小児慢性特定疾病医療支援とは?制度の背景

佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、「小児慢性特定疾病医療支援」って聞いたことがあるんですけど、どんな制度なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

これは、子どもが慢性的な重い病気にかかった場合に、医療費の自己負担を大幅に減らしてくれる国の制度です!白血病とか心疾患、糖尿病、ダウン症候群といった慢性疾病が対象で、令和7年(2025年)4月時点では16疾患群・801疾病が対象になっています。
佐藤

佐藤

編集長

ええ! 801も疾病が対象なんですか!?
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです。平成26年(2014年)5月の児童福祉法改正によって、平成27年(2015年)1月から新たな制度に生まれ変わり、対象疾病が大きく拡大されました。以前は514疾病だったのが、段階的に増えて今や800超えですよ。
佐藤

佐藤

編集長

どんな病気が含まれているんですか?
室谷

室谷

代表取締役

16の疾患群に分かれていて、悪性新生物(白血病などのがん)、慢性腎疾患、慢性呼吸器疾患(難治性の気管支喘息など)、慢性心疾患、内分泌疾患、膠原病、糖尿病、先天性代謝異常、血液疾患、免疫疾患、神経筋疾患、慢性消化器疾患、染色体・遺伝子に変化を伴う症候群(ダウン症候群など)、皮膚疾患、骨系統疾患、脈管系疾患…と、子どもに起こりうる幅広い慢性疾患が網羅されています。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど! かなり多い疾患が対象になっているんですね。申請したら具体的に何がどう助かるんでしょうか?
室谷

室谷

代表取締役

一番大きいのは医療費の自己負担割合が2割になる点です。通常、子どもの医療費は3割負担ですよね。それが2割になったうえ、さらに所得に応じて月の自己負担に上限が設定されるんです。

この制度で受けられる主な支援

  • 医療費の自己負担割合が3割から2割に軽減
  • 所得に応じた自己負担上限月額が設定(0円〜15,000円)
  • 重症患者等はさらに軽減(一般所得以上の区分で減額、低所得区分は同額)
  • 人工呼吸器等装着者は月額500円
  • 「小児慢性特定疾病医療受給者証(兼登録者証)」が交付される

自己負担上限月額はどのくらい?

小児慢性特定疾病 自己負担上限月額一覧
小児慢性特定疾病 自己負担上限月額一覧
佐藤

佐藤

編集長

自己負担の上限月額って、具体的にいくらなんですか?
室谷

室谷

代表取締役

これは世帯の所得によって変わってきます。まず下の表を見てもらうとわかりやすいですよ。
所得区分階層の目安自己負担上限月額重症患者等
生活保護世帯0円0円
低所得I市町村民税非課税・年収80.9万円以下1,250円1,250円
低所得II市町村民税非課税・年収80.9万円超2,500円2,500円
一般所得I市町村民税所得割7.1万円未満5,000円2,500円
一般所得II市町村民税所得割7.1万円以上25.1万円未満10,000円5,000円
上位所得市町村民税所得割25.1万円以上15,000円10,000円
人工呼吸器等装着者500円
佐藤

佐藤

編集長

生活保護世帯だと0円なんですか!
室谷

室谷

代表取締役

そうです。家庭の経済状況を問わず、子どもが必要な医療を受けられるようにという思想が根底にあるんですよ。低所得I(市町村民税が非課税で年収80.9万円以下の世帯)でも月1,250円で済むので、かなり助かりますよね。
佐藤

佐藤

編集長

例えば、一般的なサラリーマン家庭だとどのくらいになるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

市町村民税の所得割額が基準なので、単純に年収だけでは判断しにくいんですが、ざっくり言うと年収600万円くらいの4人家族だと一般所得Iに該当して月5,000円くらいのイメージです。毎月の医療費がどれだけかかっても、上限の5,000円以上は払わなくていいわけです。
佐藤

佐藤

編集長

それはかなり助かりますね! 重症患者だとさらに半額なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

はい! 以下の条件を満たす「重症患者認定」を受けると、一般所得I以上の区分では上限月額が軽減されます(一般所得I: 2,500円、一般所得II: 5,000円、上位所得: 10,000円)。低所得I・IIは重症患者認定を受けても同額のままです。人工呼吸器等を装着している場合は区分に関係なく月500円という最大軽減になります。

重症患者認定の主な基準

  • 高額な治療を長期にわたって続けている場合
  • 日常生活に著しい支障がある状態
  • 主治医が「重症患者認定申請書」を作成し、審査会で認定された場合
佐藤

佐藤

編集長

自己負担の仕組みが理解できました! 次に、誰がこの制度を使えるのか教えてもらえますか?

対象者・受給資格

佐藤

佐藤

編集長

どんな子どもが対象になるんでしょうか?
室谷

室谷

代表取締役

基本的な条件は3つです。まず18歳未満であること。次に、対象の16疾患群・801疾病のいずれかに罹患していること。そして、都道府県が指定した「小児慢性特定疾病指定医」が作成した医療意見書があることです。
佐藤

佐藤

編集長

18歳以上になったら使えなくなるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

実は、18歳未満のうちに認定を受けた場合は20歳未満まで継続できます! これ、知らない人が多いんですよね。18歳の誕生日が来ても、すぐ打ち切りにはならないので安心してください。
佐藤

佐藤

編集長

それは助かりますね。でも20歳になったら?
室谷

室谷

代表取締役

20歳以降は「特定医療費(指定難病)助成制度」など別の制度で助成を受けられる場合があります。ただし、認定基準や助成内容が異なるため、別途申請が必要です。主治医や保健所に相談してみてください。
佐藤

佐藤

編集長

住所の条件はありますか?
室谷

室谷

代表取締役

お住まいの都道府県または指定都市に住民登録があることが必要です。他の都道府県から引っ越してきた場合は、転出元の受給者証の写しを添えて、転入先の保健所に改めて申請が必要になります。

対象者チェックリスト(4項目)

  • 18歳未満であること(認定後は20歳未満まで継続)
  • 小児慢性特定疾病(16疾患群・801疾病のいずれか)に罹患していること
  • 「小児慢性特定疾病指定医」が作成した医療意見書があること
  • お住まいの都道府県または指定都市に住民登録があること
佐藤

佐藤

編集長

わかりました。では実際の申請方法を教えてください!

申請方法と必要書類

小児慢性特定疾病医療支援 申請フロー
小児慢性特定疾病医療支援 申請フロー
佐藤

佐藤

編集長

どこに、どうやって申請すればいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

申請窓口はお住まいの地域を管轄する最寄りの保健所です。窓口持参だけでなく、郵送でも申請できます。
1主治医に相談し、「小児慢性特定疾病指定医」として指定を受けた医師に医療意見書の作成を依頼する
2保健所で申請書類一式を入手、または都道府県ウェブサイトからダウンロードする
3必要書類を揃えて保健所窓口に持参するか郵送で提出する
4「小児慢性特定疾病審査会」での審査(月1回開催)を経て認定判断が下りる
5認定された場合、「小児慢性特定疾病医療受給者証(兼登録者証)」が郵送で交付される
6受給者証を持参して指定医療機関を受診、自己負担上限額で医療を受ける
佐藤

佐藤

編集長

審査会が月1回なんですね。どのくらい待ちますか?
室谷

室谷

代表取締役

書類を保健所が受理した日から受給者証の交付まで概ね2〜3か月かかります。標準処理期間は90日と定められています(令和8年3月1日以降)。
佐藤

佐藤

編集長

えっ、2〜3か月も待たなきゃいけないんですか! その間の医療費はどうなるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

安心してください! 認定された場合、申請日にさかのぼって助成対象になります。一定の条件を満たせば、診断日にまでさかのぼることも可能です。なので、受給者証が届く前に支払った医療費は「償還払い」で後から請求できますよ。
佐藤

佐藤

編集長

それなら安心ですね。必要書類を教えてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

基本的に必要なのは4種類です。
書類備考
小児慢性特定疾病医療費支給認定申請書(様式第1号)保健所で入手、またはウェブからダウンロード
医療意見書指定医が作成。令和5年10月1日以降の新様式を使用
医療保険の内容確認書類資格確認書・資格情報のお知らせ・マイナポータル保険資格情報ページの印刷物など
マイナンバー提出書と本人確認書類マイナンバーカードで一部書類が省略可能
佐藤

佐藤

編集長

世帯状況によって追加書類が必要になることもありますか?
室谷

室谷

代表取締役

あります。住民票や課税証明書が必要なケースも。また、重症患者認定を申請する場合は「重症患者認定申請書」も追加で必要です。保健所に事前確認するのがベストですね。

制度改正の最新情報(令和7年〜8年)

  • 令和7年7月1日より、市町村民税非課税世帯(低所得I)の自己負担上限月額の設定基準が改正されます。詳細は最寄りの保健所または島根県公式ページでご確認ください
  • 令和8年4月1日以降、マイナ保険証を医療受給者証として利用できる医療機関・薬局が増えています
  • ただし、自己負担上限額管理票はマイナ保険証では読み取れないため、受診時は紙の受給者証を必ず持参してください
  • 令和8年3月以降、受給者証の記載事項(保険者名・記号番号・適用区分)が新様式では廃止されます
佐藤

佐藤

編集長

申請の手続きがわかりました! では期限や更新はどうなりますか?

申請期限・受給者証の有効期間

佐藤

佐藤

編集長

申請はいつでもできるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

はい、随時受付です。期限がないので、診断後なるべく早めに申請するのが得策ですよ。
佐藤

佐藤

編集長

受給者証には有効期限があるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

あります。有効期間は認定日によって違って、1月〜6月に認定された場合はその年の9月30日まで、7月〜12月に認定された場合は翌年の9月30日までです。つまり最初の有効期間は最大1年、最短で数か月になります。
佐藤

佐藤

編集長

更新が必要なんですね。
室谷

室谷

代表取締役

はい、有効期間満了後も継続して制度を使いたい場合は「更新申請」が必要です。更新の際も医療意見書が必要になるので、主治医に早めに相談しておくことをおすすめします。
認定月受給者証の有効期間(最初の認定)
1月〜6月認定日〜同年9月30日
7月〜12月認定日〜翌年9月30日
佐藤

佐藤

編集長

更新のタイミングを忘れないようにしないといけませんね。問い合わせ先はどこになりますか?

問い合わせ・申請窓口

島根県の申請窓口・問い合わせ先

佐藤

佐藤

編集長

全国共通の制度なのに、申請は県や市に行くんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです! 国が決めた制度ですが、実施主体は都道府県と指定都市なんです。なので、島根県以外にお住まいの方はお住まいの都道府県のウェブサイトか、最寄りの保健所に問い合わせてください。
佐藤

佐藤

編集長

疾病の一覧はどこで確認できますか?
室谷

室谷

代表取締役

小児慢性特定疾病情報センター(shouman.jp)」というポータルサイトで疾病ごとの解説や対象基準が確認できます。主治医に相談するのも確実です。

よくある質問

佐藤

佐藤

編集長

最後に、よくある疑問点をまとめて教えてもらえますか?
室谷

室谷

代表取締役

問い合わせが多い点を一気に答えていきますね!
佐藤

佐藤

編集長

まず、転居した場合はどうすればいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

他の都道府県・指定都市に引っ越した場合は、転出元の受給者証の写しを添えて、転入先の保健所に改めて申請が必要です。受給者証はその都道府県発行のものなので、そのまま引き継ぎはできません。
佐藤

佐藤

編集長

指定医療機関ってどこでも受診できるわけじゃないんですか?
室谷

室谷

代表取締役

都道府県から指定を受けた「指定医療機関」に限定されます。ただ、これは全国の主要な病院のほとんどが指定を受けているので、実際はかなり多くの医療機関で使えます。各都道府県のウェブサイトで指定医療機関の一覧が確認できますよ。
佐藤

佐藤

編集長

指定医ってのも別に必要なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

医療意見書を作成できるのは都道府県から指定を受けた「小児慢性特定疾病指定医」だけです。認定申請のためには指定医に診てもらって意見書を書いてもらう必要があります。かかりつけの小児科が指定医かどうか確認しておいてください。
佐藤

佐藤

編集長

令和7年4月に対象疾病が追加されたとありましたが、以前は対象外だった病気がある場合、今から申請できますか?
室谷

室谷

代表取締役

できます! 令和7年(2025年)4月1日以降に対象疾病に追加された場合、その日以降に申請すれば対象になります。「うちの子の病気、前は対象外だった」という方も、ぜひ一度確認してみてください。

給付金詐欺にご注意ください

  • 公的機関が電話やメールで「小児慢性特定疾病の医療費を返還します」と個人情報を求めることはありません
  • ATMを操作して医療費の還付を受けることは絶対にありません
  • 「申請のために手数料が必要」という案内は詐欺です
  • 不審な連絡は最寄りの保健所または消費者ホットライン(188)に相談してください

基本情報まとめ

項目内容
制度名小児慢性特定疾病医療支援
対象者18歳未満(認定後は20歳未満まで継続)で16疾患群・801疾病のいずれかに罹患している児童
助成内容医療費自己負担2割+自己負担上限月額設定(0円〜15,000円)
申請先お住まいの地域を管轄する最寄りの保健所
申請方法窓口持参または郵送
受付随時(期限なし)
処理期間受理から概ね2〜3か月(標準処理期間90日)
公式URL島根県公式ページ

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佐藤

佐藤

編集長

似たような制度は他にもありますか?
室谷

室谷

代表取締役

いくつかあります! 18歳未満の子どもの医療費を助成する制度として「こども医療費助成制度」が各自治体にありますし、難病の方向けには「特定医療費(指定難病)助成制度」もあります。

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