特定疾患治療研究事業とは?制度の概要

佐藤
編集長
室谷さん、「特定疾患治療研究事業」って聞いたことがあるんですが、難病の医療費を支援する制度ですよね?

室谷
代表取締役
そうです!ざっくり言うと、スモンやプリオン病など一部の特定疾患にかかっている方の医療費を、自己負担ゼロにする公費負担制度です。健康保険が払ってくれる分を除いた残りを全額、都道府県が肩代わりしてくれるんですよ。

佐藤
編集長
えっ、自己負担ゼロ!それはすごいですね!

室谷
代表取締役
治療がきわめて困難で医療費も高額になりやすい疾患が対象なので、それだけ手厚い支援になっています。もともと2015年(平成27年)1月1日に難病法(難病の患者に対する医療等に関する法律)が施行される前から存在していた制度で、難病法の対象とならなかった一部の疾患を支援し続けるために残っている制度です。

佐藤
編集長
難病法と特定疾患治療研究事業は別物なんですね。ちょっとわかりにくいな。

室谷
代表取締役
ポイントは「難病法に指定されなかった疾患のうち、治療が特に困難で医療費が高い疾患」を守るための制度、という点です。難病法とは対象疾患が違うので、しっかり区別して確認することが大切ですよ。
対象となる疾患は5種類


佐藤
編集長
具体的にどんな病気が対象なんですか?

室谷
代表取締役
現在の対象疾患は5つです。一つひとつ説明しますね。まず「スモン」は、整腸剤として使われていたキノホルムが原因で神経障害が起きた疾患で、新規申請も更新も可能です。

佐藤
編集長
キノホルムって薬害問題ですよね。

室谷
代表取締役
そうです!日本の薬害の歴史にも刻まれている疾患です。次に「難治性の肝炎のうち劇症肝炎」ですが、こちらは2014年12月31日以前に認定を受けた方の更新申請のみで、新規申請はできません。

佐藤
編集長
新規申請できないんですね!それは知らないと困る。

室谷
代表取締役
重要な点なので要注意です!同様に「重症急性膵炎」も更新のみで新規は不可。「プリオン病」はヒト由来乾燥硬膜の移植によるクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に限定されていて、新規・更新ともに可能です。最後に「重症多形滲出性紅斑(急性期)」も新規・更新ともに対象です。

佐藤
編集長
なるほど。疾患によって申請できるかどうかが違うんですね。詳しくまとめてもらえますか?
| 疾患名 | 新規申請 | 更新申請 | 備考 |
|---|---|---|---|
| スモン | 可 | 可 | - |
| 難治性の肝炎のうち劇症肝炎 | 不可 | 可 | 2014年12月31日以前の認定者のみ |
| 重症急性膵炎 | 不可 | 可 | 2014年12月31日以前の認定者のみ |
| プリオン病(ヒト由来乾燥硬膜移植によるCJD) | 可 | 可 | - |
| 重症多形滲出性紅斑(急性期) | 可 | 可 | - |

室谷
代表取締役
この表を見て「自分は対象かも」と思ったら、まず主治医に相談することをおすすめします。診断基準と臨床調査個人票は島根県の公式サイトからPDF形式でダウンロードできます。
対象者と受給の条件

佐藤
編集長
対象疾患に当てはまる人なら誰でも受給できるんですか?

室谷
代表取締役
大きく3つの条件があります。一つ目は島根県内に住所を有すること。二つ目は対象疾患のいずれかに罹患していること。三つ目は国民健康保険・健康保険・後期高齢者医療等の医療保険に加入していることです。

佐藤
編集長
医療保険に入っていないと対象外になるんですか。

室谷
代表取締役
この制度は「健康保険等の給付を除いた医療費」を公費で負担する仕組みなので、医療保険加入が前提です。また、他の法律によって国や地方公共団体の負担で医療給付を受けていない方も条件の一つですね。

佐藤
編集長
所得制限はあるんですか?難病の制度は所得で変わることがありますよね。

室谷
代表取締役
特定疾患治療研究事業は所得制限による支給対象外の仕組みはなく、自己負担ゼロが基本です。ただし申請書類の中に「高額療養費の所得区分確認のための書類」が含まれており、これは医療費の管理目的で使われます。
公費負担の対象となる医療の範囲
- 対象疾患そのものの治療
- 対象疾患に付随して発現する傷病に対する医療
- 対象疾患に係る介護サービス(訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅療養管理指導・介護療養施設サービス・介護医療院サービス)

佐藤
編集長
介護サービスも対象になるんですね!それは知らなかった。

室谷
代表取締役
長期療養が必要な難病患者さんにとって、訪問看護や訪問リハビリの費用も大きな負担になりますよね。それらも公費対象というのはとても助かりますね。給付額の詳細を次で確認しましょう。
給付内容 — 自己負担ゼロの仕組み

佐藤
編集長
「自己負担ゼロ」って具体的にどういう意味ですか?

室谷
代表取締役
健康保険等の給付を除いた医療費等を全額、公費(都道府県)が負担します。通常、健康保険3割負担の場合は患者が3割を払いますよね?特定疾患治療研究事業では、その3割分も含めて全額が公費でカバーされます。

佐藤
編集長
マジですか!それは本当にありがたい!

室谷
代表取締役
治療が長期に及ぶ難病では医療費の累積が相当な金額になります。「自己負担ゼロ」は患者さんにとって生活を守る大きな支えになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 給付内容 | 自己負担なし(健康保険等給付後の残額を全額公費負担) |
| 対象医療費 | 対象疾患・付随する傷病の医療費、対象疾患に係る介護サービス費 |
| 所得制限 | なし |
| 受給者証 | 指定医療機関に提示することで適用 |

佐藤
編集長
受給者証というのが必要なんですね?

室谷
代表取締役
そうです!受給者証を指定医療機関に提示することで、窓口での支払いが自己負担ゼロになります。申請してすぐもらえるわけではなく、月1回の審議を経て発行されるので、早めに動くことが大切です。申請の手続きを次で詳しく見ていきましょう。
申請方法と必要書類


佐藤
編集長
申請はどこにすればいいんですか?

室谷
代表取締役
お住まいの地域を管轄する保健所に申請書類を提出します。提出後は都道府県の「特定疾患等対策協議会」(月1回開催)で専門委員による審議が行われ、承認されると受給者証が交付されます。

佐藤
編集長
月1回しか審議がないんですね。ちょっと時間がかかりそう。

室谷
代表取締役
そうなんです。ですから「今すぐ申請すれば今月から使える」というわけではなく、次回の審議日を確認してから申請するのがスムーズです。受給者証の有効期間は保健所が申請書類を受理した日から直近の9月30日までですよ。

佐藤
編集長
7月〜9月に申請したらどうなりますか?

室谷
代表取締役
7月から9月に申請された場合は、翌年の9月30日まで有効になります!毎年更新が必要なので、更新の手続きも忘れずに行ってください。
1主治医に相談し、臨床調査個人票(対象疾患ごとの書式)を作成してもらう
2申請書類一式を最寄りの保健所に提出する
3保健所を経由して都道府県知事宛の申請が行われる
4特定疾患等対策協議会(月1回)で専門委員が審議する
5承認されると保健所を通じて受給者証が交付される
6指定医療機関に受給者証を提示して自己負担ゼロで受診

佐藤
編集長
必要書類はどんなものが要りますか?

室谷
代表取締役
6種類の書類が必要です。メインは申請書と臨床調査個人票で、他に医療保険の確認書類や住民票などを添付します。
| 番号 | 書類名 | 備考 |
|---|---|---|
| 1 | 特定疾患医療受給者証交付申請書 | 島根県公式サイトからDL可 |
| 2 | 臨床調査個人票 | 対象疾患ごとに書式が異なる |
| 3 | 所得区分等の照会についての同意書 | 公式サイトからDL可 |
| 4 | 医療保険の内容が確認できるものの写し | 資格確認書・資格情報のお知らせ等 |
| 5 | 住民票の写し | - |
| 6 | 高額療養費の所得区分確認のための書類 | 詳細は保健所で確認 |

佐藤
編集長
臨床調査個人票は自分で書くんですか?

室谷
代表取締役
臨床調査個人票は主治医に記入してもらう書類です。疾患ごとに書式が異なるので、担当の先生に事前に相談しておくとスムーズです。島根県の公式サイトにPDF形式でダウンロードできるフォームが用意されています。

佐藤
編集長
なるほど、主治医との連携が大事なんですね。受給者証をもらった後に引っ越しや保険が変わった場合はどうすればいいんですか?

室谷
代表取締役
転居・氏名変更・医療保険変更があった場合は、変更届の提出が必要です。忘れると受給者証が使えなくなることがあるので要注意です!
申請・更新で注意すること
- 劇症肝炎と重症急性膵炎は新規申請不可。更新のみ対応
- 有効期間は保健所受理日から直近の9月30日まで。年1回の更新が必要
- 転居・氏名変更・保険変更の際は変更届を速やかに提出すること
- 受給者証は指定医療機関でのみ有効(指定外の機関では使えない)
申請先の保健所一覧(島根県)

佐藤
編集長
島根県内ではどの保健所に申請すればいいんですか?

室谷
代表取締役
島根県内には7つの保健所があります。お住まいの地域によって管轄が異なりますので確認してください。
| 保健所 | 担当グループ | 電話番号 | 管内エリア |
|---|---|---|---|
| 松江保健所 | 医事・難病支援課 | 0852-23-1315 | 松江市・安来市 |
| 雲南保健所 | 医事・難病支援課 | 0854-42-9641 | 雲南市・奥出雲町・飯南町 |
| 出雲保健所 | 医事・難病支援課 | 0853-21-1191 | 出雲市 |
| 県央保健所 | 医事・難病支援課 | 0854-84-9825 | 大田市・川本町・美郷町・邑南町 |
| 浜田保健所 | 医事・難病支援課 | 0855-29-5555 | 浜田市・江津市 |
| 益田保健所 | 医事・難病支援課 | 0856-31-9548 | 益田市・津和野町・吉賀町 |
| 隠岐保健所 | 総務医事課・島前保健環境課 | 08512-2-9701 | 海士町・西ノ島町・知夫村・隠岐の島町 |

佐藤
編集長
病気のこと以外に療養生活や就労について相談したい場合はどこに行けばいいですか?

室谷
代表取締役
各都道府県の難病相談支援センターに相談できます!病気のことだけでなく、療養生活・就労・患者会や家族会などについての相談も受け付けています。保健所でも相談できますよ。
島根県の問い合わせ先
- 健康推進課 難病支援第一係・難病支援第二係: TEL 0852-22-5267
- FAX: 0852-22-6328
- メール: kenkosuishin@pref.shimane.lg.jp
- 各保健所でも申請受付・相談対応しています
よくある質問

佐藤
編集長
対象疾患のうち「重症多形滲出性紅斑(急性期)」というのは、一度よくなったらもう対象外になるんですか?

室谷
代表取締役
急性期の症状が改善されて回復すると、その時点で対象外になる場合があります。受給者証は継続して有効であっても、疾患の状態が急性期でなくなった場合は対象外となることがありますので、主治医にご確認ください。

佐藤
編集長
受給者証を取得したら、どこの病院でも使えるんですか?

室谷
代表取締役
受給者証が使えるのは都道府県が指定した指定医療機関のみです!かかりつけ医や入院予定の病院が指定医療機関かどうかを事前に確認してくださいね。

佐藤
編集長
入院している間も使えますか?

室谷
代表取締役
対象疾患の治療目的であれば入院の医療費も対象になります。ただし、対象疾患と無関係の治療費は対象外です。例えば、スモンで入院中に風邪の治療をした場合の風邪の治療費は対象になりません。

佐藤
編集長
なるほど、あくまで対象疾患とその付随疾患のみなんですね。最後に受給者証が届くまでの時間はどのくらいかかりますか?

室谷
代表取締役
申請から受給者証の交付まで、おおよそ1〜2ヶ月ほどかかることが多いです。月1回の協議会審議を経るため、申請タイミングによっては審議まで2〜4週間待つ場合もあります。急ぎの場合は早めに保健所に相談することをおすすめします!
給付金・受給者証の詐欺にご注意ください
特定疾患治療研究事業の受給者証について、行政が電話で個人情報(口座番号・マイナンバー等)を聞くことはありません。「受給者証を送るために手数料が必要」「ATMで手続きしてください」などの連絡は全て詐欺です。不審な連絡を受けた場合は最寄りの保健所または警察にご相談ください。
まとめ — 特定疾患治療研究事業の基本情報

佐藤
編集長
今日のまとめをお願いします!

室谷
代表取締役
はい!特定疾患治療研究事業は、スモン・プリオン病など難病法の対象外の特定疾患にかかる方の医療費を自己負担ゼロにする島根県の公費負担制度です。対象疾患に当てはまるかどうかをまず主治医に確認し、保健所に申請するというのが最初のステップです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 島根県内に住所を有し、対象疾患に罹患・医療保険加入の方 |
| 対象疾患 | スモン・劇症肝炎(更新のみ)・重症急性膵炎(更新のみ)・プリオン病(CJD)・重症多形滲出性紅斑(急性期) |
| 給付内容 | 自己負担なし(健康保険等給付後の残額を全額公費負担) |
| 申請先 | お住まいの地域を管轄する保健所 |
| 有効期間 | 保健所受理日から直近の9月30日まで(年1回更新) |
| 公式情報 | 島根県公式ページ |

佐藤
編集長
島根県内の他の医療費支援制度も気になります。

室谷
代表取締役
島根県には難病関連の支援制度がいくつかあります。難病法に基づく「難病の医療費助成制度(特定医療費支給認定)」は300超の指定難病を対象にしていて、多くの疾患に対応しています。肝炎に特化した「肝炎治療医療費助成事業」や「ウイルス性肝炎による肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業」もありますよ。子どもの難病については「小児慢性特定疾病医療支援」もチェックしてみてください。
関連する制度・給付金
島根県の関連する医療費支援制度
- 難病の医療費助成制度(特定医療費支給認定) — 指定難病の医療費を助成する制度
- 肝炎治療医療費助成事業 — C型・B型肝炎の治療費を助成
- 小児慢性特定疾病医療支援 — 子どもの慢性疾患の医療費を支援
- ウイルス性肝炎による肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業 — 肝がん・重度肝硬変の治療費を助成
- 肝炎等精密検査費用助成事業 — 肝炎ウイルス精密検査の費用を助成

佐藤
編集長
島根県の給付金・医療費支援は他にもあるんですか?

室谷
代表取締役
はい!島根県の給付金・医療費支援の一覧は島根県の給付金ページからご確認いただけます。ぜひ参考にしてみてください。