秋田県で設備投資・IT導入に使える補助金の全体像


佐藤
編集長
室谷さん、秋田の中小企業って設備投資やIT導入をしたいときに使える補助金、どれくらいあるんですか?

室谷
代表取締役
えっとですね、国の補助金だけで常時20件以上、秋田県独自の制度を含めると50件超は絶対ありますよ。特に秋田って人口減少が全国トップクラスなので、県として生産性向上への支援に相当力を入れてるんです。

佐藤
編集長
ほんとですか!人口減少がIT補助金に関係するんですね。

室谷
代表取締役
直結してますね。人が集まらないなら機械やシステムで補うしかない、という発想です。実際、秋田県は「中小企業デジタル化導入支援事業費補助金」という県独自の補助金を毎年出していて、令和8年(2026年)も3月から4月末まで公募が行われていました。

佐藤
編集長
それは県だけの制度なんですか?

室谷
代表取締役
そうです。会計ソフト、人事給与システム、顧客管理ツール、グループウェア、ビジネスチャット、業務自動化(RPA)なんかが対象で、補助率2/3以内・補助額30万円〜100万円という使い勝手のいい設計になってます。国のIT導入補助金の「秋田版」みたいなイメージですね。

佐藤
編集長
補助率2/3って結構高いですね。

室谷
代表取締役
高いですね。100万円の導入費用なら約67万円が補助されて、手出しは33万円くらいになる計算です。中小企業にとっては大きいですよ(笑)。

佐藤
編集長
国の補助金と県の補助金、どっちから申請すればいいんですか?

室谷
代表取締役
原則として県の補助金を先に使って、次に国の補助金も合わせるという順番で動いてる事業者さんが増えてます。ただし、同じ費用に対して二重申請はできないので、どちらの補助金で何を賄うか、申請前に支援機関に相談するのがベストです。
【国の主要制度】設備投資・IT導入で使える補助金一覧

佐藤
編集長
国の補助金から見ていきましょうか。どんなのがありますか?

室谷
代表取締役
大きく分けると4系統ですね。ものづくり補助金、IT導入補助金、事業再構築補助金、大規模省力化投資補助金。それぞれターゲットが違うので、自社の状況に合わせて選ぶ必要があります。

佐藤
編集長
まずはものづくり補助金から教えてください。

室谷
代表取締役
ものづくり補助金は中小企業・小規模事業者が革新的なサービス開発、試作品開発、生産プロセスの改善のための設備投資をする時に使える補助金です。ものづくり補助金の詳細はこちら。補助上限が最大1,000万円で、補助率は中小企業1/2、小規模事業者2/3です。

佐藤
編集長
1,000万円!なかなか大きいですね。

室谷
代表取締役
大きいですよ。ただ「革新性のある事業計画」を作る必要があって、採択率が直近では40〜50%台なので、事業計画書の出来栄えが本当に大事です。秋田県内ではあきた企業活性化センターや各商工会議所が申請サポートをやってるので、絶対一度相談してから出したほうがいい(笑)。

佐藤
編集長
IT導入補助金はどうですか?

室谷
代表取締役
IT導入補助金2025は、会計・受発注・顧客管理・決済などのソフトウェアやクラウドサービスの導入費用を補助する制度です。通常枠で業務プロセス1〜3つで最大150万円、4つ以上で最大450万円、インボイス枠(インボイス対応ソフト含む)なら最大350万円まで出ます。特徴的なのは、IT導入支援事業者(登録ベンダー)と組んで申請する仕組みになっていること。ベンダー選びも重要な要素です。

佐藤
編集長
どんなソフトが対象になるんですか?

室谷
代表取締役
freeeやマネーフォワードみたいなクラウド会計ソフト、kintoneのような業務管理、受発注システム、POSレジ、勤怠管理ソフトなど幅広いです。「このソフトは対象ですか?」という質問はIT導入補助金事務局のサイトで公開されている「ITツールリスト」で確認できますよ。

佐藤
編集長
複数の会社が一緒に申請するパターンもあるんでしたっけ?

室谷
代表取締役
ありますね。IT導入補助金 複数社連携類型というのがあって、サプライチェーンや商店街の中小企業が10社以上で連携して申請すると、補助上限が3,000万円まで上がります。これは秋田の製造業系サプライヤー企業群とか農業法人のグループが活用できるパターンです。

佐藤
編集長
事業再構築補助金はどんな事業者が使うんですか?

室谷
代表取締役
新しい事業に乗り出す、業種転換する、海外展開するみたいな「思い切った転換」をしたい時に使う補助金です。事業再構築補助金の詳細を見ると補助上限が最大5億円という破格の規模で、製造業からサービス業への転換、脱炭素分野への参入などが採択事例に多いです。

佐藤
編集長
5億円かあ。それは特別な会社向けですね。

室谷
代表取締役
そうですね。平均的な中小企業が使うのは5,000万円〜1億円くらいの枠です。ただし採択率が近年下がってきているので、「本当に事業が変わるのか」というストーリーをしっかり描かないと難しいです。
【秋田県独自制度】地域に根ざした設備・IT支援


佐藤
編集長
秋田県ならではの制度って、ほかにも何かありますか?

室谷
代表取締役
ありますよ!さっきの中小企業デジタル化導入支援補助金の他に、製造業向けに「ものづくり革新総合支援事業(省エネ生産設備更新型)」という制度があります。令和8年度(2026年度)の公募は2026年3月〜4月で締め切られましたが、毎年実施されている制度です。

佐藤
編集長
どんな設備が対象ですか?

室谷
代表取締役
工作機械、プレス機械、プラスチック加工機械、コンプレッサー、産業用モータ、生産現場のLED照明、空調設備などです。補助率2/3以内・上限1,000万円・下限200万円と、中堅の設備更新なら十分カバーできる金額感ですね。秋田の製造業って自動車部品、食品加工、木材加工が中心なので、この辺の設備更新に直接刺さる制度です。

佐藤
編集長
加点要素とかってあるんですか?

室谷
代表取締役
あります。中小企業デジタル化導入支援補助金だと、①県の賃上げ緊急支援事業の申請事業者、②女性活躍推進で国・自治体の認定を受けている場合、③秋田県中小企業経営革新計画の承認を受けている場合が加点されます。経営革新計画の承認は意外とハードルが低くて、商工会に相談すれば数カ月で取れることが多いので、申請前に動いてみる価値がありますよ。

佐藤
編集長
秋田ってIT企業が少ないイメージがあるんですが、IT導入補助金を使うような企業って多いんですか?

室谷
代表取締役
実はですね、製造業・農業・宿泊業がIT化する需要が大きいんです。稲庭うどんや比内地鶏の食品加工業者が受発注システムを入れる、旅館がセルフオーダーシステムや予約管理を整備する、農業法人がクラウド農業管理を導入するというケースが増えてます。

佐藤
編集長
なるほど、IT企業じゃなくてIT「を使う」企業ですね。

室谷
代表取締役
その通りです(笑)。「IT導入補助金は情報通信業だけの話」と思ってる事業者さんが多いんですが、全業種が対象なので、むしろ農業や製造業の方が補助金のインパクトが大きい場合があります。
補助金の横断比較テーブル
| 補助金名 | 補助上限 | 補助率 | 主な対象 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 秋田県中小企業デジタル化導入支援 | 100万円 | 2/3 | 県内中小企業(一部業種除く) | 県独自・使いやすい |
| ものづくり補助金 | 1,000万円 | 1/2〜2/3 | 中小企業・小規模事業者 | 革新的設備投資向け |
| IT導入補助金2025(通常枠) | 450万円 | 1/2〜2/3 | 中小企業・小規模事業者 | ソフト導入専門 |
| IT導入補助金2025(インボイス枠) | 350万円 | 3/4〜4/5 | インボイス対応企業 | 会計ソフト等向け |
| IT導入補助金(複数社連携) | 3,000万円 | 要確認 | 10社以上の連携グループ | 大規模DX向け |
| 事業再構築補助金 | 5億円 | 要確認 | 中小企業・中堅企業 | 業種転換・新事業 |
| 省力化大規模成長投資補助金 | 50億円 | 1/3以内 | 中堅・中小・スタートアップ | 大型省力化投資向け |
| ものづくり革新(省エネ設備更新型) | 1,000万円 | 2/3 | 県内製造業中小企業 | 省エネ設備の更新 |
秋田県で補助金を使い倒すポイント
- 県独自補助金(デジタル化導入支援)と国の補助金(IT導入補助金)は対象費用を分ければ両方申請できる場合がある
- ものづくり補助金とIT導入補助金を合わせて申請するケース(設備投資+ソフト導入)も有効
- GビズIDプライムの取得は審査に数週間かかるので公募開始前に必ず取得しておく
- 採択率を上げるには加点要素(賃上げ宣言・女性活躍認定・経営革新計画)を事前に整備する
申請のポイントと実務の注意点

佐藤
編集長
実際に申請するときに、ここだけは注意、みたいなことってありますか?

室谷
代表取締役
一番大事なのはタイミングです。補助金の多くは「公募開始後に申請→採択通知→その後に発注・契約」という順序で、採択通知の前に発注した設備は補助対象にならないんですよ。これで損する事業者さんが後を絶たない(笑)。

佐藤
編集長
えっ、先に買っちゃだめなんですか?

室谷
代表取締役
ダメです。「交付決定日以降に発注・契約・納品・支払いを完了させる」が原則です。秋田県のデジタル化導入支援補助金なら「交付決定日から令和9年(2027年)2月28日まで」が補助対象期間という感じで明示されてます。補助金を当て込んで計画を立てるなら、スケジュールをしっかり確認しましょう。

佐藤
編集長
資金繰りの問題もありますよね?補助金って後払いですよね?

室谷
代表取締役
そこが一番のリスクです。補助金は「後払い」が基本で、自社でまず全額を支払って、実績報告を提出して、認定を受けてから初めて振り込まれます。期間は審査によりますが、実施完了から6カ月後くらいまでかかるケースもある。ものづくり補助金なら上限1,000万円の工事を自社で一時立て替える必要があるので、運転資金の余裕を事前に確認しましょう。

佐藤
編集長
立て替えが難しい企業はどうすればいいんですか?

室谷
代表取締役
日本政策金融公庫や信用保証協会の「つなぎ融資」を活用するのが定石です。採択通知書を持参すれば融資審査が通りやすいですよ。あきた企業活性化センターでもこういう資金繰り相談に乗ってくれます。
1GビズIDプライムを取得(公募開始前に完了させる・オンライン申請・数週間かかる)
2あきた企業活性化センターや商工会議所で事前相談(申請できる補助金の整理・事業計画の方向性確認)
3公募開始後に申請書を提出(電子申請 jGrantsまたは各専用システム)
4採択通知・交付決定を受けてから発注・契約(ここが最重要ステップ)
5事業実施・設備導入・ソフトウェア導入
6実績報告書の提出と確認検査
7補助金の受取(実績確認後、数カ月後に振込)
絶対に避けたい落とし穴
- 交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外(採択後に動くのが鉄則)
- 補助金の申請書に書いた内容と実際の事業内容が乖離すると不正受給になる
- 申請書作成を支援機関任せにして中身を把握していないと、実績報告で詰まることがある
- 複数の補助金に同じ経費を申請する二重申請は厳禁
秋田県の相談窓口と支援機関

佐藤
編集長
補助金に詳しくない事業者さんはどこに相談したらいいですか?

室谷
代表取締役
一番のおすすめはあきた企業活性化センターです。公財法人で秋田県内中小企業の経営支援・補助金活用を無料でサポートしてくれます。もの補助の事業計画書の添削もやってくれるし、IT導入補助金のベンダー選びの相談にも乗ってくれますよ。

佐藤
編集長
商工会議所とはどう違うんですか?

室谷
代表取締役
役割が少し違っていて、商工会議所は地域密着の会員組織なので、特に小規模事業者持続化補助金の申請サポートが得意です。あきた企業活性化センターは補助金全般・M&A・知財まで幅広い企業支援が強みです。両方に相談してみるのも全然ありです。
秋田県の補助金相談窓口
- あきた企業活性化センター(ACTIVE): https://www.bic-akita.or.jp/ — 補助金全般・経営相談・知財まで無料対応。公益財団法人
- 秋田商工会議所: https://www.akitacci.or.jp/ — 小規模事業者持続化補助金の申請サポートが得意
- 秋田県中小企業支援(産業労働部): https://www.pref.akita.lg.jp/pages/genre/11678 — 県独自補助金の公募情報

佐藤
編集長
申請書を自分で書くのって難しいですか?

室谷
代表取締役
ものづくり補助金はかなり難しいですね。「付加価値額を年率3%以上上げる計画」とか「革新的サービスの定義」とか、書き方のコツがあって、初めての事業者さんが一人で書くと採択率が相当下がります。IT導入補助金は比較的シンプルで、ベンダーが手厚くサポートしてくれるケースが多いです。

佐藤
編集長
採択率について少し教えてもらえますか?

室谷
代表取締役
ものづくり補助金は直近で40〜50%台、IT導入補助金はやや高めで60%台のこともあります。事業再構築補助金は近年採択率が下がっていて、最新の回では30%台の回もありました。採択率が高いからといって準備せずに出せばいいわけじゃないので、しっかり準備して出すことが大事です。

佐藤
編集長
秋田の事業者が特に採択されやすいケースってありますか?

室谷
代表取締役
あります。地方中小企業、特に過疎地域の事業者は「地域経済への貢献」という観点で加点されやすい傾向があります。また賃上げ宣言(従業員の給与を一定率上げると宣言する)も加点要素になっていて、最近は積極的に賃上げを打ち出す秋田の中小企業さんが増えてますよ。
まとめ

佐藤
編集長
今日教えてもらったことをまとめると、どんな順番で動くのがベストですか?

室谷
代表取締役
まずGビズIDの取得から始めてください。これがないとほとんどの補助金に申請できないのに、取得に時間がかかるので一番最初にやること。次にあきた企業活性化センターか商工会議所に「自社にはどの補助金が向いてるか」を相談する。そこで事業計画の骨格を作りながら公募開始を待つ、という流れです。

佐藤
編集長
補助金をもらうのって大変そうだけど、それに見合うリターンはありますか?

室谷
代表取締役
めちゃくちゃあります!100万円の設備を67万円で買えるって、事業者にとっては純粋に67万円の利益みたいなものですから。秋田では人手不足と物価高騰で経営が苦しい中小企業が多い中、補助金をうまく活用して省力化とデジタル化を進めた企業は、5年後10年後に大きな差がつくと思います。ぜひ活用してほしいですね。

佐藤
編集長
室谷さんありがとうございました!秋田で設備投資・IT導入を考えている経営者の方はぜひ参考にしてみてください。