室谷さん、東京都からまた新しい支援金が出ましたね!「医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業」。でも、今回は助産所とか施術所、歯科技工所向けって聞いて、ちょっと意外なんですけど。
そうなんですよ、佐藤さん。病院や診療所だけじゃなくて、いわゆる「ちょっと特殊な医療系サービス」の事業者も対象になってるんです。僕も最初見たとき「お、鍼灸院も対象なの!?」って驚きました(笑)。
え、鍼灸院も!?具体的にどんな施設が対象なんですか?
大きく分けて3つ。助産所、施術所、歯科技工所ですね。ただ、施術所って言っても全部OKじゃなくて、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の法律に基づいて開設してて、なおかつ療養費の受領委任の取扱いをやってる施術所、または償還払いで保険診療を行ってる施術所に限られます。
あ〜、つまり保険診療やってる整体とか鍼灸院ってことですね。自費だけの施術所は対象外と。
その通り。歯科技工所も保険診療の案件を歯科医師に納品してることが条件です。あと助産所は有床・無床どちらも対象ですね。
それで、この制度「賃上げ支援事業」と「物価支援事業」の2つがセットになってるんですよね。なぜ2本立てなんですか?
これ面白くて、「賃上げ支援」は従業員の給料を上げるため、「物価支援」は光熱費や材料費の高騰に対応するため、って目的が違うんです。つまりひとつの制度で2つの補助金がもらえるイメージですね。
はい、両方とも対象施設なら申請できます。ただし、それぞれ申請が必要で、要件も少し違います。
なるほど。じゃあそれぞれいくらもらえるのか、詳しく知りたいですね。
ここが一番気になるところですよね(笑)。まずは賃上げ支援から。
施設の種類ごとに金額が決まってます。有床助産所は許可病床数×72,000円。ただし許可病床が2床以下の場合は1施設150,000円。無床助産所は150,000円/施設。施術所・歯科技工所は75,000円/施設です。
有床助産所って病院みたいにベッドがあるんですね。病床数に応じて増えるのは大きい。でも2床以下なら150,000円固定ってことか。
そうです。無床助産所も同じ150,000円。施術所や歯科技工所は75,000円ですね。ただしこれは「賃上げ支援」の話。物価支援はまた別にもらえます。
物価支援は、有床助産所が許可病床数×13,000円。ただし許可病床が13床以下の場合は1施設170,000円。無床助産所は170,000円/施設。施術所・歯科技工所は85,000円/施設です。
えっ、つまり両方合わせると…例えば無床助産所なら賃上げ15万円+物価17万円で合計32万円!?
その通りです(笑)。施術所や歯科技工所でも賃上げ75,000円+物価85,000円で合計160,000円。有床助産所なら病床数によってはさらに上乗せです。
賃上げ支援と物価支援の補助額比較| 施設の種類 | 賃上げ支援 | 物価支援 | 合計 |
|---|
| 有床助産所(2床以下) | 150,000円/施設 | 170,000円/施設 | 320,000円 |
| 有床助産所(3床以上) | 病床数×72,000円 | 病床数×13,000円 | 病床数×85,000円 |
| 無床助産所 | 150,000円/施設 | 170,000円/施設 | 320,000円 |
| 施術所・歯科技工所 | 75,000円/施設 | 85,000円/施設 | 160,000円 |
これはかなり手厚いですね!でもちょっと待ってください。「許可病床が13床以下の場合170,000円」って、2床以下の場合はどっちが適用されるんですか?
いい質問です。賃上げ支援は「2床以下」、物価支援は「13床以下」と基準が違います。賃上げ支援の有床助産所は2床以下だと150,000円固定、物価支援は13床以下だと170,000円固定。つまり病床数が少ないほど支援が手厚くなる設計ですね。
なるほど。小規模事業者をしっかり支えるって感じですね。
具体的に計算してみましょうか。例えば有床助産所で許可病床が1床の場合。賃上げ支援は2床以下の150,000円、物価支援は13床以下の170,000円。合計320,000円。無床助産所なら賃上げ150,000円+物価170,000円で合計320,000円。施術所・歯科技工所なら賃上げ75,000円+物価85,000円で合計160,000円。
すごい。これ、申請自体は一度で両方できるんですか?
いや、それがちょっと注意が必要で。Jグランツの申請フォームは1つですが、賃上げ支援と物価支援は別々の事業として申請します。でも同じフォームでまとめて申請できるので、実質的に1回の申請で両方申し込める形ですね。
助かる。でもそれぞれ要件が違うんですよね?特に賃上げ支援の方にはベースアップの義務があるとか。
もう一度整理したいんですけど、具体的に対象になる施設の条件を教えてください。
はい。まず助産所は有床・無床どちらも。有床の場合は許可病床数に応じて補助額が変わります。施術所は先ほど言ったように、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の法律に基づく施術所で、療養費の受領委任か償還払いの保険診療を行っていること。歯科技工所は保険診療の案件を歯科医師に納品していること。これらが大前提です。
あと、これは両方の事業に共通すると思うんですけど、「廃院・廃止しておらず、申請時点で廃院・廃止の予定がないこと」っていう要件がありますね。
その通り。これはどちらの支援でも必須です。まあ普通に営業してれば大丈夫でしょうけど、廃業を検討中の方は注意が必要です。
従業員数の条件とかあるんですか?たとえば「従業員●名以上」とか。
そこが実は結構ユニークで、従業員数の制約はありません。Jグランツのページにも「従業員数の制約なし」って書いてあります。つまり個人事業主で1人でやってる方も対象です。
え、1人でも!?それってベースアップってどうするんですか?
そこがミソで、「常時使用する従業員がいないその他の理由により、ベースアップの実施が困難な施設」については、補助金の全額を開設者本人の生活費に充当することをもってベースアップ実施とみなすって規定があるんです。
マジですか!つまり自分に給料を上げたことにできると。
そうです(笑)。ただしその場合、収入と支出を明らかにした帳簿を備えて証拠書類を保管しなきゃいけませんけどね。
まず病院は対象外。病院は厚生労働省から別に支給されるそうです。あと歯科診療所もこの申請フォームではダメで、別のフォームがあるみたいです。今回のフォームはあくまで助産所・施術所・歯科技工所用ですからね。
訪問看護ステーションは対象ですけど、また別の申請フォームになるそうです。今回の制度は施設の種類によって申請先が分かれてるので、自分の施設に合ったフォームを選ばないといけません。
賃上げ支援は文字通り「従業員の賃上げ」に使います。具体的には令和7年12月から令和8年5月までの間に、対象職員のベースアップ(基本給または決まって毎月支払われる手当の引き上げ)を実施する必要があります。そして令和8年6月1日からはその水準を維持または拡大するよう努めること。
期間が結構限定されてますね。12月から5月までにベースアップして、その後も維持が求められる。
そう。ただし、給与規定の変更に時間がかかる場合は、令和7年12月から令和8年3月までの4ヶ月分の一時金または特別手当を令和8年3月までに支給して、4月以降ベースアップするって方法も認められてます。
物価支援は「診療等に必要な経費」に対して支給されます。具体的には光熱費や材料費、設備の維持費など、物価高騰の影響を受ける経費全般が対象になるイメージです。ただし、「返済不要の給付金」なので、使い道の報告は不要とされています。これは賃上げ支援と違って使途の縛りが緩いですね。
完全に自由ではないですが、事業運営に必要な経費であれば基本的にOKです。もちろん私的な用途はダメですよ。
賃上げ支援と物価支援の使い道- 賃上げ支援: 従業員のベースアップ(基本給・毎月の手当)に使える
- 物価支援: 診療等に必要な経費(光熱費・材料費など)に使える
- 従業員がいない場合: 開設者本人の生活費に充当可能
×デメリット
- 賃上げ支援: ベースアップ未実施だと受給できない
- 両方とも後払い(実績報告後の支給)
- 私的な用途には使えない(当たり前ですが)
そう。あとは、どちらの支援も「後払い(実績報告後)」になるので、まずは自分で資金を立て替える必要がある点には注意してください。
じゃあ実際の申請手順を教えてください。まず何から始めればいいですか?
まず**GビズID(gBizID)**の取得が必要です。これは国や自治体の補助金を電子申請するための共通IDで、持ってない人は事前に取得しておきましょう。取得には1〜2週間くらい見ておいた方がいいです。
GビズID、もう持ってる人も多いですよね。最近の補助金はほとんどこれ必須ですから。
そうですね。でも初めての方は早めに準備しましょう。
申請方法は2つあります。Jグランツ(電子申請)と書面申請。Jグランツの場合は、専用のURLからアクセスして、8月7日(金曜日)までに申請を完了させます。書面申請の場合は、まずWeb事前申込みが必要で、その後メールで交付申請兼実績報告書が送られてきます。
その通り。ただし書面の場合は必要書類を印刷して記入し、郵送する必要があります。Jグランツの方が楽だと思いますけど、慣れてない方は書面でもいいかもしれません。
- 交付申請兼実績報告書(様式第1号)
- 振込先口座が確認できる書類(通帳の写しやネットバンキングの画面の写し)
- 印鑑証明書(個人事業主の場合は印鑑登録証明書)
意外と少ない!でも「交付申請兼実績報告書」って名前がすごいですね。申請と実績報告が同時なんですか?
そうなんです。これがこの制度の特徴で、先にお金をもらって後で報告するんじゃなくて、最初から実績ベースで申請する形になってます。つまり、もうベースアップを実施した後に申請するのが基本です。
あ、だから募集期間が令和8年6月から8月なんですね。ベースアップ期間(令和7年12月〜令和8年5月)が終わった後に申請期間が来る。
その通り。なので「後払い」というより「実績報告兼申請」というイメージです。だからこそ、まずは自分で賃上げを実行して、その証拠を揃えてから申請する必要があります。
そうですね。でも補助金が後からドンと入ってくると思えば、頑張って賃上げできるかも。
申請の流れ- 1
GビズIDを取得
初めての方は事前に発行。約1〜2週間
- 2
ベースアップを実施
令和7年12月〜令和8年5月に実施。証拠書類を保管
- 3
申請書類を準備
交付申請兼実績報告書、振込先口座確認書類、印鑑証明書
- 4
Jグランツまたは書面で申請
電子申請 or 郵送。締切は8月7日(金)
- 5
審査で一番見られるのは、やっぱりベースアップの実績です。賃上げ支援の場合は、対象期間中に確実に賃金を上げたという証拠が必要です。給与明細や賃金台帳、就業規則の変更などが求められます。
具体的にどのくらい上げればいいんですか?「2%以上」とか基準があるんですか?
そこが意外と重要なポイントで、改善幅の数値要件(例:2.0%等)は設定されていません。リーフレットにも明記されてます。つまり、上げた額が少なくても要件を満たせばOK。でもあまりに微々たる額だと後で問題になる可能性もあるので、合理的な範囲で上げるのが無難でしょう。
よくあるミスとして、申請期間を過ぎてしまうこと。特に書面申請の場合は郵送に時間がかかるので、余裕を持って準備しましょう。あと、書類の記入漏れも多いです。様式第1号はシンプルですが、印鑑証明書を忘れずに。
振込先口座の確認書類も忘れがちですよね。通帳の写しはコピーでいいんですか?
コピーで大丈夫です。ネットバンキングの画面のスクリーンショットでもOK。ただし口座名義が申請者と一致してるか確認してください。
あと、ベースアップの実施が難しい場合の「生活費充当」ルールも、きちんと書類を残さないと後で問題になりそうです。
その通り。収支を明らかにした帳簿と証拠書類の保管が必要です。税務署対策も兼ねて、しっかり記録しておきましょう。
- 申請受付期間: 令和8年6月11日(木曜日)から令和8年8月7日(金曜日)
- Jグランツの場合は8月7日までに申請完了
- 書面の場合は8月7日当日消印有効
約2ヶ月の受付期間ですね。でも、ベースアップを先にやってから申請するわけだから、6月になったらすぐに申請した方がいいですよね。
そうですね。でも実はホームページには「4月28日以降にご案内送付」って書いてあるので、案内が届くのを待ってからでも大丈夫。ただ、案内が届かなくても対象になる場合があるので、心配なら自分で問い合わせてもいいでしょう。
書面申請の場合、7月上旬にメールで書類が送られてくるって書いてありましたね。
そうです。Web事前申込みをした人には、7月上旬から順次メールが届きます。もし事前申込みしてなくても、ホームページから様式をダウンロードして、印刷・記入して郵送すればOKです。
なるほど。どちらにしても、締切の8月7日は絶対に守らなきゃいけないってことですね。
スケジュール概要令和7年12月〜令和8年5月
ベースアップ実施期間
この期間中に賃上げを実行
令和8年4月28日以降
ご案内送付
対象施設に案内はがきが届く
令和8年6月11日〜8月7日
申請受付期間
Jグランツまたは書面で申請
令和8年8月7日(金)
申請締切
書面は当日消印有効
審査後
支給
指定口座に振り込み
最初にも聞きましたけど、個人事業主でも問題ないんですよね?
はい、個人事業主でも申請できます。従業員数の制約もありません。印鑑証明書は「印鑑登録証明書」が必要になるので、事前に市区町村で取得しておきましょう。
数値要件がないとはいえ、どのくらい上げれば安心ですか?
明確な基準はないので、事業者が「これはベースアップです」と言える程度でOKです。ただし、あまりに少額だと後で実績報告で指摘される可能性もあるので、常識的な範囲で設定することをおすすめします。
もし申請後に引っ越したり、施設を移転したら影響ありますか?
基本的には申請時の所在地で判断されます。ただし、廃院・廃止の予定がある場合は対象外なので、移転の場合は新しい所在地でも事業を継続する前提であれば問題ないでしょう。詳細は事務局に確認してください。
例えば鍼灸院を2店舗やってる場合、両方から申請できるんですか?
都内に開設している各施設ごとに申請できるはずです。ただし、同じ事業主でも施設が別なら別々に申請可能。ただ、同一施設で重複申請はできません。
個人事業主の場合、普段使いの普通預金口座でもいいんですか?
口座名義が申請者本人と一致していれば、事業用・個人用は問わないようです。ただし、通帳の写しやネットバンキングの画面で確認できるものを添付してください。
東京都医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援金事務局です。
電話:
03-6820-6037
Email:
r8iryo_bukka@nta.co.jp
受付時間: 平日午前9時〜午後5時
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そうですね。ホームページにもQ&Aが載ってるので、まずはそれをチェックしてから電話するといいでしょう。