室谷さん、フリーランス向けの補助金について教えてください。東京都で働く個人事業主でも申請できる制度はありますか?
はい、ありますよ。雇用保険に加入できないフリーランスにとって、補助金は数少ない公的支援の一つです。東京都では、テレワーク環境の整備や、障害者雇用のサポート、副業・兼業人材の活用など、様々な分野で補助金・助成金が用意されています。今日は、特にフリーランスの皆さんに関係の深い制度をいくつかピックアップしてご紹介します。
東京都はテレワーク推進に力を入れてまして、複数の助成金があります。まず「
令和6年度テレワーク促進助成金」は、都内の中堅・中小企業を対象に、テレワーク導入に必要な機器やソフトウェア等の経費を助成する制度です。上限
250万円で、従業員30人未満の小規模企業は補助率2/3と手厚いのが特徴です。でも、佐藤さん、フリーランスの個人事業主でも申請できるんでしょうか?
そこが気になります。私は一人で仕事をしていて、従業員はいません。
この助成金は「常時雇用する労働者数2人以上」が条件です。つまり、従業員を1人も雇っていない個人事業主は対象外になります。ただ、家族従業員を雇用しているケースや、事業を法人化している場合は条件を満たせる可能性があります。また、同じ東京都の「
令和6年度テレワーク導入ハンズオン支援助成金」も同様の条件ですね。こちらは最大250万円ですが、事前に専門家のコンサルティングを受けることが必須です。コンサルティングで提案された内容に基づいて環境整備を行うため、導入後の失敗リスクを減らせます。
なるほど。では、従業員のいないフリーランスには別の選択肢はありますか?
いわゆる「IT導入補助金」のような個人事業主向けの制度は、今回のリストには含まれていません。ただし、東京都には他の助成金もありますので、後ほどご紹介しますね。
ところで、以前「テレワーク東京ルール実践企業宣言」への登録が必要という話を聞いたんですが…。
それは過去の制度の要件です。例えば「
令和5年度_テレワーク促進助成金【一般コース】」では、申請にこの宣言制度への登録が必須でした。しかし、令和6年度の「テレワーク促進助成金」(id:1194)の概要にはその条件は明記されていません。過去の制度を参考にする場合は、必ず最新の公募要領を確認するようにしてください。
フリーランスとして、企業から業務委託を受けることも多いです。副業・兼業に関する補助金はありますか?
経済産業省の「副業・兼業支援補助事業」という制度がありました。これは企業が自社の人材を他社に送り出す「送り出し型」と、外部から副業・兼業人材を受け入れる「受け入れ型」の2種類があります。フリーランスの皆さんは、受け入れ型(類型B)で企業に業務委託される形で活用できる可能性がありました。
「ありました」ということは、現在はもう終了しているのですか?
その通りです。提示されたリストでは、第1次から第4次までの公募がすべて2023年に締切済みで、現在は新規公募は行われていません。過去に実施されていた制度で、今後また同様の制度が再開される可能性はありますが、現時点では情報がありません。副業・兼業でフリーランスを始めたばかりの方でも、当時は申請できたかもしれませんね。
そうですね。中小企業が外部人材を受け入れる際の費用の半分を補助してくれます。1人あたり50万円、最大5人で250万円まで。もし再開されれば、フリーランスが新しい取引先を開拓するきっかけにもなります。
はい。「職場内障害者サポーター事業」は、東京都内の事業所で障害者を雇用する事業主向けの奨励金です。例えば「
令和8年度職場内障害者サポーター事業」では、社員が養成講座を受講し、実際に職場で障害者を支援することで、最大
24万円(月額6,000円×最大6名)の奨励金が支給されます。
これはフリーランスの個人事業主でも対象になるんですか?
「東京都内の企業等」が対象で、個人事業主も事業主として該当します。ただし、障害者を雇用しているか、または雇用する予定があることが前提です。フリーランスが障害者を雇用するケースはあまり多くないかもしれませんが、もし該当すれば活用できます。また、法定雇用率の引き上げが進んでいるため、今後重要性が増す分野です。
「
令和7年度 脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金」は、上限98億円という非常に大規模な補助金です。日本法人の民間企業が主申請者となる必要があり、フリーランス個人が直接申請するのは現実的ではありません。ただし、複数の事業者でコンソーシアムを組む場合は、フリーランスも構成員として参加できる可能性があります。サーキュラーエコノミーに関連する事業を展開している方は、一度チェックしてみる価値はあるでしょう。
最後に、フリーランスの方からよく聞かれる質問に答えてください。
まず、雇用保険に加入していないフリーランスでも補助金を申請できますか?
補助金は雇用保険の有無とは関係なく、事業者としての要件を満たせば申請可能です。多くの補助金では「中小企業者」「個人事業主」などの定義があり、税務上の区分や従業員数などで判断されます。例えば、テレワーク促進助成金は常時雇用する労働者数が条件になりますので、一人親方のフリーランスは対象外となります。一方、副業・兼業支援補助金(過去の制度)では、受け入れ型の補助対象企業の要件に個人事業主が含まれていました。
できます。多くの補助金は「個人事業主」を対象に含めています。ただし、公募要領で「個人事業主であること」が明記されているか、必ず確認してください。また、事業実態が必要ですので、開業届を提出していることや、確定申告を行っていることが求められるケースが多いです。
副業・兼業でフリーランスを始めたばかりでも申請できますか?
制度によります。副業・兼業支援補助事業(過去)では、送り出し型・受け入れ型ともに、企業が対象だったため、個人の副業フリーランスが直接申請することはできませんでした。しかし、本業の会社が副業制度を導入していれば、その会社を通じて間接的に関われた可能性があります。現在有効な制度については、各補助金の対象者欄で「個人事業主」と「開業届提出者」等の条件を確認してください。
会社員向けの補助金とフリーランス向けの補助金はどう違いますか?
会社員向けの補助金という区分はあまりなく、多くの補助金は事業者向けです。会社員が個人事業主として副業で活用する場合は、事業者としての要件を満たす必要があります。一方、会社員が雇用されている企業が補助金を申請し、その恩恵を受ける形で間接的に支援されることもあります(例:テレワーク環境の整備)。フリーランスの場合は、自分自身が事業主ですので、直接申請できる制度を探すことになります。東京都では、中小企業振興公社などが個人事業主向けの支援を行っていますので、相談してみることをおすすめします。
本日はありがとうございました。フリーランスでも活用できる補助金がいくつかあることがわかりました。最新の公募情報はこまめにチェックしたいと思います。
はい、ぜひ有効に活用してください。特に東京都はテレワーク関連の助成金が充実していますので、条件に合う方は積極的に申請を検討してみてください。引き続き補助金エージェントで情報を発信していきます。