室谷さん、今日は「外国特許出願費用助成事業」の第2回ですよね。名前が長くて、口が滑りそうです!
正式には令和8年度外国特許出願費用助成事業(第2回)。東京都が実施している制度で、外国特許の出願にかかるお金を1/2以内、上限400万円まで助成してくれるものです。
えっ、400万円!? そんなに戻ってくるんですか。
ただし条件つき。出願に要する経費だけの場合は上限が300万円になります。ここは最初に押さえておきたいポイントですね。
目的として挙げられているのは、「優れた技術等を有し、かつ、それらを海外において広く活用しようとする東京都内の中小企業者等」への支援です。外国特許出願から中間手続までに要する経費の一部を助成して、外国での特許の早期権利化を後押しする、という立て付けになっています。
そう。その結果として国際競争力の向上と経営基盤の強化を図り、東京の産業を活性化する、というのが制度のゴールとして書かれています。
助成対象期間は令和8年4月1日から令和10年11月30日まで。約2年8か月あります。外国出願は時間がかかるので、この長さはありがたい!
2年8か月! 長いですね。中間手続まで見ているからですか?
そこです。この制度は「出願して終わり」ではなく、審査請求や中間手続まで射程に入れている。だから対象期間が長くとってあるんですね。
へえ、出願した後のこともお金がかかるんですもんね。
この制度の特徴補助率1/2以内・上限400万円
出願に要する経費のみの場合は上限300万円
出願から中間手続まで対象
審査請求料や中間手続費用も助成対象に含まれる
東京都内の中小企業者等が対象
会社・個人事業者・中小企業団体・一般社団法人等
いえ、ここが大事。対象地域は東京都です。実施しているのが東京都知的財産総合センターなので。
そういうことです。まずは自社の所在地が対象に入っているかを確認するところから始めましょう。
対象業種はかなり広いんです。漁業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、複合サービス事業、サービス業、農業・林業、鉱業・採石業・砂利採取業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉。ほぼ業種を問わないラインナップです。
ほぼ全部じゃないですか! 製造業だけとかじゃないんですね。
そうですね。ただ自分の業種区分がどれに当たるかの判定は必要なので、迷ったら問い合わせ先に確認するのが確実です。
なるほど! では次に、金額の細かいところを教えてください。
1/2以内です。対象経費の半分まで、という考え方になります。
そう、300万円ですね。800万円なら計算上は400万円で、ここが上限ぴったり。900万円かかっても400万円が上限です。
しかも忘れちゃいけないのが、出願に要する経費のみの場合は上限が300万円になる点です。中間手続まで含むかどうかで天井が変わるので、そこを意識して計画を立ててください。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 令和8年度外国特許出願費用助成事業(第2回) |
| 助成率 | 1/2以内 |
| 助成限度額 | 400万円(出願に要する経費のみの場合は300万円) |
| 助成対象期間 | 令和8年4月1日〜令和10年11月30日(2年8か月) |
| 対象地域 | 東京都 |
| 申込資格 | 東京都内の中小企業者(会社及び個人事業者)、中小企業団体、一般社団・財団法人(1年度1社1出願に限る) |
| 募集期間(第2回) | 令和8年10月1日(木)〜令和8年10月16日(金)17時まで |
| 実施機関 | 外国特許出願費用助成事業(問い合わせ先は東京都知的財産総合センター) |
| 公式URL | https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDe3pMAD |
見やすい! で、この400万円と300万円の違いがまだしっくり来てないんです。
出願だけなら300万円、中間手続まで入れると400万円。つまり何が違うんですか?
助成対象経費には、外国出願手数料、審査請求料・中間手続費用、代理人費用、翻訳料、先行技術調査費用、国際調査手数料、国際予備審査手数料などが並んでいます。このうち「出願に要する経費」だけなのか、審査請求や中間手続の費用まで含むのか。
そういう整理です。だから「いま出願だけど、将来の審査請求も見据えている」というケースは、どこまでを今回の申請に含めるかを最初に決めておくのが大事になります。
そこを曖昧にしたまま進めると、もったいないことになりそうですね。
まさに。次は、そもそも誰が手を挙げられるのかを見ていきましょう。
いえ、対象です。申込資格は「東京都内の中小企業者(会社及び個人事業者)、中小企業団体、一般社団・財団法人(1年度1社1出願に限る)」。個人事業者もはっきり含まれています。
ただし、1年度1社1出願という縛りは個人でも同じようにかかってきます。
中小企業者としての従業員数の上限は300名以下とされています。ここを超えると中小企業者に該当しない可能性が出てきます。
余裕なのはいいことです(笑)。ただ、資本金など他の要件も絡む場合があるので、最終的な該当判断は公募要領で確認してください。
中小企業団体、そして一般社団・財団法人も申込資格に含まれています。あわせて、この制度は東京都内であることが前提です。
組合や一般社団法人で海外展開しているところも使える、と。
そうですね。業種の区分も広いので、まず「東京都内の対象者に当てはまるか」を確認するのが第一歩です。
「1年度1社1出願」って、1年に1件しか出せないってことですか?
そのとおりです。1年度に1社につき1出願。複数国にまとめて出したい場合にどう扱うかは、公募要領で要確認の領域です。
そうしてください。では、どのお金が対象になるのかを見ていきます。
助成対象経費として挙げられているのは、外国出願手数料、審査請求料・中間手続費用(審査の早期化に関する制度の利用に係る請求費用を含む)、代理人費用、翻訳料、先行技術調査費用、国際調査手数料、国際予備審査手数料 などです。
翻訳料や代理人費用も入るんですか! 外国出願って、そこが一番高い印象なんですよね。
そう、だからこそ1/2以内でも効果が大きい。しかも審査の早期化に関する制度の利用に係る請求費用まで含むと書かれています。早期権利化を後押しする姿勢が表れていますね。
公募要領では経費の末尾が「等」となっているので、記載のない経費が対象になるかどうかは公募要領で要確認、というのが正確な答えです。ここで推測で断言するのは危険です。
そのとおり。判断に迷ったら東京都知的財産総合センターに確認するのが確実です。
対象経費の考え方と注意点- 外国出願手数料が対象
- 審査請求料・中間手続費用が対象(審査の早期化に関する制度の利用に係る請求費用を含む)
- 代理人費用・翻訳料が対象
- 先行技術調査費用・国際調査手数料・国際予備審査手数料が対象
×デメリット
- 出願に要する経費のみの場合は上限が300万円に下がる
- 1年度1社1出願の縛りがある
- 記載のない経費の扱いは公募要領で要確認
- jGrantsと書類提出の両方を期間内に終える必要がある
ここまでで、対象者と経費はだいぶ見えてきました。次は手続きの話を!
ここが落とし穴。jGrantsでの交付申請と、申請書類の提出、両方の手続きが必要です。しかも両方を受付期間内に完了できないと、正式に受理されません。
ダメなんです。しかも「受理されない」という表現なので、締切はもっと厳しく見ておいたほうがいい。片方だけ終わって安心していると、そこで終わってしまいます。
jGrantsで申請するには、何を準備すればいいですか?
まずGビズIDの取得です。jGrantsでの電子申請にはこのアカウントが必要になるので、受付が始まる前に準備しておきましょう。当日になって慌てるのが一番もったいない!
準備の手順そのものは公募要領とjGrantsの案内で確認してください。手続き系は一次情報が命です。
jGrantsのページに公募要領、交付要綱、申請様式が並んでいます。まず公募要領を読み込んで、対象経費と要件を確認。そのうえで様式に落とし込む、という順番がおすすめです。
申請までの流れ- 1
公募要領・交付要綱を確認
対象経費・要件・対象期間をチェック
- 2
GビズIDを取得
jGrantsの電子申請に必要なアカウントを事前準備
- 3
助成対象経費を積み上げる
出願のみか中間手続まで含むかを決める
- 4
申請様式に記入
jGrantsのページで公開されている様式を使用
- 5
jGrantsで交付申請
受付期間内に電子申請を完了させる
- 6
申請書類を提出
jGrantsとあわせて期間内に提出を完了させる
この流れ、逆算して動かないと間に合わなさそうだ。締切の話に移りましょう。
第2回は令和8年10月1日(木)から令和8年10月16日(金)17時まで。約2週間しかありません!
そうなんです。しかも第1回は令和8年5月8日(金)から令和8年5月22日(金)17時まででした。こちらも約2週間。毎回この短さなので、募集が始まってから動き出すと準備が間に合いません。
助成対象期間は令和8年4月1日から令和10年11月30日まで。締切はあくまで「申し込みの受付」の話で、実際の対象期間はもっと長い。ここを混同しないでください。
あー、申請は10月、でも対象になる経費の期間は2年8か月、と。
そうです。だから、すでに4月以降に動いている出願があるなら、それも含めて考えられる可能性があります。細かい起算の扱いは公募要領で要確認です。
令和8年度のスケジュール令和8年4月1日
助成対象期間スタート
令和10年11月30日まで(2年8か月)
令和8年5月8日〜5月22日
第1回の募集
5月22日(金)17時まで
令和8年10月1日
第2回の募集開始
受付スタート
令和8年10月16日
第2回の締切
17時までにjGrantsと書類提出の両方を完了
令和10年11月30日
助成対象期間の終了
対象経費の期間がここまで
はい。ただし第1回と第2回で金額や助成率が変わる、という記載はありません。どちらで出すかを決めるのは、出願スケジュールとの相談になります。
なるほど! 次は、通るかどうかの勝負どころを教えてください。
まず目的に戻ると、「海外において広く活用しようとする」という表現があります。権利を取ること自体ではなく、その先の海外展開を見据えているかが問われるんです。
そう。だから申請のときは「その特許で海外のどこで何をやるのか」を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
あります。jGrantsでの交付申請と申請書類の提出の両方を、受付期間内に完了させること。ここでつまずくと、内容以前の問題で受理されません。
毎年ここで痛い目を見る人が出るポイントなので、カレンダーに締切を書き込んでおきましょう。
対象経費は多岐にわたるので、何が対象でいくらになるのかを丁寧に積み上げること。1/2以内なので、分母がいくらかで助成額が変わります。
600万円なら300万円、800万円なら上限の400万円、ですもんね。
そのとおり。あわせて、出願に要する経費のみなら上限300万円になる点も忘れずに。
ここまでくると、第1回と第2回の違いも気になってきます。
少なくとも公表されている情報では、助成率も限度額も同じです。違うのは受付期間ですね。
そうなります。ただ、1年度1社1出願という縛りがあるので、第1回で出したら第2回は出せない点には注意してください。
さっきの300万円と400万円の話も、ここで整理できますか?
できますよ。出願に要する経費のみなら上限300万円、中間手続まで含めば上限400万円。どちらも助成率は1/2以内です。
第1回と第2回の比較| 項目 | 第1回 | 第2回 |
|---|
| 受付開始 | 令和8年5月8日(金) | 令和8年10月1日(木) |
| 受付締切 | 令和8年5月22日(金)17時まで | 令和8年10月16日(金)17時まで |
| 助成率 | 1/2以内 | 1/2以内 |
| 助成限度額 | 400万円 | 400万円 |
| 出願のみの場合の上限 | 300万円 | 300万円 |
経費の範囲で上限が変わる- 上限400万円
- 助成率は1/2以内
- 審査の早期化に関する制度の利用に係る請求費用も対象に含まれる
なるほど! 併給とか、他のお金との関係はどうなんですか?
併給の扱いは、ここでは判断材料を持っていません。公募要領で要確認、というのが正直なところです。推測で書くのは危険なので、必ず一次情報を確認してください。
了解です。じゃあ、最後にそもそも対象になるかの判定を整理しましょう。
順番に確認するのが一番早いです。東京都内の中小企業者等に当てはまるか。次に従業員数などの中小企業者としての要件。そして1年度1社1出願の縛りに引っかからないか。
そう。最後に、実際に外国出願の予定があって、対象経費が発生しているか。ここまで来て初めて申請の土俵に乗ります。
対象になりそうかの一次チェック東京都内の中小企業者等に当てはまる?
はい従業員数などの中小企業者要件を確認
1年度1社1出願の縛りを確認
外国出願と対象経費の予定を確認
公募要領で最終確認
この図、わかりやすい! 最後にまとめと質問コーナーをお願いします。
jGrantsと書類提出の両方を期間内に終える必要があるので、片方が遅れるとその時点で受理されません。余裕を持って動くのが鉄則です。
金額や要件の細部は公募要領で要確認。でも、制度の骨格は今日話したとおりです。