室谷さん、今日は「令和8年度病院診療情報デジタル推進事業(電子カルテシステムの整備)」を教えてほしいんですけど。名前が長くてなんかすごそうですね!
端的に言うと、東京都内の病院が電子カルテを新しく導入したり、既存システムを更新する費用を東京都が補助してくれる制度です。目的は地域内の診療情報共有と連携の促進。医療機関のDXを都が本気で後押しする補助金です!
東京都が直接やってるんですね。どんな病院でも使えるんですか?
ここが大事なポイントで、対象は「病院」だけです。医療法上で20床以上の入院施設を持つ医療機関が対象で、医科診療所や歯科診療所は対象外なんですよ。
なるほど。じゃあ補助金の金額はどう計算するんですか?
ちょっとユニークな計算方式で、補助基準額は「605,000円×病床数」で算出されます。例えば150床の病院なら、605,000×150で9,075万円が基準額の目安になります!
理論上はそうなります。ただし実際の補助額は、この基準額と対象経費の実支出額を比べて低い方を選び、さらに総事業費と比較するという計算になってます。上限額がそのまま受け取れるわけじゃなくて、実際にかかった費用の範囲内というのが条件ですね。
病床規模別 補助率の違い
さっき「補助率」という言葉が出てきましたが、具体的にはどのくらいになるんですか?
200床を境目に補助率が変わります。200床未満の病院は補助率3/4、200床以上の病院は補助率1/2です。中小規模の病院の方が手厚い設計になってますね。
そうなんですよ! 199床と200床では自己負担率が1/4と1/2に変わるので、申請前に自院の許可病床数を正確に把握しておくことが超重要です。これが審査でも基準額算定でも直結してくる数字なので。
| 病床規模 | 補助率 | 自己負担率 | 計算例(150床) | 計算例(300床) |
|---|
| 200床未満の病院 | 3/4 | 1/4 | 基準額 9,075万円 | — |
| 200床以上の病院 | 1/2 | 1/2 | — | 基準額 18,150万円 |
テーブルで見るとわかりやすい。基準額の計算式は605,000円×病床数なんですね。
そうです。ただ注意してほしいのは、許可病床ベースか稼働病床ベースかは交付要綱第2の規定で確認が必要ということです。要綱には明確に記載されてるので、申請前に必ずチェックしてください。
リプレースの場合も使えますか? すでに電子カルテあるんだけど古い、みたいなパターン。
はい、新規導入だけでなくシステムの更新(リプレース)も補助対象です。標準規格対応の強化や地域医療連携ネットワークへの接続要件を満たす更新案件も含まれます。保守切れ前の入替計画と合わせて活用するのが定石ですね。
じゃあ、具体的に何の費用が補助対象になるんですか?
| カテゴリ | 補助対象となる経費 |
|---|
| 電子カルテシステム本体費 | ソフトウェアライセンス、サーバー機器・端末等ハードウェア、システム構築・カスタマイズ費、初期データ移行・設定費用 |
| 周辺システム整備費 | オーダリングシステム・看護支援システム等の連携モジュール、地域医療連携ネットワーク接続用ゲートウェイ機器、標準規格対応のための変換ツール導入費 |
| インフラ整備費 | ネットワーク機器・配線工事、院内LAN増強・無線LAN整備、セキュリティ機器(ファイアウォール等)導入費 |
| 導入支援関連費 | ベンダーによる初期セットアップ作業費、操作研修・運用マニュアル整備費、旧システムからのデータ移行費用 |
そうなんですよ。でも逆に対象外になりやすい経費もしっかり把握しておかないといけません。
以下の経費は補助対象外です。見積段階から対象/対象外を明確に分けておかないと、実績報告で大変なことになります。
- システム保守・運用費用: 補助対象期間後の継続費用は不可
- クラウド利用料の継続課金分: 初期導入費は対象でも月額費用は不可
- 電子カルテと無関係なオフィスソフト・業務ソフト: 汎用ソフトは対象外
- 人件費: 職員の通常業務分は対象外
- 交付決定前に契約・発注した経費: これが最も重大なNG
- 他の補助金で既に補助対象となっている経費: 重複受給は厳禁
補助金では「交付決定通知が来てから契約・発注する」というルールが絶対です。先に契約してしまったら、その経費は補助対象外になってしまうんです。ベンダーには「交付決定後に正式契約」と事前に合意しておく必要があります。
電子カルテ補助金 申請の流れ
実際の申請ってどういう流れになるんですか? jGrantsって何か特別な準備が必要ですか?
そうなんですよ。GビズIDプライムは郵送での確認があって、実際に2〜3週間かかることが多い。締切ギリギリに気づいて焦るパターンが一番もったいないので、早めの準備が大事です!
東京都保健医療局所管の医療系補助金は、概ね1〜3ヶ月程度かかります。2026年7月31日ギリギリの申請だと交付決定が秋以降にずれ込み、電子カルテ導入は契約から本稼働まで通常6〜12ヶ月かかるため、年度内の事業完了が厳しくなります。6月中の申請完了を目標に逆算スケジュールを組むのが現実的ですね。
申請するにあたって、審査で評価されるポイントってありますか?
いくつか押さえておくべき点があります。一番大事なのは、標準規格対応と地域医療連携ネットワーク接続要件を仕様書に明記することです!
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標準規格(HL7 FHIR等)対応を仕様書に明記: 東京都が推進する医療DX政策との整合性が高まり審査評価が安定する。ベンダー選定時も必須要件として提示する。
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病床数の証拠書類を早期準備: 許可病床数を医療機関指定通知書等で証明。許可変更があった病院は最新の許可証で申請する。
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経費の切り分けを見積段階から徹底: 初期導入費と保守費用、継続課金を明確に分離した経費明細を作成。実績報告の負担が大幅に減る。
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ベンダーとスケジュール合意: 年度内の納品・検収・稼働確認完了を見据え、交付決定後すぐに着工できるようベンダーのリソースを事前確保。
標準規格対応って、HL7 FHIRとかそういうやつですよね? ベンダーに確認しないといけないやつ。
そうです! HL7 FHIRはデータ交換の国際規格で、2024〜2025年頃から日本の医療DX政策でも重視されています。標準規格対応のシステムで申請する方が、政策目的との整合性という観点で明らかに有利ですよ。
なるほど。病院側で確認しておくべきことってまとめると?
許可病床数の正確な把握、電子申請用のGビズIDプライム取得、ベンダーとの「交付決定後契約」の事前合意、この3点が申請前チェックリストの最重要項目ですね!
実際に電子カルテを導入した病院の事例ってありますか? どんな効果がありましたか?
直接のエビデンスをここで出すのは難しいですが、電子カルテ導入の一般的な効果として、紙カルテ管理の廃止による保管スペースの削減、診断情報の瞬時共有による診療効率の向上、地域の他医療機関との連携強化が挙げられます。特に東京都が重視している「地域医療連携」の観点では、地域医療連携ネットワークに接続した電子カルテを持つ病院は、救急搬送時の情報提供や紹介患者の受け入れがスムーズになるという実務上のメリットがあります。
標準規格対応って具体的にどう確認すればいいんですか?
ベンダーに対して「HL7 FHIR R4への対応状況」「SS-MIX2標準化ストレージへの対応」「地域医療連携ネットワークへの接続実績」の3点を確認するのがポイントです。カタログに「標準規格対応」と記載されていても、実際の対応範囲はベンダーによって異なるので、仕様書に具体的な規格名を明記してもらうのが確実ですよ。
GビズIDはデジタル庁が運営する「GビズIDポータル」(
gbiz-id.go.jp)から申請します。補助金申請には「プライム」というグレードが必要で、印鑑証明書や法人の登記簿謄本が必要になります。取得後はjGrantsだけでなく、ものづくり補助金や事業再構築補助金など多くの国・都補助金でそのまま使えるので、まだ持っていなければ早めに取得しておくのがおすすめです!
他の補助金と組み合わせて使える制度ってあるんですか?
東京都は令和8年度に医療DXの補助金パッケージを同時展開しているんですよ! この102902番(電子カルテ整備)は、その中核に位置づけられる制度です。
これを全部組み合わせたらかなり手厚い支援が受けられますね!
経費が重複しない限り4事業の並行申請も可能です! 例えばコンサル費用は102903、本体システムは102902、職員研修は102904、セキュリティ対策は102905という形で経費を切り分けて設計するのが定石ですよ。
東京都医療DXパッケージを最大活用するには、導入計画段階から経費を4事業に振り分けて設計する。
- 102903(コンサル活用): 要件定義・ベンダー評価・選定支援の費用
- 102902(本事業): 電子カルテ本体・周辺システム・インフラ整備費
- 102904(人材育成): 医師・看護師・事務スタッフのIT/DX資格取得費(補助率10/10!)
- 102905(セキュリティ): ファイアウォール・侵入検知・ログ管理強化費
同じ経費を複数の補助金に計上するのは禁止なので、見積段階から内訳を分けておくことが絶対条件。
補助率10/10の人材育成補助があるの、ちょっとびっくりです!
102904の人材育成は最大50万円で補助率10/10なんですよ。自己負担ゼロで職員のDX教育ができるので、電子カルテ導入と同時期に使うと相乗効果が高いです。
国の電子カルテ補助金と組み合わせることはできますか?
同じ経費に対して国と都の両方から補助を受けることは基本的に不可能です。ただ、対象経費が異なれば検討の余地はあります。具体的な併用可否は両制度の所管窓口に事前確認するのが確実ですね。
最後に制度の基本情報をまとめて教えてもらえますか?
東京都保健医療局医療政策部医療政策課医療改革推進担当
東京都保健医療局が一括して所管しています。電話・FAX・メールで相談できるので、病床数の確認方法や経費の対象可否など、申請前に疑問があれば早めに窓口に聞いてしまうのが一番確実です。
締切は2026年7月31日で、今はまだ公募中ということですね。急いで準備した方がよさそう!
そうです! 電子カルテ導入は契約から本稼働まで6〜12ヶ月かかることを考えると、年度内完了のためには6月中旬の申請完了を目標にするのが安全です。GビズID取得も含めて今すぐ動き出すことをお勧めします!
最後にみんなが気になりそうな質問をまとめてください!
本事業(102902)の対象は「病院」のみで、
医科診療所・歯科診療所は対象外です。診療所が電子カルテ導入を検討する場合は、姉妹事業の
令和8年度医療機関診療情報デジタル導入支援事業でコンサル活用費用を申請する選択肢があります。ただし102903はシステム本体費ではなく導入支援費が中心なので、本体導入には別途国の補助金や自己資金との組み合わせが必要です。
原則として申請時点の許可病床数で判定されます。199床と200床では補助率が3/4と1/2に分岐するため、申請時点の病床数を医療機関指定通知書や許可証で正確に証明する書類が必須。年度途中で病床数を変更する予定があれば、申請前に東京都保健医療局医療政策課に確認してください。
「既存の電子カルテのリプレースも対象になりますか?」
はい、新規導入だけでなく既存システムの更新(リプレース)も対象です。ただし保守切れに伴う単純更新ではなく、地域医療連携機能の追加や標準規格対応など、デジタル化推進に資する更新であることが望まれます。事業計画書で「連携機能の強化・標準規格対応」を明記することで採択評価が安定します。
「交付決定前に契約してしまった場合は補助対象になりますか?」
なりません。交付決定前に契約・発注した経費は補助対象外というのが補助金制度の根本ルールです。ベンダーには「交付決定通知後に契約締結する」ことを事前に合意しておき、それまでは内示・内諾レベルに留めてください。
同一の経費を国と都の両方で受け取ることはできません。ただ対象経費が異なれば棲み分けた併用の可能性はあるので、具体的な併用可否は両制度の所管窓口に事前確認するのが確実です。
「コンサル費用や職員研修費用も同時に申請できますか?」
本事業(102902)はシステム本体の整備が対象で、コンサル費用・職員研修費は対象外です。コンサル活用は
102903、職員のIT/DX資格取得は
102904(補助率10/10・最大50万円)で別建て申請してください。経費を重複させなければ4事業を組み合わせた申請が可能です。
東京都保健医療局所管の医療系補助金は概ね1〜3ヶ月程度。締切(2026年7月31日)ギリギリの申請だと交付決定が秋以降にずれ込み、年度内の事業完了が厳しくなります。6月中の申請完了を目標に逆算スケジュールを組むのが安全です!
めちゃくちゃ勉強になりました。最後に一言お願いします!
東京都内の病院にとって、電子カルテシステム整備の自己負担を大幅に軽減できる制度です。特に200床未満の中小規模病院では補助率3/4と非常に手厚い。医療DX4事業を組み合わせれば、システム整備から人材育成・セキュリティ対策まで一気通貫で支援を受けられますよ。2026年7月31日が締切なので、今すぐ公式ページを確認して準備を始めてください!
東京都内の病院補助金について、他のエリアの医療DX支援制度も気になる方は
東京都の補助金一覧もあわせてご覧ください。