室谷さん、「中小企業等プロフェッショナル人材確保支援事業補助金」って名前、すごく長いですけど、これって何を補助してくれる制度なんですか?
これ、広島県の中小・中堅企業が「攻めの経営」に必要な即戦力人材を採用するときの費用を県が肩代わりしてくれる制度ですね。人材紹介会社に払う手数料の半分を最大200万円まで補助してくれるんですよ!
通常の採用でも最大100万円/人補助されるんですが、年収1,000万円以上の幹部人材や役員を採用する場合は上限が200万円/人に跳ね上がります。県外から来てもらうタレントを確保するにはかなりリアルな支援ですよ。
ざっくり、どんな人材を採用するときに使えるんですか?
キーワードは「新事業展開等」ですね。新規事業の立ち上げ、海外現地事業、組織強化、生産性向上——そういった「攻めの一手」を打つために必要な専門人材を採用するときが対象です。しかも副業・兼業で活用するパターンも対象になっていて、こっちは初回なら業務委託料の80%補助・上限50万円/人という破格の補助率なんです!
- どんな企業・人材が対象なのか(要件の詳細)
- 補助額の具体的な計算方法(正社員採用 vs 副業・兼業)
- 申請の流れと注意すべきタイミング
- よくある失敗パターンとその回避策
補助額一覧表
まず「うちの会社が対象か」をチェックしたいんですが、どんな企業が申請できるんですか?
大前提として広島県内に本社・本店を置いていることが必要です。対象は3種類あって、①中小企業(中小企業基本法の資本金・従業員規模を満たすもの)、②中堅企業(従業員2,000人以下・中小企業除く)、③組合等(企業組合・協業組合・事業協同組合など県内に主たる事業所があるもの)です。
業種は問いません!製造業で工場長を採用する、IT系で新事業を立ち上げるための人材を確保する、海外進出する商社系の企業が現地コーディネーター経験者を呼ぶ——どれも対象です。肝心なのは「新事業展開等のための採用」であるというストーリーが成り立つかどうかです。
じゃあ採用する人材の方はどんな要件があるんですか?
プロフェッショナル人材(正社員・役員採用)の場合、3つの要件をすべて満たす必要があります。まず①専門的な技術・資格・知識・技能を有していること。次に②直近の就業先が「県外に本社・本店を置く法人」「県内の大企業(従業員2,000人超)」「国」のいずれかであること。そして③採用後1年間の報酬支払見込み額が600万円以上であること。
「直近の就業先が県外法人か大企業か国」というのはどういう意味ですか?
要は「広島の中小企業からUターン採用」はダメ、ということです!大都市圏の企業や大企業・国などに勤めていた人を広島に呼び込むことで、外のノウハウや人脈を地域に持ち込んでほしいという趣旨なんですね。広島の別の中小企業から転職してきた人は残念ながら対象外になります。
なるほど、外からの血を入れるためのお金なんですね!
そうなんです。「広島県プロフェッショナル人材戦略拠点」という専門組織がこの制度全体を運営していて、登録人材紹介会社と企業をマッチングするハブ機能も担っています。補助金を使うには必ず県に登録された人材紹介会社を利用する必要があります。
補助金の対象となるのは、広島県に登録している人材紹介会社を活用した場合のみです。登録一覧は公式ページで確認できます。先に自分でリクルートエージェント等に問い合わせてしまうと補助対象外になる可能性があるので、まず産業人材課に相談して登録紹介会社の一覧を入手することが重要です。
具体的にいくらもらえるのかを教えてください。正社員採用の場合と副業・兼業の場合で違うんですよね?
はい、大きく2つのパターンがあります!整理していきましょう。
| 採用パターン | 補助率 | 補助上限額 | 対象費用 |
|---|
| プロフェッショナル人材採用(通常) | 手数料の1/2 | 100万円/人 | 人材紹介手数料(成功報酬部分) |
| プロフェッショナル人材採用(年収1,000万円以上・役員) | 手数料の1/2 | 200万円/人 | 人材紹介手数料(成功報酬部分) |
| 副業・兼業人材 初回活用 | 業務委託料の80% | 50万円/人 | 登録紹介会社への業務委託料 |
| 副業・兼業人材 2回目以降 | 業務委託料の35%の1/2 | 50万円/人 | 登録紹介会社への業務委託料 |
副業・兼業の初回って80%補助ですか!それはすごいですね!
しかも初回と2回目以降では条件も変わります。初回は業務委託料50万円以上・契約期間1か月以上6か月以内・令和9年1月31日までに支払い完了が条件です。2回目以降は業務委託料150万円以上・契約期間3か月以上と、ハードルが上がる一方でより長期の活用が可能になります。
じゃあ計算してみると、たとえば年収650万円の採用で紹介手数料が200万円かかった場合、補助は100万円ってことですか?
そうです!200万円×1/2=100万円、上限100万円なのでちょうど100万円の補助が出ます。もし年収1,000万円の幹部採用で手数料が500万円だった場合は500万円×1/2=250万円になりますが、上限200万円なので200万円の補助ですね。補助金額は千円未満切り捨てで計算されます。
令和8年度を通じて1社につき3回まで申請できます。ただし複数名を申請する場合、それぞれの人材の活用方法が異なっている必要があります。また平成28年度からの通算で6回が上限です。ただしIT・デジタル化や高度外国人材活用に資する採用は通算回数に含まれないので、デジタル系の採用を積み重ねてきた企業には追い風の特例がありますよ!
申請フロー図
申請の流れを教えてください。どこから動けばいいんですか?
まず「広島県商工労働局 産業人材課」に相談して、登録人材紹介会社の一覧を入手するところからスタートです。流れをステップごとに見ていきましょう。
広島県商工労働局 産業人材課に相談・問い合わせ(登録紹介会社リストを確認)
プロフェッショナル人材と雇用契約・委任契約(内定含む)を締結
就業開始日の7日前までに補助金交付申請書を提出(必須!)
令和9年3月31日(プロ人材の場合)までに就業開始・人材紹介手数料の支払いを完了
「就業開始日の7日前までに申請」というのが一番のポイントですね!
そうです、就業開始後の申請は絶対に受け付けられません!内定を出したらすぐに動くことが鉄則です。また副業・兼業の場合は「業務委託契約の締結日から活用開始日の7日前まで」が申請期限になります。これを見落とすと全額自己負担になりますので、採用活動と並行して申請準備を進めることが大切です。
- 補助金交付申請書(様式第1号)
- 公募要領・補助金交付要綱
- 個人情報の提供に関する同意書
- 副業・兼業人材初回活用に関する誓約書(初回の場合のみ)
- 登録人材紹介会社の契約書等関係書類
広島県商工労働局産業人材課(〒730-8511 広島市中区基町10番52号)に持参・郵送・Eメールで提出します。郵送の場合は封筒の表に「中小企業等プロフェッショナル人材確保支援事業補助金」と朱書きするのを忘れずに!Eメールの場合は
syojinzai@pref.hiroshima.lg.jp あてです。
令和8年3月17日(金)から令和9年3月24日(水)までが募集期間ですが、予算がなくなり次第終了するので早めの行動が肝心です!特にプロフェッショナル人材は令和8年4月1日から令和9年3月31日の間に就業を開始する必要があります。
副業・兼業の初回活用は就業開始の条件がプロ人材と違うんですか?
少し違います。初回活用は令和8年4月1日から活用を開始して令和9年1月31日までに活用を終了する必要があります。2回目以降は令和8年4月1日から令和9年3月31日に活用開始して、令和10年3月31日までに終了することが条件です。年度内に終わらせなくていい2回目以降の方が余裕があるんですね。
過去に似たような制度を使ったことがある企業でも申請できますか?
できます!ただし平成28年度からの通算申請回数が6回を超えていると新規申請は受け付けられません。何回使ったか分からない場合は産業人材課に確認するといいですよ。また同一年度中に複数回申請する際は、採用する人材ごとに「新事業展開等の内容が異なること」を説明できるようにしておくことが重要です。
| 基準 | プロフェッショナル人材 | 副業・兼業(初回) | 副業・兼業(2回目以降) |
|---|
| 就業・活用開始の締切 | 令和9年3月31日 | 令和9年1月31日(終了も) | 令和9年3月31日開始 |
| 費用支払の締切 | 令和9年3月31日 | 令和9年1月31日 | 令和10年3月31日 |
| 契約期間(必要最短) | 雇用・委任契約 | 1か月以上6か月以内 | 3か月以上 |
| 最低業務委託料 | 600万円以上の年収 | 50万円以上/人 | 150万円以上/人 |
そうですね、私がよく受けるのがこの5つです!まず「ハローワーク経由でも対象になりますか?」という質問。答えはノーです。必ず広島県に登録している人材紹介会社を活用することが条件で、ハローワークや自社の採用活動では対象外です。
もう一つ、「まだ採用が決まっていないけど事前に申請できますか?」という疑問もありますよね?
これは「内定を含む」という規定がポイントで、正式な入社・就業前でも内定の段階から申請できます!ただし就業開始日の7日前が申請期限ですから、内定日から7日以内ということにはなりません。「内定して就業日が決まったら即申請」というスケジュール感です。
「副業・兼業の初回と2回目以降で補助率がかなり違うのはなぜですか?」というのも疑問に上がりそうです。
初回はそもそも副業・兼業人材の活用自体が初めての企業に試してもらうための特別な優遇措置なんです。80%という高い補助率でリスクを軽減して、「まず一回やってみてください」というメッセージが込められています。2回目以降は一定のノウハウが蓄積されているという前提で通常の補助率になるわけです。
書類審査の前に事前ヒアリングが入ることもあります。就業開始前に交付決定が出るよう逆算して早めに動くことが肝心です。具体的な審査期間は産業人材課に直接確認されることをおすすめします。なにしろ予算がなくなり次第終了なので、早い者勝ちの側面もありますよ!
採用してみたけど人材が想定より早く辞めてしまった場合はどうなりますか?
これは要注意です!補助金は「人材紹介手数料の支払い後」に申請する実績報告で確定しますが、採用した人材が短期間で離職した場合の取り扱いは交付要綱で定められています。詳細は産業人材課に確認が必要ですが、一般的に補助金は返還義務が発生する場合がありますので、採用後のオンボーディングにも力を入れることをおすすめします!
この補助金に関して、電話やメールで「手続きのために個人情報を教えてほしい」「振込手数料が必要」などと連絡が来た場合は詐欺の可能性が高いです。公式窓口(広島県商工労働局産業人材課 電話 082-513-3428)以外からの連絡には応じないようにしてください。ATMを操作して手続きをすることは一切ありません。不審な場合は警察(#9110)や消費生活センターにご相談ください。
似たような人材・企業向けの広島の支援制度はほかにもあるんですか?
あります!例えば
イノベーション人材等育成事業補助金は、企業内での人材育成・研修を支援する制度で、上限なんと400万円です。プロを採用する補助金と、採用した人材を育成する補助金を組み合わせるのが理想の活用法ですね!
採用コストだけじゃなくて育成コストも補助してもらえるんですね!
もし移住してきてくれる人材を採用するなら、その人自身が
広島県移住支援金制度を活用できる可能性もあります。最大100万円の移住支援金で、採用する人材のライフコストを後押しできますよ。広島市内への移住なら
広島市移住支援金も利用できます。
採用する会社だけでなく、採用される人も支援が受けられるんですね!それなら移住交渉もしやすくなりますね!
まさにそうです!企業と人材の両方に手厚い支援が広島県には揃っているので、ぜひこれらをセットで提案することをおすすめします。詳しい支援策の全体像は
広島県の補助金・給付金一覧でも確認できますよ。