兵庫県エコ・SDGs補助金の補助額比較グラフ
兵庫県って製造業が多いイメージがあるんですが、エコや脱炭素の補助金もそういう業種向けのものが多いんですか?
そうなんですよ、実は兵庫県って神戸製鋼、川崎重工、住友電工、三菱電機、東レといった重工業・素材産業が集積している県で、CO2排出量でも全国上位なんです。だから国の脱炭素政策が直撃する構造になっているんですよね。
しかも神戸港・川崎重工などの造船業もある。海運・造船向けの大型補助金もあって、規模感がすごいです。一方で阪神工業地帯には中小製造業もたくさんあって、そっち向けの補助金も充実しています。
大企業向けと中小企業向けで使える補助金が違うわけですね。
大きくわけると「ハードトゥアベイト産業(製造プロセス転換)」「省エネ設備・再エネ導入」「GX建設・物流」「SDGs経営・地域取組」の4軸で整理できます。どの軸で補助金を探すかで選ぶ制度が変わってきますね。
じゃあ、まず大きい補助金から教えてもらえますか?兵庫に特に関係があるものを。
ええ(笑)。鉄鋼・化学・紙パルプなどCO2削減が技術的に難しい「ハードトゥアベイト産業」向けで、製造プロセスそのものを転換するための補助金です。兵庫の神戸製鋼とか素材系の大手が真剣に検討しているやつです。
中堅以上は想定している感じですね。ただ、Tier1サプライヤーとか取引先への波及もあるので、兵庫の製造業なら間接的に影響があります。中小企業は別の補助金で対応します。
補助率は1/3で、CO2削減量に応じて補助上限が1億円か5億円かに分かれます。公募期間は令和8年3月19日から令和8年6月10日まで。令和8年は2026年ですね。
補助率1/3か。ざっくり3億円の設備投資なら1億円戻ってくるイメージ?
そうです。ちなみに、設備投資前にまず
CO2削減計画策定支援(SHIFT事業)で専門家に診断してもらえます。こっちは補助率3/4、上限200万円。診断費用がほぼ無料になるので、最初にこっちを使って投資判断をするのが現実的ですよ。
先に診断を受けてから本申請という流れか。なるほど!
もう1本が
ゼロエミッション船等の建造促進事業。水素・アンモニア・LNG・メタノール・電力を推進エネルギーとする次世代船舶の建造設備整備が対象で、中小企業は補助率1/2、大企業でも1/3です。予算規模は65億円規模。
兵庫の造船業って本当にこういう補助に直撃しますね。
そうなんです。ただこの系統の補助金は公募期間が短くて、NEDOや国土交通省のサイトを常時チェックしないと見逃します。「公募が始まったら即アクション」が採択の前提条件ですね。
- 内航船・ゼロエミッション船の補助金は公募開始〜締切まで2〜4週間しかないケースが多い
- GビズIDの取得を事前に済ませること(取得に1〜2週間かかる)
- 採択後に変更が難しい計画で申請するため、設計段階から専門家を交える
大手や造船業以外の、一般の中小企業はどうすればいいんですか?省エネ設備を入れたいという相談はよく来ますか?
めちゃくちゃ多いですよ(笑)。基本は
先進的省エネルギー投資促進支援事業費ですね。経産省の資源エネルギー庁が実施していて、省エネ性能の高い設備導入の経費を補助します。予算規模が最大110億円で、執行団体経由で各社が申請する仕組みです。
執行団体への補助率は10/10で、それが事業者向けに間接補助として下りてきます。申請者の実質負担は設備コストの1/2〜1/3程度が多いです。毎年公募があるので、時期を逃したとしても次回を狙えます。
ありますよ!神戸市省エネ設備更新補助金です。市内の中小企業・中堅企業が業務用エアコン・給湯器・冷凍冷蔵設備・産業用モータ・LEDを更新するときに、経費の1/2(上限50万円)が補助されます。
上限50万円は小さく見えるけど、確実にもらえる補助金ってことですよね。
そうそう(笑)。国の大型補助金は競争率が高くて採択率40〜60%の世界ですが、市の補助金は申請要件を満たせばほぼ通ります。中小企業は国の補助金と市の補助金を重複チェックしながら組み合わせるのが鉄則です。申請前に「兵庫県・神戸市どちらからも補助を受けられないか」を必ず確認してください。
同一設備・同一工事に複数の補助金を重複申請するのは原則禁止。申請前に担当窓口に確認が必須。ただし「別の設備に対して別の補助金」「設計費とその後の施工費を別制度で」などの組み合わせはOKのケースがある
あります。まず木質バイオマスボイラー導入補助事業。兵庫県環境政策課が実施していて、木質チップ・ペレットボイラー(130kW以上)や薪ボイラー(50kW以上)を導入する事業者等に対して、補助率2/3、上限4,000万円を支援します。
兵庫県内の里山等から製造された木質バイオマス燃料を年間50%以上使用すること、というのが特徴的な要件です。林業や木材業と連携した地域循環型の事業を後押しする設計になっています。
地元の木を使うことが条件になってるのか。それは面白い。
もう一つ、令和8年度の自家消費型住宅用太陽光発電設備等導入補助事業もあります。これは主に市町を経由した補助で、阪神・播磨・北播磨エリアを中心に神戸市・明石市・加古川市などが参加しています。
太陽光パネルの設置補助ですね。住宅でも使えるんですか?
住宅用ですね。事業者向けの非住宅用は令和7年度は募集終了していて、令和8年度は4月頃に案内予定とされていました。市町によっても制度が違うので、お住まいの市のサイトをまずチェックするのがいいです。
| エリア | 市町名 | 制度名 | 対象 |
|---|
| 阪神 | 宝塚市 | 地域脱炭素移行・再エネ推進助成金 | 個人・事業者 |
| 播磨 | 加古川市 | 再生可能エネルギー利用設備設置事業補助金 | 個人・事業者 |
| 播磨 | 高砂市 | 中小事業者脱炭素化設備等導入促進補助金 | 中小事業者 |
| 姫路 | 姫路市 | 事業所用太陽光発電設備等導入促進事業補助金 | 市内事業者 |
| 但馬 | 豊岡市 | 太陽光発電システム設置補助金 | 市民・事業者 |
| 丹波 | 丹波市 | スマートエネルギー導入促進補助金 | 市内事業者 |
| 丹波 | 丹波篠山市 | スマートエネルギー導入補助金 | 自治会・市内事業者 |
エコ・SDGs補助金の申請フロー
国の補助金、いくつもあって混乱してきましたね(笑)。全体像を整理してほしいです。
これだけ種類があるんですね。どれが自分に向いてるか判断する基準はありますか?
まず「設備投資できる金額」から入るのがいいです。1億円以上の投資なら国の大型補助金を狙う、数百万円なら神戸市や兵庫県の独自補助金から入る。そして「自社の業種」が造船・重工業か、一般製造業か、建設・物流かで制度が変わります。
私がよく相談を受けるのは「CO2削減量の計算」と「GビズIDを取り忘れた」の2つです(笑)。
法人や個人事業主が国の補助金や行政サービスを利用するときのデジタルIDです。e-Govとかjグランツで申請するときに必要で、発行に1〜2週間かかります。補助金の公募が始まってから取りに行くと間に合わないことがあります。
それと、エコ・SDGs系の補助金は「CO2削減見込み量を定量的に示す」ことが求められることが多い。設備のカタログスペックから単純計算するだけじゃなく、現状のエネルギー使用データを揃えて、専門家に計算してもらう方が採択率が上がります。
1GビズIDを事前に取得(発行に1〜2週間かかる)
2エネルギー使用データを3年分整理(電気・ガス・燃料の使用量)
4SHIFT事業などの診断制度でCO2削減計画を策定
5交付申請書類を準備(設備仕様書・見積書・CO2削減計算根拠)
6採択後に設備発注(交付決定前発注は補助対象外になる場合あり)
SDGsって言っても、省エネ以外にもいろいろありますよね?廃棄物リサイクルとかも補助金があるんですか?
サステナブル倉庫モデル促進事業がそれです。省CO2化・省人化機器と再エネ設備を同時導入する倉庫事業者を支援する制度で、最大1億円、補助率1/2です。神戸港周辺の物流業者が使えます。
SDGsの「S」って社会面のことも含むと思うんですが、環境以外のSDGs系補助金ってありますか?
面白いのが
デコ活推進事業ですね。「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」の一環で、行動変容・ライフスタイル転換を軸にした珍しい補助カテゴリです。企業・自治体・NPOが連携した地域規模事業として兵庫県内完結で申請できます。マッチングファンド方式で、参加企業からの出資額に応じて国費が上乗せされる仕組みです。
兵庫県内のNPOや自治体との連携事業として使えるんですね。
SDGs推進を事業戦略に組み込みたい企業や、コウノトリの里・豊岡市のような生態系保全と観光を組み合わせた取組をしている自治体にも向いています。
最後に、兵庫の企業がエコ・SDGs補助金を選ぶときの一言アドバイスをもらえますか?
兵庫は重工業から中小製造業、造船、倉庫・物流、農林業まで業種の幅が広いから、「自分の業種で何が最大の脱炭素コスト削減になるか」を先に考えてほしいです。それがわかれば使うべき補助金が絞れます。
あと、国の大型補助金の採択率は競争があるけど、神戸市・宝塚市・高砂市など市町の補助金は比較的通りやすい。小さくても確実なやつから経験を積んで、次に大きい国の補助金にチャレンジするステップアップ戦略もありです。
補助金って一度経験すると次がやりやすくなるんですね。
そうそう(笑)。申請書の書き方とか、採択されやすいCO2削減量の示し方とか、実務ノウハウが蓄積されていくんです。最初の一件が一番大変だけど、2回目以降は格段に楽になります。兵庫の補助金、ぜひ活用してください。