室谷さん、「高齢者住宅改修費給付事業」って聞いたことありますか?ちょっとマイナーな制度で、名前だけ見てもよくわからないんですよね。
あ、これは知っている人が少ない給付金ですけど、対象者には実際かなりありがたい制度なんですよ!介護保険で手すりをつけたり段差を解消したりする住宅改修をするとき、介護保険が使えない部分の工事費を大阪市が肩代わりしてくれる制度です。
えっ、介護保険が使えない部分の工事費まで給付されるんですか!
そうなんです。たとえば介護保険の住宅改修で手すりをつける工事と一緒に、ついでに壁のクロスを貼り替えるとか、床板を変えるとか…そういった付随工事は介護保険の対象外ですよね。その費用を大阪市が最大30万円まで給付してくれるんです。
最大30万円!それはでかい!でも誰でももらえるわけじゃないですよね?
そうですね、介護保険料の所得段階が第1〜6段階の世帯が対象になります。つまり、市民税非課税世帯か、本人が非課税であれば対象になります。第7段階以上、つまり本人が市民税課税の場合は残念ながら対象外です。
なるほど、低所得者向けの支援という位置づけなんですね。
はい。でも生活保護受給世帯だったら自己負担ゼロで全額給付されます!通常の非課税世帯は9割給付で1割が自己負担です。
所得段階別 給付率まとめ
「介護保険料段階」って何ですか?自分がどの段階か、どうやって確認するんでしょう?
介護保険料は収入によって第1〜13段階(自治体によって異なる)に分かれています。大阪市の場合、毎年届く介護保険料決定通知書や、区の保健福祉センターで確認できますよ。
ちょっと整理させてください!どの段階でどのくらいもらえるんでしたっけ?
| 介護保険料段階 | 対象者 | 給付上限額 | 支給率 |
|---|
| 第1段階 | 生活保護受給世帯 | 工事費用の30万円まで | 10割(自己負担ゼロ) |
| 第1段階 | 中国残留邦人等支援給付対象世帯 | 工事費用の30万円まで | 10割(自己負担ゼロ) |
| 第1〜4段階 | 市民税非課税世帯 | 工事費用の30万円まで | 9割(自己負担1割) |
| 第5〜6段階 | 本人非課税・世帯課税 | 工事費用の5万円まで | 9割(自己負担1割) |
| 第7段階以上 | 本人が市民税課税 | 対象外 | 対象外 |
このように段階によって給付上限額がかなり変わります。第5〜6段階は給付上限が5万円になるので注意が必要です。
なるほど!第7段階以上だと完全に対象外なんですね。改めて確認しておかないといけないですね。
そうなんです。「要介護認定で要支援以上の認定を受けていること」も条件なので、そこも忘れずに確認してほしいです。住所が大阪市内にあることも必要ですよ。
以下を全て満たす必要があります。
- 大阪市内に住所があること
- 要介護認定で要支援1以上の認定を受けた高齢者がいる世帯
- 介護保険料段階が第1〜6段階(第7段階以上は対象外)
- 介護保険の住宅改修を同時に行うこと
わかりました。で、具体的にどんな工事が対象なんですか?
介護保険で対象になる工事(手すり取付け・段差解消・床材変更・扉取替え・スロープ設置など)と「同時に行う付随工事」が対象です。介護保険の住宅改修と切り離してやる単独工事はダメで、あくまで付随するものに限ります。
じゃあ、介護保険の住宅改修をするついでに、周辺の工事もカバーしてもらえるイメージですね。具体的な工事内容はどこで確認できるんでしょう?
大阪市が出している「申請のしおり(事業者用)」に詳しく書いてあります。事業者さんに確認してもらうのが一番早いですよ。申請は必ず工事の前に行う必要があるので、工事業者さんと早めに相談を始めてほしいです。
住宅改修費給付の申請フロー
大事なのは工事前に必ず事前申請することです!工事が終わってから申請しても一切給付されません。この点だけは絶対に覚えておいてください!
工事着手前に給付申請を行い、給付決定通知書を受け取ってから工事を開始してください。工事後の申請は一切認められません。これは介護保険の住宅改修と同様のルールです。
工事後に申請してももらえないのは厳しいですね…それは気をつけないと。
本当にそうです。ここは多くの方が後から気づいて間に合わないケースがあるので。では申請の流れを整理しますね。
1工事業者に「高齢者住宅改修費給付事業を使いたい」と相談する
2工事業者が申請書の作成を支援(申請のしおりに従って見積書等を準備)
3お住まいの区の保健福祉センター保健福祉課(福祉業務担当)へ給付申請書・見積書・工事内容がわかる書類を提出
4保健福祉センターの審査+建築士(大阪府建築士会)による内容確認(30日以内に決定)
7工事完了日の翌日から10日以内に実績報告書・費用明細書・工事写真を提出
結構ステップが多いですね!ステップ4の建築士チェックというのはどこで行うんですか?
令和6年度は公益社団法人大阪府建築士会が審査機関として委託されています。申請者が直接連絡する必要はなく、各区の保健福祉センターを通じて審査が行われます。工事の相談はできますが、申請の相談は各区の保健福祉センターへするのがルールです。
なるほど!実績報告書のところ、10日以内というのはかなり短いですね。
そうなんです。工事が完了したらすぐに書類を揃える準備をしておいてください。実績報告書・費用明細書・工事写真が必要になります。事業者さんがサポートしてくれることが多いので、事前に確認しておくといいですよ。
給付決定額から10%以上変更があったときはどうするんですか?
変更承認申請が必要になります。工事内容や費用が大幅に変わりそうなときは、工事着手前に保健福祉センターへ相談してください。
大きく分けて「事前申請時の書類」と「工事完了後の書類」があります。
| 申請フェーズ | 必要書類 |
|---|
| 事前申請時 | 高齢者住宅改修費給付事業給付申請書 |
| 事前申請時 | 改修工事の見積書 |
| 事前申請時 | 工事内容がわかる書類(図面等) |
| 工事完了後 | 実績報告書 |
| 工事完了後 | 費用明細書 |
| 工事完了後 | 工事前後がわかる写真 |
| 工事完了後(中国残留邦人等) | 支援給付決定通知書(写)または本人確認証(写) |
中国残留邦人等支援給付対象者は別途書類が必要なんですね。
そうです。自己負担ゼロで給付を受けるために追加書類が必要になります。
お住まいの区の保健福祉センター保健福祉課(福祉業務担当)へ申請してください。
福祉局 高齢者施策部 地域包括ケア推進課 地域包括ケアグループへの問い合わせも可能です。
電話 06-6208-8060 / ファックス 06-6202-6964
審査機関(工事相談専用)
公益社団法人 大阪府建築士会
電話 06-6948-5117(住宅改修事業者相談専用)
メール jyuu.kai@aba-osakafu.or.jp
相談対応 毎週月曜日・木曜日 9時〜17時
※申請相談は各区保健福祉センターへ
具体的な区の保健福祉センター一覧はどこで見られますか?
大阪市の公式ページから各区の保健福祉センター一覧が確認できます。
公式ページに一覧があります。住んでいる区の窓口へ連絡するのが一番早いです。
給付決定が出たあと、何か気をつけることはありますか?
大事なことが1つあります。給付決定後5年以内に住宅を譲渡・売却・貸付けした場合、給付金の全部または一部の返還を求められることがあります。
えっ、売却したらお金を返さないといけないんですか!それは知らなかったです。
そうなんです。あくまで「その住宅に住み続ける高齢者の生活を改善する」ための給付なので、短期で売却すると目的に反するとみなされます。給付決定から5年以内の売却予定がある方は慎重に検討してください。
わかりました。そのほかに気をつけることはありますか?
給付決定はあくまで「その年度内」に工事を完了することが前提です。年度をまたいで工事が完了する場合は、また手続きが必要になることがありますので、早めに相談してください。
年度という観点も大事なんですね。給付を受けるまでのスケジュール感が、少しでも早くわかっていた方がいいですね。
まずは要介護認定を受けて、介護保険の住宅改修を計画しているなら、ケアマネジャーや工事業者に「大阪市の給付事業も使えるか」と確認することから始めましょう。ケアマネジャーもこの制度を知っている方が多いですよ。
大阪市から電話・訪問で「給付金の手続きをする」と言ってATMや銀行に誘導されることは絶対にありません。また、役所が電話で口座番号・暗証番号を聞くことはありません。不審に思ったら区の保健福祉センターか警察(#9110)に相談してください。
こういった補助金・給付金を狙った詐欺も多いですよね。
そうですね。特に高齢者世帯を狙った「役所の者ですが給付金の手続きで…」という電話詐欺があります。役所が電話で個人情報や口座情報を聞くことはないので、かならず自分で確認してください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 高齢者住宅改修費給付事業(大阪市) |
| 対象者 | 大阪市内在住・要支援以上・介護保険料段階第1〜6段階の世帯 |
| 給付上限 | 工事費用の30万円まで(第5〜6段階は5万円まで) |
| 支給率 | 9割〜10割(段階により異なる) |
| 申請期限 | 随時(工事前の事前申請必須・給付決定年度内に工事完了) |
| 申請先 | お住まいの区の保健福祉センター保健福祉課(福祉業務担当) |
| 公式情報 | 大阪市公式ページ |
この制度を使う場合、介護保険の住宅改修と同時に申請するイメージですね。
そうです!介護保険の住宅改修の申請と並行して動かすのがポイントです。ケアマネジャーに「介護保険の住宅改修と一緒に大阪市の給付事業も使えないか」と確認してみてください。
住宅改修と合わせて、日常生活用具の給付も活用できるんですね!
そうです。一つの給付金を使うと、関連する制度も活用できることが多い。ケアマネジャーや保健福祉センターに相談すると、まとめて教えてもらえますよ。大阪府内の他の市区町村や、大阪府全体の給付金・補助金情報は
大阪府の給付金一覧からも確認できます。