室谷さん、最近「都立高校の学費が実質タダになる」って話を聞いたんですが、これって本当ですか?
本当ですよ!「高等学校等就学支援金」という国の制度があって、都立学校に通う生徒の授業料を国が肩代わりしてくれるんです。正確には保護者に現金が振り込まれるのではなく、学校が生徒の代わりに国から受け取って、授業料に充当する形です。
えっ、じゃあ学校の請求書が減ってくるってことですか?
そういうことです!ただ、「所得制限がある」という点はしっかり把握しておく必要があります。世帯年収の目安として約910万円未満の世帯が対象で、それを超えると就学支援金は受け取れません。
910万円っていうと、かなりの世帯が対象になりそうですよね。
実は全日制の都立高校に通う生徒の大多数が対象になっています。ただ「目安910万円」というのはあくまで目安で、正確には「審査基準額」という計算式で判定されます。この計算方法、実は少し複雑なので後でしっかり説明しますね。
- 制度の根拠: 高等学校等就学支援金の支給に関する法律(国の制度)
- 実施主体: 国(文部科学省)+ 東京都が窓口
- 対象校: 都立高等学校・都立中等教育学校後期課程・都立特別支援学校高等部
- 問い合わせ先: 東京都教育庁都立学校教育部高等学校教育課 TEL 03-5320-6744
就学支援金 課程別 支給額比較
- ☐ 都立高等学校・都立中等教育学校後期課程・都立特別支援学校高等部に在学している
- ☐ 高等学校等を卒業または修了していない(高校をまだ卒業していない)
- ☐ 保護者全員の審査基準額の合計が30万4,200円未満(世帯年収目安 約910万円未満)
→ 3つ全部チェックできれば対象です!1つでも外れる場合は学校に相談してみましょう。
この「審査基準額」というのが気になりますが、どうやって計算するんですか?
計算式はこうなります。「区市町村民税の課税標準額 × 6% − 区市町村民税の調整控除の額」を親権者全員分合算した金額が、30万4,200円未満かどうかで判定します。課税標準額は毎年5〜6月に届く住民税の納税通知書に載っています。
はい。ざっくりした目安として、世帯年収が約910万円未満であれば対象になるケースがほとんどです。ただし、早生まれ(1〜3月生まれ)の生徒は扶養控除の適用時期が1年ずれるため、課税標準額から33万円を控除して算出する特例があります。早生まれのお子さんの場合は、実際の年収が910万円を少し上回っていても対象になる可能性があるんです!
課程によって金額が違います。一番わかりやすい全日制でいうと、月額9,900円(年額118,800円)が上限です。これは最大36か月(約3年分)受け取れます。
| 課程 | 支給単価 | 年間最大支給額 | 支給期間上限 |
|---|
| 全日制 | 月額9,900円 | 118,800円 | 36か月 |
| 定時制(単位制以外) | 月額2,700円 | 32,400円 | 48か月 |
| 定時制(単位制) | 1単位あたり月額145円 | 52,200円(30単位上限) | 48か月 |
| 通信制 | 1単位あたり月額28円 | 10,080円(30単位上限) | 48か月 |
| 特別支援学校高等部 | 月額100円 | 1,200円 | 36か月 |
通信制や特別支援学校は授業料の設定自体が低めなので、就学支援金の単価もそれに合わせて設定されています。全日制の場合、授業料そのものも月額9,900円なので、支援金で実質ゼロ円になるんですよ!
なるほど、授業料と就学支援金がぴったり一致してるんですね!
そうなんです。実は都立高校の授業料そのものが月額9,900円に設定されていて、就学支援金もその額を上限に設計されています。だから対象世帯の全日制生徒は授業料の実質負担がゼロになるわけです。
授業料の金額と支援金の金額が完全に同じなのは、そういう設計があったんですね。
さっき「所得制限で対象外になる世帯もある」って話でしたが、そういう世帯は授業料を全額払うんですか?
実はそうじゃないんです。これが面白いところで、就学支援金の対象外でも授業料が実質無料になる仕組みが別に用意されています。「高校生等臨時支援」という国の制度と、就学支援金の第2回申請を組み合わせることで、所得制限を超えた世帯でも授業料負担ゼロを実現できます。
正確には「学校から案内がある申請手続きをきちんと行えば」という条件付きですが、仕組みとしてはそういうことです。だから申請をサボると損をするわけです。
- 就学支援金は「自動的にもらえる」ものではありません
- 手続きを行わない場合、授業料(月額9,900円)を全額自己負担することになります
- 新入生は年2回、在校生は年1回の申請が必要です
- 学校からの案内を必ず確認し、期限内に申請してください
申請方法について教えてもらえますか?なんかオンラインで申請するって聞いたんですが。
はい。都立学校の場合、「e-Shien(イーシェン)」という都立高等学校オンライン申請受付システムを使います。紙の書類じゃなくてオンラインで手続きできるのは便利ですよね。
e-Shien 申請フロー
学校から「システム利用開始情報通知書」を受け取る(入学時・各年度の申請時期に配布)
通知書に記載のログインIDを使ってe-Shienにアクセスし、生徒情報を登録する
申請画面から就学支援金の申請を行い、マイナンバーを提出する
学校が受理・審査を行い、認定(または不認定)の通知が来る
認定された場合、学校の授業料から就学支援金分が差し引かれる
マイナンバーが必要なんですね。カード持ってない場合はどうするんですか?
マイナンバーカードがなくても、マイナンバー(個人番号)がわかれば大丈夫です。「マイナンバー収集台紙」という書類に記入して提出します。カードの読み取りがうまくいかない場合は手入力もできますし、どうしてもわからない場合は課税証明書等で代替できます。
それと、一度認定されて内容に変更がなければ、翌年度の手続きが省略できる場合もあります。ただし所得状況が変わった場合は必ず変更届が必要なので注意してください。
新入生は「年2回申請が必要」ってどういうことですか?
新入生の場合、第1回(5月頃)と第2回(9〜10月頃)の2回申請機会があります。これは入学してすぐに全員の所得情報が把握できない事情があるためです。第1回で申請できなかった人が第2回で申請できる救済的な仕組みですね。在校生は年1回(6〜7月頃)の申請で済みます。
具体的な締め切り日は毎年変わります。学校から案内が届いた時点で日程を確認してください。制度上の申請期間はありますが、個別の締め切りは在学校が通知するので、学校からの書類を見落とさないようにするのが一番重要です。
| 書類 | 内容 | 備考 |
|---|
| システム利用開始情報通知書 | 学校から配布 | ログインIDが記載 |
| マイナンバー(個人番号) | 各家族のもの | カード or 通知カードで確認 |
| マイナンバー収集台紙 | 学校から配布 | マイナンバーカードがない場合に使用 |
そうなんです。昔は課税証明書を区市町村窓口で取得しなければならなかったんですが、マイナンバー制度の導入で収入情報を国が直接把握できるようになり、書類がかなり減りました。
ちょっと根本的なことを聞いていいですか?就学支援金って「お金が振り込まれる」んじゃないんですよね?
そうです!ここ、勘違いしている人が多いんですが、就学支援金は保護者に直接支払われません。学校が生徒に代わって国から受け取り、そのまま授業料に充当する仕組みです。つまり授業料の請求額が最初から就学支援金分だけ減っている、というイメージですね。
あー、だから「口座に入金される」じゃなくて「授業料が差し引かれる」なんですね。
正確に理解してもらえましたね!全日制の場合、授業料は月額9,900円で、就学支援金の上限も月額9,900円なので、対象世帯は実質的に授業料の請求が来ないことになります。ただし授業料「以外」の費用(教材費、修学旅行費、生徒会費など)は別途かかりますので、その点はご注意を。
はい、就学支援金はあくまで「授業料」のみが対象です。入学料(都立の場合は5,650円)も別途かかります。ただし入学料については別の支援制度がある場合もあるので、学校に確認してみてください。
e-Shienにログインして「認定状況」のページを見ると「審査状況」のステータスで確認できます。審査完了時には「認定」または「不認定」が表示されます。
ただ、支給額等の詳しい審査結果については、概ね審査完了後数か月程度で、学校を通じて書面でも通知されます。e-Shienで「認定」と表示されていても、実際の授業料請求書を見て確認するのが確実ですね。
- オンライン確認: e-Shienログイン → 「認定状況」→「審査状況」を確認
- 書面確認: 審査完了後、学校を通じて書面でも通知(数か月後)
- 実際の請求書: 学校から届く授業料請求書で最終確認
ここまで話を聞いて、いくつか疑問が浮かびました。まず「転校したらどうなるの?」と聞かれたらどう答えますか?
転校した場合は、転校先の学校でも改めて申請手続きが必要になります。ただし転校前の学校での認定状況が引き継がれる部分もあるので、転校が決まったら早めに双方の学校に確認するのがベストです。
「外国人生徒は対象になりますか?」という質問も多そうですが。
就学支援金は国籍要件がありません。都立学校に在学していて所得要件を満たしていれば、外国籍の生徒の保護者も対象です。ただし所得情報の確認方法が日本人と異なる場合があるので、学校に確認してください。
それは大事な情報ですね!最後に「卒業が延びた場合は引き続き支給されますか?」という点は?
支給期間には上限があります。全日制は最大36か月です。留年などで在学期間が延びた場合でも、支給期間の上限を超えれば就学支援金は打ち切られます。ただし定時制・通信制は48か月と長めに設定されているので、その分の余裕はあります。
就学支援金は「国の法律に基づく全国一律の制度」で、都立学校では申請窓口として学校が機能しています。ポイントをまとめると3つです。
| 確認ポイント | 内容 |
|---|
| 対象者 | 都立高等学校等の在学生(保護者の世帯年収目安 約910万円未満) |
| 支給額(全日制) | 月額9,900円・年額118,800円(最大36か月) |
| 申請方法 | e-Shienからオンライン申請(学校から通知書が届いてから) |
| 申請回数 | 新入生:年2回、在校生:年1回 |
| 問い合わせ | 東京都教育庁都立学校教育部高等学校教育課 TEL 03-5320-6744 |
申請さえすれば大多数の世帯が恩恵を受けられる素晴らしい制度ですね!
そうなんです。手続きを忘れると損をするだけなので、お子さんが都立学校に在学中の方は学校からの案内を必ず確認してください。所得制限で対象外の場合も別の支援制度があるので、あきらめずに学校や教育委員会に相談してみてください。
- 就学支援金に関して、電話やメールで「口座番号を教えてください」「手数料を支払ってください」などの連絡が来た場合は詐欺の可能性があります
- 正規の手続きはすべて e-Shien(オンラインシステム)または学校窓口を通じて行われます
- ATMの操作を求められることは絶対にありません
- 不審に思ったら学校または警察に相談してください
室谷さん、今日は就学支援金について詳しく教えてもらってありがとうございました!都立学校に通うお子さんをお持ちの保護者の方は、ぜひ学校からの案内を大切にしてくださいね。
そうですね。教育費の負担を減らせる貴重な制度なので、ぜひ活用してください。就学支援金と合わせて、子育て世帯向けのほかの給付金も確認しておくと良いですよ。
就学支援金以外にも、東京都や国の制度で活用できるものってありますか?
たくさんありますよ!特に子育て世帯の方に関係しそうなものをいくつか紹介します。
まず子育て世帯の定番として
児童手当があります。中学生以下のお子さんがいれば月額1万円〜1万5千円が支給される国の制度です。都立高校に通うお子さんがいる世帯は中学生以下のきょうだいがいることも多いので、申請漏れがないか確認を。ひとり親世帯の方には
児童扶養手当も重要な制度ですね。
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