室谷さん、「難病医療費助成制度」って最近よく耳にするんですが、正直どんな制度なのかよくわかってなくて。ざっくり教えてもらえますか?
もちろんです! 難病って聞くと、どこかふんわりしたイメージがあるかもしれないんですが、実はこの制度、厚生労働大臣が指定した348疾患(令和7年4月1日現在)を対象にした、れっきとした国の医療費助成制度なんです。
そうなんです。パーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)、クローン病なんかも含まれていて、治療が長期にわたりがちな病気ばかりです。毎月の医療費ってほんとに積み重なりますよね。
確かに。長期間かかる病気だと医療費がどんどん増えていきますもんね。
だから国がこの制度を作って、月ごとの自己負担を所得に応じた上限額(最低0円〜最大30,000円)に抑えてくれるんです。上限を超えた分は広島県が助成してくれる仕組みですよ。
ということは、毎月の医療費が10万円かかっても、上限額以上は払わなくていいってこと?
まさにそうです! たとえば一般所得1の方なら、月の医療費がいくらになっても自己負担は10,000円まで。その超過分は助成される。これは患者さんにとって本当に大きな支えです。
これは申請しないと損ですね。でも、誰でももらえるんですか?
対象者の要件があるので、まずそこを整理しましょう。次のセクションで詳しく見ていきます!
月額自己負担上限額の比較表
自分がこの制度の対象かどうか、どうやって判断すればいいですか?
チェックポイントは大きく3つです。まず広島県内(広島市を除く22市町)に住民登録があること。広島市にお住まいの方は別の窓口になるので注意してください。
これ、かなり多くの方が勘違いしています! 広島市在住の方は広島市のページを参照してください。次に指定難病(348疾患)のいずれかにかかり、国の診断基準を満たすこと。疾患リストは厚生労働省のホームページで確認できます。
診断基準を「満たす」というのは、主治医に確認してもらうんですか?
そうです! 難病指定医に限り、申請に必要な「臨床調査個人票(診断書)」を作成できます。かかりつけのお医者さんが難病指定医かどうか、事前に確認しましょう。
重症度分類を満たさないとダメなんですよね? 軽い症状だと対象外?
いえ! 重症度基準を満たさない方でも、軽症高額に該当すれば対象になれます。具体的には月の医療費総額が33,330円を超える場合です。領収書を保管しておいて、保健所に相談してみてください。
- 広島県内(広島市を除く22市町)に住民登録があること
- 指定難病348疾患のいずれかにかかり、診断基準を満たすこと
- 重症度分類を満たすか、軽症高額(月の医療費総額33,330円超)に該当すること
- 難病指定医療機関で受給者証に記載された疾病の治療を受けること
なるほど! 軽症でも医療費が高ければチャンスがあるんですね。金額のことも聞いていいですか?
実際にどれくらい助成されるのか、金額が一番気になります!
助成の仕組みは「上限額制度」です。月の医療費自己負担がその上限を超えたら、超えた分が助成されます。所得区分によって上限額が変わるのがポイントです。
| 階層区分 | 基準 | 一般(月額上限) | 高額かつ長期 | 人工呼吸器等装着 |
|---|
| 生活保護 | — | 0円 | 0円 | 0円 |
| 低所得1 | 年収80.9万円以下(非課税) | 2,500円 | 2,500円 | 1,000円 |
| 低所得2 | 年収80.9万円超(非課税) | 5,000円 | 5,000円 | 1,000円 |
| 一般所得1 | 市町村民税 7.1万円未満 | 10,000円 | 5,000円 | 1,000円 |
| 一般所得2 | 市町村民税 7.1万円以上25.1万円未満 | 20,000円 | 10,000円 | 1,000円 |
| 上位所得 | 市町村民税 25.1万円以上 | 30,000円 | 20,000円 | 1,000円 |
生活保護の方は0円なんですね! 「高額かつ長期」って何ですか?
月の医療費が一定額以上かつ長期にわたって治療が必要と認められた方に適用されます。一般所得1なら10,000円のところが5,000円になるように、高額かつ長期に該当すると上限額が約半額に下がります!
長く難病と闘っている人ほど負担が軽くなる仕組みなんですね。あと、「医療費の自己負担2割」って書いてあったんですが。
前提として、指定難病の医療費は患者の自己負担割合が2割です。健康保険の3割より低い。さらにそこから上限額制度で保護される二重の仕組みになっています。
ちなみに、どんな医療が対象になるんですか? 例えば薬も?
はい! 難病指定医療機関での診療(入院・外来)、調剤薬局での調剤、訪問看護、訪問リハビリ、居宅療養管理指導、介護医療院サービスが対象です。ただし入院時の食費や保険適用外の費用(差額ベッド代など)は対象外なので覚えておいてください。
わかりました! では実際どうやって申請すればいいんですか?
申請の流れフローチャート
申請ってどこに行けばいいんですか? 市役所ですか?
市役所ではなく、住所地を管轄する保健所が窓口です! 郵送でも申請できます。保健所の場所は後ほど詳しく案内しますね。
一番最初にやることは主治医(難病指定医)に臨床調査個人票の作成を依頼することです。これが申請書類の中で最も時間がかかるので、早めに動いてください!
1主治医(難病指定医)に臨床調査個人票(診断書)の作成を依頼する
2必要書類を準備する(住民票・健康保険資格情報書類・身元確認書類など)
4住所地を管轄する保健所(支所)に書類を提出する(窓口または郵送)
5審査結果を待つ(認定されると特定医療費受給者証が郵送で届く)
6受給者証を難病指定医療機関の窓口に提示して医療を受ける
臨床調査個人票って難しそうな名前ですね。これって普通の診断書と違うんですか?
専用の様式があるんです。しかも作成から6か月を超えると審査不能になります。申請書類が全部そろったら早めに提出することが大事です。
住民票も必要なんですね。どんな種類のが要りますか?
世帯全員分・続柄・マイナンバー入りの住民票です。申請日前3か月以内に発行されたものが必要です。前もって取っておいても、ずるずる引き延ばすと期限切れになるので注意してください。
- 支給認定申請書〔様式1〕
- 臨床調査個人票(難病指定医作成・6か月以内のもの)
- 医療保険の資格情報書類(保険証コピーまたはマイナポータル資格確認画面)
- 住民票(世帯全員分・続柄・マイナンバー入り・3か月以内)
- 申請者の身元確認書類(顔写真付き)
マイナンバーが未提出の場合は追加書類が要るんですよね?
そうです。マイナンバーを提出しない場合は市町村民税(非)課税証明書が必要になります。申請月によって必要な年度が違うので、4月〜6月申請なら前年度分、7月〜翌3月申請なら当該年度分を用意してください。
申請書類がそろわないと受け付けてもらえないんですか?
原則はそうですが、新規申請に限っては申請書と臨床調査個人票のみでも受付可能です。残りの書類は速やかに提出する前提で受け取ってもらえます。これは助かりますよね。
対象がどんどん広がってきた! 受給者証が届いたら、次は何をすればいいですか?
受給者証を難病指定医療機関の窓口に提示して治療を受けるだけです。そのとき自己負担上限額管理票に支払い記録をつけてもらいます。月の合計が上限に達したら、その月はそれ以上払わなくてOKになります。
申請はいつでもできるんですか? 締め切りはないですか?
新規申請は随時受付です! 特定の期間しか申請できないわけじゃないので安心してください。ただ、受給者証には有効期間があります。
えっ、有効期間があるということは更新手続きが必要なんですか?
そうです。有効期間終了日の5〜6か月前に保健所から更新案内が届きます。令和7年度の更新受付期間は令和7年6月2日〜令和7年8月1日でした(令和7年度は一部終了)。
基本的にそうです。難病指定医に更新用の個人票を作成してもらう必要があります。更新を忘れると受給者証が失効するので、案内が届いたらすぐに動くのがベストです!
他の都道府県から広島に引っ越してきた場合はどうなりますか?
転入申請が必要です。前の都道府県の受給者証のコピーを持参して保健所で手続きします。転入後も引き続き助成が受けられるので安心してください!
受給者証の有効期間を過ぎると助成が受けられなくなります
更新案内は有効期間終了日の5〜6か月前に届きます。更新手続きには臨床調査個人票(難病指定医作成)が必要で、書類準備に時間がかかります。案内が届いたらすぐに主治医に依頼しましょう。
受給者証が届く前に医療機関を受診した場合、その分の医療費はどうなりますか?
償還払いの申請ができます! 受給者証の有効期間開始日から交付されるまでの間に自己負担上限額を超えた額を支払った場合、申請によって払い戻しを受けられます。ただし申請から入金まで約3〜5か月かかるので、早めに手続きしてください。
申請先の保健所はどこで確認できますか? 広島って広いので、自分の地域がどこかわからなくて。
市町によって担当する保健所が違うんです。一覧を確認しましょう!
| お住まいの地域 | 担当保健所 | 電話番号 |
|---|
| 大竹市・廿日市市 | 西部保健所(廿日市市桜尾二丁目2-68) | 0829-32-1181 |
| 安芸高田市・府中町・海田町・熊野町・坂町・安芸太田町・北広島町 | 西部保健所広島支所 | 082-513-5526 |
| 呉市 | 呉市保健所 | 0823-25-3525 |
| 江田島市 | 西部保健所呉支所 | 0823-22-5400 |
| 竹原市・東広島市・大崎上島町 | 西部東保健所 | 082-422-6911 |
| 三原市・尾道市・世羅町 | 東部保健所 | 0848-25-2011 |
| 福山市 | 福山市保健所 | 084-928-1127 |
| 府中市・神石高原町 | 東部保健所福山支所 | 084-921-1311 |
| 三次市・庄原市 | 北部保健所 | 0824-63-5181 |
- 住所地を管轄する保健所(支所)の窓口または郵送にて申請
- 郵送申請の場合、郵送料は自己負担となります
- 新規申請の手引き(PDF)は広島県公式サイトからダウンロード可能
- 公式ページ: 広島県難病医療費助成制度
難病の種類が多いと、自分の病気が対象か不安な人も多そうですね。
そうですね。「自分の病気は指定難病に入っているの?」というのが一番多い質問です。厚生労働省のホームページで348疾患のリストが公開されていますし、主治医や保健所に相談するのが確実です!
18歳未満の方は小児慢性特定疾病医療費助成制度が別にあります。ただし18歳到達後も続けて治療が必要な場合はこの難病制度に移行できます。詳細は保健所にご相談ください。
数か月かかることが多いです。その間に受給者証の有効期間開始日前に払った医療費は、先ほどお話した償還払いで後から取り戻せます。
仕事が忙しくて保健所に行けない場合はどうしたらいいですか?
郵送申請が可能ですよ! また家族や成年後見人が代理で申請する場合は委任状(様式9)を添付してください。18歳未満で保護者が申請者となる場合は委任状は不要です。
変更申請が必要です! 保険証の変更(記号番号の変更だけなら記載事項変更届〔様式4〕)、住所変更、世帯状況の変更など、それぞれに対応した様式が用意されています。変更が生じたらすぐに担当保健所に連絡してください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 特定医療費(指定難病)医療費助成制度 |
| 対象者 | 広島県内(広島市除く22市町)住民で指定難病にかかる方 |
| 対象疾患 | 指定難病348疾患(令和7年4月1日現在) |
| 自己負担上限 | 月額0円〜30,000円(所得区分により異なる) |
| 申請窓口 | 住所地を管轄する保健所(随時受付) |
| 申請方法 | 窓口持参または郵送 |
| 公式ページ | 広島県難病医療費助成制度 |
役所や保健所が「給付金を振り込むためにATMを操作してください」と言うことは絶対にありません。電話で口座番号や暗証番号を聞くこともありません。不審な連絡があれば、担当の保健所(上記一覧)に直接確認してください。
難病以外にも、障害のある方向けの医療費助成制度ってありますか?
そういった制度と難病医療費助成制度は、組み合わせることもできるんですか?
条件によっては複数の制度を利用することが可能です。ご自身の状況に合わせて保健所や市区町村窓口に相談してみてください。
ひとり親家庭の方が難病にかかった場合はどうなりますか?
ひとり親家庭等医療費補助という制度もあります。難病医療費助成と組み合わせると、さらに自己負担を軽減できる可能性があります。詳しくは担当窓口にご相談を。
広島県内の医療費助成や生活支援制度の一覧は
広島県の給付金・補助金一覧からご確認いただけます。お住まいの市町の制度については各市町ページもあわせてご参照ください。