室谷さん、今日は「令和8年度ゼロエミ推進製品・サービス等の販路拡大助成事業」について教えてください! 名前が長くて、まず何の制度なのかイメージがわかないんですけど。
ハハ、確かに長い名前ですよね(笑)。簡単に言うと、ゼロエミッションに貢献する製品やサービスを扱う都内中小企業が、展示会に出展したりECサイトを開いたりする費用の一部を助成してもらえる制度です。
ゼロエミッション製品の販路拡大に特化した助成金なんですね。補助額はどれくらいなんですか?
上限が150万円で、助成率は対象経費の2/3以内です。これはかなり手厚いですよ。
2/3ももらえるんですか! それはすごい。でも、どんな製品が対象になるのか、そこが重要ですよね。
そもそも「ゼロエミッション製品」って、具体的に何を指すんですか?
東京都の「ゼロエミッション東京戦略 Beyond カーボンハーフ」に基づいて、①エネルギー(再生可能エネルギー・水素エネルギー)、②都市インフラ(建物・交通)、③資源・環境(廃棄物・プラスチック・食品ロス・フロン対策)、④気候変動適応の4分野が対象です。
なるほど。再生可能エネルギー関連とか、省エネ建材とか、食品ロス削減サービスとか、そういったものが当てはまりそうですね。
そうです。自社で企画・製造して、自社製品として単独で販売する権利を持っていることが条件です。単なる代理店商品は対象外になる可能性が高いので注意してください。
**東京都内の本店または支店で、実質的な事業活動を引き続き1年以上行っている中小企業者(法人または個人事業者)**です。
はい。個人事業主でも申請できます。ただし、登記簿謄本や納税証明書、確定申告書などが必要なので、書類を揃えられる状態かどうかを確認しておきましょう。
本店が都外でも、都内に支店があればいけるんですね。
その通りです。あくまで「都内の本店または支店で実質的に事業をしている」ことが大事で、登記だけして実体がない場合は厳しいでしょうね。
中小企業者の定義って、従業員数とか資本金の縛りがありますよね?
jGrantsの情報では「従業員数の制約なし」と記載されています。ただ、中小企業者として認定される範囲は業種ごとに異なりますから、詳細は募集要項で確認することをおすすめします。
そうですね。製造業と小売業では中小企業の定義が違いますから、自分の業種が該当するかどうかは必ず確認してください。
対象業種を教えてください。結構たくさんあると聞いたんですが。
本当に多いですよ。農業・林業から、漁業、建設業、製造業、情報通信業、運輸業、卸売・小売業、金融業、不動産業、宿泊業、医療・福祉まで、ほぼ全業種と言っていいでしょう。
対象です(笑)。もちろん、ゼロエミッション関連の製品・サービスを取り扱っていることが前提です。でも、業種のハードルはかなり低いので、製品の該当性が勝負どころになりますね。
ゼロエミ販路拡大助成の特徴販路開拓に特化
展示会出展・EC出店・サイト制作など販路拡大に直結する費用を助成
上限150万円・2/3助成
助成対象経費の2/3以内、上限150万円
助成対象は4分野
①エネルギー②都市インフラ③資源・環境④気候変動適応
都内中小企業が対象
本店または支店で1年以上事業活動している法人・個人事業者
補助額の計算はどうなるんですか? たとえば100万円かかったら?
100万円の対象経費なら、2/3で66万6,000円です。千円未満は切り捨てなので、66万6,666円にはなりません(笑)。
あ、千円未満切り捨ては注意ですね。じゃあ、300万円かかったら?
2/3で計算上は200万円ですが、上限の150万円で頭打ちです。つまり、150万円の助成を受けるには、対象経費が225万円以上必要になる計算です。
なるほど。上限ギリギリを狙うなら、225万円以上の費用が必要なんですね。
そうです。事業計画を立てる時は、このあたりの規模感を意識しておくと良いですね。
まず「販路開拓費」として、展示会等参加費(出展小間料・資材費・輸送費)、EC出店初期登録料(上限20万円)、サイト制作・改修費(上限20万円)。次に「販売促進費」として、印刷物制作費(上限50万円)、動画制作費(上限20万円)、**広告掲載費(上限20万円)**です。
| 経費区分 | 対象経費 | 助成限度額 |
|---|
| 販路開拓費 | 展示会等参加費(出展小間料・資材費・輸送費) | 経費の2/3以内(全体上限150万円) |
| 販路開拓費 | EC出店初期登録料 | 20万円 |
| 販路開拓費 | サイト制作・改修費 | 20万円 |
| 販売促進費 | 印刷物制作費 | 50万円 |
| 販売促進費 | 動画制作費 | 20万円 |
| 販売促進費 | 広告掲載費 | 20万円 |
個別の上限があるんですね。全部合わせて150万円というわけじゃなくて?
個別の経費ごとに上限が設定されていて、全体でも150万円が上限です。なので、組み合わせ方次第で使える金額が変わってきます。
例えば、EC出店20万円+サイト制作20万円+印刷物50万円+動画20万円+広告20万円で130万円、それに展示会費を足して150万円まで、みたいなイメージですかね。
その認識で合っています。ただし、ここで重要なのが次のポイントです。
販売促進費のみの申請はできません。印刷物制作費や動画制作費、広告掲載費だけを申請するのはNGで、必ず販路開拓費とセットで申請する必要があります。
あー、これは大事なポイントですね。展示会出展とかEC出店とか、販路開拓のアクションと一緒でないといけないわけだ。
そういうことです。サイト制作・改修費やEC出店初期登録料だけなら販路開拓費なので単独でもOKという整理になりますが、念のため募集要項で確認してくださいね。
展示会等参加費の中身をもう少し詳しく教えてください。
出展小間料は、オンライン展示会の出展基本料も含みます。国内・海外・オンラインのいずれも対象です。
海外の展示会も対象なのはありがたいですね。資材費と輸送費は?
展示会で使うパネルや什器などの資材費、製品や資材を運ぶ輸送費ですね。海外展示会の場合、輸送費はかなり大きくなるので、助成のメリットを感じやすい経費です。
EC出店初期登録料は、どんなものが対象になりますか?
新しいECモールに出店する際の初期登録料ですね。ただし、上限は20万円です。ランニングコスト(月額費や手数料)が含まれるかどうかは、募集要項で確認が必要です。
サイト制作・改修費も上限20万円ですよね。既存サイトのリニューアルも対象になりますか?
販路拡大のためのサイト制作・改修なので、自社製品の販売ページを新設したり、EC機能を追加したりといったケースが想定されます。ブランドイメージ刷新だけのリニューアルが対象になるかは、判断が分かれるところでしょうね。
そうですね。迷ったら、問い合わせ先に確認するのが一番確実です。
まず、自社製品でないものの販売促進費は対象外です。あと、助成対象期間(令和8年11月1日〜令和9年11月30日)外の支出も対象外になります。
そういう理解で正しいです。対象期間内に支出・支払いが完了することが必要なので、スケジュール管理はしっかりやりましょう。
対象になりやすい経費・注意が必要な経費- 展示会の出展小間料(オンライン展示会含む)
- 展示会用の資材費・輸送費
- EC出店の初期登録料(上限20万円)
- 販路拡大のためのサイト制作・改修費(上限20万円)
- パンフレット等の印刷物制作費(上限50万円)
- 商品紹介動画の制作費(上限20万円)
×デメリット
- 販売促進費のみの申請は不可
- 自社製品として販売する権利がないものは対象外
- 助成対象期間外の支出は対象外
- 千円未満は切り捨てになる
申請の流れを教えてください。まず何から始めればいいですか?
最初にやるべきは、GビズIDプライムアカウントの取得です。申請は国が提供する電子申請システム「Jグランツ」で行うんですが、その利用にGビズIDプライムが必要になります。
そうです。デジタル庁が提供しているIDで、発行までに時間がかかる場合があります。申請期間は8月10日からなので、7月中には取得しておくのが安全でしょう。
ギリギリだと間に合わない可能性もある、と。これは早めの行動が大事ですね。
ゼロエミ販路拡大助成の申請フロー- 1
GビズIDプライムを取得
事前に取得。申請期日に対して余裕を持って準備
- 2
- 3
申請書類を準備
申請書・商品説明資料・登記簿謄本・納税証明書・確定申告書等
- 4
Jグランツで電子申請
令和8年8月10日10時〜8月31日17時
- 5
審査・採択
資格審査および書類審査(経理審査を含む)
- 6
事業実施・実績報告
令和8年11月1日から最長1年1ヶ月
必須なのは、申請書(Jグランツのフォーム入力+申請書別紙のアップロード)、商品説明資料、登記簿謄本等、納税証明書、確定申告書です。それから、展示会の経費を申請する場合は展示会等の出展案内も必要です。
なかなか多いですね。助成事業プレゼン資料は任意とありましたが、提出したほうがいいですか?
任意とされているものは、基本的に提出できるならしたほうが審査で有利に働く可能性があります。特に、製品のゼロエミ該当性や販路拡大の戦略をアピールできるなら、積極的に活用しましょう。
Jグランツによる電子申請のみです。持参、郵便、電子メール等では受け付けてもらえません。
ダメです。必ずJグランツから申請してください。申請内容や提出資料に不備があった場合は、Jグランツ上で差し戻しになり、担当者アドレス宛てに通知メールが届きます。
通知に従って修正し、再提出します。ただし、締切後の再提出が可能かどうかは募集要項で確認が必要です。余裕を持って申請しましょう。
あります。令和8年8月19日(水)14時〜15時に、Zoomウェビナー形式で第2回申請説明会が開催されます。第1回は終了済みですが、第2回は同一内容とのことです。
そうですね。当日9時に公社のページ内でZoomのURLが公開されるので、事前に募集要項や申請書をダウンロードして準備しておきましょう。撮影・録画・録音は禁止で、録画配信もないので、参加するならリアルタイムで聞くしかありません。
**資格審査および書類審査(経理審査を含む)**です。面接やプレゼンは公式情報には記載がないので、基本的には書類で合否が決まると思ってください。
そう言っても過言ではないですね。特に重要なのは、商品説明資料で「自社製品として販売する権利があること」と「ゼロエミッションの4分野に該当すること」を明確に示すことです。
ゼロエミッションへの該当性って、どうやってアピールすればいいんですか?
「この製品が使われることで、どれだけCO2削減や資源循環に貢献できるか」を具体的に説明するのが効果的です。例えば、エネルギー分野なら再エネの導入を促進する製品、資源・環境分野ならプラスチック使用量を減らす代替品など、ストーリーが伝わると良いですね。
なるほど。製品自体がゼロエミであることだけでなく、使われ方や効果も含めて評価されるわけですね。
そういうことです。単なる製品スペックの羅列ではなく、「この製品が世の中に出ることで、どんなゼロエミッションの未来に貢献するのか」を描けると強いでしょう。
どの展示会に出展するのか、どのECモールに出店するのか、サイトをどう改修するのか。対象経費の一つひとつが「販路拡大」にどうつながるのかを具体的に説明できるかが重要です。
「とりあえず展示会に出たい」ではなく、戦略が必要なんですね。
はい。例えば「海外バイヤーが集まる◯展示会に出展して、自社製品の認知度を高め、海外代理店とのマッチングを図る」といったように、目的と手段が明確だと説得力が増します。
なります。出展小間料に「オンライン展示会出展基本料を含む」と明記されています。現地開催の展示会が難しい場合でも、オンライン展示会なら気軽にチャレンジできますね。
EC出店初期登録料が20万円の場合、助成額はいくらですか?
助成率2/3なので、13万3,000円(千円未満切り捨て)です。ただし、EC出店初期登録料の助成限度額は20万円なので、30万円かかったとしても助成は20万円までです。
サイト制作・改修費だけで申請することはできますか?
サイト制作・改修費は「販路開拓費」に区分されているので、販売促進費のみの申請ができないという制限には該当しないと考えられます。ただ、単独での申請可否について明記された情報はないので、募集要項で確認してください。
補助金・助成金は原則として返済不要のものですが、公式情報には明記されていません。制度によっては後払いだったり、書類不備で返還が必要になったりするケースもあるので、募集要項または問い合わせ先で確認してください。
申請書類に貼る印紙とか、振込手数料とかも対象になるんですか?
公式情報にはそこまでの詳細は記載されていません。一般的には事務的手数料は対象外となることが多いですが、本制度でどうなのかは募集要項で確認してください。
最後に、問い合わせ先と基本情報をまとめてください!
もちろんです。制度名は「令和8年度ゼロエミ推進製品・サービス等の販路拡大助成事業」、実施機関は「公益財団法人東京都中小企業振興公社」です。
室谷さん、最後に読者へのメッセージをお願いします!
ゼロエミッション関連の製品を扱っている都内中小企業にとって、これは非常に心強い制度です。展示会出展やEC展開はお金がかかるものですが、2/3も助成してもらえるなら、新規販路にチャレンジする絶好の機会です。
でも、申請期間が8月10日から8月31日までと短いですから、準備は早めに始めたほうが良さそうですね。
そうですね。GビズIDの取得も時間がかかるので、今すぐ行動を始めるのがおすすめです。まずは募集要項をダウンロードして、自社の製品が対象になるか確認してみてください!