働き方改革推進支援助成金の申請方法は?必要書類と手順を解説
目次
申請前に確認:どのコースで申請するか決める
働き方改革推進支援助成金にはコース①〜④があり、申請先や必要書類が一部異なります。まずガイドのトップページでコースを確認し、自社に合うものを決めてから申請に入りましょう。
以下では、最も利用件数が多いコース①〜③(単独事業主向け)の申請の流れを解説します。
申請の流れ(全5ステップ)
ステップ1 交付申請書を提出する
都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)に「働き方改革推進支援助成金交付申請書 (様式第1号)」を提出します。これが申請の起点です。
提出先: 対象事業場を管轄する都道府県労働局 雇用環境・均等部(室) 提出期限: 当該年度の受付期間内(令和7年度は2025年11月28日必着)
申請書には、実施する取組の内容(研修・就業規則変更・設備導入など)と選択する成果目標を記載します。この申請書は「これから取り組みます」という事前申請です。取組を先に実施してから申請することはできません。順序を間違えると助成対象外になるため注意してください。
ステップ2 交付決定通知を受ける
申請書の審査が完了すると、都道府県労働局から「交付決定通知書」が届きます。この通知書を受け取った日から、はじめて取組の実施が可能になります。
確認すること:
- 交付決定額(事業実施後の申請上限額)
- 取組の実施可能期間(交付決定日〜当該年度の1月30日まで)
ステップ3 取組を実施する
交付決定日から当該年度の1月30日までに、申請した取組を実施します。
対象となる主な取組:
| 取組内容 | 具体例 |
|---|---|
| 労務管理担当者・労働者への研修 | 過重労働防止研修、インターバル制度導入研修 |
| 外部専門家によるコンサルティング | 社会保険労務士・中小企業診断士の指導 |
| 就業規則・労使協定の作成・変更 | 36協定の変更届、年休計画的付与規定の追加 |
| 労務管理ソフトウェアの導入・更新 | 勤怠管理システム、シフト管理ソフト |
| 労務管理用機器の導入・更新 | タイムレコーダー、デジタル式運行記録計(デジタコ) |
| 設備・機器の導入・更新 | POSシステム、自動車リフト、洗車機など |
| 人材確保に向けた取組 | 求人活動、採用サービスの利用 |
注意点:
- パソコン・タブレット・スマートフォンは原則対象外
- 成果目標の達成も必要(例: 成果目標1を選択した場合、36協定を実際に改訂して労働基準監督署へ届出)
ステップ4 支給申請書を提出する
取組の完了後、「働き方改革推進支援助成金支給申請書 (様式第10号)」と「事業実施結果報告書 (様式第11号)」を都道府県労働局に提出します。
提出期限: 取組完了日の翌日から2か月以内
支給申請書には、経費の支出内容と成果目標の達成状況を記載します。領収書など経費証明書類の添付も必要です。書類が不備だと審査が長引くため、取組の実施中から書類を丁寧に保管しておきましょう。
ステップ5 審査・支給決定
労働局による審査が行われ、問題がなければ支給決定通知と助成金が振り込まれます。支給額は「成果目標の達成状況に応じた上限額」と「対象経費 × 補助率(3/4 または 4/5)」のいずれか低い方となります。
必要書類チェックリスト
交付申請時(ステップ1)に必要な書類
- □ 働き方改革推進支援助成金交付申請書(様式第1号)
- □ 現行の就業規則(変更予定の場合は変更前のもの)
- □ 現在の36協定届の写し(成果目標1を選択する場合)
- □ 事業場の労働者数を確認できる書類
支給申請時(ステップ4)に必要な書類
- □ 働き方改革推進支援助成金支給申請書(様式第10号)
- □ 事業実施結果報告書(様式第11号)
- □ 変更後の就業規則(成果目標に応じて)
- □ 変更・届出後の36協定の写し(成果目標1の場合)
- □ 領収書・請求書・振込明細等の経費証明書類
- □ 賃金台帳・出勤簿(賃上げ加算を申請する場合)
- □ 就業規則の申立書(従業員10人未満で労基署未届けの事業場のみ)
申請様式・最新の添付書類一覧は各都道府県労働局または厚生労働省のページで必ず確認してください。年度によって変更される場合があります。
よくある失敗パターンと防ぎ方
失敗① 交付決定前に取組を実施してしまった
最も多いトラブルです。補助金・助成金の大原則は「申請→承認→実施→報告」の順番。「研修だけ先にやってしまった」「就業規則変更を済ませてしまった」という場合、その取組は助成対象外になります。必ず交付決定通知書を受け取ってから取組を開始してください。
失敗② 成果目標を達成できなかった
36協定の上限削減を成果目標にしたが、期日までに労働基準監督署へ届出できなかった場合、支給申請が通りません。成果目標は「確実に達成できる範囲」で設定し、交付申請前に社会保険労務士等に確認することをお勧めします。
失敗③ 対象外の経費を申請した
パソコン・タブレット・スマートフォンの購入費は原則対象外です。また事務所の家賃・光熱費・食費なども対象外です。対象となる取組に含まれる経費かどうかは、交付申請マニュアルで事前に確認してください。
失敗④ 申請期限を見逃した
令和7年度の受付期限は11月28日(必着)と年度末より早いです。加えて、予算が上限に達した時点で期限前でも受付が終了します。申請を検討している場合は早めに準備を進めましょう。
申請相談窓口
各都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)
申請受付開始前(4月1日以降)でも相談対応しています。申請書類の書き方・適用コースの確認などを無料で相談できます。
働き方改革推進支援センター
全国47都道府県に設置。社会保険労務士などの専門家が無料相談(電話・オンライン・訪問)に応じています。就業規則の整備サポート・36協定の変更届の作成支援なども対応しています。
この制度のガイドページ
一緒に活用できる関連制度
- 業務改善助成金 — 最低賃金引上げと生産性向上設備導入を支援
- キャリアアップ助成金 — 非正規雇用の正社員化・処遇改善を支援
- 両立支援等助成金 — 育児・介護と仕事の両立支援に取り組む事業主を支援
- 人材開発支援助成金 — 従業員の研修・スキルアップ費用を助成