鹿児島県の創業・新事業補助金 比較表 2026年
室谷さん、鹿児島で起業したいと思っているんですけど、どこから動けばいいか全然わからなくて。「補助金があるらしい」って話は聞くんですが。
それ、最初に窓口を間違えると結構タイムロスしますよね。鹿児島の場合、まず公益財団法人かごしま産業支援センター(KISC)に行くのが鉄則です。ここが補助金・助成金の案内から経営相談まで一括でやってくれる。
鹿児島県の産業支援を担う公益財団法人で、創業・新事業から販路開拓、デジタル化、研究開発まで中小企業のありとあらゆる相談を受けています。窓口相談は随時受け付けているし、KISCが独自に出している補助金・助成金もある。だから「何かやりたいけど何から手をつけるか」という段階なら、まずKISCに電話してみるといいですよ。
KISCに行く前に何か準備しておいた方がいいことってありますか?
「やりたいことの概要」を5分で説明できるようにしておくことですね。事業計画書まで仕上げなくてもいいんですが、「誰に何を売るのか、どれくらいの規模を想定しているか」がまとまっていると相談がスムーズになります。あとGビズIDを事前に取っておくと、国の補助金申請が後でラクになります。
GビズID、名前は聞いたことあります。面倒じゃないですか?
申請自体は10分程度なんですが、郵送でのやり取りが入るので審査に2〜3週間かかるんです。補助金の公募が出てから慌てて取ろうとするとそこで詰まる。先に取っておいて損はないですよ(笑)
なるほど、先手を打っておくってことですね! では次に補助金の全体像を教えてもらえますか?
鹿児島で使える補助金は大きく「国の制度」と「鹿児島県・市独自の制度」の2階建てになっています。国の制度は金額が大きい代わりに採択のハードルが高く、県・市の制度は金額は小さいけど地元密着で使いやすい。
基本的には重複申請できない制度が多いんですが、フェーズを分けて使い分けるのが実務的な正解です。「創業期は県・市の小口補助でスタート、軌道に乗ったら国の大型補助金に挑む」というステップが多い。
| 制度の種類 | 補助上限 | 補助率 | 対象フェーズ |
|---|
| KISC起業支援助成事業 | 150万円 | 2/3以内 | 創業初期 |
| かごしま地域課題解決型起業支援 | 200万円 | 1/2以内 | 創業初期 |
| ものづくり補助金 | 1,000万円 | 1/2〜2/3 | 成長・設備投資 |
| AKATSUKIプロジェクト | 3,000万円 | 2/3 | IT・若手人材育成 |
| 事業再構築補助金 | 5億円 | 2/3 | 業態転換・大規模 |
| 中小企業成長加速化補助金 | 5億円 | 1/2以内 | 100億宣言企業 |
5億円の補助金って本当にあるんですね(笑) 鹿児島の中小企業も使えるんですか?
事業再構築補助金は全国の中小企業が対象なので鹿児島でも使えます。ただ採択率は直近だとざっくり30〜40%程度で、事業計画書の質がモロに採択に響く。書き方が不慣れなら、KISCや鹿児島県よろず支援拠点(カゴよろ)で無料相談しながら仕上げるのが現実的ですね。
相談できる場所が複数あるのはありがたいですね。ではまず創業初期に使える補助金から詳しく教えてください!
起業したばかりでも使える補助金って、鹿児島県には具体的にどんなものがありますか?
まずKISCが出している「起業支援助成事業」が分かりやすいです。かごしまビジネスプランコンテストの最終審査会参加者を対象に、事業化に必要な経費の2/3以内(上限150万円)を助成してくれる。
ビジネスプランコンテストに出ないといけないんですか?
そうです、この制度はコンテスト参加が前提です。逆に言うと、「コンテストに出る → KISCのメンタリングを受ける → 助成事業で資金調達」という流れが整備されているので、初めて起業する人には実は入りやすい仕組みですよ。コンテスト自体は県が主催していて参加無料です。
もう一つ、かごしま地域課題解決型起業支援ってどんな制度ですか?
鹿児島県の地域課題をデジタル技術で解決する事業を起こす人が対象の補助金で、補助率1/2、上限200万円です。農業・観光・介護・過疎対策など鹿児島ならではの課題にアプローチするビジネスなら申請できる可能性があります。
キャッシュレス決済の導入、Web予約システム、SNSを使った集客なんかもOKです。スマホアプリ開発が必須というわけではないので、そこは柔軟に解釈してもらえます。ただ農業専業や第一次産業だけの事業は対象外なので要確認ですね。
鹿児島市は「ソーホーかごしま」と「mark MEIZAN」という2つのインキュベーション施設を持っていて、そこに入居するとオフィス費用を抑えながら専門家のサポートも受けられます。スモールビジネスならソーホーかごしま、スタートアップ型の成長を目指すならmark MEIZANが窓口です。補助金の前に「場」を確保するという意味では、市の施設も有力な選択肢ですよ。
民間賃貸よりかなり抑えられますし、同じ境遇の起業家と顔見知りになれるのが実は大きいんです。情報交換もできるし、採択事業者同士で仕事につながることもある。孤独になりがちな創業期にネットワークがあると全然違います(笑)
なるほど、コミュニティとしての価値もあるんですね。では成長フェーズの補助金に移りましょうか?
鹿児島県 新規事業・創業補助金 申請の流れ
事業が軌道に乗ってきたら国の補助金を使うって話でしたが、どれから手をつけるべきですか?
ものづくり補助金はざっくり40〜50%程度です。事業計画書の革新性を審査委員にどう伝えるかが鍵で、「既存業務の効率化」だけだと弱い。「新しいサービスや製品を作る」という前向きな投資であることを強調すると採択率が上がります。
業種・業態を大きく転換するときですね。「飲食店だったけど製造・販売に移行したい」「卸業から直販モデルに変えたい」みたいなケースです。上限5億円と規模が大きいので、鹿児島でも農業関連の加工・販売への転換や観光業の新事業化で使っている事業者がいます。詳細は
事業再構築補助金のページを参照してください。
AKATSUKIプロジェクトっていうのが気になって。IT系の補助金ですか?
総務省が推進する地方の若手IT・起業家人材を育成するプログラムを立ち上げる事業者向けの補助金です。上限3,000万円で補助率は人件費・委託費が2/3、開発支援費は10/10という手厚さ。鹿児島でもプログラムを立ち上げたい民間企業やNPOが応募できます。
AKATSUKIプロジェクトの詳細はこちら。
10/10補助って、自己負担ゼロってことですよね? マジですか(笑)
開発支援費の部分だけですけどね(笑)。それでも全額補助が出る部分があるのはかなり珍しい。ただ地方でのIT人材育成プログラムを実施できる組織が前提なので、スタートアップや個人が直接受け取る補助金ではないです。
中小企業成長加速化補助金ですね。「将来的に売上高100億円を目指す」と宣言した中小企業向けで、補助上限5億円・補助率1/2。ポータルサイトに100億宣言を公表することが必須条件なので、まず宣言手続きに2〜3週間かかります。鹿児島でも農産品の輸出拡大や観光業の大規模化を目指す事業者に可能性があります。
中小企業成長加速化補助金の詳細はこちら。
大きな補助金ほど審査が厳しそうで、どれも「自分には難しいかな」ってなりますよね(笑)
最初から大型補助金を狙わなくていいんです。KISC起業支援 → ものづくり補助金 → 事業再構築補助金、というようにステップを踏む方が現実的。それぞれの公募タイミングと自分の事業フェーズを照らし合わせながら判断するのがコツです。
ちなみに鹿児島県の独自の制度、他にも何かありますか?
KISCが出している新産業創出ネットワーク事業(新事業創出支援事業補助金)も要チェックです。独自技術を使った新製品開発や地域資源を活用した地域課題解決型の事業を最長3か年度にわたって補助してくれます。人材育成・試作・研究開発・販路開拓まで対象になるので、複数年かけて事業を育てたい企業には特に合っています。
3か年度って長いですね。複数年もらえるのは助かりますよね。では海外展開を考えている事業者向けの補助金はありますか?
鹿児島って農畜産品が豊富なので、海外に売りたいと思っている事業者も多そうですよね。
そうなんです。実は鹿児島県には中小企業の海外展開を後押しする補助金が整備されています。「中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業)」は、国内で特許・実用新案・意匠・商標を出願済みの中小企業が、外国への出願費用の半額を助成してくれる制度です。
1企業あたり最大300万円(複数案件の場合)です。特許は1案件あたり150万円、商標は60万円まで。冒認対策商標(第三者が抜け駆けで出願しないように先に取る商標)は30万円まで。鹿児島の食品・農産品を海外ブランドとして守りたい事業者には非常に有効な制度です。詳しくは
海外出願支援事業のページをご覧ください。
海外展開する前に知財を守っておくって大事なんですね。
特に食品・農産品は、中国などで先に商標を取られてしまう「冒認出願」のトラブルが多いんです。鹿児島の黒豚や焼酎のブランドを守るためにも、海外進出を検討し始めたタイミングで知財の手当てをしておくことをお勧めします。
はい、KISCの海外出願支援事業を担当している産業振興課が相談窓口です。海外展開の全体像も含めて相談できるのでまずはKISCに連絡してみるといいですよ。次に申請のポイントをまとめますね。
GビズIDを先に取得する(審査に2〜3週間かかるため、公募前に取得しておく)
KISCまたはカゴよろで無料相談し、事業計画書をブラッシュアップする
応募要件を公式発表で直接確認する(競合分析や公募要領の版数に注意)
jGrantsでオンライン申請(電子証明書は事前準備が必要)
採択後は決定通知書を受け取ってから経費を使う(先払い厳禁)
GビズIDポータルサイト(gbiz-id.go.jp)から申請できます。法人なら会社の印鑑証明書が必要。個人事業主なら印鑑登録証明書で申請できます。
「採択後に経費を使う」って、申請前に設備を買っちゃダメってことですよね?
そうです、これが一番多いミスです。「公募が出たと思ってすぐ設備を購入したら、採択されても補助対象外だった」という事例が後を絶たない。補助金は原則として交付決定後の経費しか認められないので、採択通知書が来るまで経費は使わないことです。
- 補助金は交付決定後の経費のみ対象。公募発表後に先払いした費用は補助対象外
- 重複申請(複数の補助金を同一事業に使う)は原則不可
- 採択率は公募ごとに変動。前回採択率と次回が同じとは限らない
- 事業計画書は最終期限ギリギリではなくKISCで添削してもらう時間を確保する
事業計画書の書き方、KISC以外に相談できる場所はありますか?
鹿児島市内に「カゴよろ(鹿児島県よろず支援拠点)」があります。KISCが運営していて、経営・補助金・マーケティングなど中小企業の経営相談を無料で受け付けています。補助金申請のサポートも得意なので、KISCと合わせて活用すると◎です。
無料でここまでサポートしてくれる機関があるのは鹿児島ならではですか?
地方は東京に比べて物価も低いし、公的支援機関が手厚い傾向があります。鹿児島はKISCを中心に整備されているので、県内で起業するメリットは実はかなりあると思いますよ。
今日いろいろ聞けてよかったです! では最後に一言まとめをお願いします。
鹿児島はKISCという頼れる窓口があるのが強みです。補助金の情報は毎年更新されるし、タイミングを逃すと次の公募まで半年以上待つこともある。「動けそうなときに動く」ためにも、GビズIDだけは先に取っておいてください!
- 窓口はKISC一択: 補助金案内から相談・メンタリングまで一括対応。まず電話してみよう
- フェーズで使い分ける: 創業初期はKISC起業支援・かごしま地域課題解決型起業支援、成長後はものづくり補助金・事業再構築補助金
- GビズIDは今すぐ取る: 公募が出てからでは間に合わない。先に取っておけば機会を逃さない
今日聞いてすごくクリアになりました! 創業初期はKISCと鹿児島市の施設を使いながら小口補助からスタートして、軌道に乗ったら国の大型補助金に挑む、という流れですね。
まさにそれが基本ルートです。あと地域課題解決型ビジネスなら「かごしま地域課題解決型起業支援事業」もすごく有力な選択肢なので、農業・観光・介護など鹿児島ならではの課題をビジネスにしたい人は要チェックです。
そちらも参考になりますよ。創業のタイミングを逃さないよう、まずはGビズID取得から動き始めましょう(笑)