鹿児島県 研究開発補助金 比較チャート
室谷さん、うちの会社って鹿児島で新技術の研究開発をやってるんですけど、使える補助金がどれくらいあるのかよくわからなくて。
あー、これ意外と知られてないんですよね。鹿児島って畜産・水産のバイオ研究から宇宙ビジネスまで多様な産業があるから、研究開発系の補助金も全国制度と県独自制度を合わせると15種類以上使える状況なんですよ。
ほんとに。大雑把に言うと、かごしま産業支援センター(KISC)が窓口の県独自制度が2〜3本、鹿児島県が直接出している制度が1〜2本、それに経産省・NEDO・NEDFなどの全国制度が10本以上という感じで。研究テーマや事業規模によって組み合わせが変わってきます。
一番の違いは支援額の規模と申請のハードルですね。全国制度は数百万円〜数千万円規模で、採択率が20〜40%と競争が激しい。県独自制度は支援額が小さい(上限200〜400万円)代わりに採択率が比較的高くて、地元の中小企業が申請しやすい設計になってます。
じゃあ小さい会社は県独自制度から入った方がいい感じですか?
基本的にはそう考えていいです。ただ、KISCの窓口に相談すると「こっちの全国制度の方が合ってますよ」って親身に教えてくれるので、まず相談してみるのが一番早いですね。産学官連携課の電話番号(TEL: 099-214-4770)に予約なしでかけても大丈夫です。
はい。2026年に募集がある制度を3本紹介しますね。まず一番汎用性が高いのが「先端技術研究開発支援事業助成金」です。かごしま産業支援センターが運営していて、鹿児島県内の中小企業ならほぼどの業種でも申請できます。
大きく3つのカテゴリがあって、1つ目が「オンリーワンの新技術・新製品」の研究開発、2つ目がDX・AI・IoT・ロボットを活用したシステム開発、3つ目がGXやカーボンニュートラルに向けた研究開発です。助成率が対象経費の2/3以内で、上限は200万円。2026年の受付期間は令和8年4月14日から5月28日までです。
単年度の研究開発費としては十分使えますよ。しかも審査の際に「無形資産の可視化」というツールを提出するんですけど、これが自社の技術的な強みを整理するのにすごく役立つんです。KISCのサイトからダウンロードできます。
「新産業創出ネットワーク事業 研究開発支援補助金」ですね。これは2ヶ年度まで使える継続型で、1年あたり上限400万円。助成率は同じく2/3ですが、複数年かけてじっくり研究できるのが強みです。新事業進出に向けた研究開発が対象で、2026年の受付は令和8年4月17日から5月28日まで。審査ではプレゼンテーションがあるので、そこで技術の革新性をしっかり伝えられるかが採否を分けます(笑)
でも逆に言えば、書類審査だけじゃなくて直接熱意を伝えられる機会でもあるので、準備しっかりすれば評価されやすいですよ。「パートナーシップ構築宣言」を事前に宣言しておくと加点になるので、これは絶対やっておくべき無料の事前準備ですね。
そうです!「鹿児島県宇宙ビジネス研究開発支援事業補助金」。鹿児島って種子島宇宙センターがあって、宇宙産業のポテンシャルが全国でもトップクラスなんですよ。この補助金は補助率なんと10/10(全額補助)という破格の条件で、宇宙機器の試験研究・試作や衛星データ解析の研究が対象です。
全額補助はすごい!でも採択件数3件って少ないですよね(笑)
少ないですね(笑)。上限100万円で3件程度の採択なので競争は激しいですが、鹿児島に根ざした宇宙ビジネス参入を狙っている企業には絶対に外せない制度です。令和8年4月22日から6月19日まで受付中なので、今がまさにタイミングですよ。
研究開発が初めてなら「ものづくり補助金」から考えるのが無難ですね。正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」で、経済産業省が実施しています。
ものづくり補助金って、研究開発にも使えるんですか!
使えます。試作品開発や新技術の開発を目的とした設備投資がメインなので、研究開発と設備投資を組み合わせた案件に特に向いてますね。上限1,000万円、補助率1/2から2/3で、採択率は直近40〜50%程度です。年に複数回締切があるので、タイミングを合わせやすいのも助かります。詳しくは
ものづくり補助金のページで確認できます。
NEDOの制度が2本あります。一つ目が「NEDO先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」です。大学・研究機関・企業が連携してエネルギー・環境分野の革新的技術を研究するもので、採択されると研究費がしっかり出るだけでなく、NEDOのネットワークを使った産学連携の橋渡し支援も受けられます。鹿児島で再エネや環境技術の研究をしているなら、ここは必ずチェックしてほしいです。詳細は
NEDOエネルギー・環境新技術先導研究プログラムのページで。
「NEDO先導研究プログラム/未踏チャレンジ」です。これは既存の研究の延長線上にない、破壊的・変革的なアイデアを持っている研究者やスタートアップ向けです。「こんなことできるわけない」と思われるような大胆なテーマが歓迎されます(笑)。鹿児島大学の農学部や水産・獣医学部との連携研究とかにも活用できますよ。
未踏チャレンジの詳細ページもあります。
鹿児島って農業・畜産・水産が強いじゃないですか。そこにバイオテクノロジーを掛け合わせる研究は、実は全国的にも注目されてます。そういうテーマで「バイオものづくり革命推進事業」(NEDO)も狙えますよ。微生物や酵素を使って化学品や燃料を生産するバイオものづくりの研究開発を支援するもので、農業副産物の有効活用みたいなテーマとの親和性が高いんです。
バイオものづくり革命推進事業の詳細もチェックを。
もう一本、スタートアップや中小企業の方に絶対知っておいてほしいのが「SBIR推進プログラム(連結型)」です。これはNEDOが実施する研究開発から事業化フェーズまで一貫して支援する仕組みで、革新的な技術シーズを持つ事業者にとって資金調達の重要な柱になります。
SBIRプログラムの詳細ページでスケジュールを確認しておくといいですよ。
もっと大きな研究開発プロジェクトになると、どんな選択肢がありますか?
億単位になってくると話が変わってきます。まず「産学融合拠点創出事業」という補助金があって、上限は1億1,000万円(定額補助)です。大学と産業界が従来の役割分担を超えて融合的に研究開発・人材育成をする拠点を作るための制度で、鹿児島大学と連携したコンソーシアム形成とかに使えます。
産学融合拠点創出事業の詳細で確認できます。
そうですね。ただ逆に言えば、鹿児島大学・鹿児島純心大学・志學館大学などと共同研究をすでにやっているなら、それを補助金申請の軸にできるということです。産学連携はKISCの産学官連携課が仲介してくれるので、「大学との繋がりがない」という状況でも相談してみる価値はあります。
GX分野なら「GXサプライチェーン構築支援事業」があります。規模は最大1,460億円という超大型で、水電解装置・浮体式洋上風力・ペロブスカイト太陽電池などGX関連の製造設備への投資を支援します。鹿児島って洋上風力のポテンシャルがある地域なので、そういった研究開発との絡みで使えるケースがあります。
GXサプライチェーン構築支援事業の詳細もあわせて確認を。ただこれは執行団体(補助事業者)の選定なので、一般企業が直接申請するより、地域の関連団体経由での活用を検討する形になります。
| 制度名 | 運営 | 上限額 | 補助率 | 対象 | 受付期間(目安) |
|---|
| 先端技術研究開発支援事業助成金 | かごしま産業支援センター | 200万円 | 2/3 | 県内中小企業 | 4月〜5月 |
| 新産業創出ネットワーク研究開発支援補助金 | かごしま産業支援センター | 400万円/年 | 2/3 | 県内中小企業等 | 4月〜5月 |
| 宇宙ビジネス研究開発支援補助金 | 鹿児島県 | 100万円 | 10/10 | 県内中小企業 | 4月〜6月 |
| ものづくり補助金 | 経済産業省 | 1,000万円 | 1/2〜2/3 | 全国中小企業 | 年複数回 |
| NEDOエネルギー・環境新技術先導研究 | NEDO | 要問合せ | 定額 | 研究機関・企業 | 年1回 |
| NEDO未踏チャレンジ | NEDO | 要問合せ | 定額 | 研究者・スタートアップ | 年1回 |
| SBIR推進プログラム | NEDO | 要問合せ | 定額 | 中小企業・スタートアップ | 年複数回 |
| バイオものづくり革命推進事業 | NEDO | 要問合せ | 定額 | 研究機関・企業 | 年1回 |
| 産学融合拠点創出事業 | 経済産業省 | 1.1億円 | 定額 | 大学連携コンソーシアム | 不定期 |
| GXサプライチェーン構築支援事業 | 経済産業省 | 1,460億円規模 | 定額 | 執行団体経由 | 不定期 |
- 畜産・水産バイオ(ブランド黒豚・薩摩牛・ぶり等の高付加価値化、バイオものづくり)
- 宇宙・ロケット関連(種子島宇宙センターを核とした宇宙機器開発・衛星データ活用)
- GX・再エネ研究(洋上風力、地熱(桜島・霧島)、バイオエタノール)
この3つのテーマはいずれも全国制度と県独自制度の双方から支援を受けやすい領域です。
鹿児島県 研究開発補助金 申請の流れ
いくつかあります。まず一番大事なのがGビズIDの事前取得です。経産省・NEDOの補助金はほぼ全てgBizIDでの電子申請が必要で、取得まで2週間くらいかかります。補助金の募集が始まってから取り始めると間に合わないので、研究開発補助金を使うつもりがあるなら今すぐ申請しておくべきです。
それと採択率を上げる実務的なコツとして、「革新性の説明」が甘い申請書はほぼ落とされます。「新しい」「改善した」だけでなく、「なぜそれが従来技術では解決できなかったのか」「なぜ自社にしかできないのか」を具体的な数値や比較で書くことが重要です。
そうです。あと県独自制度については、KISCに事前相談することが採択率に直結します。KISCの担当者が審査に関与しているケースが多いので、事前相談で「この研究内容はどの制度に一番合ってますか?」と聞いておくと、申請書の方向性がぐっと定まります。
- 技術の革新性を「新しい」「改善」だけで説明している(→具体的な数値比較が必要)
- 研究開発費の内訳が「人件費中心」になっている(→制度によって人件費の上限比率あり)
- 補助事業終了後の事業化計画が抽象的(→「いつ・どんな形で」収益化するかまで書く)
- GビズID未取得のまま締切直前に申請しようとしている
GビズIDを取得する(gBizID公式サイトで申請、取得まで約2週間)
対象制度の公募要領を最初から最後まで読む(対象外経費の確認が特に重要)
事業計画書を作成(革新性・実現可能性・事業化計画を数値で裏付け)
鹿児島大学の産学交流プラザ2階に入っています。郡元1-21-40ですね。電話やメール(
sangaku@kisc.or.jp)でも相談受け付けてますし、セミナーや補助金説明会も定期的に開催されているのでそれに参加するのもいいですよ。
公益財団法人 かごしま産業支援センター(KISC)産学官連携課
- TEL: 099-214-4770
- E-Mail: sangaku@kisc.or.jp
- 所在地: 鹿児島大学 産学交流プラザ棟2F(郡元1-21-40)
- 受付: 電話・メール・訪問相談(セミナー・説明会も定期開催)
鹿児島で研究開発補助金を使いたい場合、どこから動き始めるのがいいですか?
中小企業なら「まずKISCに電話」が最短ルートです。自分では全国制度が合うと思っていても、実は県独自制度の方が申請のハードルが低くて採択されやすかったというケースが多いので、プロの目で判断してもらうのが確実です。同時にGビズIDを今すぐ取得し始めておけば、どの制度でも対応できる準備が整います。
宇宙ビジネスや畜産バイオに特化した研究をしている場合は?
その場合は県独自の専用制度がタイムリーに出ているので、鹿児島県のホームページやKISCのサイトをこまめにチェックするのが大事です。宇宙ビジネス補助金は令和8年度は6月19日まで受付中ですし、農水産バイオ系はNEDOのバイオものづくり革命推進事業も非常に使いやすい。研究のテーマと対象者要件がマッチする制度を複数同時に申請する「重ね申請」も積極的に検討してほしいですね。
同一経費への二重補助はNGですが、別々の経費に対して別々の補助金を充てることはOKです。計画的に使えば研究開発費の自己負担をかなり圧縮できますよ。鹿児島県全体の研究開発補助金の詳細は
鹿児島県の研究開発補助金一覧でまとめて見られます。