室谷さん、今日は東京都の医療DX人材育成支援事業について聞かせてください!補助金名を見た瞬間、「なんか難しそう」と思ったんですが、実際どんな制度なんですか?
えっと、ひと言で言うと「病院・診療所の職員がIT・DX系の資格を取る費用を全部出してくれる補助金」です。補助率が10/10(100%)、上限が50万円。医療系補助金で補助率100%ってほんとに珍しいですよ、これ。
あるんです(笑! 東京都保健医療局が令和8年度(2026年度)に新設した制度で、jGrants(Jグランツ)に掲載されています。医療DX関連のIT資格取得費用が実質ゼロ円になる、かなり手厚い設計です。
令和8年度新設ってことは、今まさに申請できるってことですよね?
そうです! 申請期間は2026年4月14日から2026年11月30日まで。かなり長期間受け付けているので、資格試験の日程に合わせてゆっくり計画できますよ。ただし1医療機関1回限定なので、その点は後でしっかり説明しますね。
東京都医療DXパッケージ4本柱の図解
申請受付中なんですね! ところで「東京都の医療DX補助金」って他にもありますよね?この補助金だけで完結するんですか?
ここがポイントで、東京都はいま医療DX関連を4本セットで出しているんです。電子カルテシステムの整備支援(102902・102903)、今日お話しするこの人材育成支援(102904)、それにサイバーセキュリティ対策支援(102905)という構成。経費区分がそれぞれ完全に独立しているので、重複NGを気にせず全部申請できます。
なるほど、ハードの整備と人材育成を並行して進められるってわけですね! 次は制度の詳細を教えてください。
改めて確認させてください。補助額ってどのくらい出るんですか?
シンプルです。対象経費の全額、最大50万円まで。補助率は10/10なので、かかった費用をそのまま補助してもらえる。例えば受験料・教材費・研修費の合計が40万円なら40万円全額、50万円使えば50万円全額補助されます。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助率 | 10/10(全額補助) |
| 補助上限額 | 500,000円(50万円) |
| 申請回数 | 1医療機関1回限定 |
| 申請期間 | 2026年4月14日〜2026年11月30日 |
| 対象地域 | 東京都内のみ |
| 補助対象者 | 病院・医科診療所 |
| 実施機関 | 東京都保健医療局医療政策部 |
50万円って、資格取得費用としてはかなり大きいですよね?
そうですよ! 医療情報技師の受験料が1.5万円くらい、基本情報技術者が8,700円、電子カルテのベンダー認定研修が5〜10万円くらい。単発で1人取得するだけだと50万円なんてとても使いきれない金額なんです。だから複数職員×複数資格のパッケージ設計が絶対必要で、これが成功の鍵になります。
逆に言えば、計画をちゃんと立てないと枠を使い切れないんですね。次は誰が申請できるのか、詳しく教えてください。
基本的には東京都内の病院か医科診療所であること。それだけです。民間の医療法人でも、個人クリニックでも、診療所でも対象になります。
- 東京都内に所在する病院(医療法上の病院、ベッド数不問)
- 東京都内に所在する医科診療所(無床・有床どちらも対象)
- 東京都知事が適当と認める医療機関(個人開業クリニックも含む)
主に2つ。1つは公的機関が運営する医療機関。国・地方公共団体・独立行政法人・国立大学法人が直接運営する病院は対象外です。もう1つが、この補助金をすでに受けたことがある医療機関。要綱第2の規定で明文化されています。
- 国・地方公共団体が直接運営する病院(都立病院、公立病院等)
- 独立行政法人・国立大学法人が運営する医療機関
- 令和8年度より前に本補助金を受けたことがある医療機関(1回限定)
- 暴力団・暴力団関係者が関与する機関(東京都暴排条例準拠)
都立病院は対象外なんですね。あと「1回限定」って何度言っても気になります(笑。
ここ本当に重要です! 1医療機関につき1回しか申請できないから、「まず少額で試してみよう」という感覚は絶対NG。50万円枠をフル活用する計画を立ててから申請するのが鉄則です。申請後に「もっとまとめて申請すれば良かった」という後悔をする医療機関が絶対出てくるので、慎重に設計してください。では次に対象経費の話に移りましょうか。
「IT・DX関連の資格取得に係る経費」が広く対象です。受験料だけじゃなく、教材費・通信講座・認定研修・eラーニング受講料も含まれます。
| 経費カテゴリ | 補助対象となる具体例 |
|---|
| 資格試験受験料 | 医療情報技師、ITパスポート、基本情報技術者、医療DXコーディネーター等の受験料 |
| 研修・講習会費 | 電子カルテベンダーの操作認定研修、医療DX関連講座受講料 |
| 教材・テキスト費 | 資格試験対策テキスト、問題集、通信講座教材費 |
| eラーニング | 医療DX関連オンライン学習受講料、eラーニングプラットフォーム利用料 |
| 認定登録関連 | 資格認定登録料、認定証発行手数料、資格更新費用 |
3つ注意してほしいポイントがあります。1点目は「交付決定前に支払った費用」。これが一番やらかしやすいミスで、補助金の交付決定通知が来る前に受験料や研修費を払ってしまうと、その分は対象外になります。2点目は職員の人件費・残業代。研修を受けている時間の業務時間補填は補助対象外です。3点目は医療DXと無関係な資格の費用。語学・経理・営業系の資格は対象外です。
補助金のルール上、交付決定通知の受領後に支払いを行うことが前提です。申請中に「もう試験日が近いから」と先払いした費用は一切補助されません。試験・研修の日程を確認した上で、交付決定のタイミングを逆算して申請してください。
交付決定前払いのミスはやってしまいそう…。申請の流れを教えてもらえますか?
5ステップです。電子申請なのでjGrants(Jグランツ)を使いますが、その前準備が意外と重要です。
GビズIDプライムって、持っていない病院もありますよね?
地域の小さなクリニックで電子申請の経験がない施設は持っていないケースも多いです。GビズIDは法人の場合、登記情報との照合が必要で発行まで2〜3週間かかります。2026年11月30日の締切を意識するなら、10月末までには申請着手することを目標にして、今からGビズIDの準備を始めてください。次は審査をどう乗り越えるかのポイントを解説します。
本事業の採択評価では「資格取得後にどう業務で活用するか」が非常に重視されます。とにかく事業計画書の書き込みが勝負です!
- 具体的な活用方針:「医療情報技師を取得した担当者を院内の電子カルテ運用責任者として配置する」のように、取得後の役割を明記する
- 50万円枠の使い切り設計:複数職員×複数資格でパッケージ化し、補助の費用対効果を最大化する計画を示す
- 年度内取得の実現可能性:各資格の試験日程を確認し、2027年3月末までに合格・修了できることを証明する
「活用方針の明確化」ってどんな書き方をすればいいんですか?
例えばこんな感じです。「令和8年7月の医療情報技師試験に職員Aが合格後、院内の電子カルテ委員会の担当委員として配置し、令和9年4月の次期電子カルテリプレース計画の立案を担当させる」みたいに具体的に。名前・取得時期・取得後の役割・業務への貢献が明確なほど評価が上がります。
なるほど、漠然と「IT知識を向上させる」じゃダメなんですね!
全然ダメです(笑。採択される申請書は「誰が」「いつ」「何を取得して」「どう活用するか」が明確なんです。逆に言えば、その4点をちゃんと書けばかなり評価されます。資格の試験日程は必ず事前確認して、計画書に具体的な日付を入れてください。
では50万円枠を最大限活用するための設計例も教えてください!
実際に50万円をどう使えばいいのか、もう少し具体的に教えてほしいです!
1医療機関1回限定だから、枠を最大活用する設計が必須です。1人1資格の単発申請では枠が大きく余るので、複数職員×複数資格のパッケージ設計が定石です。
50万円枠フル活用パッケージ申請例の図解
| 取得内容 | 対象者 | 費用(概算) |
|---|
| 医療情報技師 受験料+対策講座 | 医療事務・看護師 5名 | 32.5万円 |
| eラーニング受講料 | 同5名 | 15万円 |
| 認定登録料・教材費 | 合計 | 2.5万円 |
| 合計 | 5名分 | 50万円 |
たしかに5人まとめると50万円にちゃんど届くんですね!
そう! 逆に「とりあえず1人だけ申請しよう」とやると、受験料1.5万円だけで枠を消費して終わりになる。1医療機関1回の機会に実質ゼロ円で院内のDX人材を複数育成できる、ほんとうに破格の制度なので、計画的に使い切ってほしいですね。
あります! 規模や状況に応じて3つのパターンが考えられます。
| パターン | 対象施設 | 育成内容 | 概算費用 |
|---|
| 大規模パターン | 200床以上の病院 | 医療情報技師5名+ベンダー認定研修3コース | 約50万円 |
| 診療所特化 | 無床診療所 | 院長+看護師のITパスポート+ベンダー認定 | 約30万円 |
| 集中育成 | 全規模 | 担当者2名で医療情報技師+DXコーディネーター両方取得 | 約45万円 |
診療所でも十分活用できるんですね。電子カルテ導入との連携が重要って最初に言っていましたが、もう少し詳しく聞かせてください。
電子カルテ導入との組み合わせって、具体的にどうするんですか?
時系列で連携させるのが鍵です。導入前・導入中・導入後の3フェーズで役割を分けるとうまく機能します。
- 導入前フェーズ(今すぐ):本事業で医療情報技師・基本情報技術者を取得。電子カルテ選定・仕様決定を担当できる人材を育成する
- 導入中フェーズ(システム稼働時):本事業でベンダー認定研修を受講。操作研修・設定業務を院内で主体的に担当できる体制を作る
- 導入後フェーズ(安定運用):本事業で取得した資格者が運用責任者として継続活躍。トラブル初動対応・職員研修・次期更新の検討を担当
なるほど、「ハードを入れる」と「使える人を育てる」を同時進行させるんですね!
しかも経費区分が別だから重複にならないんですよね。では最後に申請に向けた確認リストを教えてください。
8項目のチェックリストを用意しました。必須4項目が全部OKなら申請できます!
- 自院は東京都内に所在する病院または医科診療所ですか?
- 本補助金(102904)を過去に受けたことがない医療機関ですか?
- 国・地方公共団体・独立行政法人・国立大学法人の運営ではないですか?
- IT・DX関連資格の取得計画と業務での活用方針を具体的に策定できますか?
- 対象資格の試験日程を確認し、2027年3月末までに取得完了できますか?
- 50万円枠を使い切る複数職員×複数資格のパッケージ設計を組めていますか?
- 受験料・教材費等を交付決定後に支払う段取りができますか?
- GビズIDプライムは取得済みですか?(未取得なら今すぐ手続き開始)
必須4項目全部クリアしてる施設なら申請一択ですね!
そうです! 補助率100%・上限50万円という補助金は医療系では本当に稀です。1医療機関1回の貴重な機会なので、「まあいつかやろう」と先送りせず、2026年11月30日の締切に向けて今すぐ計画を始めてほしいです。
ありがとうございます! 次は基本情報をまとめてください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 令和8年度東京都医療DX人材育成支援事業 |
| 補助率 | 10/10(全額補助) |
| 補助上限額 | 50万円(500,000円) |
| 申請期間 | 2026年4月14日〜2026年11月30日 |
| 対象者 | 東京都内の病院・医科診療所(民間) |
| 対象外 | 過去に本補助金受給済みの医療機関、公的医療機関 |
| 申請方法 | jGrants(Jグランツ)から電子申請 |
| 実施機関 | 東京都保健医療局医療政策部医療政策課医療改革推進担当 |
| 問合せ先 | 03-5320-4448(直通) |
| 公式ページ | 東京都保健医療局 医療DX人材育成支援事業 |
| jGrants | 令和8年度東京都医療DX人材育成支援事業 |
東京都の医療DXパッケージと、国の人材開発系補助金を並べてみましょう。
経費が完全に分離しているので、理論上は全部申請できます。ただし本事業(102904)は1医療機関1回限定なので、令和8年度のタイミングで他の3件と一緒に申請する動きが合理的です。また国の人材開発支援助成金(厚生労働省所管)と同じ職員の同じ資格取得費用を重複補助することはNGなので、その点だけご注意ください。
なるほど。国の人材開発支援助成金と重複NGなのは覚えておかないといけないですね。では最後によくある質問をまとめてください。
まず「本当に補助率100%?」という疑問から(笑。
本当に100%です! jGrants記載の補助率は「10分の10」で、東京都公式ページにも同様の記載があります。ただし対象経費は「IT・DX関連の資格取得に係る経費」に限定されているので、その範囲内での100%補助です。
医療情報技師、医療情報基礎知識検定、医療DXコーディネーター、ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者、電子カルテベンダーが提供する操作認定資格等です。語学や経理・営業系の一般資格は対象外です。具体的な対象範囲は東京都保健医療局の交付要綱で確認してください。
対象外です。要綱第2の規定により明確に除外されています。令和7年度以前に同名・同種の補助金を受けた場合は申請できません。令和8年度が初めての申請施設だけが対象です。
はい、対象です! 1人が医療情報技師・基本情報技術者・ベンダー認定資格を同時進行で取得する場合も、すべて1医療機関50万円枠内で申請できます。1人集中育成より複数職員育成の方が医療機関全体のリスク分散になりますが、集中育成も問題ありません。
対策講座、テキスト、eラーニング、認定登録料、更新費用等も含まれます。交付要綱で対象経費の詳細リストを確認してください。
要綱の文言上は「病院又は医科診療所」が対象とされており、歯科診療所は明示されていません。申請を検討する場合は東京都保健医療局医療政策課(03-5320-4448)に事前確認することを強く推奨します。
実績報告では原則として合格・修了が必要になる可能性が高いです。詳細は東京都に事前確認してください。実務的には、合格率の高い資格や受験準備が整った職員から計画的に進めるのが安全です。実績報告の段階でトラブルにならないよう、試験申込前に担当部署に確認しておくのがベターです。
丁寧に教えていただき、ありがとうございました! 東京都内の病院・診療所の方々はぜひ活用してほしいですね。
ほんとにそうですね。補助率100%・上限50万円という設計は、医療DX人材育成への東京都の強い意志を示しています。1医療機関1回限定の貴重なチャンスを活かして、電子カルテ時代を担う院内DX人材を育成してほしいです!東京都の補助金をもっと探したい方は
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