播磨×製造・神戸×IT・阪神×化学、三つの産業圏と人材育成の課題
兵庫県の中小企業が直面する人材育成の課題は、地域によって性格が大きく異なる。
播磨工業地帯(姫路・加古川・高砂)には川崎重工業・日本製鉄(旧新日鐵住金)・パナソニックのサプライチェーンを担う部品メーカーが集積する。技術継承が切実な問題で、溶接・機械加工・電気工事の熟練技術者の高齢化が止まらない。新人を育て上げる費用が収益を圧迫しており、人材開発支援助成金や姫路市の人材養成補助金を活用して育成コストを抑える動きが広がっている。
神戸市ではIT・医療機器・物流テックの企業が集まり、DX人材とデータサイエンティストの不足感が強い。若手エンジニアを採用しても奨学金返済を抱えた人材が都市圏に流れるため、兵庫型奨学金返済支援制度で兵庫定着を促す企業が増えている。神戸大学・兵庫県立大学との産学連携プログラムも活用すると、研修設計の自前コストを下げられる。
阪神工業地帯(尼崎・西宮・伊丹)は化学・食品・精密機械が混在する多業種エリアだ。外注に出していた業務の内製化ニーズが高く、デジタルスキルを従業員に身につけさせて外注費を削減したい企業が多い。尼崎市のスキルアップ支援補助金はこの需要にそのまま応える設計になっている。
