できない。NEDOが技術開発支援と経営人材支援の両方を担うことで、日本のディープテックスタートアップの世界展開を後押しする狙いがあります!
2026年度の公募期間は2026年4月30日正午に終了します。間に合わない場合は、次回(2027年度予定)に向けた準備を今から始めましょう。具体的には「経営人材候補データベースの整備」「大学・TLOとのネットワーク構築」「過去のスタートアップ支援実績の整理」の3点を今から積み上げておくと、来年度の提案書がかなり強化されます。
はい! まず「大学発スタートアップ自身が応募できますか?」については、できません。本事業は支援プログラムを運営する受託者(VC等)を募集するものです。大学発スタートアップは支援対象として活用してください。
具体的な金額はNEDO公募要領に記載されています。類似のNEDO委託事業では数千万〜数億円規模の実績があります。提案する事業規模・体制に応じた金額を計上することになります。
CEO・COO・CFO・CTOなどの経営幹部に加え、事業開発責任者や営業責任者など経営チームを構成する人材全般が対象です。一般従業員の採用支援とは異なり、スタートアップの成長方針に関わるリーダーシップポジションです。
大学との関係がないスタートアップも支援対象になりますか?
原則として「大学発スタートアップ」が対象なので、大学の研究成果・技術シーズに基づいているか、大学研究者が関与しているかが要件になります。完全に大学と無関係のスタートアップは対象外が原則です。公募要領で詳細条件を確認してください。
新規枠で最大約2年(2028年3月31日まで)、加速枠で約1年(2027年3月31日まで)です。さらに、事業終了後1年以内に活動報告書を提出する義務もあります。短期案件ではなく、継続的なコミットが前提の事業です。
NEDO関連の補助金、他にも参考になるものを教えてもらえますか?
はい! MPMと組み合わせて活用できるNEDO関連の支援制度を3つ紹介します。研究開発資金・技術育成・スタートアップ支援と、補完関係がある制度です。
MPMで経営チームを整えながら、これらの研究開発支援と組み合わせることで、技術力と経営力の両輪を揃えたスタートアップ成長が期待できます!
全国の補助金・助成金情報は都道府県別でも検索できます。東京都の補助金一覧、大阪府の補助金一覧、愛知県の補助金一覧、神奈川県の補助金一覧など、お近くの地域で利用できる制度もあわせてご確認ください。