室谷さん、今回のテーマは「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」ですよね。通称「ものづくり補助金」と呼ばれるやつですけど、23次締切ってどういう意味なんですか?
その通りです。ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が新しいサービス開発や試作品開発、生産プロセスの改善に取り組むための設備投資などを支援する補助金です。23次締切というのは、この補助金が繰り返し公募されていて、その第23回目の締切という意味です。
つまり、過去にも何度も募集があったんですね。でも、今回の23次締切の特徴は何ですか?
大きな特徴は、働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入といった、今後複数年にわたり中小企業が直面する制度変更に対応するための設備投資を支援する点です。つまり、ただ新製品を作るだけでなく、制度変更に対応しながら生産性を上げる取り組みが対象になります。
なるほど。制度変更に対応するための投資を後押ししてくれる、というわけですね。でも、具体的にどんな事業が対象になるのか、まだイメージが湧きません。
公式の制度詳細によると、対象となるのは「革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等」です。つまり、新しい価値を生み出すための投資であれば、幅広い業種で可能性があります。
対象業種を見てみると、製造業のほかにも、卸売業や小売業、宿泊業、飲食サービス業、情報通信業、建設業、運輸業、医療・福祉などが挙げられています。これって、本当に全部対象なんですか?
はい、その通りです。公式ページにはなんと20の業種が列挙されています。具体的には、農業、林業、漁業、鉱業、採石業、砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業、医療、福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、公務(他に分類されるものを除く)、分類不能の産業まで、本当に多岐にわたります。
えっ、公務や分類不能の産業まで入っているんですか?それはちょっと面白いですね(笑)。
そうなんです。公務が対象になっているのは珍しいですが、実質的には民間の中小企業が主な対象ですから、そこは安心してください。重要なのは、自分が中小企業者かどうか、という点です。
ものづくり補助金は、単に設備を買って終わりではなく、その先のゴールが求められるんですよね。
その通りです。公式の目的には「中小企業・小規模事業者の生産性向上を促進し経済活性化を実現する」と書かれています。つまり、補助金を受けて終わりではなく、その後どうやって生産性を上げていくかが問われます。だからこそ、事業計画の段階で、新製品・新サービスがどのように収益につながるかを具体的に示す必要があります。
気になるのはお金です。補助額の上限はいくらなんですか?
申し訳ないですが、この23次締切の公表時点では、補助上限額はまだ示されていません。公式ページの「補助上限額」の欄は「-」になっています。ただ、補助率は1/2または2/3と定められています。
1/2か2/3ということは、自分で半分から3分の1は負担するってことですよね?その差は何で決まるんですか?
この情報だけでは、どちらの補助率が適用されるかの条件は確定できません。中小企業か小規模事業者か、また申請する枠や事業内容によって変わる可能性がありますが、詳しくは公募要領で確認してください。とにかく、補助率は「1/2もしくは2/3」のいずれかです。
補助上限額が未定だと、事業計画が立てにくくないですか?
そうですね。でも、過去の公募では金額が設定されていたので、今回も公募要領で詳細が示されるはずです。重要なのは、この補助金は「設備整備・IT導入」が使途だということ。つまり、機械設備の購入やシステム導入にかかる費用が補助の対象になります。
その補助率に加えて、上限額も分かれば、予算を組みやすいですね。ちなみに、補助金は後払いですか?
この情報だけでは確定できませんが、一般的な補助金では事業を実施した後に経費を報告して、後日振り込まれる「後払い」がほとんどです。この補助金の場合は、具体的な支払い条件も公募要領で確認してください。
仮の数字でいいので、いくら補助を受けられるか計算してみてもらえますか?
例えば、補助対象となる設備投資が200万円だとします。補助率が1/2なら100万円、2/3なら約133万円の補助が受けられる計算になります。ただし、これはあくまで補助率から計算した例です。実際には上限額や対象経費の範囲が公募要領で決まるので、この金額がそのまま受け取れるとは限りません。
なるほど。補助率の掛け算だけじゃなく、上限額が絡んでくるんですね。
そうです。だからこそ、公募要領の公表を待つ必要があります。とはいえ、「設備投資の一部を補助してもらえる」という点は安心材料ですね。
申請できるのはどんな人ですか?個人事業主でも大丈夫ですか?
はい、大丈夫です。補助対象者は「日本国内に本社及び補助事業の実施場所を有する中小企業者」と「特定非営利活動法人」、「社会福祉法人」です。つまり、個人事業主も中小企業者に含まれますから、申請できます。
NPO法人や社会福祉法人も対象なんですね。これは意外です。
そうですよね。製造業だけではなく、福祉施設が新しいサービスを開発する場合なども対象になり得るということです。ただし、日本国内に本社と実施場所が必要ですから、海外に本社がある企業は対象外になります。
従業員数の制限はありますか?うちは従業員が数十人規模の小さな会社なんですけど。
公式ページには「従業員数の制約なし」と明記されています。つまり、従業員数による制限はありません。小規模事業者でも、ある程度の規模の中小企業でも、中小企業者であれば基本的に申請できます。
それはありがたいですね。でも、中小企業者の定義自体はどうなってるんですか?
中小企業者の定義は、業種によって資本金や従業員数の基準が異なります。この補助金では、その定義に沿って対象者が決まりますので、自分の会社が該当するかどうかは公募要領で確認してください。また、特定非営利活動法人や社会福祉法人も対象なので、その場合は法人としての要件が問われます。
重要な除外条件があります。それは「申請締切日前10か月以内に同一事業(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業)の交付決定を受けた事業者は申請できない」という点です。つまり、直近10か月以内にこの補助金の交付決定を受けている人は、今回はダメということです。
ああ、それは大事ですね。過去に採択されたばかりの人は、期間を空けないと再申請できないわけですね。
その通りです。また、補助事業の実施場所が日本国内にあることが必須です。海外に工場がある場合でも、日本の本社と実施場所が対象になります。
補助金で何に使えるんですか?機械を買うだけですか?
公式の使途は「設備整備・IT導入」です。具体的には、新しい機械装置の導入や、システム構築などが対象になります。ただし、東北経済産業局の公募要領の情報によると、製品・サービス高付加価値化枠では、「革新的な新製品・新サービスの開発のための取り組み」に必要な設備・システム投資等が対象です。
つまり、ただ設備を買うだけではなく、新しいものを作るための投資でないとダメなんですね。
その通りです。公式ページにも「単に機械装置・システム等を導入するにとどまり、新製品・新サービスの開発を伴わないものは補助対象事業に該当しません」と書かれています。例えば、既存製品の生産工程を改善するための設備投資は、製品・サービス高付加価値化枠では対象外になります。
公募要領を確認する必要がありますが、一般的な補助金では事務所の家賃や人件費、消耗品などは対象外になることが多いです。この補助金の場合、設備投資やIT導入が主目的なので、それに関係のない経費は基本的に認められません。
そうですね。対象経費の詳細は必ず公募要領で確認してください。ここでは「設備整備・IT導入」に使える、という点を押さえておけば十分です。また、この補助金には「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2つの枠があります。それぞれで対象経費が少し異なる可能性があるので、注意が必要です。
東北経済産業局の公募案内によると、1つ目は「製品・サービス高付加価値化枠」で、革新的な新製品・新サービスの開発の取り組みに必要な設備・システム投資等を支援します。もう1つは「グローバル枠」で、海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資等を支援します。
つまり、海外展開を目指す場合はグローバル枠を選ぶんですね。
そうです。ただし、グローバル枠の対象経費には、海外市場開拓(輸出)に関する事業の場合に限って、海外旅費や通訳・翻訳費などが追加される場合があります。これらも公募要領で確認してください。
対象経費の考え方- 新しい機械装置の導入
- システム構築・IT導入
- 革新的なサービス開発のための設備投資
×デメリット
- 単なる設備の入れ替え
- 新製品開発を伴わない投資
- 家賃や人件費などの経常費
申請の流れを教えてください。まず何から始めればいいですか?
最初にやるべきは「GビズID」の取得です。電子申請は「jGrants(ジェイグランツ)」というポータルサイトで行うのですが、その際にGビズID(法人用の電子認証)が必要になります。これは事前に発行しておかないといけないので、まだの人は早めに手続きしましょう。
それとは別のものですね。GビズIDは、政府のさまざまな手続きに使う法人向けの共通IDです。役員の情報などが必要になるので、申請に時間がかかることがあります。余裕をもって準備してください。
公募要領をよーく読んで、自分の事業が補助対象になるか確認します。その上で、事業計画書を作成し、必要書類をそろえてjGrantsから電子申請します。今回の23次締切のスケジュールを見ると、公募開始が2026年2月6日、申請受付が2026年4月3日17時から、応募締切が2026年5月8日17時までです。
つまり、申請受付が始まってから約1か月で書類を仕上げる必要があるんですね。結構タイトですね。
そうなんです。だから、GビズIDの取得や事業計画の練り込みは、受付開始前から進めておくのがポイントです。締切直前の混雑やシステム障害に備えて、早めに提出することをおすすめします。
公式ページでは「公募要領」「交付要綱」「申請様式」が公開されています。これらの様式に沿って、事業計画書や決算書などの必要書類を作成することになります。ただし、詳細な書類リストは公募要領に記載されていますので、必ず確認してください。
そうですね。ただし、中小機構の「補助金活用ナビ」には、事業計画書の作成ポイントが解説されています。審査のポイントも公開されているので、それを参考にすると良いですよ。
採択されるためには、どんなことをアピールすればいいですか?
この補助金の目的は「生産性向上」です。単にお金が欲しいという事業計画ではなく、新しい価値を生み出し、それが会社の成長につながることを具体的に示す必要があります。特に「革新的な新製品・新サービス開発」か「海外事業を通じた国内の生産性向上」が求められます。
中小機構のページには「審査のポイント」が公開されています。そこでは、事業計画書の作り方や審査で見られる点、採択のコツなどが説明されています。ただし、採択率などの数値は公表されていない部分もありますから、まずは公募要領に沿った計画を立てることが大切です。
実際に審査を通った事例を参考にしたいんですが...
中小機構のページには「ものづくり補助金の活用事例」が掲載されています。十勝から世界を目指すオーガニック製品の挑戦や、老舗酒造の海外展開といった事例が紹介されています。ただし、これはあくまで過去の事例ですので、今回の23次締切にそのまま当てはまるわけではありません。
なるほど。やはり、自分の事業に置き換えてストーリーを作ることが大事なんですね。
そうですね。加えて、申請書類の記載漏れや、要件の取り違えは採択率を大きく下げます。メールでの問い合わせも可能ですから、不明点は早めに確認しましょう。また、この補助金は「補助金を受けて終わり」ではなく、事業計画の達成が求められます。付加価値額の増加や賃金の増加といった数値目標を、きちんと設定する必要があります。
採択後は、交付申請を行い、補助事業を実施します。事業が完了したら実績報告を提出し、補助金が確定する流れです。中小機構のページには「事業の流れ」という項目がありますが、詳細は公募要領で確認してください。重要なのは、補助事業の実施期間中も、計画通りに進んでいるかをしっかり管理することです。
もう一度スケジュールを整理してください。いつまでに何をすればいいんでしょうか?
スケジュールは以下の通りです。公募開始が2026年2月6日、申請受付が2026年4月3日17時、応募締切が2026年5月8日17時です。この締切を過ぎると、次の公募まで待つことになりますので、注意してください。
ちなみに、募集期間は2028年3月31日までとありましたが、これはどういう意味ですか?
これはおそらく、複数回の締切をまとめた全体の募集期間を示していると思われます。今回の23次締切の応募締切は上記の通りですから、混乱しないように気をつけてください。
分からないことがあったら、どこに聞けばいいですか?
ものづくり補助金事務局サポートセンターが問い合わせ先です。受付時間は10時から17時まで(土日祝日除く)。電話番号は050-3821-7013、メールアドレスは
kakunin@monohojo.infoです。2024年2月1日からこの番号になっているようです。
電話とメール、両方受け付けているんですね。具体的な要件は、やはり直接聞いたほうが確実ですね。
そうですね。特に、自分の事業が対象になるかどうかの判断は、専門家の意見も聞きながら進めるのがおすすめです。東北経済産業局にも問い合わせ窓口がありますが、全国の事務局サポートセンターが第一の連絡先です。
23次締切のスケジュール2026年2月6日
公募開始
公募要領が公開
2026年4月3日
申請受付開始
jGrantsで受付開始
2026年5月8日
応募締切
17時必着
最後に、よくある質問をいくつか確認したいです。まず、個人事業主です。
はい、中小企業者に含まれますので、個人事業主でも申請可能です。日本国内に本社と実施場所が必要です。
もし、最近この補助金に採択された場合、今回の23次締切には応募できないんですよね?
その通りです。申請締切日前10か月以内に同一事業の交付決定を受けた事業者は応募できません。もし、該当する場合は、次回の公募に備えて準備するのが良いでしょう。
補助金って、もらったら返済する必要はないんですよね?
これは補助金なので、基本的に返済は不要です。ただし、事業計画通りに成果を上げられなかった場合や、書類に不備があった場合は、補助金の返還を求められることもあります。正しく手続きを踏むことが重要です。
併給ルールについては、この情報だけでは判断できません。公募要領で、他の補助金との併用に関する規定を確認してください。また、都道府県によっては上乗せ補助金がある場合がありますが、これも自治体の情報を確認する必要があります。
海外展開を目指している場合は、グローバル枠を選べばいいんですか?
はい、グローバル枠は、海外への直接投資に関する事業、海外市場開拓(輸出)に関する事業、インバウンド対応に関する事業、海外企業との共同で行う事業が対象です。ただし、海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みが必要です。どちらの枠が自分の事業に合うかは、公募要領で確認してください。
中小機構のページには、2026年8月7日に「第23次公募の採択結果が公表されました」という記載があります。つまり、今回の23次締切の採択結果は、2026年8月頃に公表される見込みです。ただし、あくまで一つの目安ですので、正確な日程は公式発表を待ってください。
室谷さん、今日はありがとうございました!とても勉強になりました。
いえいえ、ぜひ良い申請をしてください!分からないことがあれば、問い合わせてくださいね。