室谷さん、今日は新しい補助金が出たって聞いて飛んできましたよ!「脱炭素成長型経済構造移行推進対策費補助金」…もうタイトルだけで息継ぎが必要な長さです(笑)
ほんと名前が長いですよね(笑)しかもカッコ書きで「自律型資源循環システム強靱化促進事業」。もうね、担当記者の佐藤さんでも一発で覚えられないと思いますよ。
正直、最初に資料見た時「なんのこっちゃ?」ってなりました。でも中身はすごく面白そうで。これってサーキュラーエコノミー、いわゆる循環経済を促進するための補助金ですよね?
その通りです。経済産業省が2023年3月に「成長志向型の資源自律経済戦略」っていうのを策定して、そこから派生した事業なんですよ。GX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向けて、循環経済への移行を本気で後押ししようという話。
言葉だけ見ると「どこから手をつけていいかわからない」って中小企業の社長さんも多いと思うんですが…
そうですね。かみ砕いて言うと「使える資源は何度も使いましょう」「捨てるもんを減らして経済も回そう」っていう国の方針です。特にこの補助金、上限なんと2,000万円(※) という規模感がヤバいんですよ。
※正確には上限2,000,000万円。つまり200億円。桁を間違えました(笑)
えっ!?2,000,000万円って…200億円!?マジですか!
はい、その通りです。ただ、これはあくまで上限で、全員が200億円もらえるわけじゃないですけどね(笑)でも国が本気でお金を付けている証拠ですよ。
確かにこれは大規模だわ。補助率はどうなってるんですか?
中小企業等は1/2以内、大企業等は1/3以内 ってなってます。詳細は公募要領を要確認ですが、ざっくり言うと半分か3分の1は国が見てくれるってことですね。
なるほど。じゃあ中小企業が2億円の設備投資をするなら、補助金で1億円出る可能性があるってこと?
そういう計算になります。ただし補助上限は200億円 ですから、超巨大プロジェクトでもなければ上限には引っかからないでしょうね。中小企業にとってはかなり手が届きやすい額感だと思います。
で、具体的にどんなことをやれば対象になるんですか?「資源循環」って一口に言っても範囲が広そうで。
実ははっきり3つのタイプに分かれてるんですよ。最初にぱっと見て「うちは対象外だな」って諦めないでほしい。結構幅が広いんです。
再生材等を原料として活用し、再生材利用製品を製造する ための技術開発や実証、商用化に係る設備投資が対象です。つまり「廃プラスチックを再利用して新しい製品を作るラインを整備したい」とか「廃ガラスを粉砕して建材に使う技術を確立したい」みたいな話ですね。
ああ、リサイクル材を使ったものづくり。いわゆる「循環型の製造業」ってやつですね。
そうです。補助対象になるのは建設費、設計費、設備費、工事費等 。つまり工場の建設や設備導入の費用がガッツリ補助対象になります。
2つ目は「長寿命化や再資源化の容易性の確保 」に資するものづくり。要するに「修理しやすい製品」とか「壊れたら部品を交換して長く使える設計」を支援するんです。
ああ、最近の家電とかスマホって修理が難しくてすぐ買い替えじゃないですか。そうじゃなくて「直せる・長く使える」を目指す製品に対してお金が出るってこと?
まさにその通りです。環境配慮型ものづくり のための技術開発、実証、商用化を支援する。これって結構大きいですよね。メーカーからすると「長持ちする製品を作ると売り上げが減る」っていうジレンマがあるんですが、国がそこを支援するという意思表示ですから。
なるほど。製品のライフサイクル全体で見た時に、環境負荷を減らす設計に投資するわけか。これは自動車部品メーカーとか電子機器メーカーも対象になりそうですね。
3つ目は個人的に一番面白いと思ったんですが、「リユース、リファービッシュ等のCE(サーキュラーエコノミー)コマース促進 」です。
リファービッシュって、中古品をきれいに修理して再販するやつですよね?
そうです。中古スマホを再生して売るとか、中古の産業機器をオーバーホールして再販するとか。あとはシェアリングエコノミーのプラットフォームみたいなものも含まれる可能性があります。
これは面白い!いわゆる「モノを所有しない経済」のための設備投資も対象になるってことか。
はい。ただしあくまで「技術開発、実証、商用化に係る設備投資」が対象なので、単なるネットショップの開設費用とかは違うと思います。具体的な線引きは公募要領を確認してくださいね。
対象事業の3類型 再生材利用製品の製造
廃材や再生材を原料に新製品を作るための設備投資を支援
環境配慮型ものづくり
長寿命化・再資源化を前提とした製品設計・製造を促進
リユース・リファービッシュ
中古品の再生販売やシェアリングなどCEコマースを後押し
さて、肝心の「誰がもらえるか」ですね。業種の幅がすごく広いみたいですが…
そうなんですよ。農業、林業、漁業、建設業、製造業、情報通信業、運輸業、医療、福祉 などなど。実質、ほぼ全業種対象と言っていいでしょう。従業員数の制約もありません。
ここ、前回の記事で間違えて書いちゃったポイントなんですが。個人事業主は申請できるんですか?
いい質問です。結論から言うと、個人事業主単独では申請できません 。応募資格の一番最初に「日本法人(登記法人)である民間会社 」と明確に書いてあります。
あ、やっぱりダメなんですね。前回の記事では「個人事業主でも開業届を出していれば可能」って書いちゃったんですが…
そこは訂正必須ですね。ただ、民間会社を主申請者とする共同体の一員として参加することは可能 です。つまり、個人事業主の方が主体になることはできませんが、複数社でコンソーシアムを組む場合、そのメンバーに入ることはできる。
なるほど。個人事業主の方は「誰か法人と組めば可能性がある」と。じゃあ次に、絶対にクリアしないといけない条件って他にもあるんですか?
ここがけっこうハードル高いかもしれません。サーキュラーパートナーズ(サーキュラーエコノミーに関する産官学のパートナーシップ)の会員であること が必須条件です。
サーキュラーパートナーズ?聞いたことあるようなないような。
2023年9月に経済産業省が立ち上げた、産官学のパートナーシップ組織です。まだ会員でない場合は、申請までに入会申し込みを行う必要があります 。しかも入会してから4カ月以内に、2030年度の排出量目標とコミットメントの報告が必要。
ちょっと待ってください。つまり、この補助金をもらいたいなら、まずはサーキュラーパートナーズに入って、さらに二酸化炭素の排出削減目標を立てなきゃいけない?
その通りです。GXフューチャー・リーグへの入会と排出量実績の報告 も合わせて義務付けられてます。中小企業の場合は「その他の温室効果ガスの排出削減のための取組の提出」で代用可能ですが、ゼロじゃない。
これは結構な手間ですね。補助金の申請準備だけでなく、並行してこの手続きを進めるってことか。
そうです。だからこそ、今から動き出さないと間に合わない 。募集期間は2026年7月28日から9月14日 ですから、まだ半年以上ありますが、サーキュラーパートナーズの入会審査やGXフューチャー・リーグの手続きを考えると、実質的な準備期間はもっと短いですよ。
登録必須条件まとめ
① 日本法人(登記法人)であること
② サーキュラーパートナーズ会員であること(申請までに入会申込必須)
③ GXフューチャー・リーグに入会し、排出量実績を報告すること
※中小企業は排出削減の取組提出で代替可能
ここは絶対に数字を押さえたいところです。補助額と補助率、もう一度整理してください。
はい。まず補助上限額は2,000,000万円(200億円) 。ただしこれは全プロジェクトの上限であって、個別企業が全額もらえるわけじゃないです。補助率は中小企業等1/2以内、大企業等1/3以内 。詳細は公募要領で確認というのが正確です。
この「中小企業等」と「大企業等」の線引きって、どこで判断するんですか?
基本的には中小企業基本法の定義に従います。ただ今回の補助金では、資本金や従業員数だけでなく、サーキュラーパートナーズの会員区分 も関係してくる可能性があります。正確な判定は公募要領を確認してくださいね。
ここで適当に「うちは中小企業だから1/2だ!」って思ってても、実は大企業扱いだったら大変ですもんね。
そうなんです。あと注意点として、補助金は後払い(精算払い) が基本です。つまり一旦は全額自社で立て替えて、後から補助金が支払われる。資金繰りに余裕がないと厳しいケースもありますよ。
区分 補助率 補助上限額 中小企業等 1/2以内 詳細は公募要領参照 大企業等 1/3以内 詳細は公募要領参照 ※補助金全体の上限 2,000,000万円(200億円) -
表にすると一目瞭然ですね。中小企業は半分持ち出しになりますが、残り半分を国が見てくれるのは大きい。200億円のプロジェクトなんて普通はできないですが、1億円の設備投資なら5,000万円の補助金って計算になる。
中小企業の設備投資としては十分現実的なラインですよね。しかも再生材を扱う設備とか、リサイクルラインって初期投資が大きいので、この補助率は非常にありがたいはずです。
じゃあ次は「実際にどの経費が補助対象になるのか」を細かく見ていきましょう。よくあるのが「あれも対象だと思ってたのに違った」っていう落とし穴ですからね。
そうですね。まず基本として、資源循環に係る技術開発及び実証に係る建設費、設計費、設備費、工事費等 が対象です。具体的には工場の建屋建設、機械設備の購入・設置、設計図面の作成費用などが該当します。
例えば、廃プラスチックをリサイクルするための粉砕機を買いたい。これは設備費として対象になりますか?
なります。ただし、その粉砕機を使って「何を作るのか」がポイントです。①再生材利用製品の製造 に該当するかどうか。単に粉砕機を買うだけでは補助対象にならない可能性があります。
ああ、なるほど。「補助金ありきで設備を買う」のではなく、「補助金の趣旨に合致する事業計画」が必要だと。
その通りです。他にも長寿命化設計のための3D CADシステム導入 とか、リユース品の品質検査装置 とか。設備投資の目的が「資源循環の促進」であることが明確である必要があります。
逆に「これはダメ」っていう線引きも教えてください。
まず人件費 は基本的に対象外です。自社の従業員の給料に補助金を使うことはできません。あと消耗品費や事務所の家賃、光熱費 のような運営費も対象外です。
あ、やっぱり。よくある「研究開発費に人件費を含めたい」っていう相談ですが、この補助金では難しいと。
はい。ただし外注費や委託費 は、その委託先が建設・設備工事に関連するものであれば対象になるケースもあります。あくまで「設備投資等」に対する補助なので、ソフトウェア開発費やコンサルタント費用は注意が必要。詳細は必ず公募要領と交付規程を確認してください。
経費の対象・非対象 建設費(工場建屋など) 設計費(図面作成など) 設備費(機械・装置の購入) 工事費(設置工事など) × デメリット
人件費(自社従業員の給料) 消耗品費(文房具など) 事務所家賃・光熱費 運転資金(原材料費など)
募集期間は2026年7月28日から9月14日 まで。約1カ月半ですね。結構短い?
実質的には短いですよ。特にサーキュラーパートナーズの入会手続きとGXフューチャー・リーグの排出量報告があるので、今から動き出さないと確実に間に合いません 。
具体的に、いつまでに何を終わらせておくべきですか?
まずサーキュラーパートナーズの入会申込みは申請までに完了 が必要。審査に時間がかかる可能性を考えると、遅くとも2026年7月上旬には申し込んでおく のが無難です。
そうなんです。さらにGXフューチャー・リーグの入会と排出量目標の報告 は、申請前か申請と同時に提出する必要があります。中小企業の場合は排出削減の取組を報告すればいいんですが、それでも内容をまとめるのに時間がかかる。
つまり、今のうちから「自社の排出量はどのくらいか」「削減目標はどう設定するか」を考え始めないとね。
ええ。そして事業計画の策定 も当然必要です。単に「設備が欲しい」ではなく、「この設備を導入することで、どれだけの資源循環効果が見込めるか」を定量的に示す必要があります。
申請までの推奨スケジュール 2026年5月まで
準備期間
サーキュラーパートナーズ入会準備、排出量データ収集
2026年6月〜7月
申請準備
事業計画策定、経費見積もり、書類作成
2026年7月28日
公募開始
申請受付スタート
2026年9月14日
応募締切
この日までにjGrantsから申請完了
じゃあいよいよ具体的な申請手続きです。ぶっちゃけ、補助金申請って「どこから手をつければいいのか」が一番の壁じゃないですか?
確かにそうですよね。でもこの補助金はjGrants(ジェイグランツ)というオンラインシステム で申請するので、昔と違ってかなり効率的になってます。ただ、初めての人にはハードルが高いのも事実。
jGrantsを使うには、まずGビズIDが必要なんですよね?
そうです。GビズIDは政府の共通認証システム で、これを取得しないとjGrantsにログインできません。取得には 2週間から1カ月程度かかる こともあるので、早めにやっておくべきです。
法人であれば、登記簿謄本とか印鑑登録とかが必要なんですよね?
必要な書類はGビズIDの公式サイトで確認できますが、基本的には登録事項証明書(履歴事項全部証明書) の写しと、代表者の本人確認書類 があれば大丈夫。電子証明書の取得もセットでやるとスムーズです。
GビズIDが取れたら、次は公募要領・交付規程・申請様式をダウンロード します。ダウンロード先は「一般社団法人低炭素投資促進機構」のサイト。
そうですね。特に重要なのは ①なぜこの事業が必要か(背景) ②どうやって資源循環を実現するか(具体的方法) ③どれだけの効果が見込めるか(定量的目標) の3点。あと、補助金の使途ごとに金額を積算 した資料も必要です。
jGrants上で申請様式のテンプレートがダウンロードできるので、まずはそれに沿って埋めていくのがいいですよ。空欄があると申請が受理されないケースもあるので、1つ1つ確認しましょう。
はい。jGrantsにログインして、該当する補助金を探して「申請する」ボタンをクリック。必要事項を入力し、添付ファイルをアップロードして送信。送信前に入力内容をPDFで保存 しておくといいですよ。あとで確認できますから。
締切は2026年9月14日。当日ギリギリだとシステムが混雑する可能性もあるから、少なくとも1週間前までには送信完了 しておきたいですね。
補助金申請の流れ(4ステップ) 1 GビズID取得
2週間〜1カ月かかるので早めに。電子証明書も同時取得推奨
2 公募要領を精読
低炭素投資促進機構のサイトからダウンロード。対象経費を確認
3 事業計画と様式作成
資源循環効果を定量的に示す。空欄ゼロで埋める
4 jGrantsから申請
締切9月14日。最終確認のためPDF保存必須
せっかく申請するなら、採択されないと意味がありません。審査で気をつけるべきポイントってありますか?
この補助金の審査は、あくまで「資源循環の促進 」という大きな目的に合致しているかが最も重要です。いくら事業計画がしっかりしていても、GXやサーキュラーエコノミーとの関連性が薄いと採択は難しいでしょう。
「資源循環効果」って、具体的にどうやって示せばいいんですか?
例えば「この設備を導入することで、年間○○トンの廃プラスチックを削減できる」とか「再生材の利用率を△△%向上させる」といった数値目標が有効です。あとCO2削減効果 も重要な指標になります。
なるほど。GXフューチャー・リーグの排出量報告とも連動するわけですね。
そうです。**EBPM(エビデンスに基づく政策立案)**にも協力する必要があります。つまり、事業実施後のデータ提供を前提とした申請になる。だからこそ「事前の計画」がきちんとしていないと、事後の報告もままならない。
複数社で共同体を組んで申請するケースも多いんじゃないですか?
そうですね。その場合、主申請者が日本法人の民間会社 であることが必須です。地方公共団体が主申請者になることはできません。また、委託契約を結ぶ場合は確定検査等の資料を5年以上保管 する体制が必要。
補助金の適正執行のために必要な措置です。あと、申請時から事業完了後まで、さまざまなデータ提供が求められる ことを覚悟しておいてください。面倒くさがらずに対応できる体制を最初から作っておくことが重要です。
最後に、よくある質問と注意点をまとめましょう。最初に聞いた個人事業主の問題も含めて。
はい。まず「個人事業主は申請できない」は最重要ポイント。次に「サーキュラーパートナーズ会員でないと申請できない」も絶対に外せない。そして「GXフューチャー・リーグの入会が必要」という3点セットは絶対です。
「とりあえず申請だけしてみよう」っていう姿勢で大丈夫でしょうか?
それはおすすめしません。この補助金は事前準備が非常に重要 です。特にサーキュラーパートナーズの会員になるには審査があるし、GXフューチャー・リーグの排出量目標を設定するには自社のデータ分析が必要。「とりあえず」では通りません 。
最後に、この補助金に応募する事業者に対してメッセージをお願いします。
この補助金は、サーキュラーエコノミーへの本気度 が試されていると思います。単なる設備投資補助金ではなく、「資源を循環させることで経済と環境を両立させる」という国の大きなビジョンに共感できる企業こそ、採択される可能性が高い。
なるほど。だからこそ、事業計画の段階から「なぜこの事業なのか」をしっかり考えないといけないんですね。
そうです。申請は2026年9月14日まで。まだ余裕はありますが、今からサーキュラーパートナーズの入会手続きを始めてください 。そして公募要領をダウンロードして、じっくり読む。まずはこの2つから始めましょう!
1 補助上限は2,000,000万円(200億円)。中小企業等は1/2以内、大企業等は1/3以内 2 個人事業主単独では申請不可。法人を主申請者とする共同体が必要 3 サーキュラーパートナーズ会員+GXフューチャー・リーグ入会が必須条件 4 募集期間は2026年7月28日~9月14日。事前準備含め今すぐ行動開始 5 資源循環効果を定量的に示す事業計画が採択のカギ 6 問合せ先:一般社団法人低炭素投資促進機構 r8skgshigen@teitanso.or.jp