室谷さん、今日は福井県の中小企業向けの補助金だそうですね。海外出願の費用を国が半分持ってくれるって、すごくないですか?
そうなんですよ、佐藤さん!令和8年度の二次公募で、正式名称は「中小企業等海外展開支援事業費補助金(海外出願支援事業)」、通称はそのまんま海外出願補助金です(笑)。補助率は1/2以内で、1企業あたり最大300万円という破格の支援なんです。
300万!それは大きいですね。でも、そもそも「海外出願」って、特許とか商標のことですよね?
そうです。特許、実用新案、意匠、商標、あと抜け駆け対策商標っていうのもあります。これ、めちゃくちゃ重要なやつで後で詳しく話しますね。福井県の中小企業が海外でビジネスするときに、自社の技術やブランドを守るために使ってほしいと。
なるほど。特許とかって国ごとに取らないといけないから、費用がバカにならないって聞きますよ。
その通り!日本で特許を取っても、アメリカや中国ではまったく効力がないんです。海外で模倣品が出たら泣き寝入りですよ。でもこの補助金があれば、出願コストが半分になるから、中小企業でも海外展開に踏み切りやすくなるわけです。
ほんとに?それは助かりますね。実施機関はふくい産業支援センターで、二次公募の期間はいつからいつまでですか?
募集期間は 2026年6月22日から2026年7月31日まで。約1ヶ月ちょっとですね。福井県内に事業所がある中小企業が対象です。
けっこう短いですね。早めに準備しないと間に合わない!
そう!しかもjGrants上で入力しただけでは申請受付にならないんです。交付申請書と添付書類を必ず郵送して、さらにWord版をメールで送るという二段構え。ここ、落とし穴なので気をつけてください!
この補助金の3つの特徴外国出願費用の半額補助
外国特許庁への出願手数料・代理人費用・翻訳費用が補助対象。1/2以内、企業上限300万円
特許・商標など4区分+抜け駆け対策
特許150万円、実用新案・意匠・商標60万円、抜け駆け対策商標30万円が案件別上限
福井県の中小企業が対象
福井県内に事業所を有する中小企業。みなし大企業は除外。地域団体商標なら商工会等もOK
まず補助率が1/2以内ってことは、かかった費用の半分まで面倒見てくれるってことですよね?
はい、その通りです!補助対象経費の半分を補助します。で、1企業あたりの上限は300万円。複数案件をまとめて申請しても、この範囲内です。
300万というと、だいたいどれくらいの出願がカバーできるんですかね?
ざっくり言うと、特許1件150万円が上限だから、特許2件で上限に達する計算ですね。ただし案件ごとに個別の上限があるので、そこは要注意。
特許が150万円で一番大きいんですね。実用新案・意匠・商標はそれぞれ60万円。で、抜け駆け対策商標が30万円か。
そう。抜け駆け対策商標っていうのは、日本で出願・登録済みの商標が海外で第三者に勝手に出願・登録されるのを防ぐための対策用です。額は小さいけど、実はめちゃくちゃ重要なんですよ。
| 区分 | 1案件あたりの上限額 | 補助率 |
|---|
| 特許 | 150万円 | 1/2以内 |
| 実用新案 | 60万円 | 1/2以内 |
| 意匠 | 60万円 | 1/2以内 |
| 商標 | 60万円 | 1/2以内 |
| 抜け駆け対策商標 | 30万円 | 1/2以内 |
この表、わかりやすいですね!企業全体で300万円ってことなら、たとえば特許1件150万円と商標1件60万円で合計210万円、残り90万円は別案件で使えるってことですか?
その計算で合ってます!複数案件の合計が企業上限300万円を超えなければOKです。ただし案件の数だけ申請が必要で、それぞれ書類を出す必要があります。
なるほど。申請の手間はかかるけど、チャンスは広いってことですね!
じゃあ次は、その補助対象になる経費の内訳を教えてください。
対象経費は大きく3つ。①外国特許庁への出願手数料、②それに要する国内代理人・現地代理人費用、③翻訳費用です。要は、海外で特許取るのに必要な費用、ほぼまるっと対象ってイメージでいいですよ。
翻訳費用も入るんですね!外国語の書類作成って専門家に頼むと高くつくから、そこが補助されるのは大きい!
そうなんです。特許の明細書なんて技術用語だらけで、自分で翻訳するのは無理ですからね。代理人費用も含めて、実質的に出願にかかるコストの半分が補助される仕組みです。
では対象者について詳しく教えてください。「中小企業者」ってよく聞くけど、具体的な基準はあるんですか?
ええ、この補助金では「中小企業者」または「中小企業者で構成されるグループ」が対象です。グループの場合は構成員のうち中小企業者が3分の2以上を占める必要があります。ただし、みなし大企業は対象外です。
みなし大企業って、資本金とか従業員数が大企業基準に達してなくても、実質的に大企業の支配下にある会社のことですよね?
そうです!具体的な条件が6つあります。たとえば、発行済み株式の半分以上を同じ大企業が持っているとか、役員の半分以上が大企業の役員・職員を兼ねているとか。あと、直近3年の課税所得の年平均が15億円を超える中小企業も除外されます。
15億円!そんなに稼いでる中小企業ってほとんどいないでしょうけど(笑)。念のためのチェック項目って感じですかね。
そうですね。心当たりがある方は、応募資格の詳細を必ず確認してください。特に資本関係や役員兼任には注意が必要です。
地理条件は「福井県内に事業所を有する中小企業」とありますが、本社が福井じゃなくても、福井に工場や支店があればOKですか?
事業所があればOKです。ただし、その事業所が実際に海外出願をする主体であることが前提になるでしょうね。業種は驚くほど広くて、農業から建設業、製造業、情報通信、サービス業まで、20業種近くカバーしています。
漁業とか鉱業、さらには公務まで入ってる(笑)。「分類不能の産業」ってのもありますね!
面白いでしょ!実質的にほとんどの業種が対象と考えていいでしょう。ただし、海外出願するだけの技術やブランドがあることが前提ですけどね。
申請するには、さらに4つの要件を満たさないといけないんですよね?
はい!これが超重要です。まず①応募時点で日本国特許庁に出願済みであること。②先行技術調査等で権利取得の可能性が否定されないこと。③権利を活用した事業展開を計画していること(または抜け駆け対策の意思があること)。④資金能力と資金計画があること。
①はわかりやすいですね。日本で先に出願していないとダメと。でも③の「事業展開を計画している」って、具体的にどんなことを書けばいいんですか?
たとえば「この特許技術を使った製品を今後2年以内にアメリカ市場に投入する」とか、ちゃんと具体的な計画を書く必要があります。「権利を取ったら満足」はダメで、その後の事業展開まで見据えていることを示さないと。
中小企業で構成されるグループで、構成員の3分の2以上が中小企業である必要があります。さらに、地域団体商標の外国出願については、商工会議所や商工会、NPO法人なども対象になります。
なるほど、地域のブランドを海外で守りたいときにも使えるんですね。例えば「越前がに」とか「若狭塗」とか。
その通り!そういう地域ブランドを海外で勝手に使われるのを防ぐために、この補助金を活用するケースもあるんですよ。
申請資格の簡易チャートあなたは福井県内に事業所がある中小企業ですか?
はい日本で特許/商標などを出願済み?
みなし大企業に該当しない?
海外での事業計画はある?
→ 申請資格あり!
いいえグループで3分の2以上が中小企業?
地域団体商標なら商工会等もOK
→ 条件次第で対象
もう一度対象経費を整理したいんですが、出願手数料と代理人費用と翻訳費用の3つだけですか?
そうです、この3つのみです。内訳を細かく言うと、外国特許庁への出願手数料と、それに必要な国内代理人・現地代理人の費用、そして翻訳費用。出願に関わる直接経費だけが対象になります。
じゃあ、たとえば出願のための打ち合わせの交通費とかは対象外?
残念ながら対象外です。あくまで「出願そのもの」にかかるコストです。あと、権利が成立した後の維持費(年金とか)も対象外ですね。
基本的には後払い(精算払い) です。まず自分で費用を立て替えて、事業完了後に報告して補助金を受け取る形になります。ですから、資金計画をしっかり立てておく必要があります。
あ、それが④の「資金能力と資金計画」に書いてあるってわけですね。確かに、まず自分で払えるだけの資金がないと申請できない。
その通り!「補助金がもらえるから申請しよう」じゃなくて、自社で出願費用を負担できることを証明するのが大事です。資金計画書はしっかり作りましょう。
対象経費と対象外経費- 外国特許庁への出願手数料
- 国内代理人・現地代理人費用
- 翻訳費用
×デメリット
- 出願前の調査・打ち合わせ費用
- 交通費・宿泊費
- 権利維持費(年金等)
- その他の間接経費
申請の流れを、具体的に教えてください。まず何から始めればいいですか?
まずGビズIDを取得していることが前提です。jGrantsという電子申請システムを使うんですが、これにはGビズIDアカウントが必要です。まだ持っていない人は、今すぐ取得しましょう。審査に1〜2週間かかることがありますから。
GビズIDはもう持ってます!でも、jGrantsで申請したら終わりじゃないんですよね?郵送も必要って。
そう、そこがこの補助金のミソ(笑)。jGrants上で入力しただけでは申請受付になりません。交付申請書と添付書類を郵送で送り、さらにWord版をメールで送付する、この3段構えなんです。
えっ、めんどくさ!でもそれだけ厳格にやってるってことですね。書類の不備で弾かれるのを防ぐ意味もあるのかな。
そうだと思います。書類提出先は公益財団法人ふくい産業支援センター オープンイノベーション推進部 オープンイノベーション推進室。福井市川合鷲塚町61字北稲田10、電話0776-55-1555です。
交付申請書と添付書類って、具体的に何が必要なんですか?
はい、特に大事なのは③の事業計画です。外国で権利を取得した後に、どう事業展開するのかを具体的に書く必要があります。あと、先行技術調査の結果も求められます。権利取得の可能性が明らかに否定されないことが条件なので、調査結果をちゃんと示せるようにしましょう。
もし採択されたら、どのくらいの期間で出願しないといけないんですか?
「年度内に行う予定」であることが要件です。令和8年度の二次公募なので、2027年3月末までに出願を完了する必要があります。採択されたら速やかに外国出願の手続きを進めましょう。
事業完了後5年間の状況調査があります。フォローアップ調査やヒアリングが実施されるので、権利の活用状況などを報告する必要があります。採択された企業名や所在地は公表されます。
5年も追跡されるんだ!でもそれだけ、ちゃんと事業に活かしてほしいっていう国のメッセージですね。
補助金申請の流れ- 1
1. GビズIDを取得
jGrants利用に必須。まだなら申請を。審査に1〜2週間
- 2
2. 公募要領を確認
ふくい産業支援センターHPから最新版をダウンロード
- 3
3. 書類を準備
交付申請書(Word)・添付書類(先行技術調査等)
- 4
4. jGrantsに入力
電子申請システムで基本情報を入力
- 5
5. 郵送+メールで提出
交付申請書(Word版)をメール、印刷したものを郵送
- 6
6. 審査・採択
書類審査後、採択通知。企業名と所在地は公表
- 7
7. 外国出願を実行
年度内に出願。費用は自己負担(後日精算)
- 8
8. 事業報告
完了後、実績報告書を提出。5年間の状況調査あり
まず形式的な要件が満たされているか。中小企業か、みなし大企業でないか、福井県内に事業所があるか、日本で出願済みか。これらがクリアされていないと門前払いです。
先行技術調査の結果と事業計画の具体性が大きなポイントです。権利取得の可能性が否定されないこと、そして権利をどう事業に活かすかが明確であること。「なんとなく海外で抑えときたい」では通りません。
なるほど。じゃあ、どういう準備をすれば採択されやすくなりますか?
まず先行技術調査はプロに頼むのがおすすめです。特許事務所に依頼すれば、権利化の可能性をきちんと評価してくれます。次に事業計画書は具体的な数字を入れること。いつ、どの市場に、いくらの投資で、どれだけの売上を見込むか。
具体的な数字、大事ですよね。ふわっとした計画だと説得力がない。
そう。あと、この補助金は優先権主張を前提としているので、日本の出願から1年以内という期限にも注意。特許の優先権は最初の出願から1年が原則ですから、タイミングを逃さないようにしましょう。
はい、可能です。ただし案件の数だけ申請が必要です。たとえば特許2件と商標1件なら、3つの申請書を提出します。各案件の上限を守りつつ、合計で企業上限300万円以内に収める必要があります。
さっきから気になってた「抜け駆け対策商標」について教えてください。普通の商標とどう違うんですか?
抜け駆け商標っていうのは、日本で出願・登録済みの商標を、海外の第三者が悪意を持って先に出願しちゃうことです。たとえば、福井のメーカーが「エチゼン」という商標を持っているのに、中国の業者が先に中国で「エチゼン」を登録しちゃう。そうすると、そのメーカーは中国で自社ブランドが使えなくなるんです。
残念ながら実在する問題です。この補助金では、そうした抜け駆けに対抗するための商標出願を「抜け駆け対策商標」として、1案件30万円まで補助します。通常の商標より上限が半分ですが、あくまで防衛目的なのでこの額設定なんです。
採択されたら5年間の調査があるとのことですが、具体的に何を聞かれるんですか?
権利を取得した後の事業展開の状況を確認されます。たとえば「この特許を使った製品は売れてる?」「ライセンスした?」「権利侵害はなかった?」みたいなこと。ちゃんと事業に活かしているかどうかをチェックするわけです。
なるほど。取ったら終わりじゃなくて、活用して初めて意味があるってことですね。
ここまで詳しく教えていただいて、ありがとうございました!最後に、この補助金のポイントを一言でまとめると?
「海外で事業を広げたい福井の中小企業にとって、外国出願のコストを半分にできる超お得なチャンス!」 です!ただし準備が大事。GビズIDの取得、先行技術調査、事業計画書、そして期日厳守。これを逃す手はありませんよ!
マジでありがたい制度ですね!二次公募の締切は 2026年7月31日。まだ時間はありますが、書類準備には時間がかかるから、今すぐ動き出したほうがいいですね!