室谷さん、今日は東京都の医療機関向け補助金を教えてください!「医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業補助金」……名前長いですね(笑)。
そうなんですよ、正式名称を言うだけで息切れしそうになる(笑)。でも中身はシンプルで、マイナンバーカードを公費負担医療や地方単独医療費助成の受給者証として使えるようにするためのシステム改修を支援する補助金です。
えっ、もうマイナンバーカードって健康保険証として使えるようになってますよね?それとは別なんですか?
よく気づきました!健康保険証としての利用とは別なんです。医療費助制度、つまり「子ども医療費助成」とか「ひとり親医療費助成」みたいな自治体独自の助成を受けるときに、今まで紙の受給者証を見せていたのを、マイナンバーカードでオンライン確認できるようにしようという取り組みです。
なるほど~。確かに、うちのクリニックでも患者さんが「受給者証忘れた」ってよく言いますもんね。それがマイナンバーカードで済むなら便利!
そういう現場の負担軽減と、行政手続きの効率化を目指したのがこの事業。東京都が実施していて、**PMH(Public Medical Hub)**っていうシステムに医療機関が接続するための改修費用を補助してくれるんです。
PMH……また新しい単語が出てきた(笑)。でも要するに、レセコンのシステムをちょっと改造すればいいってことですね?
そのとおり!レセプトコンピュータ(レセコン)の改修が主な対象です。デジタル庁が整備しているPMHっていう情報連携システムに接続する形になります。
わあ、これは医療機関や薬局にとって見逃せない制度ですね。さっそく詳しく聞いていきたいと思います!
まず気になるのはお金です!いくらもらえるんですか?
補助額は病院と診療所・薬局で異なります。病院は上限141,000円、診療所と薬局は上限18,000円。補助率はどちらも1/4(25%)です。
えっ、ちょっと待ってください。診療所は18,000円?え、少なくないですか?(笑)病院は14万ちょっともらえるのに。
確かに金額差は大きいですよね(笑)。でもこれはあくまで改修に必要な費用の1/4を補助するという仕組み。診療所の改修費用が比較的安価で済む可能性が高いから、上限が低く設定されているんだと思います。
なるほど。じゃあ例えば、診療所で改修に10万円かかったら、1/4で2.5万円、でも上限が18,000円だから実際にもらえるのは18,000円ってこと?
その計算、完璧です!少ない方の金額が適用されます。逆に改修費が5万円なら1/4で12,500円、上限の18,000円より低いから12,500円もらえる。
ふむふむ。じゃあ病院の場合は141,000円が上限。病院の改修費って結構かかりそうだから、56万4千円(141,000円÷1/4)以上の改修費なら満額もらえる計算ですね。
その通り。実際の改修費用の1/4が補助されて、上限を超えた分は自己負担になります。
補助率1/4ってことは、かなり大きな負担軽減にはならない気もしますが……。
確かに補助率だけ見れば高くないですが、この事業のポイントは制度移行を促進するための呼び水的な位置づけ。東京都が医療DXを推進するために用意した制度で、返済不要な補助金ですから、使わない手はないですよ!
それは確かに!返済不要ならありがたく申請したいですね。
それと、補助額は消費税別扱いかどうかは要綱を確認する必要がありますが、一般的に補助金の対象経費は消費税抜きで計算されることが多いです。
あ、大事なポイントですね。申請前にしっかり計算しておかないと。
対象は東京都内に所在する医療機関または薬局です。具体的には、病院、診療所、薬局ですね。個人開業の先生でも、法人の医療法人でもOK。
都内だけでいいんですね。あ、でもそうか、この補助金自体が東京都の事業だから当然か。
その通り。東京都の補正予算で実施しているので、対象地域は東京都のみ。他の都道府県には別の補助金があるかもしれませんが、ここでは東京都版について説明しますね。
応募資格って、公募要領に書いてあるんですよね?「交付要綱第4条のとおり」としか書いてなくて、素人にはわかりにくいんですが……。
そうなんですよ。「第4条のとおり」って言われても困りますよね(笑)。ただ公式情報から読み解けるのは、医療DX推進に向けた意思がある医療機関で、PMH接続のためのシステム改修を実施する意思があること、という要件が考えられます。
申請には交付申請書兼実績報告書という様式を使います。これはjGrantsからダウンロード可能。他にも別記第1号様式別紙1というExcelファイルや、必要に応じて委任状などが必要です。
そうです。例えば税理士さんやシステムベンダーさんが代理で申請する場合に必要。ただし、この補助金は代理申請が不可とjGrantsに明記されています。あくまで医療機関自身が申請主体になる必要があります。
あら、じゃあ代行業者に任せられないんですね。自分でやらないと。
ただ、書類作成をベンダーに手伝ってもらうのはOKだと思います。申請自体は医療機関の代表者がjGrantsからログインして行う必要がありますけどね。
従業員数の条件はありますか?よく「中小企業限定」とかあるじゃないですか。
今回の補助金は従業員数の制約なしと明記されています。従業員が1人の小さなクリニックでも、大病院でも同じ条件で申請できます。
それはありがたいですね!規模関係なく使えるのはいい。
じゃあ具体的に、どんな費用が補助対象になるんですか?
PMH接続に必要なシステム改修等に係る費用です。具体的には、レセコンのプログラム改修費、PMH接続のための設定作業費、テスト費、導入支援費などが想定されます。
PMH接続に直接必要な改修であれば、レセコンに限らず対象になる可能性はあります。ただ、明確な線引きは公募要領で確認する必要があります。例えば、電子カルテの改修がPMH接続に必須なら対象になるかもしれませんが、そうでなければ対象外になる可能性も。
なるほど。グレーゾーンは問い合わせた方が良さそうですね。
一般的な補助金の考え方として、システム改修以外の人件費(職員の研修費など)や、PMH接続と関係ない一般のシステム更新費は対象外でしょう。また、自社で改修を行った場合の内部人件費も、明確に計上できないケースが多いです。
あと、ハードウェアの購入費は?新しいサーバー買ったりする必要があれば。
そこは公募要領を要確認ですね。PMH接続に必要な機器であれば可能性はありますが、提示された事実には「システム改修」としか書かれていません。私は「設備整備・IT導入」と使途にありますから、ソフトウェア改修が主だと思いますが、ハードまで含むかは断言できません。
補助対象経費の目安- レセプトコンピュータの改修費
- PMH接続設定作業費
- テスト費
- 導入支援費
×デメリット
- 一般のシステム更新費
- 職員研修費
- 内部人件費
- PMH接続と無関係のハード購入費
大事なポイントです!この補助金には消費税及び地方消費税に係る仕入控除税額の報告が必要です。過年度に補助金を受けた事業者は、令和8年9月30日までに報告書を提出しなければなりません。
えっ、補助金をもらった後に消費税の報告義務があるんですね。
そうです。補助金は課税売上に当たるため、消費税の申告で仕入控除税額を調整する必要があります。手引きとしては**「仕入控除税額に関する計算シート」**が公開されていますので、それを使って計算します。
ややこしそう……。でもきちんとやらないと後で問題になりそうです。
大きく分けてこんなステップです。まずGビズIDを取得(まだ持っていない場合)、次に公募要領と交付要綱を確認、そしてシステム改修を実施、最後にjGrantsから申請という流れ。
そうなんです!この補助金の特徴で、交付申請書兼実績報告書という様式を使います。つまり、先にシステム改修を完了してから、その実績をもとに申請する方式。前払いではなく**後払い(精算払い)**ですね。
あ、じゃあまず自費で改修して、後でお金が戻ってくるパターン。資金繰りに注意が必要ですね。
【令和8年度】補助金申請の流れ- 1
1. GビズIDの取得
https://gbiz-id.go.jp から手続き。まだの場合は早めに。
- 2
2. 公募要領・交付要綱を確認
jGrantsのページからPDFをダウンロード。対象経費と要件をチェック。
- 3
3. システム改修の実施
PMH接続に必要なレセコン改修を実施。見積もりや契約書を保管。
- 4
4. 申請書類の作成
交付申請書兼実績報告書(別記第1号様式)と別紙1を記入。
- 5
5. jGrantsから電子申請
必要書類を添付して送信。代理人の場合は委任状も。
- 6
6. 交付決定と入金待ち
東京都事務局が審査。問題なければ交付決定通知が届き、後日入金。
ステップ3で「まず改修してから」っていうのがポイントですね。通常の補助金って事前申請が多いイメージだったので、ちょっと戸惑います。
よくある補助金は「交付決定前に発注したら対象外」というルールがありますが、この補助金は改修完了後に申請する方式なので、順番が逆なんです。ですから、慌てて申請する必要はなく、しっかり改修してからまとめて申請すればOK。
でも、申請期限はあるんですよね?いつまでに終わらせればいいですか?
申請期限は令和9年2月26日まで。ただし、予算上限に達したら早期終了する可能性があるので、改修が完了したらすぐに申請するのがベストです。
GビズIDってどうやって取得するんですか?初めてでよくわからなくて。
取れます!個人事業主用のGビズID(gBizIDプライム)があります。マイナンバーカードを使えば即時発行も可能なので、まだの方は早めに準備しましょう。
審査ってどんなところを見られるんですか?落ちる可能性もある?
この補助金は予算の範囲内での先着順の可能性が高いです。申請内容に不備がなければ基本的に採択されるタイプだと思います。ただし、予算が尽きたら終了なので、早い者勝ちの要素が強い。
じゃあ、とにかく早く申請した方がいいってことですね。
ただし、書類の不備があると戻されて、その間に予算が尽きるリスクもあります。正確な書類作成が何より大事。特に交付申請書兼実績報告書の記入漏れや、添付書類の不足に注意。
じゃあ、スムーズに通すためのコツを教えてください!
まず、改修前に公募要領をしっかり読むこと。対象経費の範囲を確認して、不要な支出をしない。次に、見積書や領収書をきちんと保管すること。実績報告が必要なので、改修費用の証拠書類が必須です。
そして、申請書類はチェックリストを使ってダブルチェック。特に別紙1のExcelは計算式が入っているので、数字が合っているか確認。もし不安なら、東京都マイナンバーカード利活用推進事業事務局に電話で問い合わせるのも手です。0120-979-850、平日9時~17時。
予算上限に達したら終了って書いてありましたけど、どのくらいのペースで埋まるんでしょう?
そこは公表されていないので何とも言えません。ただ、令和8年7月15日から令和9年2月26日までの長期間募集ですが、早い時期に予算が尽きる可能性も。改修が完了したらすぐに申請するのが鉄則です。
確かに。ギリギリまで待ってる間に終わっちゃったら悲しいですもんね。
じゃあ、スケジュールを時系列で整理してもらえますか?
【令和8年度】補助金スケジュール2026年7月15日
募集開始・申請受付開始
同日にjGrantsで受付開始。公募要領も公開。
~2027年2月26日
申請期限
ただし予算上限に達したら早期終了。過年度消費税報告期限は2026年9月30日。
2027年3月31日
事業終了(募集期間終了)
jGrantsの基本情報では募集期間2026-07-15~2027-03-31。ただし申請期限は2027年2月26日なので注意。
あれ、募集期間が3月31日までなのに、申請期限は2月26日って矛盾してません?
よく気づきましたね!jGrantsの基本情報には募集期間2026-07-15~2027-03-31と書いてありますが、公式詳細には申請期限は令和9年2月26日と明記されています。つまり、申請書の提出期限は2月26日までで、その後3月31日までは審査や事務処理の期間と考えるべきでしょう。
なるほど~。だから2月26日を過ぎたら受け付けてもらえない。絶対にそれまでに申請しなきゃ。
もう一つ重要なのが、過年度に補助金を受けた医療機関向けの消費税報告期限が令和8年9月30日まであること。これは前年度分の報告なので、該当する方は忘れずに。
あ、これ新規申請とは別物ですね。過去にもらった人の報告義務。
そうです。新規申請者は今年度分の消費税報告は後日行うことになりますが、過去に受けた人は今年の9月末までに報告書を提出しないといけません。
基本はjGrantsからの電子申請です。郵送は想定されていません。GビズIDでログインして、各種様式をダウンロード・記入・アップロードという流れ。
PDFやExcelの様式はどこからダウンロードするんですか?
jGrantsの補助金詳細ページの「詳細」欄からダウンロードできます。交付申請書兼実績報告書(別記第1号様式)、別紙1(Excel)、委任状などが用意されています。
必要な書類を一式ダウンロードして記入すればいいんですね。
私は複数のクリニックを経営しているんですが、それぞれで申請できますか?
一つの法人でも、所在地が異なる拠点ごとに申請できます。病院と診療所を併設している場合は、それぞれの区分で申請可能。ただし、同一拠点で二重申請はできません。
じゃあ、クリニックAとクリニックB、それぞれ別に申請すればOKと。
ただ、GビズIDは法人として1つで大丈夫。申請時に拠点情報を正しく入力すれば、まとめて管理できます。
この補助金と他の補助金を併用できますか?例えば、東京都の別のIT導入補助金とか。
公募要領で確認が必要です。一般的に、同じ経費に対して複数の公的補助金を受けることはできません(重複禁止)。ただし、別々の経費であれば併用可能な場合もあります。必ず要綱を確認してください。
あと、このシステム改修以外にも補助対象になるものがあれば知りたいです。
繰り返しになりますが、PMH接続に直接必要な改修が対象。例えば、PMH接続のためのネットワーク回線工事や、セキュリティ対策ソフトの導入が対象になるかどうかは、事務局に問い合わせるのが確実です。
最後に、この補助金の基本情報を表でまとめてもらえますか?
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 【令和8年度】医療機関等におけるマイナンバーカード利活用推進事業補助金 |
| 実施機関 | 東京都(マイナンバーカード利活用推進事業事務局) |
| 補助上限額 | 病院:141,000円、診療所・薬局:18,000円 |
| 補助率 | 1/4(改修費用の25%) |
| 対象地域 | 東京都内 |
| 対象業種 | 医療、福祉(病院、診療所、薬局等) |
| 使途 | 設備整備・IT導入(PMH接続のためのシステム改修) |
| 募集期間 | 2026年7月15日~2027年3月31日(ただし申請期限は2月26日) |
| 申請方法 | jGrantsによる電子申請(GビズID必須) |
| 問い合わせ先 | 東京都マイナンバーカード利活用推進事業事務局 TEL:0120-979-850(平日9時~17時) |
| 公式URL | jGrants詳細ページ |
補助金申請のポイントは、とにかく早く、正確に。GビズIDの取得から始めて、改修が終わったらすぐに書類をまとめて申請。疑問があれば事務局に電話で確認するのが一番です。
マイナンバーカードの利活用推進は国の方針でもありますし、これを機に導入を検討してみたいと思います。室谷さん、今日はありがとうございました!
いえいえ、ぜひ活用してください!それでは、また次の補助金情報でお会いしましょう!