室谷さん、今日は「小規模事業者持続化補助金」の災害支援枠について教えてください!能登半島地震のニュース、まだ記憶に新しいですけど、この補助金ってまさにそのためのものなんですよね?
その通りです。正式名称、めちゃくちゃ長いんですけど(笑)、「小規模事業者持続化補助金<一般型 災害支援枠(令和6年能登半島地震等)>10次公募【商工会議所地区】」っていうんですよ。
はい、タイトルだけで息切れしそうです(笑)。でも、読んで字のごとく、能登半島地震と能登豪雨の被害に遭った事業者さんを支援するための枠なんですね。
そう。令和6年能登半島地震と、その後に発生した令和6年9月の能登豪雨――この二つの災害で甚大な被害を受けた地域の小規模事業者さんが対象です。生産設備や販売拠点が流出・損壊したり、顧客や販路を失ったりした状況から、事業を再建するのを後押しするために作られました。
なるほど。で、今回お話を伺うのは第10次公募ということで、募集期間が決まってるんですよね?
はい。公募要領が公開されるのが令和8年(2026年)6月30日。申請受付開始が令和8年7月27日で、締め切りが令和8年10月16日までです。
結構余裕がありますね。夏の終わりから秋口にかけて、じっくり準備できそうです。
そうですね。ただし、この第10次公募で災害支援枠そのものが終了になるっていうのも、ちゃんと押さえておいてください。公式の資料にも「第10次公募を以て終了」と明記されています。
えっ、終了しちゃうんですか!それは重大情報ですね。ならば、この機会を逃さないようにしないと。
そうです。ただ、終了した後も支援は継続されるようです。具体的には、通常枠での優先採択や「なりわい再建支援補助金」といった別の制度にバトンタッチされる形になるみたい。でも、災害支援枠として手厚い補助を受けられるのは今回が最後のチャンスです。
ラストチャンス!これは気合い入れて聞かないと。じゃあ、具体的にどんな事業者さんが対象で、いくらもらえるのか、どんどん聞いていきますね!
まずはお金の話からいきましょう(笑)。上限額と補助率はどうなってます?
補助上限額は200万円。そして補助率は3分の2です。ただし、一定の要件を満たす事業者に限り「定額」での補助になります。
おお、最大200万円!しかも3分の2ってことは、例えば300万円かけた工事なら200万円が補助される計算ですね。自己負担は100万円で済むと。
その理解で合ってます。ざっくり言うと、補助対象経費の総額に3分の2を掛けた額が補助金として交付される。ただし上限は200万円。なので、単純計算すると、事業費が300万円を超えると、超えた分は全額自己負担になります。
なるほど。じゃあ、事業計画を立てるときに「補助対象経費を300万円以内に収める」っていうのが一つの目安になるわけですね。
さっき「一定の要件を満たせば定額」っておっしゃいましたけど、定額ってどういうことですか?
「定額」っていうのは、補助率が3分の2じゃなくて、対象経費の全額が補助されるケースがあるってことです。すごく手厚いですよね。
え、マジですか!?自己負担ゼロってことですか?それは嬉しすぎますけど、どんな事業者さんが対象なんですか?
いくつかハードルがあります。まず、自社の事業用資産に直接的な被害があったこと。具体的には、機械や設備、建物などが損壊したことが証明できる必要があります。さらに、過去に新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者であることや、過去5年以内に発生した災害で債務を抱えていることなど、複合的な要件を満たす必要があります。
そうですね。特に、自社の事業用資産に損壊等の直接的な被害があったことは必須条件です。金額のところでも、上限200万円の横に「自社の事業用資産に損壊等の直接的な被害があった事業者」って但し書きがあるんですよ。
あ、本当だ。公式の情報にもちゃんと書いてありますね。じゃあ、直接被災していない事業者は対象外ってことですか?
いや、そういうわけじゃないんです。被災地域に所在していること自体が前提なので、直接被害がなくても事業再建の計画があれば申請は可能です。ただし、補助上限などが変わってくる可能性があるので、その辺りは公募要領をしっかり確認してほしいですね。
なるほど。ケースバイケースで、細かい条件は公募要領で確認しろ、と。はい、覚えておきます!
ここまでの情報を整理するために、一度表にしてみてもらえますか?
よし、金額は分かりました。次は「誰が出せるか」ですね。室谷さん、対象者って結構細かく条件がありますよね?
そうなんです。大きく分けて5つの要件を全て満たす必要があります。
まず大前提として、石川県の能登3市3町に事業所があって、令和6年能登半島地震または令和6年能登豪雨の被害を受けた事業者であること。これが(1)の要件です。珠洲市、輪島市、能登町、穴水町、七尾市、志賀町のいずれかに所在している必要があります。
場所の縛りがしっかりありますね。石川県以外の地域は対象外と。
はい、残念ながらこの枠は能登地域に特化しています。
次に(2)で「小規模事業者であること」とあります。具体的にどういう規模の会社が該当するんですか?
小規模事業者の定義は、業種によって従業員数の上限が違います。例えば、商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)の場合は5人以下。製造業やその他の業種の場合は20人以下です。
あ、これ大事ですね。クリーニング屋さんや個人商店は5人以下、小さな工場は20人以下が目安と。じゃあ、飲食店はどうなんですか?
飲食店は「宿泊業、飲食サービス業」に分類されます。実はこの区分、公募要領で確認する必要があるんですけど、小規模事業者の定義としては「商業・サービス業」の枠組みで見ることが多いですね。ただ、飲食サービス業は従業員数5人以下で小規模事業者に該当するケースが一般的です。
なるほど。じゃあ、従業員が6人いる小さなラーメン屋さんは対象外になってしまう可能性がある、と。
そういうことになりますね。ただ、アルバイト・パートを含めた常時雇用する従業員の数で判断されるので、その辺りは正確にカウントしてください。
続いて(3)と(4)です。資本金が5億円以上の法人に100%株式を保有されていないこと。あと、課税所得の年平均が15億円を超えていないこと。
その通り。これは大企業の子会社や、太い資本系列に入っている会社を対象から外すための条件ですね。個人事業主の方はそもそも資本金の概念がないので、気にしなくて大丈夫です。
あ、そうか。個人事業主は株式会社じゃないですもんね。じゃあ、個人事業主の方は(3)はスルーしてOKと。
はい。ただ(4)の課税所得の条件は、個人事業主でも関係してきます。確定申告をしている過去3年分の課税所得の平均が15億円を超えていないこと。これ、普通の小さな事業者さんならまず引っかからない額ですね。
年間15億円の所得って、もう中小企業の域を超えてますね(笑)。これはほぼ全員クリアできる条件だと思います。
最後の(5)は「不適当な者に該当しないこと」。具体的にどんな人がダメなんですか?
これはいわゆる反社会的勢力との関係を断つための条件です。暴力団員であったり、暴力団に資金を供給したり、社会的に非難される関係を持っている事業者は対象外。まあ、普通に事業を営んでいる方なら大丈夫な内容ですね。
ごく普通の事業者さんは、基本的に(1)~(5)の全部をクリアできると。ただし、対象地域が能登3市3町に限定されているのが一番の壁かもしれませんね。
そうですね。地域が合致すれば、かなり多くの小規模事業者さんが対象になると思います。
じゃあ、お金がもらえるとして、具体的に何に使えるんですか?これが分からないと計画が立てられないですよね。
対象経費は結構幅広いです。公式に挙げられている主なものだけでも、機械装置等費、広報費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、旅費、新商品開発費、借料、設備処分費、委託・外注費、車両購入費、施設・設備の修繕費などがあります。
色々ありますね!でも、災害支援枠ならではの特徴ってあります?通常の補助金と違うところとか。
一番の特徴は「施設・設備の修繕費」や「車両購入費」が対象になることですね。地震で壊れた店舗の修繕、看板の作り直し、業務用の車両の買い替えなど、リアルな復旧ニーズに応えられるようになっています。
あ、それは大きい!被災した事業者さんにとって、建物の修繕や設備の入れ替えは最優先ですもんね。
公式の資料には、具体的な事例も載ってましたよね?ちょっと紹介してもらえますか?
例えば、こんな事例があります。取引先だった旅館が被災して販路を失った事業者さんが、新たな取引先を開拓するために展示会に出展した。さらに、新商品を開発してチラシで宣伝し、見事に売上を回復させたケース。
もう一つ。被災で破損したカウンターのショーケースを買い換えて、同時に雨漏りで剥がれたクロスを張り替え、新しいデザインの看板を設置した事例もあります。これで営業再開と同時に集客も回復したそうです。
修繕と設備投資を同時にやることで、復旧+新たな集客力UPを狙うんですね。賢い!
逆に「これは対象外です」っていう経費も教えてください。
基本的には、補助事業として認められた計画に沿った経費じゃないと対象外になります。例えば、単なる在庫の補充だけとか、普段の消耗品の購入だけでは認められにくいですね。
やっぱり「事業再建のための計画的な取り組み」として認められる必要があるんですね。
そうです。あと、注意してほしいのは、申請時点で明らかになっていない経費は、後から対象にできなくなる可能性があるということです。例えば、ざっくり「修繕費100万円」と申請して、後から内訳を出したら対象外のものが含まれていた、なんてケースがあります。
それは痛い。事前にしっかりと経費の内訳を固めてから申請しないとダメですね。
ここで、対象経費とNGな例をまとめてみましょう。
対象経費と注意点- 施設・設備の修繕費(窓ガラス、クロス張り替え、看板設置など)
- 機械装置等費(壊れた設備の買い換え)
- 車両購入費(業務用車両の新調)
- ウェブサイト関連費、展示会出展費、新商品開発費
- 広報費(チラシ作成など)
×デメリット
- 申請時に内訳が不明確な経費は後から非対象になるリスク
- 単なる在庫補充や日常的な消耗品購入は対象外
- 補助事業計画に明記されていない経費はNG
ここからが本番です。実際にどうやって申請するのか、手順を教えてください。
まず、一番最初にやっておかないといけないのが、GビズIDの取得です。これは、電子申請システム「jGrants(ジェイグランツ)」を使うために必須のアカウントです。
あ、これよく聞きますね。もう持ってるよ、って方もいるかもしれませんが、まだの人は早めに取っておいた方がいいですか?
そうですね。発行までに時間がかかることもあるので、申請受付が始まる前に取得しておくのが鉄則です。申請自体は7月27日からですが、今からでも取得しておきましょう。
補助金申請の流れ- 1
GビズIDを取得
電子申請システム「jGrants」の利用に必要。事前に取得しておく。
- 2
商工会議所に相談
事業計画の作成支援を受けながら、計画を練る。
- 3
公募要領・様式を確認
対象経費や要件を再確認。公式サイトからダウンロード。
- 4
事業計画を作成
被災状況と再建計画を具体的に記述。経費の内訳も明確に。
- 5
罹災証明書を取得
自治体に申請して、被災を証明する書類を発行してもらう。
- 6
jGrantsから申請
7月27日~10月16日の間に電子申請。添付書類も忘れずに。
- 7
審査・交付決定
書類審査を経て、採択されれば交付決定通知が届く。
- 8
事業を実施
決定された計画に沿って、補助事業を実施する。
- 9
実績報告と確定検査
事業完了後、実績報告書を提出。検査を受けて、補助額が確定。
- 10
補助金が振り込まれる
確定した補助金額が指定口座に振り込まれる。
全部で10ステップ!結構長丁場ですね。特に、実績報告後に検査があってからお金が振り込まれる、という流れが大事ですね。
そう、お金は後払いです。事業を実施するための資金は、基本的に事業者さんが一時的に立て替える必要があります。
あ、そこは注意点ですね。補助金が当たったからといって、すぐにお金が入ってくるわけじゃない。資金繰りを考えておかないと。
室谷さん、申請前に絶対やっておくべきことってありますか?
まず、**罹災証明書(被災証明書)**を自治体に発行してもらうこと。これがないと、そもそも災害の被害を受けた事業者として認定されません。
ああ、そうですよね。被災したことを証明する公的な書類が必要なんですね。
はい。それと、商工会や商工会議所に早めに相談して、事業計画の作成を手伝ってもらうこと。この補助金は、商工会議所の助言を受けながら計画を作成することが前提になっています。
なるほど。自分だけで全部書こうとせずに、支援機関を活用しろと。
最後の関門、審査です。どういうところが見られているんですか?
この補助金の審査で一番重要なのは、**「被災からの再建計画が具体的で実現性が高いかどうか」**です。
そうです。例えば、「壊れた店舗を直します」だけじゃダメ。「店舗の修繕をして、同時に新しいディスプレイを導入して、SNSで発信して集客力を回復させる」といった、再建後の姿が見える計画が評価されます。
単なる復旧じゃなくて、復興・発展につなげるストーリーが必要なんですね。
被災証明が第一で、次に具体的な計画、そして再建後のビジョン。この3つが揃えば、審査を通過する可能性は高まりそうですね。
特に、経費の内訳を明確にすることは本当に大事です。後で「この経費は対象外でした」とならないように、申請時点でしっかり確認しておいてください。
ここまでで大体のことは分かりました。最後に、よくある質問や注意点をいくつか教えてもらえますか?
よくあるのが、「他の補助金ももらえますか?」っていう質問です。
併用については、原則として同じ経費に対して複数の公的助成を受けることはできません。例えば、同じ設備の修繕費を、この補助金と市町村の独自補助金の両方からもらうのはNGです。
なるほど。ただし、別々の経費であれば、併用は可能な場合もあるんですか?
その辺りは、使おうとしている他の補助金のルールにもよります。必ず公募要領で確認するか、商工会議所の事務局に問い合わせてください。
書類の準備も大変そうですよね。最低限必要なものは何ですか?
必須なのは、事業計画書と収支計画書、そして罹災証明書です。あとは、事業の内容を証明するために、被災状況の写真や見積書なども必要になるケースが多いです。
そうですね。「確かに被災したんだ」ということが一目で分かるので、積極的に添付することをおすすめします。
最後に、もし分からないことがあったらどこに聞けばいいですか?
この補助金の問い合わせ先は、商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金事務局です。電話番号は03-6634-5798。対応時間は9時から12時、13時から17時までで、土日祝日と年末年始はお休みです。
あ、結構細かい時間設定ですね。12時から13時はお昼休みでつながらないから、気をつけないと。
そうなんです。お問い合わせの際は、時間帯にご注意ください。
室谷さん、今日は本当に詳しく教えていただいてありがとうございました!最後に、この記事のポイントをまとめてもらえますか?
ありがとうございました!能登の事業者の皆さん、この補助金を上手に活用して、ぜひ力強い再建を果たしてくださいね!
そう願っています。何か疑問があれば、遠慮なく事務局や商工会議所に相談してみてください。最後まで諦めずに、一緒に再建の道を歩んでいきましょう!
それでは、また次回の補助金エージェントでお会いしましょう!