室谷さん、今日はNEDOの公募を扱うんですよね。名前が長すぎて、口に出しただけで疲れるんですが(笑)。
正式には「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(社会課題解決に向けた量子コンピュータ次世代機開発・実証の加速)」(g12-2:部素材)の追加公募です。長い!でも中身はシンプルで、量子コンピュータを支える部素材を開発する実施者を募集しています。
部素材って、つまり部品や素材のことですよね。極低温冷凍機とレーザーが対象だと聞きました。
その通りです。実施機関は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、通称NEDO。事業分類は「研究(委託、共同研究、補助)」で、技術・事業分野は量子、プロジェクトコードはP26008です。
なるほど!ただの補助金というより、国の研究開発プロジェクトの実施者募集という性格が強いんですね。
そうなんです。だからこそ、設備を買いたいという話ではなく、研究開発計画に沿った提案が求められます。まずは何を作るのかを一緒に見ていきましょう。
そもそも、なぜ追加公募という形になったんでしょう?
NEDOは、この追加公募について2026年8月6日と9月9日付で公募予告を行っていたと公表しています。そのうえで、2026年10月14日に本公募をスタートさせました。予告から満を持しての募集開始ですね。
ほんとに?2か月近くかけて準備してきたということか。気合の入り方が違いますね。
背景には世界的な研究開発競争の激化があります。NEDOは、国内企業からも量子コンピュータ本体を含む大規模な次世代機システム開発の取り組みが相次いで発表され、我が国の開発が要素技術中心の段階からシステム実装を見据えた段階へ移行しつつあると説明しています。
マジですか。そこで部素材がボトルネックになったら、本体の開発まで止まってしまう。
その通りで、この機を逃さず産業化への取り組みを加速することが不可欠だとNEDOは位置づけています。だからこそ、部素材の追加募集という形になったんですね。
国全体の方針の中では、どういう位置づけなんですか?
「日本成長戦略会議」が2025年11月に示した重点17分野の一つに「量子」が入っています。さらに内閣府の「量子エコシステム構築に向けた推進方策」では、研究開発からユースケース創出までを官民連携で一体的に推進する方向性が示されました。
なるほど!国を挙げての重点テーマなんですね。すごい規模の話になってきた。
そうなんです。NEDOも2030年頃の量子コンピュータの産業化の実現を目指すと明言しています。今回の部素材開発は、その大きな目標に向けた一歩という位置づけです。
壮大すぎて(笑)。でも、そう聞くと応募する側も気合が入りますね。
この公募の3つの特徴量子コンピュータの部素材が対象
極低温冷凍機システムとレーザーの2テーマを追加募集
研究(委託、共同研究、補助)
事業分類は研究。技術・事業分野は量子、プロジェクトコードはP26008
企業も大学等も対象
対象者は企業(団体等を含む)、大学等。従業員数の制約なし
具体的に、今回募集されているテーマを教えてください!
2つあります。ひとつは極低温冷凍機システム、もうひとつはレーザーです。それぞれ順番に詳しく見ていきましょう。
1つ目の極低温冷凍機システムって、そもそも何なんですか?
整理番号でいうと(g12-2-1)です。量子コンピュータを動かすには極低温の環境が必要で、その冷凍機システムそのものを開発するテーマになります。NEDOは極低温冷凍機やレーザー等を「中核的な部素材」と呼んでいます。
極低温って、もう想像を絶する寒さですよね。そこを国産で作れるようにしたいと。
その通りです。NEDOは、量子コンピュータを国内で開発・製造できる能力を確立し、世界市場の獲得も見据えた関連サプライチェーンの競争力向上を図るとしており、冷凍機はまさにその要になる部素材です。冷やせなければ量子ビットが動きませんからね。
なるほど!地味に見えて、一番クリティカルな部分かもしれない。
(g12-2-2)レーザー駆動型大規模量子コンピュータに向けたレーザー開発です。こちらも同じく部素材の開発テーマで、名称からレーザーで駆動する大規模な量子コンピュータを見据えていることが分かります。
冷凍機とレーザー、まったく方向性の違う2本柱なんですね。
そうなんです。NEDOは「つくる」の取り組みとして、g12-1で国産量子コンピュータシステムの大規模開発、g12-2で極低温冷凍機やレーザー等の中核的な部素材、g12-3で量子誤り訂正を前提としたソフトウェア・プラットフォームを一体的に開発する構成を示しています。
なるほど!3つがかみ合って初めて成り立つわけか。どれが欠けてもダメだと。
そのうえで「つかう」としてg12-4の大型実証、「そだてる」としてb-2の人材育成があります。次は、みなさんが一番気にしているお金の話にいきましょう!
ここが最大の関心事ですよ。ずばり、いくらもらえるんですか?
はっきりお伝えします。jGrantsの掲載情報では補助上限額が「-」となっていて、金額は公表されていません。NEDOの公募ページにも補助上限額の記載はありません。
えっ、そうなんですか!金額が分からないと、社内の稟議だって通しにくいですよね。
そうなんです。だからこそ公募要領で要確認です。掲載されている公募要領をダウンロードして、そちらで確認する必要があります。
ほんとに?じゃあ、まず公募要領を手に入れるところからスタートですね。
その通りです。ここで推測で金額を語るのは絶対に避けてください。研究開発の委託・共同研究・補助という形態なので、金額は案件ごとに決まるものと考えられます。
こちらもjGrantsの掲載情報には記載がありません。補助率についても公募要領で要確認です。
なるほど。上限額も補助率も、公式の要領を見ないと分からないと。
はい。ただ、事業分類は「研究(委託、共同研究、補助)」とされています。複数の契約形態があり得るので、採択の形によって条件が変わる可能性があります。詳しい条件は交付規程の確認が必要です。
あります。「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業費補助金交付規程(577KB)」が公開されています。公募要領と合わせて、必ず目を通してください。
ではどうぞ。jGrantsとNEDOの公開情報を1枚にまとめると、こうなります。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業(社会課題解決に向けた量子コンピュータ次世代機開発・実証の加速)」(g12-2:部素材)の追加公募 |
| 実施機関 | 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) |
| 補助上限額 | 公募要領で要確認(jGrantsでは「-」表記) |
| 補助率 | 公募要領で要確認(jGrantsに記載なし) |
| 募集期間 | 2026年10月14日〜2026年11月16日 |
| 応募期限 | 2026年11月16日(月)正午まで |
| 対象地域 | 全国 |
| 対象業種 | 学術研究、専門・技術サービス業 |
| 対象者 | 企業(団体等を含む)、大学等 |
| 従業員数の上限 | 従業員数の制約なし |
| 事業分類 | 研究(委託、共同研究、補助) |
| 技術・事業分野 | 量子 |
| プロジェクトコード | P26008 |
| 事業期間 | 2027年度〜2028年度 |
| 公式URL | https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WfQ000003CYIjUAO |
見やすい!締切が2026年11月16日の正午というのが、じわじわ効いてきますね。
そうなんです。しかもNEDOは「応募状況等により、公募期間を延長する場合があります」と注意喚起しています。延長されるかどうかは誰にも分からないので、締切前提で動くのが安全です。
マジですか。後回しは禁物ですね。今日から動きます。
NEDOの募集要項では、対象者が「企業(団体等を含む)、大学等」とされています。企業も、大学などの研究機関も応募できる形です。
はい。jGrants側の業種区分では「学術研究、専門・技術サービス業」となっていて、従業員数の制約はなしと記載されています。
従業員数の縛りがないのはありがたい!規模の小さな研究開発型企業でも狙えるチャンスなんですね。
そうですね。ただ、研究開発の中身が問われるので、規模の大小より提案の質が勝負になります。
jGrantsでは学術研究、専門・技術サービス業が対象業種として掲げられています。ただしNEDOの対象者は「企業(団体等を含む)、大学等」なので、自分の形態が当てはまるか迷う場合は、問い合わせて確認するのが確実です。
なるほど。判断に迷ったら、自分で決めずに直接聞くのが早いと。
そうしてください。問い合わせ先はNEDOのAI・ロボット部で、担当は橋間さんと瀧澤さんです。メールはP5G-quantum[]ml.nedo.go.jpで、[]を@に変えて送ります。
経費の細目は公募要領で要確認ですが、性格ははっきりしています。今回の公募は「極低温冷凍機システムの開発」と「レーザー駆動型大規模量子コンピュータに向けたレーザー開発」という研究開発そのものを対象にしたものです。
なるほど。研究開発にまつわる費用だと考えればいいんですね。
はい。前提として、研究開発計画に沿った取り組みであることが求められます。その研究開発計画は経済産業省のウェブサイトを参照する形になっています。
計画を読まずに経費だけ考えるのは危険だと。順番が大事ですね。
その通りです。まず計画、次に公募要領、そして経費。この順番で確認してください。
この公募のメリット・注意点- 返済不要の研究開発資金として活用できる
- 従業員数の制約がなく企業も大学等も応募できる
- 部素材という中核領域で国産能力の確立に貢献できる
×デメリット
- 補助上限額・補助率が公表されておらず公募要領での確認が必要
- 持参・郵送・FAX・E-mailは原則受け付けずJグランツ申請が必須
- 応募期限が2026年11月16日正午とタイト
本事業の枠外にあたる活動の費用は対象外になると考えられます。ただ、具体的な線引きは公募要領に書かれています。ここで推測で判断するのは避けてください。
ほんとに?自己判断で申請して、後から返還なんてことになったら怖すぎます。
そうならないために、公募要領と交付規程、そして提出書類一式をダウンロードして読み込む。これらはNEDOのページに公開されています。
電子申請システムJグランツ上で応募申請します。NEDOの公募ページに「Jグランツで申請する」というボタンがあり、そこから手続きする流れです。
郵送やメールでもいいんですか? 書類が厚そうだから、送ったほうが楽かなと。
そこは要注意です。持参、郵送、FAX又はE-mailによる提出は原則受け付けません。余裕をもって提出してくださいとNEDOが明記しています。
えっ、それは知らなかった!紙で送ればいいと思っていました。危ない危ない。
そういう方がいらっしゃるんですよ(笑)。Jグランツでの電子申請が前提なので、アカウントまわりの準備を早めに始めてください。
今回の公募では説明会を実施しないと明記されています。その代わり「公募説明会資料(1.2MB)」が配布されているので、それを確認する形になります。
なるほど。会場に足を運ばなくても、資料で情報は追えると。
はい。さらに「事前相談申込書フォーマット(10KB)」も用意されていて、事前相談を受け付けています。疑問点は早めに解消しておくのがおすすめです。
これは心強い!締切前に相談できるのは大きいですね。
そうなんです。次は、応募から審査までの流れを図で見てみましょう。
応募から審査までの流れ- 1
NEDOの公募ページを確認
公募要領・交付規程・提出書類一式をダウンロード
- 2
- 3
事前相談を申し込む
事前相談申込書フォーマットを利用
- 4
Jグランツで電子申請
持参・郵送・FAX・E-mailは原則不可
- 5
2026年11月16日正午が応募期限
余裕をもって提出する
- 6
資料に「ヒアリング審査プレゼン資料雛形(104KB)」が含まれています。つまり書類審査だけでなく、ヒアリング審査がある前提で準備が必要ということです。
なるほど!プレゼン資料まで用意しないといけないんですね。書類だけでは終わらないと。
しかもNEDOがヒアリング用の雛形を配布しているので、それに沿って作るのが近道です。ゼロから構成を考える必要はありません。
それは助かる!雛形があるだけで安心感がぜんぜん違います。
NEDOは、量子コンピュータを「つくる」「つかう」「そだてる」体制を一体で整え、量子エコシステムの形成と新産業創出を加速するという全体像を示しています。自分の提案がこの流れのどこに効くのかを語れると強いですね。
なるほど!孤立した提案より、全体の中での位置づけが見える提案がいいと。
そういうことです。そのうえで、公募要領の記載に沿って必要書類を漏れなく揃えるのが大前提です。中身が良くても書類が欠けていたら元も子もありません。
マジですか。チェックリストを作って一つずつ確認します!
公募期間は2026年10月14日から2026年11月16日までです。応募期限は2026年11月16日(月)正午です。
正午で締め切り!夕方に出そうと思っていたら、完全にアウトですね。
そうなんですよ。しかも応募状況等により公募期間を延長する場合があるとされています。ただし延長されるかは分からないので、あくまで11月16日正午を前提に動いてください。
ほんとに?じゃあ、締切前に余裕を持って出すのが鉄則だ。Jグランツの操作に手間取ることもありますしね。
今回の追加公募分の事業期間は2027年度から2028年度です。なお、事業全体としては2026年度から2028年度とされています。
なるほど!全体の後半2年間を担うイメージなんですね。
そうですね。参考までに、NEDOは2026年7月17日に実施体制の決定を公表していて、g12-2については10件の提案があったとしています。今回はその部素材についての追加公募という位置づけです。
おお、そこからさらに追加で募集がかかったと。熱い分野ですね!
今回の公募スケジュール2026年8月6日・9月9日
公募予告
NEDOが追加公募の予告を公表
2026年10月14日
公募開始
本公募がスタート
2026年11月16日 正午
応募期限
Jグランツでの電子申請を締め切り
2027年度〜2028年度
事業期間
採択後の研究開発期間
もし書類が間に合わなかったら、どうすればいいですか?
持参、郵送、FAX、E-mailは原則受け付けないので、Jグランツ上での申請が必須です。まずはNEDOの問い合わせ先に早めに相談してください。担当はAI・ロボット部の橋間さんと瀧澤さんです。
なるほど。締切前の駆け込みではなく、早めの相談が大事だと。
その通りです。事前相談申込書フォーマットも用意されていますから、それを使ってくださいね。
メールはP5G-quantum[]ml.nedo.go.jpです。[]を@に変えて使ってください。担当はNEDOのAI・ロボット部、橋間さんと瀧澤さんです。量子分野の関連情報もNEDOのページにまとまっています。
ありがとうございます!さっそく問い合わせてみます。
では、ここまでの内容を一枚にまとめます。これだけ押さえれば記事の要点はバッチリです。
ありがとうございました!締切の正午と、金額は公募要領で要確認という2点だけでも覚えて帰ってくださいね。
そうですね。あとは早めの事前相談。これに尽きます。研究開発計画から目を通して、準備を進めてください。