がん治療前に「将来の希望」を守る制度

佐藤
編集長
室谷さん、今日は島根県の「妊孕性温存療法及び温存後生殖補助医療に関する助成制度」を教えてもらえますか?名前が長くてちょっと難しそうですが…。

室谷
代表取締役
読んで字のごとくなんですが、「妊孕性(にんようせい)」って言葉自体なじみがない人も多いですよね。まずそこから説明しましょうか。妊孕性というのは、「妊娠するための力や機能のこと」です。女性にも男性にも関係する話です。

佐藤
編集長
へえ!妊娠する力に名前がついてたんですね。

室谷
代表取締役
そうなんです。で、がんや難病の治療——抗がん剤とか放射線治療って、病気と闘う一方で、生殖機能にダメージを与えることがあるんです。つまり治療が終わったあとに「子どもを持ちたい」と思っても難しくなる可能性がある。

佐藤
編集長
それは辛い…。じゃあそのリスクに備えるために卵子とか精子を事前に保存するわけですか?

室谷
代表取締役
そのとおりです!治療を受ける前に卵子・精子・胚(受精卵)・卵巣組織などを凍結保存しておく——これを「妊孕性温存療法」と言います。そして保存した検体を使った体外受精や胚移植など、後から行う生殖補助医療のことを「温存後生殖補助医療」と呼びます。

佐藤
編集長
病気と闘いながら将来の希望も守れるわけですね。ところでこの助成制度、対象は島根県民だけですか?

室谷
代表取締役
令和3年(2021年)4月から島根県が実施している制度で、住民票が島根県内にある方が対象です。ただし県内の医療機関だけでなく、国や各都道府県が指定する県外の指定医療機関で治療を受けた場合も対象になりますよ!
どんな人が対象?受給条件を確認しよう


佐藤
編集長
対象者の条件が細かそうですが、まず誰がもらえるのか教えてもらえますか?

室谷
代表取締役
大きく2つのケースがあります。1つ目が「妊孕性温存療法」の対象者、2つ目が「温存後生殖補助医療」の対象者です。まず妊孕性温存療法から。
妊孕性温存療法の対象者(4つの条件を全て満たすこと)
- 凍結保存時に43歳未満であること
- がん・難病等の治療内容が妊孕性低下リスクに該当すること
- 指定医療機関の生殖専門医と原疾患担当医が「生命予後への影響が許容できる」と認めること
- この事業への参加に同意できること

佐藤
編集長
「妊孕性低下リスクに該当する」って、具体的にどんな病気や治療が当てはまるんですか?

室谷
代表取締役
公式の診療ガイドラインに示された治療が対象です。具体的には——

室谷
代表取締役
まずがん患者さんでは、乳がんのホルモン療法など長期治療で卵巣予備能が低下する方、それから抗がん剤・放射線治療全般が対象になります。

佐藤
編集長
がん以外でも対象になるんですか?

室谷
代表取締役
そうなんです!これが意外と知られていないポイントで、非がん疾患の患者さんも対象なんです。造血幹細胞移植を受ける方——再生不良性貧血やファンコニ貧血、原発性免疫不全症候群、先天代謝異常症、サラセミア、鎌状赤血球症、慢性活動性EBウイルス感染症の方も含まれます。

佐藤
編集長
へえ〜、かなり幅広い!

室谷
代表取締役
さらに、アルキル化剤(エンドキサン等)が投与される非がん患者さんも対象です。全身性エリテマトーデス、ループス腎炎、多発性筋炎・皮膚筋炎、ベーチェット病といった自己免疫疾患の方も含まれますよ。

佐藤
編集長
じゃあ温存後生殖補助医療の対象者は?

室谷
代表取締役
こちらは夫婦が一緒に申請するケースになります。夫婦のどちらかが妊孕性温存療法を受けていること、そして温存後生殖補助医療の治療期間の初日に妻の年齢が43歳未満で島根県在住であること——この2点が主要な条件です。あとは先ほどと同じく指定医療機関の医師の許可と事業参加の同意が必要です。

佐藤
編集長
「妻が43歳未満」っていう条件が重要なんですね。じゃあ次は気になる金額を教えてください!
いくらもらえる?助成額の詳細

佐藤
編集長
助成額が「2万5千円から40万円」と幅があるみたいですが、何が違うんですか?

室谷
代表取締役
治療の種類によって上限額が変わります!整理してみましょう。
| 妊孕性温存療法の種類 | 助成上限額(1回あたり) |
|---|---|
| 胚(受精卵)凍結 | 35万円 |
| 未受精卵子凍結 | 20万円 |
| 卵巣組織凍結(再移植含む) | 40万円 |
| 精子凍結 | 2万5千円 |
| 精巣内精子採取術による精子凍結 | 35万円 |

佐藤
編集長
卵巣組織凍結が最大40万円か!これ1回でもすごい金額のサポートですね。

室谷
代表取締役
実際の費用に比べればまだ自己負担はありますが、かなりの支援になります。ちなみに通算2回まで助成を受けられます。異なる治療を受けた場合も合わせて2回までです。

佐藤
編集長
温存後生殖補助医療の方はどうですか?

室谷
代表取締役
こちらは妊孕性温存療法で凍結した検体の種類によって助成額が変わります。
| 温存後生殖補助医療の種類 | 助成上限額(1回あたり) |
|---|---|
| 凍結胚(受精卵)を使った生殖補助医療 | 10万円 |
| 凍結未受精卵子を使った生殖補助医療 | 25万円※ |
| 卵巣組織再移植後の生殖補助医療 | 30万円※ |
| 凍結精子を使った生殖補助医療 | 30万円※ |

室谷
代表取締役
※は「以前に凍結した胚を解凍した胚移植を実施する場合は10万円」「人工授精の場合は1万円」「採卵したが卵が得られず中止した場合は10万円」など、状況に応じて変わるケースがあります。

佐藤
編集長
助成回数も気になります。温存後生殖補助医療は何回受けられますか?

室谷
代表取締役
初めて助成を受けた時点での妻の年齢が40歳未満なら通算6回、40歳以上なら通算3回まで助成が受けられます!そしてうれしいのが、助成を受けた後に出産した場合は、これまでの助成回数がリセットされて再度最初から数えられるんです!

佐藤
編集長
出産後にリセットされるんですか!それはありがたい制度ですね。
回数のポイントまとめ
- 妊孕性温存療法: 通算2回まで
- 温存後生殖補助医療(妻40歳未満開始): 通算6回まで
- 温存後生殖補助医療(妻40歳以上開始): 通算3回まで
- 出産後は助成回数がリセットされる!

佐藤
編集長
金額の話が分かったところで、実際どこで治療を受ければいいんですか?
指定医療機関はどこ?

佐藤
編集長
島根県内で指定医療機関ってどこですか?

室谷
代表取締役
妊孕性温存療法の指定医療機関は、現在は島根大学医学部附属病院(出雲市塩冶町89-1)です。胚凍結・未受精卵子凍結・卵巣組織凍結・精子凍結・精巣内精子採取術による精子凍結——全ての治療に対応しています。

佐藤
編集長
1か所なんですね。出雲市じゃない方はどうするんですか?

室谷
代表取締役
島根県外の指定医療機関で治療を受けた場合も助成対象になります!住民票が島根県内にあれば大丈夫です。県外の指定医療機関については各都道府県の担当課に確認してください。

佐藤
編集長
温存後生殖補助医療はどこで受けられますか?

室谷
代表取締役
島根大学医学部附属病院に加えて、島根県立中央病院(出雲市姫原4丁目1-1)でも凍結精子を使った生殖補助医療が受けられます。こちらも県外の指定医療機関での治療は対象になります。

佐藤
編集長
じゃあ、申請の手順を教えてもらいましょうか!
申請方法・必要書類


佐藤
編集長
申請先や申請時期はどうなっていますか?

室谷
代表取締役
申請先は島根県健康福祉部健康推進課がん対策推進室です。郵送か持参で書類を提出します。申請時期は、治療費を支払った日が属する年度内——つまり3月末までに申請してください。やむを得ない事情がある場合は翌年度の申請も可能です。

佐藤
編集長
胚(受精卵)凍結の場合、夫婦関係の証明が必要なんですね。

室谷
代表取締役
そうなんです。法律婚の場合は両人の戸籍謄本、事実婚の場合は両人の戸籍謄本・住民票・事実婚関係に関する申立書が必要です。事実婚のカップルも対象なのはありがたいですよね。

佐藤
編集長
書類の種類が多いですね。間違えないように気をつけないと。
必要書類チェックリスト(妊孕性温存療法)
- 参加申請書(様式第1-1号)
- 指定医療機関証明書(様式第1-2号)
- 原疾患治療実施医療機関証明書(様式第1-3-1号・1-3-2号)
- 住民票の写し
- 振込口座確認書類(通帳の写し等)
- 胚凍結の場合: 夫婦関係証明書類(法律婚は戸籍謄本、事実婚は申立書等)
- 院外処方があった場合: 薬局の領収書の写し

佐藤
編集長
温存後生殖補助医療の申請書類も違いますか?

室谷
代表取締役
様式番号が違います。参加申請書が「様式第7-1号」、指定医療機関証明書が「様式第7-2号」になります。夫婦関係証明書類・住民票の写し・振込口座確認書類は共通で必要です。

佐藤
編集長
申請の手順が分かりました!未成年の患者さんが申請する場合はどうなりますか?

室谷
代表取締役
未成年の患者さんの場合は、親権者または未成年後見人が申請します。できる限り本人にも説明した上で、親権者等による同意が必要になります。
よくある質問

佐藤
編集長
補助金エージェントを読んでくれてる方からよく来る疑問を聞いてもいいですか?

室谷
代表取締役
もちろん!どうぞ!

佐藤
編集長
「他の不妊治療の助成と一緒に申請できますか?」という質問があります。

室谷
代表取締役
残念ながら、この事業の対象となる費用について他制度の助成を受けている場合は、この事業の助成対象外になります。同じ費用に対して二重取りはできないルールです。ただ、対象費用が重複しなければ別の助成と同時利用できるケースもあるので、担当窓口に確認してみてください。

佐藤
編集長
なるほど。「申請を忘れて年度をまたいでしまいました」という場合は?

室谷
代表取締役
「やむを得ない事情」がある場合は翌年度申請も認められています!ただしこれは例外なので、できる限り治療費の支払いと同じ年度内(3月末まで)に申請するのが原則です。

佐藤
編集長
「子どもが生まれたら助成回数はどうなりますか?」という質問も!

室谷
代表取締役
温存後生殖補助医療の助成を受けた後に出産した場合、住民票と戸籍謄本等で出生の事実を確認した上で、これまで受けた助成回数がリセットされます!第2子、第3子も諦めないで挑戦できる仕組みになっています。

佐藤
編集長
素晴らしい制度ですね!相談できる場所はありますか?

室谷
代表取締役
島根県内には6か所の「がん相談支援センター」があります。どなたでも、何度でも無料で相談でき、電話でも面接でも対応してくれます。その病院にかかっていなくても大丈夫ですよ!
| 医療機関名(住所) | 電話番号 | 相談時間 |
|---|---|---|
| 島根大学医学部附属病院(出雲市塩冶町89-1) | 0853-20-2518 | 平日 8時30分〜17時00分 |
| 松江市立病院(松江市乃白町32-1) | 0852-60-8083 | 平日 8時30分〜17時00分 |
| 松江赤十字病院(松江市母衣町200) | 0852-32-6901 | 平日 8時20分〜16時50分 |
| 島根県立中央病院(出雲市姫原4丁目1-1) | 0853-30-6565 | 平日 8時30分〜17時15分 |
| 浜田医療センター(浜田市浅井町777-12) | 0855-28-7096 | 平日 9時00分〜17時00分 |
| 益田赤十字病院(益田市乙吉町イ103-1) | 0856-22-1480 | 平日 8時30分〜17時00分 |

佐藤
編集長
県内6か所もあるんですね!難病の相談はどこに?

室谷
代表取締役
がん以外の難病については、「しまね難病相談支援センター(公益財団法人ヘルスサイエンスセンター島根)」に相談できます。電話番号は0853-24-8510です。
詐欺にご注意ください!
「妊孕性温存療法の助成金をATMで手続きする」「費用を先払いすれば助成金が多く受け取れる」などの話は詐欺です!
- 公的な給付金の申請でATMを使うことは絶対にありません
- 電話で口座番号や個人情報を聞くことはありません
- 不審な連絡があった場合は島根県健康推進課(0852-22-6701)に確認してください
基本情報まとめ

佐藤
編集長
最後に制度の基本情報をまとめてもらえますか?

室谷
代表取締役
もちろんです!一覧でまとめてみます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 島根県小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業 |
| 対象者(温存療法) | 凍結時43歳未満 / 島根県在住 / 対象疾患あり |
| 対象者(温存後医療) | 治療初日に妻43歳未満 / 島根県在住 |
| 助成額(温存療法) | 治療の種類により2万5千円〜40万円 / 通算2回 |
| 助成額(温存後医療) | 治療の種類により10万円〜30万円 |
| 助成回数(温存後医療) | 40歳未満開始は6回 / 40歳以上開始は3回(出産後リセット) |
| 申請期限 | 治療費支払いが属する年度の3月末まで |
| 申請窓口 | 島根県健康福祉部健康推進課がん対策推進室 |
| 問い合わせ | TEL 0852-22-6701 / FAX 0852-22-6328 |
| 公式ページ | 島根県公式サイト |

佐藤
編集長
これだけ整理されていると安心できますね。
お問い合わせ先
島根県健康福祉部健康推進課がん対策推進室
TEL 0852-22-6701 / FAX 0852-22-6328
(平日 8時30分~17時15分)
この制度を知るべき方へ
- がん・難病の治療を控えている43歳未満の方(男女問わず)
- 自己免疫疾患(ループス腎炎・ベーチェット病等)で治療中の方
- 造血幹細胞移植を受ける予定の方
- 島根県内在住で将来の妊娠・出産を希望している方
まずはかかりつけの医療機関か、がん相談支援センターへ相談してみてください!
関連する給付金・医療費助成

佐藤
編集長
島根県で関連する他の助成制度も教えてもらえますか?

室谷
代表取締役
島根県は医療費助成に力を入れています!不妊治療関連では、先進医療費の助成もあります。
不妊治療関連の助成制度(島根県)

佐藤
編集長
難病の方に関連する助成もありますか?

室谷
代表取締役
難病や慢性疾患をお持ちの方には、これらの制度も確認してみてください!
難病・慢性疾患関連の助成制度(島根県)

佐藤
編集長
島根県の方は複数の制度を確認してみると良さそうですね。本日は貴重な情報をありがとうございました!

室谷
代表取締役
病気と闘いながら将来の希望も守れるのがこの制度の素晴らしさです。治療を始める前に、ぜひ担当医や相談窓口に一度問い合わせてみてください!