
佐藤
編集長
室谷さん、今日は不妊治療のお金の話を聞きたくて。令和4年4月から不妊治療って保険適用になったじゃないですか。じゃあもう自己負担は減ったし、自治体の助成って必要ないんじゃないですか?

室谷
代表取締役
あー、それ実は半分正解で半分違うんですよ。保険適用になったのは大きな前進なんですけど、保険でカバーされない「先進医療」っていう部分があって。ここが結構な金額になるんです。

佐藤
編集長
先進医療?保険診療と何が違うんですか?

室谷
代表取締役
ざっくり言うと、まだ保険には入ってないけど効果が期待されてる先進的な技術のことです。これを使うと、その分は全部自己負担になっちゃう。広島県はそこを助成してくれるんですよ。広島県特定不妊治療支援事業っていう制度です。

佐藤
編集長
なるほど!保険適用後の「すきま」を埋めてくれる感じなんですね。

室谷
代表取締役
まさにそれです。今日はこの制度、誰が対象で、いくらもらえて、どう申請するのか、全部解説していきますね。
どんな人がもらえるの?対象者の条件

佐藤
編集長
まず気になるのが、誰がもらえるのか。これ広島県在住の夫婦なら誰でもいけるんですか?

室谷
代表取締役
大きく3つの条件があるんですけど、順番に見ていきましょう。まず1つめが治療開始時に婚姻している夫婦であること。ここ大事なのが、事実婚も含まれるんですよ。

佐藤
編集長
えっ、事実婚もOKなんですか!

室谷
代表取締役
そうなんです。法律婚じゃなくても対象。あと申請の時点で広島県内に住所があればいい。単身赴任とかで夫婦のどちらか一方だけ県内に住んでても大丈夫です。

佐藤
編集長
それは助かる人多そうですね。2つめは?

室谷
代表取締役
2つめは医療的な条件です。体外受精または顕微授精以外の方法では妊娠が望めないとお医者さんが診断していること。そして県内の生殖補助医療の保険医療機関で治療を受けていること。

佐藤
編集長
なるほど。じゃあ3つめは?

室谷
代表取締役
年齢ですね。治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満であること。ここは全国共通のラインなんですけど、43歳になってから始めた治療は対象外になっちゃうので注意です。

佐藤
編集長
43歳未満かあ。所得制限とかはどうなんですか?けっこう「年収◯◯円以下」みたいな条件ある制度多いじゃないですか。

室谷
代表取締役
それがですね、この制度は所得制限なしなんですよ。

佐藤
編集長
マジですか!それは珍しい。
対象者の3つの条件(すべて満たす必要あり)
- 婚姻関係: 治療開始時に婚姻している夫婦(事実婚を含む)で、申請時に広島県内に住所がある
- 治療内容: 体外受精または顕微授精以外では妊娠が望めないと医師が診断し、県内の保険医療機関で治療を受けた
- 妻の年齢: 治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満
- 所得制限: なし(年収に関わらず申請できる)

室谷
代表取締役
条件がクリアできそうなら、次は一番気になる「いくらもらえるか」を見ていきましょう。
いくらもらえる?助成額をくわしく


佐藤
編集長
で、肝心の金額なんですけど。この制度、助成のパターンが2つあるんですよね?

室谷
代表取締役
そうなんです。ここがちょっとややこしいんですけど、受けた治療の種類によって助成対象(1)と助成対象(2)に分かれるんですよ。

佐藤
編集長
えっと、何が違うんですか?

室谷
代表取締役
助成対象(1)は、保険診療の特定不妊治療と「併せて」先進医療を行ったケース。保険の治療はちゃんと保険でカバーされて、先進医療の部分だけ自己負担になるパターンですね。

佐藤
編集長
ふむふむ。それでいくらもらえるんですか?

室谷
代表取締役
先進医療にかかった自己負担額の1/2、上限5万円です。千円未満は切り捨て。男性不妊治療に併せた先進医療も同じく上限5万円ですよ。

佐藤
編集長
なるほど。じゃあ助成対象(2)のほうは?

室谷
代表取締役
こっちはもう少し金額が大きいです。「審議中の技術」っていうのを併用すると、本来保険が効くはずの治療まで含めて全額自費になっちゃうケースがあって。その負担を救済するメニューなんです。

佐藤
編集長
全額自費って、それかなりキツそうですね…。

室谷
代表取締役
ですよね。だから助成も手厚くて、かかった費用の7割が出ます。上限額は治療によって変わるんですけど。

佐藤
編集長
上限はいくらなんですか?

室谷
代表取締役
特定不妊治療なら1回あたり上限30万円。ただしステージCとFの治療は10万円が上限です。男性不妊治療も1回あたり上限30万円ですね。

佐藤
編集長
30万円!それは大きいですね。

室谷
代表取締役
大きいですよ。あと地味に嬉しいのが、証明書の作成料(文書料)も自己負担額に含められるんです。院外処方の薬代も対象になる場合があるので、証明書を頼むときに医療機関に相談してみるといいですよ。
| 助成メニュー | 対象となる治療 | 助成額 | 1回あたり上限 |
|---|---|---|---|
| 助成対象(1) | 保険診療と併せた先進医療 | 自己負担額の1/2 | 5万円 |
| 助成対象(1) | 男性不妊治療と併せた先進医療 | 自己負担額の1/2 | 5万円 |
| 助成対象(2) | 全額自費となった特定不妊治療 | 費用の7割 | 30万円(ステージC・Fは10万円) |
| 助成対象(2) | 全額自費となった男性不妊治療 | 費用の7割 | 30万円 |

佐藤
編集長
金額がわかったところで、これって何回ももらえるんですか?それとも1回きり?
助成は何回まで受けられる?回数のしくみ

室谷
代表取締役
いい質問ですね。回数には上限があるんですけど、ここも妻の年齢で変わるんですよ。

佐藤
編集長
また年齢ですか。

室谷
代表取締役
そうなんです(笑)。初めて助成を受けたときの治療期間初日の妻の年齢が40歳未満なら、43歳になるまで1子ごとに6回。40歳以上だと1子ごとに3回まで。助成対象(1)と(2)の回数は合算してカウントされます。

佐藤
編集長
えっと、「1子ごと」っていうのがちょっとわかりにくいんですけど。

室谷
代表取締役
ここがこの制度のすごく優しいところなんですよ。一度出産すると助成回数がリセットできるんです。

佐藤
編集長
ほんとに?じゃあ第1子で6回使い切っても、第2子でまた使えるってことですか?

室谷
代表取締役
その通りです。妊娠12週以降の死産も含めて、出産した後はリセット申請ができます。ただし注意点があって、リセットすると残り回数が減っちゃう場合は適用されないんですよ。

佐藤
編集長
どういうことですか?

室谷
代表取締役
例えば妻が30歳のときに4回助成を受けて第1子を出産。35歳で第2子のために治療を再開したとします。リセットしないと残り2回、リセットすると6回もらえる。この場合はリセットしたほうが得ですよね。

佐藤
編集長
なるほど、6回のほうがいいですもんね。

室谷
代表取締役
でも逆のパターンもあって。妻が38歳のときに2回受けて出産、41歳で再開する場合。リセットしないと残り4回、リセットすると3回。この場合はリセットしないほうが回数が多いので、自動でリセットしない扱いになります。損しないようになってるんですよ。
助成回数の上限(妻の年齢で決まる)
- 40歳未満で初めて助成を受けた場合: 43歳になるまで1子ごとに6回
- 40歳以上で初めて助成を受けた場合: 43歳になるまで1子ごとに3回
- 回数リセット: 出産(妊娠12週以降の死産含む)後にリセット可能。ただし残り回数が減る場合は適用されない

佐藤
編集長
回数のしくみがわかったので、次は実際にどうやって申請するのか教えてください。
申請の流れと方法


佐藤
編集長
申請って役所の窓口に行かなきゃダメなんですか?けっこう面倒くさそう…。

室谷
代表取締役
それがですね、広島県は電子申請システムでオンライン申請ができるんですよ。しかも令和6年3月からLINE連携もできるようになりました。

佐藤
編集長
えっ、LINEで申請できるんですか!それは助かる。

室谷
代表取締役
そうなんです。もちろん窓口での申請もできますよ。お住まいの市町を所管する保健所か、広島県庁の子供未来応援課が窓口になります。

佐藤
編集長
流れとしてはどんな感じになるんですか?

室谷
代表取締役
まず治療が終わったら、医療機関に証明書(様式第2号)の作成を依頼します。これがね、作成に1か月くらいかかる場合があるので早めに頼んでおくのがコツです。

佐藤
編集長
1か月!それは早めに動かないとですね。

室谷
代表取締役
そうなんです。証明書ができたら申請書類一式をそろえて、電子申請かLINE、または窓口に提出。あとは審査が通れば指定の口座に振り込まれる、という流れです。
1治療が終了したら、医療機関に証明書(様式第2号)の作成を依頼する(作成に1か月程度かかる場合あり)
2申請書(様式第1号)など必要書類をそろえる
3広島県電子申請システム(LINE連携も可)またはお住まいの市町の保健所・子供未来応援課の窓口に申請する
4電子申請の場合は、証明書などの書類を子供未来応援課へ郵送する
5審査後、指定した口座に助成金が振り込まれる

室谷
代表取締役
ひとつ注意点があって、電子申請する場合でも一部の書類は郵送が必要なんです。助成対象(1)と(2)で申請の入口URLが違うので、そこも気をつけてくださいね。

佐藤
編集長
申請の流れはわかりました。じゃあ必要な書類って具体的に何をそろえればいいんですか?
必要書類と令和8年度からの変更点

室谷
代表取締役
書類はいくつかあるんですけど、基本的にそろえるのはこの5点ですね。

佐藤
編集長
5点ですか。意外とシンプル?

室谷
代表取締役
そうですね。申請書、医療機関が書く証明書、戸籍謄本、住民票、振込先口座の通帳の写し。これが基本セットです。

佐藤
編集長
戸籍謄本っていつ必要なんですか?毎回?

室谷
代表取締役
基本は初回申請時と回数リセット時です。ただし夫婦が別世帯の場合や事実婚の場合は毎回添付が必要なので、そこは自分のケースを確認してくださいね。

佐藤
編集長
なるほど。あと「令和8年度から変更」って公式サイトに書いてありましたけど、あれ何が変わったんですか?

室谷
代表取締役
あ、それいいポイントです。令和8年度(2026年度)から、申請に必要だった領収書・明細書の提出が原則不要になったんですよ。

佐藤
編集長
えっ、領収書いらなくなったんですか?それは楽になりますね。

室谷
代表取締役
かなり楽になりました。ただし「一部を除く」とあって、院外薬局の領収書など該当する場合は引き続き必要なケースもあるので、最新の案内は確認してくださいね。
書類でよくあるつまずきポイント
- 添付書類(住民票等)はマイナンバーの記載がないものを提出する
- 提出した原本は返却されないので、申請前に必ずコピーを取っておく
- 証明書(様式第2号)の作成には1か月程度かかる場合があるので早めに依頼する
- 振込先口座の通帳の写しは、口座番号・名義人・銀行支店コードが記載されているページが必要

室谷
代表取締役
書類がそろったら、次は一番大事な「いつまでに出すか」の話をしましょう。これを逃すと1円ももらえないので。
申請期限は厳守!スケジュールの注意点

佐藤
編集長
えっ、そんなに厳しいんですか期限。

室谷
代表取締役
厳しいです。原則治療が終了した日の翌日から起算して2か月以内。これを超えると受理してもらえません。

佐藤
編集長
2か月って意外と短いですね。「治療が終了した日」っていうのはいつのことなんですか?

室谷
代表取締役
移植後の妊娠判定日とか、医師の判断でやむを得ず治療を中止した日のことです。証明書の「今回の治療期間」の最終日ですね。

佐藤
編集長
なるほど。でもさっき証明書の作成に1か月かかるって言ってましたよね。それだと2か月のうち1か月は証明書待ちで…結構タイトじゃないですか?

室谷
代表取締役
そうなんです。だからこそ治療が終わったらすぐに証明書を依頼するのが本当に大事なんですよ。

佐藤
編集長
もし間に合わなかったらどうなるんですか?

室谷
代表取締役
救済措置はあります。やむを得ない理由があれば、治療終了日の属する年度末(3月31日必着)まで申請できる場合があるんです。その場合は遅延理由書が必要になります。

佐藤
編集長
あ、年度末まで延ばせるんですね。ちょっと安心。

室谷
代表取締役
ただし、ここに大事な例外があって。治療終了日が1月31日から3月31日の場合は、必ず2か月以内に申請しないといけません。この期間は遅延理由書が使えないんです。
申請期限で絶対に間違えないこと
- 原則、治療終了日の翌日から起算して2か月以内に申請する
- やむを得ない理由がある場合、治療終了日の属する年度末(3月31日必着)まで延長できる場合がある(遅延理由書が必要)
- ただし治療終了日が1月31日〜3月31日の場合は、必ず2か月以内に申請(遅延理由書は使用不可)

室谷
代表取締役
お金のやり取りが絡む制度なので、最後に一つだけ注意喚起をさせてください。
不妊治療給付金の詐欺にご注意

佐藤
編集長
詐欺ですか?こういう助成金でも狙われるんですか。

室谷
代表取締役
残念ながら、給付金や助成金をかたった詐欺はどんな制度でも起こりうるんですよ。だから基本のルールを知っておいてほしいんです。
給付金詐欺にご注意ください
- 広島県や市町が、ATMの操作をお願いすることは絶対にありません。「助成金を振り込むのでATMへ」という連絡は詐欺です
- 県や市町が電話やメールで口座の暗証番号やキャッシュカードを聞くことはありません
- 申請手続きで手数料を請求することはありません
- 不審な電話やメールがあったら、まず公式の問い合わせ先(子供未来応援課 電話 082-513-3171)に確認しましょう

佐藤
編集長
なるほど、ATMで手続きをお願いされたら100%おかしいってことですね。

室谷
代表取締役
その通りです。少しでも怪しいと思ったら、公式窓口に確認するのが一番です。
この制度と一緒に知っておきたい給付金

佐藤
編集長
広島県には不妊治療まわりで、ほかにも使える制度ってあるんですか?

室谷
代表取締役
ありますよ。妊娠から出産、子育てまで段階的にサポートがあるので、知っておくと損しないです。

佐藤
編集長
たとえばどんなものが?

室谷
代表取締役
まず同じ不妊・不育のテーマだと、広島県不育症検査費助成事業があります。流産を繰り返してしまう不育症の検査費用を助成する制度ですね。

佐藤
編集長
なるほど、検査の段階からサポートがあるんですね。

室谷
代表取締役

佐藤
編集長
治療から出産まで切れ目なくサポートがあるんですね。

室谷
代表取締役
あと県内の市町によっては、県の制度とは別に独自の不妊検査・治療の助成をやっているところもあるので、お住まいの市町の窓口にも確認してみてくださいね。広島県の他の給付金は広島県の給付金一覧からまとめて探せますよ。

佐藤
編集長
ありがとうございます!不妊治療って費用の負担が大きいイメージでしたけど、こうやって助成を組み合わせれば、かなり負担を抑えられそうですね。

室谷
代表取締役
そうなんです。使える制度はしっかり使ってほしいです。最後に、申請期限の2か月だけは本当に気をつけて。治療が終わったらすぐ証明書を頼む、これだけ覚えておけば大丈夫ですよ。
基本情報まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 広島県特定不妊治療支援事業 |
| 対象者 | 治療開始時に婚姻している夫婦(事実婚含む)、申請時に広島県内在住、妻の治療期間初日の年齢が43歳未満 |
| 所得制限 | なし |
| 助成額(対象1) | 先進医療の自己負担額の1/2、上限5万円 |
| 助成額(対象2) | 全額自費治療の費用の7割、特定不妊治療は上限30万円(ステージC・Fは10万円)、男性不妊治療は上限30万円 |
| 助成回数 | 40歳未満なら1子ごとに6回、40歳以上なら3回(43歳になるまで) |
| 申請期限 | 治療終了日の翌日から原則2か月以内 |
| 申請方法 | 広島県電子申請システム(LINE連携可)または保健所・子供未来応援課の窓口 |
| 問い合わせ | 広島県子供未来応援課 電話 082-513-3171 |
| 公式ページ | 広島県特定不妊治療支援事業について |