室谷さん、今日は「BCP実践促進助成金」の連携型ですね。BCPって防災の計画を立てるやつですよね。それが助成の対象になるなんて、ちょっと意外です!
そこがこの助成金の面白いところです。制度の概要には、BCPは作成しただけでは実効性がなく、実践に必要な物品を設置・備蓄しておくことが必要だと書かれています。
計画づくりじゃなくて、モノをそろえるほうにお金が出る、と。
ええ。非常食のように、備蓄しておくべき基本的な物品だけど、平常時の事業活動には必須ではないもの。その設置・備蓄を支援して、BCPの実効性を高めようという設計です。
そこが肝なんですね。普段使わないものだから、どうしても後回しになりますから。
まさに。令和3年度からは、地震や水害で基幹システムが損傷すると企業活動が困難になるという理由で、基幹システムのクラウド化も、BCPの補完という趣旨なら対象になっています。
制度にこう書かれています。グループ会社や関連会社など他事業者との共用を想定していない物品・器具・設備なら、使う事業者が自ら単独型で申請してください、と。逆に、共用する前提の備蓄をとりまとめて出すのが連携型です。
そして連携型には大前提があります。中小企業強靱化法に基づく「連携事業継続力強化計画」に申請して、認定を受けていること。ここが最初の関門です。
計画の認定が先なんですね。順番を間違えると出遅れます。
しかも代表者は認定時と同一であること、参加者も認定時に連携へ参加していること。あとからメンバーを足す、というのは認められていません。
BCP実践促進助成金 連携型の特徴計画の認定が前提
連携事業継続力強化計画の認定を受けた事業者が対象
備蓄とクラウド化を支援
実践に必要な基本物品の設置・備蓄と、基幹システムのクラウド化
複数事業者で申請
代表者が主体となり、参加者と共同で助成事業を実施する
助成率2分の1以内
上限1,000万円、クラウド化は300万円が別枠の上限
で、いくら出るんですか? そこが一番気になります!
助成率は助成対象経費の2分の1以内。助成限度額は1,000万円です。これはクラウド化を含めた金額です。
ただ、クラウド化の助成額には別の枠があって、そこは300万円が上限。1,000万円の中にクラウド分が含まれる形です。
2分の1だから、経費2,000万円で上限に届く計算になりますね。
そのとおりです。クラウド化だけなら経費600万円で300万円、という目安になります。詳しい扱いは公募要領の記載も合わせて確認してください。
下限額は10万円です。これに満たないと助成が出ないので、備蓄のリストを組むときに足りているか確認してください。
もう一つ大事なのが助成対象期間。令和8年12月1日から令和9年3月31日までの4か月以内です。
4か月! 意外と短い。発注が遅れると間に合いませんね。
募集期間も令和8年9月9日から9月15日までと短めです。1週間しかないので、なおさら事前準備がものを言います。
募集から実施までのスケジュール令和8年9月9日〜15日
募集期間
ポータル上でログインして申請する形式
令和8年12月1日
助成対象期間スタート
設置・備蓄・クラウド化を進められる期間
令和9年3月31日
助成対象期間の終了
4か月以内に完了させる
対象期間の終了後
完了報告・完了検査
代表者を中心に参加者も対応
まず、代表者と参加者のすべてが「連携事業継続力強化計画」に申請し、認定を受けていること。これが連携に関する要件の一番最初に来ます。
加えて、代表者は計画の認定時と同一であること、参加者も認定時に連携に参加していることが求められます。それから申請日時点で、代表者と参加者が中小企業者・中小企業団体・個人事業主のいずれかに該当している必要があります。
いけます。法人か個人かで求められる書類は変わってくるので、そこは募集要項で確認してください。
代表者は申請・審査・完了報告・完了検査までを主体となって対応します。さらに参加者と共同で助成事業を実施し、運営・管理の責任も負います。
物品や設備の支出負担割合についても、とりまとめて管理する責任があります。参加者側も、審査や交付決定後の完了検査に対応できることが必要です。
そして助成対象経費は、代表者と参加者の間での取引ではないこと。ここも外せない条件です。
申請日時点で、代表者と参加者全体の過半数が、東京都内に登記簿上の本店か支店を有していて、都内で実質的に1年以上事業を行っていること。代表者自身は、都内に本店か支店がある必要があります。
ダメです。単に登記や建物があるだけでなく、客観的にみて都内に根付く形で事業活動が実質的に行われていること。申請書、ホームページ、名刺、看板や表札、電話連絡時の状況、事業実態や従業員の雇用状況から総合的に判断されます。
名刺や看板まで見られるんですか! 細かいところまで見るんですね。
個人の場合は、開業届を提出して東京都内で営業していることが条件になります。
都内の要件を満たさないメンバーがいたら、お手上げですか?
そんなことはありません。過半数の要件に該当しない場合は、東京都を除く首都圏、つまり茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・神奈川県・山梨県に本店か支店を有していることが条件になります。
個人なら、開業届を提出して、東京都を除く首都圏の7県で営業していることが条件です。自分のケースがどちらに当たるかは、募集要項で照合してください。
ここは申請前に全員で確認したほうがよさそうですね。
対象地域の要件をチェック代表者と参加者の過半数が都内で1年以上事業を行っている?
いいえ東京都を除く首都圏7県の要件を確認
個人は開業届と営業実態が必要
中心は、BCP対策用品のうち、企業の経済活動に必須とはいえない基本的な物品等の設置・備蓄です。非常食がその代表例として挙げられています。
もう一つが基幹システムのクラウド化です。地震・水害などでシステムが損傷すると企業活動が困難になるので、BCPの補完という趣旨で実施する場合に対象になります。
ただしクラウド化の助成額の上限は300万円です。物品と合わせて1,000万円が限度、という関係を覚えておいてください。
グループ会社や関連会社など他事業者との共用を想定していない物品・器具・設備は、連携型ではなく、使う事業者が自ら単独型で申請してください。連携型で出しても対象外になります。
あとは、代表者と参加者の間での取引になっている経費。これは助成対象経費にならないと明記されています。
それと下限10万円割れですね。せっかく備蓄をそろえても、助成額が10万円に届かないと助成が出ません。
あります。物資名、個数、設置場所、必要な理由を必ず記載してください。この4つがそろって初めて、実践の裏付けが見えます。
あわせて、連携事業継続力強化計画の認定を受け、その内容に基づいて作成したBCPを提出できることも要件です。計画とBCPがずれていると通りません。
計画がベースにあって、その上でBCP、という順番なんですね。腑に落ちました。
対象になるもの・注意したいもの- BCPの実践に必要な基本的な物品等の設置・備蓄
- 非常食などの備蓄品
- 基幹システムのクラウド化(BCPの補完として実施する場合)
- 助成率は2分の1以内、上限1,000万円、下限10万円
×デメリット
- 他事業者との共用を想定していない物品は単独型で申請
- 代表者と参加者の間の取引は対象外
- クラウド化の助成額は300万円が別枠の上限
- BCPに物資名・個数・設置場所・必要な理由の記載が必須
まず連携事業継続力強化計画の認定を取ること。計画自体、電子申請システムで受け付けられています。ここが第一歩です。
電子申請なので、ログインに必要なIDの種類や事前登録の要否は公募要領で要確認です。IDの発行に時間がかかると受付に間に合わないので、9月9日の募集開始前に済ませておくのが安全です。
次に、認定内容に基づいてBCPを作り、物資名・個数・設置場所・理由を書き込んで、令和8年9月9日から9月15日の募集期間に申請します。
助成対象期間は令和8年12月1日から令和9年3月31日までの4か月以内です。この期間で設置・備蓄・クラウド化が終わるように組み立ててください。
発注して、納品して、設置して、4か月。ぎりぎりですね。
完了報告と完了検査もあります。参加者も検査等に対応できるようにしておくこと。ここまで含めて助成事業です。
対象期間の初日は令和8年12月1日ですから、そこから逆算して発注時期を設計しておいてください。
申請から完了までの流れ- 1
連携事業継続力強化計画の認定
代表者と参加者の全員が認定済みであることを確認
- 2
電子申請の準備
必要なIDや事前登録は公募要領で要確認
- 3
BCPを作成
物資名・個数・設置場所・必要な理由を必ず記載
- 4
- 5
- 6
対象期間内に実施
令和8年12月1日から令和9年3月31日まで
- 7
出発点は、その備蓄が実践につながるかどうかです。BCPに物資名・個数・設置場所・必要な理由が書かれているかどうかで、実効性が伝わります。
クラウド化なら、不測の事態で基幹システムが損傷したときに企業活動が困難になる、という補完の趣旨に沿っているかが問われます。
そこはBCPの実践のため、という筋を通してください。連携事業継続力強化計画の内容とBCPがそろっているかも見られます。
一つは、共用を想定していない物品を連携型で出してしまうケース。これは単独型で申請してください、と明記されています。
次に、代表者や参加者が認定時と変わっているケースです。計画の認定時とメンバーが同一でないと、要件を満たしません。役員変更などの扱いは募集要項で確認してください。
あとは経費の下限10万円割れ、対象期間の4か月を超える、代表者と参加者の間の取引になっている。この3つも落とし穴です。
軸はシンプルです。その物品や設備を、グループ会社や関連会社など他事業者と共用する前提かどうか。
制度にも、他事業者との共用を想定していない物品・器具・設備の購入や設置は、使用する事業者が自ら単独型で申請してください、と書かれています。取り違えると対象外になります。
単独型の金額や要件は、この記事で扱った連携型とは別に定められています。判断に迷ったら、公社の03-3251-7889に確認してください。
計画の認定には、税制措置や金融支援、補助金の加点といった措置があります。たとえば中小企業防災・減災投資促進税制では、認定を受けた事業者が計画に記載された対象設備を取得し事業の用に供した場合に、**特別償却16%**の措置が受けられます。
適用には期間の条件があります。令和元年7月16日から令和9年3月31日までの間に認定を受けた事業者が、認定を受けた日から1年を経過する日までに取得等をした場合です。
細かい条件は実施要領で確認ですね。助成金と税制、両方見ておく価値があります。
連携型と単独型の使い分け| 項目 | 連携型(今回の制度) | 単独型(共用を想定しない物品) |
|---|
| 対象となる物品 | グループ会社や関連会社など他事業者との共用を想定した物品・器具・設備 | 他事業者との共用を想定していない物品・器具・設備 |
| 申請する主体 | 代表者が申請・審査・完了報告・完了検査を主体的に対応 | 使用する事業者が自ら申請 |
| 参加者 | 参加者も審査や完了検査に対応できること | 単独型の要件は公募要領で要確認 |
| 前提となる計画 | 連携事業継続力強化計画の認定 | 単独型の計画要件は公募要領で要確認 |
| 補助上限と補助率 | 上限1,000万円、助成対象経費の2分の1以内 | 単独型の金額は公募要領で要確認 |
今から準備して9月の受付に間に合いますか? 1週間は厳しいですよ(笑)。
募集期間は令和8年9月9日から9月15日までです。まず連携事業継続力強化計画の認定が必要なので、それが済んでいないと間に合いません。
認定済みで、BCPに4項目が書けているなら、窓口に相談しながら準備を進める価値はあります。認定から始める場合は、時間に余裕をもって計画の認定を先に進めておくのが現実的です。
対象業種には、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉、複合サービス事業、鉱業・採石業・砂利採取業、分類不能の産業などが並んでいます。
かなり多くの業種が入っているんですね。従業員数の上限はあるんですか?
従業員数の制約はありません。ただし法人・個人の要件として、中小企業者・中小企業団体・個人事業主のいずれかに該当することが必要です。
この助成金は、安全・防災対策支援がほしい場合の区分に当たります。自然災害など不測の事態に備える対策への支援、という位置づけです。
防災の備蓄やシステムの守りを考えているなら、ぴったりなんですね。
ええ。ただし対象になるのは、あくまでBCPの実践に必要な物品等と、補完としてのクラウド化です。目的に沿うかどうかは公募要領で確認してください。
分からないことがあったら、どこに聞けばいいですか?
この助成金の問い合わせ先は、公益財団法人 東京都中小企業振興公社 企画管理部 設備支援課。電話は03-3251-7889です。
計画の申請に関する相談は、茨城県から山梨県までのエリアなら関東経済産業局 中小企業課、電話は048-600-0394が窓口です。連携型の認定後のフォローアップは中小企業基盤整備機構が行っています。
まず連携事業継続力強化計画の認定。メンバーは認定時と同一で、代表者と参加者の過半数が都内で1年以上事業を行っていること、代表者は都内に本店か支店が必要です。
金額は、助成率が助成対象経費の2分の1以内、上限が1,000万円、下限が10万円、クラウド化は300万円が別枠の上限。実施は令和8年12月1日から令和9年3月31日までの4か月以内です。
期間が短いから逆算が大事ですね。完璧に腑に落ちました!
そしてBCPには物資名・個数・設置場所・必要な理由を必ず記載。共用する備蓄なら連携型、共用しないなら単独型。迷ったら03-3251-7889へ。今日はここまでです。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 令和8年度 第2回BCP実践促進助成金 連携型(R82BCPREN) |
| 実施機関/事業名 | BCP実践促進助成金(連携型) |
| 助成率 | 助成対象経費の2分の1以内 |
| 助成限度額 | 1,000万円(クラウド化を含む。クラウド化の助成額の上限は300万円) |
| 下限額 | 10万円 |
| 募集期間 | 令和8年9月9日〜令和8年9月15日 |
| 助成対象期間 | 令和8年12月1日〜令和9年3月31日(4か月以内) |
| 対象地域 | 茨城県/栃木県/群馬県/埼玉県/千葉県/東京都/神奈川県/山梨県 |
| 問い合わせ先 | 東京都中小企業振興公社 企画管理部 設備支援課 TEL 03-3251-7889 |
| 公式URL | https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDeTVMA1 |