室谷さん、今回の補助金、名前がめちゃくちゃ長くないですか?(笑)「熊谷市中小企業SDGs経営・ジギョケイ策定支援奨励金」。SDGsとジギョケイ、この2つがセットになってますね。
そうなんですよ、佐藤さん。名前だけで一息ついちゃいますけど(笑)、中身は熊谷市が中小企業の「企業価値の向上」と「稼ぐ力の強化」を後押しする、非常にタイムリーな制度なんです。令和8年度から募集が始まってます。
なるほど、背景としては「持続可能な経営」と「災害に強い事業運営」の両軸を求めているわけですね。でもこれ、どうしてこの2つが一緒になっているんですか?
いい質問です。実はSDGs経営って、環境や社会への配慮だけでなく、事業そのものを長続きさせる考え方でもあるんです。それと防災・減災をセットでやれば、会社の強靭性が一気に高まる。熊谷市はそこを狙って、1つの補助金で両方を支援しようとしているんですよ。
それが、なんと1事業者あたり15万円の定額支給。しかも1回限りですが、申請条件さえ満たせばもらえます。
この制度の3つの特徴定額15万円を一括支給
対象事業者1社につき15万円。補助率や経費の使途制限はありません。
ほぼ全業種が対象
漁業、建設業、製造業から医療・福祉まで19業種カバー。
2つの条件達成でOK
埼玉県SDGsパートナー登録 + ジギョケイ(事業継続力強化計画)認定。この2つをクリアすれば申請できます。
室谷さん、ところで補助金って「補助率○%以内」とか「上限○万円」みたいなパターンが多いじゃないですか。でもこの制度は「15万円の定額支給」と書いてありますね。これってつまり…?
そう、おっしゃる通りです。今回の奨励金は「補助率」という概念がありません。かかった経費がいくらだろうと、対象条件を満たせば単純に15万円をぽんっと支給します。まさに「奨励金」という名前にふさわしいシンプルさですね。
えっ、じゃあ申請にかかった費用が10万円でも20万円でも、もらえる額は15万円固定ってことですか?
その通りです。1事業者につき1回限り、上限も下限もなく、15万円のみ。ですから、もしジギョケイの策定に外部のコンサルを使ったり、SDGsパートナー登録に手間がかかったとしても、もらえるのは15万円です。
なるほど。だったら「申請する手間と費用を考えると割に合わない」って感じる人もいるかもしれませんね。
いや、そこが大事なポイントで、この15万円は「補助金」というより「奨励金」なんです。SDGs経営と事業継続力強化に取り組むきっかけ作りとして、市が「やってみよう!」と思った企業を後押しする賞金みたいなもの。申請自体も書類はかなりシンプルですし、まずはやってみる価値はあると思いますよ。
じゃあ、もらった15万円はどう使ってもいいんですか?たとえば社員旅行の費用に充てるとか(笑)。
あはは(笑)、そういうわけにはいきませんよ。今回の制度はあくまで「SDGs経営とジギョケイ策定」に取り組んだことへの奨励金です。ですから、もらったお金の使い道は特に指定はありませんが、基本的には事業運営に必要な経費に充てるのが筋でしょうね。たとえば防災備品の購入やSDGs関連の勉強会費用など、この取り組みに関連する支出に使うのが自然です。
なるほど。自由に使えるとはいえ、使途をちゃんと考えておかないと、後で「何に使ったんですか?」って聞かれたときに困りますもんね。
その通り。アンケートなどで活用状況を報告する機会もあるかもしれませんから、しっかり事業に活かすイメージを持っておきましょう。
室谷さん、ここからは対象となる条件をじっくり見ていきましょう。まず一番気になるのが「個人事業主でも対象になるのか」ってことなんですけど。
なりますよ!この制度の対象者は「熊谷市内に事業所を有する中小企業者」と定義されています。この中小企業者には個人事業主も含まれます。ただし、中小企業等経営強化法の定義に従うので、資本金や従業員数の基準はありますが、個人事業主であれば基本的には該当します。
じゃあフリーランスや個人商店の人もOKってことですね。でも「市内に事業所を有する」ということは、熊谷市に住所があればいいんですか?
そこが大事なところで、単に住所があるだけじゃダメなんです。「事業所」として実際に事業を行っている拠点が必要です。自宅兼事務所でも構いませんが、事業活動の実態が求められます。また、市税を滞納していないことも条件です。
実は、今回の制度には従業員数の制約はありません。ただし、中小企業者であることが前提なので、中小企業等経営強化法で定める中小企業者の範囲内である必要があります。たとえば製造業なら資本金3億円以下または従業員300人以下、卸売業なら1億円以下または100人以下、といった基準があります。
なるほどね。業種によって基準が違うから、自分の会社が該当するかはちゃんと確認しないと。
そうですね。でも、ほとんどの中小企業は該当するはずです。特に熊谷市内の事業者さんなら、まず大丈夫でしょう。
で、この補助金の最大の特徴は、申請時点で「埼玉県SDGsパートナーに登録されていること」と「ジギョケイの認定を受けていること」の2つが必要なんですよね?これが結構ハードル高そう。
確かに2つの条件は必須ですが、どちらも国の施策として後押しされている制度です。SDGsパートナーは県の登録制度で、年に3回募集があります。ジギョケイは中小企業庁が認定する事業継続力強化計画です。この補助金は、この2つをセットで取得した企業に15万円を贈る、という仕組みなんです。
どちらか片方だけじゃダメなんですね。両方揃って初めて申請権利が発生する。
その通り。ただし、順番としてはどちらを先にやっても構いません。ただ、ジギョケイの認定には申請から約2か月かかるという注意書きがありますから、計画的に動かないと締切に間に合わない可能性があります。
室谷さん、まず1つ目の条件「埼玉県SDGsパートナー」について教えてください。これってどんな制度なんですか?
埼玉県SDGsパートナーは、SDGsに自ら取り組むとともに、県と連携してSDGsを普及する企業や団体を登録する制度です。県内に事業所などがあれば、企業でも団体でも申請できます。年に3回募集があって、登録されるとSDGsへの取り組みをアピールできるメリットがあります。
要件は、環境・社会・経済の三側面で取り組みと指標を設定していること、そしてSDGs達成に向けた実施内容が具体的であることです。つまり、自社の事業活動の中で、SDGsのどの目標に貢献しているかを明確に示す必要があります。たとえば「廃棄物削減に取り組む」「地域雇用を促進する」といった具体的な目標を掲げます。
なるほど。それって結構ハードルが高いような気もするけど…。
いや、実は中小企業でも取り組みやすいように設計されています。すでにやっているエコ活動や社会貢献を整理して、SDGsの枠組みに当てはめるイメージです。新たに大きな投資をする必要はありません。
このSDGsパートナー、登録申請から実際に登録されるまでどのくらいかかるんですか?
年間3回の募集なので、タイミングによります。重要なのは、この奨励金の申請時点で登録が完了していることです。申請してから登録されるまでに時間がかかる場合もあるので、余裕を持って申請しましょう。県のホームページで募集スケジュールを確認することをおすすめします。
つまり、この補助金を狙うなら、まずSDGsパートナーに申し込んで、それが通ってからじゃないと次のステップに進めないってことですか?
いや、そこは並行して進められます。ジギョケイの申請はSDGsパートナーの登録を待たずに行えます。最終的に両方の条件を満たしていれば、申請時点でSDGsパートナー登録が有効であればOKです。ただし、ジギョケイの認定にも時間がかかるので、スケジュール管理はしっかりと。
さて、次は2つ目の条件「ジギョケイ」です。これ、何度聞いても覚えにくい名前ですよね(笑)。正式名称は「事業継続力強化計画」ですよね?
そうです。中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を、経済産業大臣が認定する制度です。通称「ジギョケイ」と呼ばれています。自然災害や火災、停電など、事業に影響を与えるリスクに対して、どう対応するかをまとめた計画書です。
つまり、もし地震が来たらどうするか、感染症が流行したらどうするか、といったことを事前に考えて書いておくってことですね。
その通りです。具体的には、災害時に確保すべき重要業務や、そのための資機材の備蓄、代替手段の確保、安否確認の方法などを記載します。これがあると、いざという時にパニックにならずに動けますからね。
ジギョケイの認定を受けるメリットって、この補助金以外にもあるんですか?
ありますよ!認定を受けた中小企業は、税制優遇(固定資産税の軽減など)や金融支援(低利融資など)、さらに他の補助金で加点評価されるといったメリットがあります。つまり、この15万円の奨励金は「ジギョケイを取るきっかけ」としても活用できるんですね。
実際にジギョケイを取得するには、どうすればいいんですか?
基本的な流れは、まず事業継続力強化計画を策定し、経済産業大臣に認定申請を行います。計画書は中小企業庁のホームページから様式をダウンロードできます。記入項目はそれほど多くなく、自社の状況に合わせて作成できます。地域の商工会議所や支援機関に相談しながら進めることも可能です。
それができる人とできない人がいそうですけど…(笑)。
心配しないでください。熊谷市では「熊谷商工会議所」「くまがや市商工会」「ものつくり熊谷」といった団体が市内の中小企業を支援しています。セミナー開催や個別相談を行っているので、困ったら問い合わせてみるのが一番です。
そして、注意点として「認定には2か月かかる」とありますね。これは本当にそんなにかかるんですか?
公募要領にも明記されていますから、現実的な想定だと思います。なので、募集期間は令和9年1月29日までですが、ジギョケイの申請は遅くとも11月末までには行っておかないと、認定が間に合わない可能性があります。
ここからは具体的な申請手順を見ていきましょう。室谷さん、この補助金って電子申請ではなく、書類を持参か郵送なんですね。
はい、jGrantsでは申請を受け付けていないんです。申請書類をそろえて、熊谷市企業活動支援課に直接持っていくか、郵送します。結構アナログですが、そのぶん担当者と直接やり取りできるメリットもあります。
- 交付申請書兼請求書(市の指定様式)
- 埼玉県SDGsパートナー登録証の写し
- ジギョケイの認定書の写し
- 振込先口座の通帳の写し
これに加えて、市長が必要と認める書類があれば追加で提出します。
書類はシンプルですね。ただ、登録証や認定書の写しは「受付時点で有効であるもの」という条件があります。つまり、申請するときにまだ有効期限内じゃないとダメってことですね。
その通り。登録や認定に有効期限がある場合は、期限切れになっていないことを確認してください。
申請までのステップ- 1
Step1: 埼玉県SDGsパートナーに登録
県の制度に申し込み、登録証を取得する
- 2
Step2: ジギョケイ(事業継続力強化計画)を策定し認定を取得
経済産業大臣の認定を受ける。申請から約2か月
- 3
Step3: 必要書類をそろえる
申請書、登録証の写し、認定書の写し、通帳の写し
- 4
Step4: 熊谷市企業活動支援課に持参または郵送
〒360-8601 熊谷市宮町2-47-1
- 5
Step5: 審査・交付決定
問題なければ奨励金が振り込まれます
申請書類で一番重要なのは「交付申請書兼請求書」ですよね。これ、どこで手に入れられるんですか?
熊谷市のホームページからダウンロードできます。PDF形式とWord形式の両方が用意されています。Word版を使えば、パソコンで入力して印刷もできますね。
基本的な事業者情報(住所、法人名、代表者名など)と、連絡先、口座情報です。それほど複雑ではないので、初めての方でも問題なく記入できると思います。
提出前に企業活動支援課に電話で確認するのが確実です。窓口に持参する場合は、その場で担当者にチェックしてもらえます。郵送なら、事前に電話で内容を確認してもらうこともできますから、積極的に問い合わせましょう。
室谷さん、この補助金って審査はあるんですか?条件を満たしていれば全額もらえるのか、それとも抽選とか先着順とかあるんですか?
公募要領によると、「予算の範囲内において奨励金を交付します」とあります。つまり、予算がなくなり次第終了の可能性があります。先着順かどうかは明確ではありませんが、早めに申請したほうが確実です。
審査のポイントとしては、やはり「埼玉県SDGsパートナーに登録されていること」と「ジギョケイの認定を受けていること」の2つがクリアできているかどうかですね。
そうです。その他に「市税を滞納していないこと」や「暴力団等に関与していないこと」といった一般的な条件もありますが、これらはほとんどの事業者で問題ないはずです。つまり、2つの条件を満たせばほぼ確実に交付されると考えていいでしょう。
最後に、この制度のメリットとデメリットを整理しておきましょうか。
メリットは何と言っても15万円が定額で支給されることと、申請手続きがシンプルなことです。対象業種も広く、従業員数に制限もありません。また、SDGsパートナーとジギョケイの両方を取得することで、他の補助金でも有利になる可能性があります。
やはり2つの条件を満たすのに時間と手間がかかることです。特にジギョケイは認定に2か月かかるため、計画的に動かないと締切に間に合いません。また、もらえる金額が15万円固定なので、コンサルなどに外注する場合は費用対効果を考える必要があります。
でも、自分で計画書を作れば費用はほとんどかからないですし、SDGsパートナーも無料で登録できるんですよね?
そうです。両方とも登録や認定自体に大きな費用はかかりません。つまり、実質的には手間賃として15万円もらえるようなもの。これは非常にお得だと思います。
それでは、最後にこの制度の基本情報を表でまとめておきましょう。
この表を見れば一目瞭然ですね。注意点としては、郵送の場合は当日消印有効ですが、予算に達し次第締め切られる可能性もあるので、ギリギリを狙わずに早めに動くことです。
室谷さん、ありがとうございました!最後に読者にメッセージをお願いします。
この補助金は「SDGs経営」と「事業継続力強化」の両方を同時に進める絶好のチャンスです。15万円という金額以上に、制度を活用することで自社の強みを再発見できるはず。ぜひ挑戦してみてください!