室谷さん、この「中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業」って、名前がめちゃくちゃ長いですね(笑)。上限いくらまで出るんですか?
はい、上限は2,000万円です!びっくりする金額ですよね。しかも補助率が4/5以内、つまり80%もカバーしてくれるんです。
えっ、4/5!? 普通の補助金って1/2とか2/3が多いイメージなんですが、これは手厚いですね。
そうなんです。中東情勢の影響で原材料が高騰して、もう大変だって事業者さんを緊急で支えるための制度ですからね。助成対象経費の4/5、ざっくり言うと経費の8割を補助してくれる計算です。
じゃあ経費が2,500万円かかったら、2,000万円が上限で4/5だと…あれ、計算合います?
そういうときは上限の2,000万円で頭打ちです。例えば総経費が2,500万円だと補助率4/5で2,000万円ジャスト。でも総経費が3,000万円だと、4/5で2,400万円になるところを上限の2,000万円で止まります。
なるほど。だから上限2,000万円をフルに使うには、最低でも2,500万円以上の経費が必要ってことですね。ちなみに補助率は全部の経費に4/5かけられるんですか?
いえいえ、助成対象経費だけです。あとで詳しく出てきますが、機械装置費やシステム導入費など、指定された経費のみが対象です。すべての事業費に4/5がかかるわけではないので注意してください。
これはいわゆる補助金、つまり返さなくていいお金ですよね?
その通り!返済不要の助成金です。融資とは違いますから、採択されたらもらったお金を返す必要はありません。ただし、事後払いなので、最初は自己資金で立て替える必要があります。
そこがネックですね。でも2,000万円の8割って実質1,600万円、いや自己負担は2割で済むから、設備投資を考えてた会社にはかなり大きい。
まさにそこがポイント。原材料高騰で利益が減ってる会社でも、この制度を使えば新しい機械を入れたりシステムを刷新したりして、経営を安定させられるわけです。
この制度の3つの特徴補助率4/5
助成対象経費の80%をカバー。上限2,000万円。
対象業種が幅広い
農業からサービス業まで17業種が対象。
返済不要の助成金
融資と違い返済義務なし。ただし後払い。
じゃあ次に、どの会社が申請できるのか教えてください。規模とか地域の制限はあるんですか?
まず対象地域は東京都です。それ以外の都道府県の事業者は対象外。そして対象業種がめちゃくちゃ多いんです。なんと17業種もある。
| 業種 | 具体例 |
|---|
| 農業、林業 | 農家、林業会社 |
| 漁業 | 漁業協会、水産加工 |
| 鉱業、採石業、砂利採取業 | 採石場 |
| 建設業 | 工務店、ゼネコン |
| 製造業 | 工場、メーカー |
| 電気・ガス・熱供給・水道業 | エネルギー関連 |
| 情報通信業 | IT企業、ソフトウェア |
| 運輸業、郵便業 | 運送会社、物流 |
| 卸売業、小売業 | 問屋、小売店 |
| 金融業、保険業 | 銀行、保険代理店 |
| 不動産業、物品賃貸業 | 不動産会社、レンタル業 |
| 学術研究、専門・技術サービス業 | 研究機関、コンサル |
| 宿泊業、飲食サービス業 | ホテル、飲食店 |
| 生活関連サービス業、娯楽業 | 美容院、ゲームセンター |
| 教育、学習支援業 | 学習塾、語学学校 |
| 医療、福祉 | クリニック、介護施設 |
| 複合サービス事業 | 郵便局など |
| サービス業(他に分類されないもの) | その他サービス |
えっ、飲食店も学習塾も入ってる!これはほぼ全業種じゃないですか。個人事業主でもいいんでしょうか?
もちろん個人事業主も対象です。中小企業等という条件なので、法人だけでなく個人事業主も含みます。ただし、もう一つ重要な要件があります。
この制度、ただ都内で中小企業をやってればもらえるわけじゃないんです。原材料価格高騰の影響を受けていることが必須。具体的には3つのパターンがあります。
- 直近決算期の営業利益率が前期と比較して減少している
- 次期決算期の営業利益率が直近決算期と比べて減少する見込みである
- 直近決算期で営業損失を計上している
なるほど。利益が減ってるか、もしくは赤字であることを証明しなきゃいけないんですね。じゃあ決算書の提出が必要ってこと?
その通り。申請時に直近の決算書(損益計算書など)を提出して、営業利益率の減少を証明します。まだ決算が来てない会社は、見込みで申請することも可能です。
なんと従業員数の制約なし!「中小企業等」の定義はあるものの、人数での線引きは特にありません。ただし、東京都の中小企業の範囲内である必要があります(資本金や従業員数などの一般的な中小企業基準は公募要領で確認してください)。この制度自体に従業員数の上限は明記されていないので、小規模事業者から中堅企業まで幅広くチャンスがあります。
それは意外。普通は「製造業なら従業員300人以下」みたいな線引きがあるのに。
でも安心してください。この制度は「原材料高騰で困ってる事業者」を広く支援しようという趣旨なので、業種も規模もかなり柔軟です。ぜひ該当するかどうか、一度確認してみてください。
対象になるか?簡単フローチャート都内に事業所がある中小企業等ですか?
はい営業利益率が前期比で減少していますか?
または次期に見込み減少ありますか?
または直近で営業損失ですか?
じゃあ具体的に、どんなものにこの補助金を使えるんですか? 例えば新しいパソコンを買うとか、外注費もOK?
大丈夫。対象経費はかなり幅広いです。公式に示されているのはこの8つ。
- 原材料・副資材費
- 機械装置・工具器具費
- 機器・システム改良費
- 委託・外注費
- 設備等導入費
- システム等導入費
- 専門家指導費
- 販路開拓経費
- その他経費
「その他経費」ってあるのはちょっとアバウトですね(笑)。でも設備導入費やシステム導入費が入ってるから、工場の機械更新とか、会計ソフトの導入とかもOKってこと?
その通り!特に設備等導入費とシステム等導入費は大きい。生産ラインの機械を新しくしたり、在庫管理システムを導入したりするときに使えます。販路開拓経費もあるから、新しい市場に出るための展示会出展や広告費も対象になる可能性があります。
当然あります。例えば人件費や土地の購入費、建物の建設費(大規模な工事)、車両の購入費などは基本的にNGです。あと、営業活動に直接関係しないもの(純粋な遊興費や役員報酬など)も対象外。ただし「その他経費」の範囲がどこまで広いかは、公募要領で必ず確認してください。
例えば、価格転嫁に向けたコンサルタントに相談したり、弁護士に契約書の見直しを依頼したりする費用です。専門家のアドバイスを受ける際の謝金や報酬が対象です。
対象経費と対象外経費の例- 原材料・副資材費
- 機械装置・工具器具費
- システム導入費
- 販路開拓費(展示会出展など)
- 専門家指導料
×デメリット
- 人件費
- 土地・建物の購入費
- 車両購入費
- 営業と関係ない交際費
- 役員報酬
じゃあ実際に申請する流れを教えてください。インターネットでできますか?
はい、jGrantsというポータルサイトから電子申請します。まずGビズID(法人用のアカウント) が必要なので、まだ持ってない方は事前に取得しておいてください。
GビズIDって、あのe-Govと連携するやつですよね? 結構手間かかるって聞きますけど。
確かに初回はちょっと面倒。でも申請書類の準備や電子署名にも使うので、余裕をもって準備しましょう。申請受付期間は令和8年7月17日(金)~7月31日(金)16時。たった2週間しかありません!
えっ!たった2週間!? これは焦りますね。もっと早くから準備しておかないと。
そうなんです。前もって公募要領をダウンロードして、対象経費や書類を確認しておくことを強くおすすめします。交付決定は令和8年10月下旬頃の予定。採択されたらその後1年間(最大)で事業を実施し、実績報告をして助成金を受け取ります。
まずはGビズIDアカウントを発行します。これはメールアドレスと書類提出で数日かかることもあるので、6月中には取りかかりましょう。
わかりました。じゃあ7月に入ったらすぐに申請できるように準備ですね。
次に公式の公募要領(東京都中小企業振興公社のサイトに掲載)をしっかり読みます。助成対象経費の詳細や、必要な添付書類の一覧が載っています。特に「営業利益率の減少を証明する書類」は何が必要か、必ず確認してください。
事業計画書と経費明細書を作成します。申請様式はjGrantsからダウンロードできます。具体的な数字を入れて、なぜこの事業が必要か、どうやって原材料高騰に対応するかを明確に書きます。
そうですね。もし不安なら、専門家指導費を申請に含めてコンサルタントに依頼するのも手です。ただし、その費用は助成対象経費になりますから、実質自己負担は2割です。
そして期間内にjGrantsで申請。書類をアップロードして、電子署名(GビズIDで)して送信。7月31日16時までに必着。郵送ではなく電子申請のみなので、インターネット環境とデジタルスキルが必要です。
最終日の16時って結構シビアですね。混雑するでしょうし、前日には完了させたい。
完全にその通りです。トラブルを見越して、余裕を持って申請しましょう。
交付決定が10月下旬頃。もし採択されたら、その後1年以内に事業を実施し、終わったら実績報告書を提出。審査を経て助成金が振り込まれます(後払い)。
つまり、お金が入るのは事業完了後ってことですね。資金繰りに注意が必要だ。
そうです。自己資金で立て替えるか、別の融資を併用するなど計画を立ててください。
申請の流れ- 1
- 2
- 3
- 4
電子申請(jGrants)
7/17~7/31 16時。
- 5
- 6
採択されるかどうか、審査のポイントを教えてください。
いくつか重要点があります。まず事業の必要性。なぜこの事業が必要か、原材料高騰による悪影響を具体的に示すこと。営業利益率の減少をグラフなどで見せると説得力が増します。
次に事業の実現可能性。予算とスケジュールが現実的かどうか。非現実的な目標や過大な予算は印象が良くありません。そして経費の妥当性。高すぎる見積もりや、対象外経費を混ぜていないかチェックされます。
さらに、この制度の目的は原材料価格高騰を回避する取組です。だから、単なる設備投資では意味がなく、価格転嫁やコスト削減、販路開拓など、経営基盤を安定させるストーリーが求められます。
なるほど。「新しい機械を買いたい」ではなく、「原材料費が上がったから、生産効率を上げて価格転嫁を進めるために機械を導入する」というストーリーが必要なんですね。
その通り!審査員は「この事業で本当に経営が安定するのか」 を見ています。計画書にその理由をしっかり書きましょう。
他に注意点はありますか? 申請したら絶対通るわけじゃないですよね。
もちろん。競争率は高いと思ってください。特に申請期間が短いので、準備不足で出せない人も多いでしょう。逆に言えば、しっかり準備すればチャンスです。
併給については「公募要領で要確認」ですが、一般的に同じ経費に二重で補助金を受けることはできません。もし他の補助金も申請する場合は、経費の重複がないように注意してください。
ここでよくある質問をいくつかまとめておきましょう。
- Q. 個人事業主でも申請できますか? → A. できます。中小企業等に含まれます。
- Q. 交付決定前に発注してもいいですか? → A. 基本的に交付決定日(10月下旬)以降の契約・発注が対象です。それより前に対象経費を支出すると助成対象外になる可能性があります。
- Q. 販路開拓経費で海外の展示会に行けますか? → A. 販路開拓経費に含まれる可能性がありますが、具体的な内容は公募要領で確認してください。
わかりました。じゃあ最後に基本情報をまとめてください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 中東情勢による原材料価格高騰に伴う経営基盤安定化緊急対策事業 |
| 実施機関 | 公益財団法人東京都中小企業振興公社 |
| 補助額 | 上限2,000万円 |
| 補助率 | 助成対象経費の4/5以内(80%) |
| 対象地域 | 東京都 |
| 対象業種 | 17業種(農業~サービス業まで幅広い) |
| 申請期間 | 令和8年7月17日(金)~7月31日(金)16時 |
| 交付決定日 | 令和8年10月下旬頃予定 |
| 助成対象期間 | 交付決定日から最大1年間 |
| 使途 | 販路拡大・海外展開 / 設備整備・IT導入 |
| 公式URL | jGrants |
| 問合せ先 | 公益財団法人東京都中小企業振興公社 TEL: 03-4376-5728 |
室谷さん、ありがとうございました!この情報を元に、事業者さんがしっかり準備できるように記事にします。
ぜひ!この制度はチャンスですから、しっかり活用してほしいですね。