室谷さん、「妊孕性温存療法」って言葉、最近よく聞くようになりましたよね。愛媛県にもそのための助成制度があると聞いたんですが、どんな制度なんですか?
そうなんですよ!正式名称は「愛媛県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」って言うんですが、要はがん治療前に卵子や精子を凍結保存して、将来の子どもを持つ可能性を守るための費用を助成する制度です!
えっ、がん治療中なのに、子どものことも考えないといけないんですか?
そこが重要なポイントでして!抗がん剤や放射線治療は、がんをやっつけてくれる一方で、生殖機能にも影響することがあるんです。治療が終わってから「子どもが欲しい」と思っても、精子や卵子が残っていないケースもあるんですよ。だからこそ、治療を始める前に凍結しておく必要があるんです!
なるほど!じゃあ、この制度はどんな人が使えるんですか?
「AYA世代」って聞いたことありますか?Adolescent and Young Adultの略で、主に思春期・若年成人世代(43歳未満)のことです。がんと診断されてこれから治療を受ける若い方々が主な対象ですね。愛媛県に住所がある方が対象で、県が助成してくれます!
ちょっと待ってください、「妊孕性(にんようせい)」って言葉自体が難しくて…。普通に聞いたことない言葉ですよね?
そうですよね(笑)!読み方もわかりにくいし。簡単に言うと「妊娠するための力・能力」のことです。女性だけじゃなくて男性にも関係する概念なんですよ!
はい!男性の場合は精子の数や運動能力、女性の場合は卵子の数や卵巣の機能のことです。がん治療の抗がん剤や放射線がこれらに影響して、治療後に妊娠・出産が難しくなるケースがあるんですよ。
大きく2段階あります!まず「妊孕性温存療法」として、がん治療前に卵子・精子・受精卵・卵巣組織などを凍結保存します。そして将来、子どもが欲しいとなったとき、今度は「温存後生殖補助医療」として凍結した検体を使って体外受精や胚移植などの不妊治療を行います。この2つの費用の一部を愛媛県が助成してくれるんです!
2段階あるんですね!じゃあ次は対象者の詳しい条件を教えてください。
妊孕性温存療法 助成申請フロー
対象者の条件が複雑そうで…。具体的にはどんな人が使えるんですか?
整理しますね。まず共通条件として、申請時に愛媛県内に住所がある方であることが必要です。「愛媛県に住んでいる」というのが大前提です!
これが大事なポイントで、原疾患の治療や妊孕性温存療法を他県の医療機関で受けても助成の対象になります!住民票が愛媛県にあれば、例えば大阪や東京の病院で治療を受けていても大丈夫なんですよ。
それは安心ですね!がんの種類は何でもいいんですか?
妊孕性温存療法の場合、以下の条件のどれかを満たす必要があります。
- がん治療の妊孕性低下リスク(高・中間・低リスク)の治療を受ける方
- 乳がんのホルモン療法など長期治療で卵巣予備能の低下が想定されるがん患者
- 造血幹細胞移植が実施される非がん患者(再生不良性貧血・ファンコニ貧血など)
- アルキル化剤(エンドキサン等)が投与される非がん患者(全身性エリテマトーデス・ループス腎炎など)
がん以外の病気でも使えるんですか!それは知らなかった!
そうなんです!造血幹細胞移植が必要な方や、膠原病などでアルキル化剤を使う方も対象です。病名だけで「自分は対象外かも」とあきらめないでほしいですね。
妊孕性温存療法は凍結保存時に43歳未満であること、温存後生殖補助医療は治療期間の初日に妻の年齢が43歳未満であることが条件です。温存後生殖補助医療は夫婦のいずれかが妊孕性温存療法を受けた後に申請できます。
温存後生殖補助医療については、事実婚の場合も両人の住民票と申立書を提出することで申請できます!ちゃんと法律婚じゃなくても対応しているのは嬉しいですよね。
指定医療機関での受診が必要みたいですが、どこですか?
- 愛媛大学医学部附属病院(東温市志津川454)
- 矢野産婦人科(松山市昭和町72-1)
※他県の指定医療機関での治療も対象になります
愛媛県妊孕性温存療法 助成上限額一覧
助成額が気になります!治療によって違うんですよね?
そうです!まず妊孕性温存療法の助成上限額がこちらです!
| 治療の種類 | 助成上限額 | 助成回数 |
|---|
| 胚(受精卵)凍結 | 35万円/回 | 通算2回まで |
| 未受精卵子凍結 | 20万円/回 | 通算2回まで |
| 卵巣組織凍結(再移植含む) | 40万円/回 | 通算2回まで |
| 精子凍結 | 2万5千円/回 | 通算2回まで |
| 精巣内精子採取術による精子凍結 | 35万円/回 | 通算2回まで |
卵巣組織凍結が最大40万円!これはかなり大きな助けになりますね!
そうなんです!卵巣組織凍結は手術が必要で費用も高くなりがちなので、ざっくり40万円近い助成があると相当助かりますよね。しかも通算2回まで受けられます!異なる種類の治療を組み合わせても通算2回です。
| 治療の内容 | 助成上限額 |
|---|
| 凍結胚(受精卵)を用いた生殖補助医療 | 10万円/回 |
| 凍結未受精卵子を用いた生殖補助医療 | 25万円/回 |
| 卵巣組織再移植後の生殖補助医療 | 30万円/回 |
| 凍結精子を用いた生殖補助医療 | 30万円/回 |
温存後生殖補助医療は、初回治療時の妻の年齢が40歳未満なら通算6回まで、40歳以上なら通算3回まで助成されます!そして助成後に出産した場合は、その後の回数がリセットされるので、もう一度最初からカウントし直しになりますよ!
出産後にリセットされるのは気前がいいですね!あと、費用の中で対象外になるものはありますか?
はい。入院室料(差額ベッド代)、食事療養費、文書料など治療に直接関係ない費用は対象外です。また、初回の凍結保存費用を除く維持費(年間の保管料など)も対象外になります。このあたりは注意が必要ですね。
予算の範囲内での助成ということですが、もし予算が尽きたらどうなりますか?
残念ながら、対象者であっても予算が尽きると助成できない場合があります。なのでできるだけ早めに申請するのが賢明ですよ!
申請の手順が複雑そうで不安です…。どうやって申請するんですか?
1指定医療機関(愛媛大学医学部附属病院または矢野産婦人科)で妊孕性温存療法または温存後生殖補助医療を受ける
4愛媛県保健福祉部健康増進課へ郵送または持参で提出する
年度内に申請ということは、3月31日までには出さないといけないんですね?
基本的にはそうです。ただし「治療直後から原疾患の入院が必要でやむを得ない事情があった」などの場合は翌年度に申請することも可能です。事情がある場合は必ず窓口に相談してみてください!
妊孕性温存療法の場合、必要書類は6点です。ちょっと多めですが、一つひとつ見ていきましょう!
| 書類 | 備考 |
|---|
| 交付申請書兼実績報告書(様式第1-1号) | 愛媛県公式サイトからダウンロード |
| 指定医療機関(生殖医療)の証明書(様式第2-1号) | 指定医療機関に記入してもらう |
| 原疾患治療医療機関の証明書(様式第3号) | 原疾患の治療を行った医療機関に記入してもらう |
| 住民票の原本 | マイナンバー・本籍の記載なし |
| 領収書・診療明細書等の写し | 対象経費のもの |
| 口座振替申込書兼債権者登録票 | 通帳の写し添付 |
複数の医療機関に証明書を書いてもらう必要があるんですね。
そうなんです。がん治療をしている病院と、妊孕性温存を行う病院が別の場合(多くのケースがそうですが)、両方に証明書を書いてもらう必要があります。早めに医療機関に依頼しておくといいですよ!
少し変わります。様式が第1-2号・第2-2号に変わりますし、夫婦であることを証明する書類(戸籍謄本)が必要になります。事実婚の方は戸籍謄本に加えて住民票と申立書も準備してください。
申請書に記載する住所と連絡先電話番号に間違いがあると、確認・修正の依頼が来てしまい時間がかかります。特に住所は住民票通りに正確に記載してください。
- 郵送先: 〒790-8570 松山市一番町4丁目4-2 愛媛県保健福祉部健康増進課健康政策グループ
- 持参先: 愛媛県庁第一別館2階(愛媛県保健福祉部健康増進課健康政策グループ)
- 受付時間: 平日 午前8時30分から午後5時15分
よかった、郵送でも持参でも対応してもらえるんですね!それでは、よくある疑問にも答えてもらえますか?
「自分は対象なのかな?」って悩んでいる人のために、よくある質問を聞いてもいいですか?
もちろんです!まず一番多い質問「他の都道府県の病院で治療を受けていても申請できますか?」ですが、愛媛県に住民票がある方なら、他県の医療機関での治療も助成対象です!
それは助かる情報ですね!次に「助成は確実にもらえますか?」という心配もあると思いますが?
これは正直なところ、毎年度の予算の範囲内での助成なので、確実とは言えません。対象者であっても予算が尽きると助成できない場合があります。できるだけ早めに手続きを進めることをおすすめします!
他の補助金と重複受給はできません。ただし、自治体独自の制度など個別に確認が必要なケースもありますので、窓口にご相談ください。
がん以外の病気、たとえば膠原病でアルキル化剤を使っている場合はどうですか?
全身性エリテマトーデス・ループス腎炎・多発性筋炎・皮膚筋炎・ベーチェット病などでアルキル化剤(エンドキサン等)が投与される非がん患者の方も対象になります!意外と知られていないのですが、がん以外でも対象になるケースがかなりあるんですよ。
精子凍結だけしている男性ひとりでも申請できますか?
妊孕性温存療法(精子凍結)については、がん患者本人として単独で申請できます。温存後生殖補助医療については夫婦(または事実婚関係)での申請が必要になります。
なるほど!最後に助成を受けた後に出産した場合の扱いを教えてください。
温存後生殖補助医療で助成を受けた後に出産した場合、住民票と戸籍謄本等で出生の事実を確認した上で、これまでの助成回数がリセットされます!つまり2人目を望む場合も、また最初から助成を受けられる可能性があるということです。
愛媛県や指定医療機関が、電話やメールで個人情報・口座情報を求めることはありません。ATMや振込で手数料を求めることも一切ありません。不審な連絡があった場合は、愛媛県保健福祉部健康増進課(受付時間 平日8時30分〜17時15分)に直接お問い合わせください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 愛媛県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業 |
| 対象者 | 申請時に愛媛県内に住所がある43歳未満の方(がん患者・一部非がん患者) |
| 助成上限額 | 妊孕性温存療法 最大40万円/回、温存後生殖補助医療 最大30万円/回 |
| 助成回数 | 妊孕性温存療法 通算2回、温存後生殖補助医療 通算3〜6回 |
| 申請期限 | 費用支払日が属する年度内(年度末まで) |
| 申請先 | 愛媛県保健福祉部健康増進課健康政策グループ |
| 公式URL | 愛媛県公式ページ |
3つに絞るとすれば、「がん治療前に将来の子どもを守る選択肢がある」「最大40万円の助成で経済的ハードルを下げられる」「愛媛県在住なら他県での治療でも対象」ということです!がんの診断後は気持ちが落ち込むこともあると思いますが、妊孕性温存という選択肢があることを必ず担当医に相談してほしいと思います!
いろんな制度があるんですね。がん患者で難病の方はいくつか組み合わせて使えるかもしれませんね!
そうですよ!ただし、重複受給は基本的にできないので、担当窓口に相談しながら最適な組み合わせを確認してもらうのが一番確実です!愛媛県内の給付金・助成金を都市別に探したい方は、
愛媛県の給付金一覧もご覧ください。松山市内の制度は
松山市の給付金一覧から確認できます。