室谷さん、今日はちょっと面白い補助金を見つけたんですけど…「皮革産業振興対策事業費補助金」って、聞いたことあります?
ありますあります!経済産業省がやってる、皮革業界に特化した補助金ですね。しかも今は2次公募の時期なんですよ。
へえ〜皮革だけの補助金って珍しいですよね。でもなんでこんな専門的な補助金があるんですか?
日本の皮革産業って、実は中小・小規模事業者が大部分を占めてるんです。自ら改革しようという意欲のある事業者を支援して、業界全体の競争力を底上げしようっていうのが目的ですね。
なるほど。では具体的にどういう事業が対象なんですか?
大きく分けて3つの柱があります。1つ目が「皮革産業国際化推進事業」、2つ目が「皮革産業高付加価値化事業」、3つ目が「製革業環境保全対策事業」。全部で7つの事業メニューがあります。
国際化推進は、海外の展示会に出展したり、海外の業界を訪問して情報収集・販路開拓する事業。高付加価値化は、新しい製品開発やデザインコンテスト、人材育成の研修、日本製皮革のPRなどですね。
製革業に特に求められている環境対応。エコレザーの普及や、排水中のクロム含有率ゼロを目指す実証、工場の環境認証取得などを支援します。この分野は**補助率10/10(定額)**という超手厚い条件なんですよ!
その通りです!環境対応革開発実用化事業と非クロム実用化試験実証事業については、補助率10/10、つまり補助対象経費の全額が補助されます。ただし上限はありますけどね。
この補助金の特徴は、個人や単独企業ではなく、団体かグループでの申請が基本になることです。皮革関連の業界団体か、4社以上で構成される事業者グループが対象です。
個人事業主でも、グループの一員として参加することは可能です。ただ、単独での申請はできません。仲間を集めてグループを作る必要があります。
なるほど。じゃあ普段から業界団体に加盟してる会社は有利ですね。
そうですね。既存の業界団体ならそのまま申請できますし、なければ新たにグループを結成して挑戦することもできます。
一番気になるのは金額ですよ!いくらまで行けるんですか?
まず大前提として、皮革・皮革製品関係の業界団体の場合、補助金の上限は3,300万円です。結構大きいですよね。
はい、グループの場合は事業ごとに上限が設定されています。ちょっと表で見てみましょう。
| 事業区分 | 補助率 | グループ等の上限額(原則) | ロードマップ該当時の上限額 |
|---|
| 国際化推進(情報調査・交流派遣) | 2/3以内 | 400万円 | 600万円 |
| 高付加価値化(連携推進・デザイン促進・人材育成・認知度適正化) | 2/3以内 | 1,200万円 | 1,800万円 |
| 環境保全(環境対応革・非クロム実証) | 10/10(定額) | 500万円 | なし |
| 環境保全(環境整備・改善支援) | 2/3以内 | 500万円 | なし |
おお、見やすい!でも「ロードマップ該当時」って何ですか?
経済産業省が2025年4月に策定した「国内皮革産業のあるべき姿と行動目標・ロードマップ」っていうのがあるんです。このロードマップの行動目標に沿った事業内容だと、上限がアップするんですよ。
4つあります。「新たなクラスター形成を通じた強靱な商流・SCの再構築」「事業と人材の継続に向けたサステナビリティ対応」「国内外でのレザー製品・素材一体のポジション形成(Japanブランド化)」「皮革製造・製品製造事業者の経営・取引慣行等の合理化」です。
なるほど。このどれかに合致する事業計画を立てれば、国際化で600万円、高付加価値化で1,800万円まで上がるんですね!
そうです。ただ、あくまで「グループ等」の場合の上限で、業界団体の上限は3,300万円のままです。
上限ばかり気にしてましたけど、逆に最低いくらから申請できるんですか?
事業によって下限が違います。国際化推進と高付加価値化は補助金申請下限額が200万円で、補助対象経費は300万円以上必要です。
つまり総事業費300万円以上の計画が必要ってことですね。
そうです。環境保全の(1)(2)は補助金下限200万円で対象経費200万円以上、(3)は補助金下限100万円で対象経費150万円以上となっています。
じゃあ具体的に誰が申請できるのか、詳しく教えてください。
大きく分けて2パターンあります。1つは「皮革・皮革製品関連の業界団体」。もう1つは「皮革・皮革製品関連の4社以上で構成される事業者グループ」です。
面白いのはそこなんです。法人格の有無は問わないんですよ。つまり、任意のグループでも申請できます。ただし、代表者(幹事者)を決めて、その人が事務や経費の出納を責任持って行う必要があります。
任意団体でもOKなのは意外ですね。でも中小企業じゃないとダメとかありますか?
あります。グループの構成メンバーのうち、中小企業基本法で規定する中小企業者が3分の2以上であることが条件です。ただし、異業種だけで構成されるグループの場合は2分の1以上でOKです。
あれ?でも「環境整備・改善支援事業」だけはちょっと違うって書いてありましたけど。
よく見てますね!環境整備・改善支援事業だけは、グループの最低構成社数が2社以上で、中小企業の割合は2分の1以上になります。少し緩い条件ですね。
じゃあ環境関連の事業はハードルが低いんですね。それと、環境対応革と非クロム実証は「業界団体に限る」と書いてありましたが…。
その通りです。環境対応革開発実用化事業と非クロム実用化試験実証事業は、グループでは申請できず、業界団体のみが対象です。環境整備・改善支援事業はグループでもOKです。
補助金で気になるのは「何にお金を使えるのか」ですよね。対象経費を教えてください。
事業ごとに多少違いはありますが、大枠で言うと、事業の実施に直接必要な経費が対象になります。例えば、調査委託費、会場費、印刷製本費、通訳翻訳費、展示会出展料などですね。
国際化推進事業なら、海外調査のための渡航費や通訳料、情報誌の編集印刷費。高付加価値化事業なら、製品開発のための材料費や試作費、デザインコンテストの会場費や賞金。環境保全事業なら、環境測定費用や認証取得費用などが該当します。
なるほど。じゃあ逆に対象にならない経費ってあるんですか?
はい、あります。注意が必要なのが、**旅費、会議費、謝金、備品費(借料及び損料を含む)、補助人件費(人材派遣も含む)**は、原則として補助対象外です。
えっ!旅費が対象外ってことは、海外出張の航空券代は自分持ちってことですか?
そこは誤解しやすいんですけど、あくまで「外注費・委託費」として計上した場合の話です。つまり、事業の一部を外部に委託する際の契約の中に旅費が含まれているならOKな場合もあります。ただし、直接経費として「旅費」という科目で計上するのはNGです。
ややこしいですね…。あと、100万円以上の取引は実施体制の資料が必要とか書いてありましたけど。
そこも重要ポイントです。事業終了後の実績報告の時に、税込み100万円以上の取引については、契約先の事業者名や契約内容を記した実施体制資料の提出が必要になります。委託先がさらに再委託してる場合も同様です。
じゃあ実際に申請する流れを教えてください。まず何から始めればいいですか?
最初にやるべきことは、GビズIDの取得です。この補助金は「Jグランツ」というシステムからの申請が基本なので、GビズIDが必要なんです。
GビズID…聞いたことありますけど、取得に時間かかるんですか?
事前に取得しておかないと締切に間に合わない可能性があります。GビズIDの取得には数日〜2週間程度かかることもあるので、早めに手続きしましょう。法人なら登記情報、個人事業主なら開業届などが必要です。
でも、もしGビズIDが取得できなかったらどうするんですか?
その場合も大丈夫です。電子メールでの申請も認められています。ただし、メールの件名は必ず「令和8年度皮革産業振興対策事業費補助金(団体・グループ)(2次公募)申請書」としなければいけません。
そうです。経済産業省のホームページから公募要領と申請書の様式をダウンロードできます。公募要領はPDFで599KB、申請書様式はWord形式で41KBです。しっかり読んで要件を理解しましょう。
あります!7月13日(月)11時〜12時にオンライン(Teams予定)で開催されます。参加希望者は7月10日(金)12時までにメールで申し込む必要があります。
質問がある場合は7月17日(金)17時までにメールで送ってください。質問がなくても、寄せられた質問と回答を共有してもらえるので、連絡先だけでも登録しておくといいですよ。
- 申請書(様式1)
- 提案書(様式2)
- 会社概要や財務諸表などの参考資料
- グループ申請の場合は参加者全員の同意書
- 賃金引上げに係る誓約書(該当する場合)
- パートナーシップ構築宣言文の写し(該当する場合)
- ワーク・ライフ・バランス等の認定証の写し(該当する場合)
押印は不要です。ただし、メール添付の場合はファイル容量が10MBを超えると受信できないので注意してください。分割して送るか、圧縮するなど工夫が必要です。
提出期限は令和8年8月6日(木)17時必着。Jグランツの場合は17時までに申請を完了、メールの場合は17時までに到着が確認できたものが有効です。郵送やFAXは受け付けていません。
ぎりぎりに送るとトラブルの元ですね。余裕を持って提出しよう。
そうですね。あと、Jグランツで申請した場合でも、念のためメールでも送付するよう求められています。二重提出で安心です。
提出後は経済産業省が審査を行い、採択されると交付決定通知が来ます。事業実施期間は交付決定日から令和9年2月26日までです。
事業が終わったら実績報告書を提出します。提出後、原則として現地調査が行われ、支出の内容が厳格に審査されます。そこで認められた金額が補助金として支払われる仕組みです。
つまり先にお金を使っといて、後で精算されるタイプなんですね。
そうです、基本は精算払い。ただ、資金繰りが厳しい場合は概算払いも可能です。財務省の承認が必要ですが、担当者に相談してみてください。
補助金申請の流れ- 1
GビズID取得
事前に取得。数日〜2週間かかることも
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採択されるためのコツってありますか?審査で見られるポイントを教えてください。
まず何よりも、事業目的に沿っていることが大前提です。「国内皮革関連産業の発展及び競争力強化に寄与する」という目的にどう貢献するのか、明確に説明できる必要があります。
先ほどお話ししたロードマップの4つの行動目標との整合性が非常に重要です。この目標に沿った事業内容だと、補助上限額も上がりますし、評価も高くなるでしょう。
じゃあ事業計画を練る時に、このロードマップを意識するといいんですね。
そうです。特に「新たなクラスター形成」「サステナビリティ対応」「Japanブランド化」「経営・取引慣行の合理化」のどれに該当するかを明確に打ち出しましょう。
事業を遂行できる体制が整っているかも見られます。適切な組織、人員、経営基盤、資金管理能力が必要です。グループ申請の場合は、参加者全員の役割分担が明確になっているかも重要です。
あと、予算の使い方の妥当性も評価されそうですよね。
そうですね。無駄のない、合理的な経費計画が求められます。「なぜこの経費が必要なのか」をしっかり説明できるようにしておきましょう。
最後に全体のスケジュールをもう一度確認しておきましょう。
ええ。まず募集開始は令和8年7月3日(金)。説明会が7月13日(月)11時〜12時。質問の締切は7月17日(金)17時。そして申請締切が8月6日(木)17時です。
そうなんです。しかも書類作成にはかなり時間がかかるので、7月中には申請書類のドラフトを完成させておくのが理想です。
あと、概算払いを希望する場合の手続きも確認しておいたほうがいいですね。
そうですね。概算払いを希望する場合は、早めに担当者に相談して必要書類の案内を受けてください。経済産業省のホームページにもフォーマットが掲載されています。
公募スケジュール7月3日
公募開始
公募要領・申請様式公開
7月10日12時
説明会申込締切
メールで事前登録
7月13日11時
説明会開催
オンライン(Teams)
7月17日17時
質問締切
メールで質問を受け付け
8月6日17時
申請締切
Jグランツまたはメールで提出
〜令和9年2月26日
事業実施期間
交付決定日から
Q1. グループ申請の際の代表者(幹事者)の役割は?
A. 代表者は提案書の作成、事業の実施、経費の出納などすべての事務に責任を持ちます。また、業務の全てを他の者に再委託することはできません。
Q2. 環境保全事業の定額補助とはどういう意味?
A. 環境対応革開発実用化事業と非クロム実用化試験実証事業は、補助率10/10、つまり補助対象経費の全額が補助されます。ただし、グループ等の場合の上限は500万円です。
Q3. 概算払いは可能ですか?
A. 可能です。事業終了前の支払い(概算払)は財務省の承認が必要ですが、相談すれば手続きを案内してもらえます。資金繰りに不安がある場合は早めに担当者に連絡しましょう。
Q4. 対象経費に人件費は含まれますか?
A. 補助対象経費のうち、「補助人件費(人材派遣も含む)」は対象外です。ただし、外注費や委託費として計上する場合は、契約内容によっては認められる可能性があります。
Q5. 1次公募と2次公募の違いは?
A. 1次公募は令和8年1月16日〜2月13日に行われました。2次公募は7月3日〜8月6日です。事業内容や要件に大きな違いはありませんが、予算の残額状況によって採択額が変わる可能性があります。
Q6. 応募書類はどこに提出すればいいですか?
A. Jグランツ(https://www.jgrants-portal.go.jp/)からの電子申請が基本です。GビズIDが取得できない場合は、メールでbzl-hikaku@meti.go.jp宛に送付してください。郵送やFAXは受け付けていません。
室谷さん、今日は本当に詳しく教えていただいてありがとうございました!
いえいえ、皮革業界の方々にぜひ活用していただきたい補助金です。特に環境保全の定額補助は手厚いので、ぜひ検討してみてください。
私も知り合いの革職人に教えてあげよう!みなさんも、申請を検討するなら8月6日17時までに忘れずに提出してくださいね!
| 項目 | 内容 |
|---|
| 担当 | 経済産業省 製造産業局 生活製品課 皮革・皮革製品担当 |
| 担当者 | 石川、加藤、湯澤 |
| 住所 | 〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 |
| 電話 | 03-3501-1511(内線3861) |
| メール | bzl-hikaku@meti.go.jp |