室谷さん、今回もよろしくお願いします!今日は「皮革産業振興対策事業費補助金」、なんかすごくストレートな名前ですけど、いったいどういう時に使えるお金なんですか?
佐藤さん、こんにちは!そうですね、名前のまんま、皮革関連産業の方々を支援するための補助金です。中小・小規模事業者がほとんどを占める国内の皮革業界で、改革意欲を持って挑戦する事業者を後押ししようっていう目的なんですよ。
なるほど。でも、令和8年度ってまだ先の話ですよね?もう公募が始まってるんですか?
はい、実は2次公募の情報なんです。募集期間は令和8年7月3日から8月6日まで。まだ半年以上ありますけど、準備期間を考えると今から情報を集めておくのが正解です!
半年後か…確かに、書類準備とか考えると余裕を持って動きたいですね。ところで、この補助金の特徴って何でしょう?
最大の特徴はなんといっても3つの大きな柱があることです。国際化推進、高付加価値化、そして環境保全。このどれかに当てはまる事業を考えている団体やグループが対象になります。
3つの柱って、具体的にどういう事業が対象になるんですか?
まず1つ目が「皮革産業国際化推進事業」。海外の展示会に出たり、海外の業界を視察して技術を学んだり、そういう国際展開を狙う事業です。
へえ、海外進出を考えてる業者さんには強い味方ですね!
2つ目は「皮革産業高付加価値化事業」。これは新しい製品開発とか、デザインコンテストの開催、人材育成の研修とか、とにかく 「付加価値を上げる」 ための活動全般ですね。
ああ、国内の競争力を高めるための取り組みって感じですね。
そして3つ目が「製革業環境保全対策事業」。特に製革業の方に向けて、エコレザーの普及や、排水のクロム含有率をゼロにする研究、あと工場の環境認証取得とか、サステナビリティ対応を支援する事業です。
環境対策に特化した枠まであるんですね。業界の幅広いニーズに応えてる感じがします!
じゃあ、気になるお金の話ですよ!上限3,300万円って書いてありましたけど、誰でももらえるわけじゃないんですよね?
もちろんです。3,300万円っていうのは、法人格がある業界団体の場合の上限です。でも、それ以外のグループにも上限額が設定されています。
グループってことは、業界団体じゃなくてもOKなんですか?
そうなんです。この補助金の面白いところ。4社以上で構成される「事業者団体・グループ」、法人格がなくても申請できます!
はい、それでは事業ごとに見ていきましょう。まず国際化推進事業は、グループだと上限400万円、補助率は3分の2以内です。でも、経済産業省が策定した「ロードマップ」に沿った行動目標に当てはまると、600万円まで上がります。
そんなに身構えなくて大丈夫ですよ。クラスター形成とかサステナビリティ対応、Japanブランド化、経営合理化――この4つの目標のどれかに合致する事業内容にすれば、上限がアップする可能性があるんです。
高付加価値化事業はグループだと上限1,200万円(原則)。同じくロードマップに沿っていれば1,800万円までオッケーです。補助率はどちらも3分の2以内。ただし、申請するには補助対象経費が300万円以上、つまり補助金額にすると200万円以上の事業規模が必要です。
下限が200万円か…そこそこの規模の事業じゃないとダメなんですね。
事業別・補助上限額一覧| 事業区分 | グループ(原則) | グループ(ロードマップ該当) | 業界団体 |
|---|
| 国際化推進 | 400万円 | 600万円 | 3,300万円 |
| 高付加価値化 | 1,200万円 | 1,800万円 | 3,300万円 |
| 環境保全(定額) | 500万円 | 500万円 | 3,300万円 |
| 環境保全(2/3) | 500万円 | 500万円 | 3,300万円 |
おお、表にしてもらうと一目瞭然ですね!環境保全事業はまたちょっと違うんですか?
そうです。環境保全事業のうち「環境対応革開発実用化事業」と「非クロム実用化試験実証事業」は、補助率が10分の10、つまり定額なんです!
えっ、定額ってことは…全額補助?マジですか!(笑)
はい(笑)。ただし、こちらもグループの上限は500万円。そして下限も違ってて、補助対象経費200万円以上から申請できます。もう1つの「環境整備・改善支援事業」は補助率3分の2で、下限は補助対象経費150万円以上、補助額にすると100万円以上です。
さっきのロードマップの話、もう少し詳しく教えてください。どうやったら該当するって判断されるんですか?
経済産業省が2025年4月に策定した「国内皮革産業のあるべき姿と行動目標・ロードマップ」の30~36ページに、具体的な行動目標が4つ書かれています。これに沿った事業内容だと、上限が1.5倍になるってわけです。
1.5倍!それは大きい。具体的に4つの目標って何ですか?
1つ目が新たなクラスター形成による強靱な商流・サプライチェーンの再構築。2つ目がサステナビリティ対応。3つ目が国内外でのJapanブランド化。4つ目が経営・取引慣行の合理化。このどれかに当てはまるように事業計画を練ると、高評価につながりますよ。
じゃあ次は、どんな人が申請できるのか、しっかり確認していきましょう!
基本は皮革・皮革製品関連の業界団体、または4社以上で構成される事業者団体・グループです。ただし、グループには細かいルールがあります。
まず大前提、中小企業者が3分の2以上を占めていること。ただし、高付加価値化事業のうち「皮革産業連携推進事業」と「皮革製品デザイン促進事業」で、全員が異業種の場合は、中小企業者の割合が2分の1以上でもOKです。
中小企業基本法で定義されてますけど、この公募要領では「中小企業者数が3分の2以上」って明記されてますね。製造業なら資本金3億円以下か従業員300人以下、卸売業なら1億円以下か100人以下、小売業なら5千万円以下か50人以下…といった基準があります。
なるほど。じゃあ、大企業ばかりのグループだとダメってことですね。
その通り。あと、グループには代表者(幹事) を決めなきゃいけません。契約やお金の出納は基本的にグループ名義で行い、どうしてもできない場合は代表者名義でやる。その場合、消費税の扱いが変わるので注意が必要です。
もちろんです!法人格の有無は問わないので、個人事業主もグループの一員になれます。ただし、あくまで「グループでの申請」なので、個人事業主単独では応募できません。団体か、4社以上のグループが必要です。
あ、そうなんですね。じゃあ、個人で革細工やってる作家さんが1人で応募は無理と。
そうです。ただ、同業者や関連事業者と声を掛け合ってグループを作れば、可能性は広がりますよ。
ここからは実務的な話。お金の使い道です。補助対象になる経費と、ならない経費の違いを教えてください!
大事なポイントですね。事業ごとに細かく規定されてますが、ざっくり言うと、事業を遂行するために直接必要な経費が対象です。
たとえば、国際化推進事業ならどんなものが対象になります?
海外調査や視察のための旅費、通訳謝金、報告書作成費とかですね。展示会出展なら出展料、ブース装飾費、輸送費。高付加価値化事業なら、製品開発のための原材料費、外注加工費、デザインコンテストの会場借料、賞金など。
人材育成事業なら、研修の講師謝金とかテキスト代も対象?
はい、研修実施費や、海外研修への派遣費用も対象です。環境保全事業なら、環境検査費用、分析機器のレンタル料、認証取得のための審査費用なんかも入ります。
はい。書類に明確に書かれているのは、事業の実施体制を確認する資料で出てくる話ですが、外注費・委託費以外で計上するもの――具体的には旅費、会議費、謝金、備品費(借料や損料も含む)、補助人件費(人材派遣も含む) は、請負・委託先に支払う経費としては認められません。
え、ちょっと混乱してきました。旅費はさっき対象って言ってませんでした?
良いところに気づきましたね。これは「請負・委託先に支払う経費」の話です。申請者自身が支出する旅費や謝金は、もちろん対象になります。ただ、事業の一部を丸ごと外注して、その外注先の旅費や謝金を経費に計上するのはダメ、という意味です。
なるほど!自分でやる分はOKだけど、丸投げした先の細かい経費は対象外ってことですね。ややこしい(笑)。
補助対象経費のチェックポイント- 事業に直接必要な旅費・謝金・原材料費
- 展示会出展料・ブース装飾費
- 環境検査費用・認証取得費
- 研修講師料・テキスト代
- 海外調査の通訳費・報告書作成費
×デメリット
- 補助事業の応募書類作成費
- 自社の通常の人件費
- 外注先の旅費・会議費・謝金(原則NG)
- 100万円未満の取引の実施体制資料は不要
- 消費税の仕入れ控除分は対象経費外になる場合あり
じゃあ、実際に申請する時の手順を教えてもらえますか?書類とか、ややこしそうですけど…。
大丈夫です。ステップごとに整理しました。まず、申請方法は2通りあります。Jグランツという電子システムを使うか、電子メールで提出するかです。
Jグランツって、最近よく聞くやつですね。GビズIDが必要なんですよね?
そう。まずはGビズIDを取得するところから始まります。ただし、注意点があって、Jグランツに対応しているのは法人や個人事業主だけ。登記のない実行委員会や組合はGビズIDが取れないので、電子メールでの申請になります。
じゃあ、グループで申請する場合は電子メールが基本?
グループの形態によりますね。法人格のある団体ならJグランツOK。任意のグループならメール。ただ、Jグランツで出した場合でも、メールでも同じ書類を送る必要があるんです。
そうなんです(笑)。でも、そういうルールなので従いましょう。メールの宛先は
bzl-hikaku@meti.go.jp。件名は必ず「令和8年度皮革産業振興対策事業費補助金(団体・グループ)(2次公募)申請書」と書いてください。
補助金申請の流れ- 1
1. GビズIDの取得
法人や個人事業主は事前に取得。任意団体は不要
- 2
2. 公募要領の熟読
対象経費・要件・提出書類を確認
- 3
- 4
4. 必要書類の作成
申請書・提案書・財務諸表・同意書など
- 5
- 6
6. 採択・交付決定
審査後、交付決定通知。事業開始
- 7
7. 事業実施・実績報告
事業完了後、実績報告書を提出
- 8
必須なのは、申請書(様式1) と提案書(様式2)。あとは会社概要や直近の財務諸表。グループの場合、参加者全員の同意書が必須です。
そうですね。「補助事業に参加することの同意」と「分担する事業を責任持ってやる」という誓約書です。あと、該当する場合だけ、賃上げ誓約書(様式3) やパートナーシップ構築宣言の写し、ワーク・ライフ・バランス認定証の写しも添付します。
でも、押印は不要なので、その点は楽になりました。注意点としては、添付ファイルの容量が10MBを超えると受信できないので、複数回に分けて送るか、ファイルを軽くしてください。
書類を出せば終わりじゃなくて、審査があるんですよね。どんなところが見られるんですか?
はい、審査は厳格です。特に見られるのは、事業の実現性と政策目的への合致度でしょう。あと、事業の実施体制がきちんとしているかどうか。
さっきのロードマップ、やっぱり重要な位置づけなんですね。
そうです。上限アップの条件にもなってますし、審査でもプラス評価になるはずです。具体的に、自分の事業がロードマップの4つの目標のどれに当たるか、提案書で明確に説明できると強いですね。
たとえば「Japanブランド化」を狙うなら、海外の展示会で日本の皮革製品の良さをPRする事業とか?
まさに!「皮革製品認知度適正化事業」で、インターネットや雑誌で日本製皮革の品質を発信するって事業もありますしね。
参加者全員が事業に関わること、これが大前提です。名ばかりのグループメンバーを集めるのはNG。各社の役割分担を明確にして、責任を持って遂行できる体制をアピールしましょう。
なるほど。あと、お金の流れもちゃんとしないとダメですよね。
そう。契約はグループ名義か代表者名義で。参加者が立て替えた場合は、証憑をつけて代表者に請求し、代表者が払い戻す形にします。この辺のルールを守らないと、あとでトラブルになりますからね。
最後に、全体のスケジュールと、よくある疑問をまとめましょう!
募集開始が令和8年7月3日で、締切が8月6日。約1ヶ月ですね。
そう。しかも、説明会が7月13日に開催されます。Teamsでのオンライン開催。参加希望者は7月10日までに連絡が必要です。
結構タイトですね。説明会には絶対出たほうがいいですか?
任意ですが、出るべきです。事業の狙いや審査のポイントが聞けますし、質問もできます。質問の締切は7月17日。質問がなくても、問合せ先に連絡先を登録すれば、Q&Aが共有されるので、必ず登録しましょう。
採択されたら、いつまでに事業を終わらせればいいんですか?
事業実施期間は、交付決定日から令和9年2月26日まで。つまり、年度内に完了させなきゃいけません。
そして、お金がもらえるのは事業が終わった後、なんですよね?
原則、精算払いです。実績報告書を出して、現地調査を受けて、それでやっと支払い。ただ、資金繰りが厳しい場合は、概算払いも可能です。財務省の承認が必要なので、早めに担当者に相談してください。
室谷さん、最後に読者からよく聞かれそうな質問をいくつかピックアップしてもらえますか?
はい。まず「グループの最低社数は?」→国際化と高付加価値化は4社以上。ただし、環境保全の「環境整備・改善支援事業」は2社以上でOKです。
次に「同じ事業で別の補助金と併用できる?」→この補助金の公募要領には他制度との併給ルールは明記されてませんが、一般的に国庫補助は重複受給が禁止されています。公募要領や担当者に確認が必要です。
「書類の提出方法はメールだけ?」→Jグランツかメール。郵送や持参、FAXは受け付けませんので注意。
「事業が終わらなかったらどうなる?」→原則、繰り越しはできません。やむを得ない事情がある場合は、早めに経済産業省に相談してください。
「個人事業主だけど、グループを作るのが難しい…」→地域の商工会や業界団体に声をかけてみるのがいいでしょう。あるいは、近隣の同業者と連携してグループを作る手もあります。
公募スケジュール(令和8年度)07/03
公募開始
要領公開・申請受付開始
07/10
説明会申込締切
7/13開催のオンライン説明会
07/13
説明会開催
Teamsで11時~12時
07/17
質問締切
メールで質問受付。連絡先登録も
08/06
申請締切
17時必着
~09/26
事業実施期間
交付決定日から原則2/26まで
室谷さん、今日は本当に詳しくありがとうございました!最後に、この補助金を検討している事業者さんにメッセージをお願いします。
そうですね。この補助金は、業界団体だけでなく、任意のグループでも申請できるという点が最大の魅力です。4社集まれば、上限400万円~1,800万円の補助が受けられる。ロードマップに沿った事業ならさらにアップ。
環境問題に特化した定額補助(10/10)もあるから、環境投資を考えてる製革業者には朗報ですね!
はい。ただ、準備には時間がかかります。説明会に参加して、公募要領をしっかり読み込んで、事業計画を練ってください。特にグループ申請の場合は、参加者全員の同意と役割分担を明確にすることが成功の鍵です。
ぜひ、この補助金を活用して、日本の皮革産業を盛り上げていきたいですね!室谷さん、本日はありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました!皆さんの挑戦を応援しています!