室谷さん、今回の制度、名前がすごく長いですね。全文を読むだけで口が疲れます(笑)。「2026年度『木質バイオマス燃料等の安定的・効率的な供給・利用システム構築支援事業』の第2回公募」。いったい何をする事業なんですか?
長いですよね。私も最初、何度も読み返しました(笑)。これは国立研究開発法人NEDOが公募する研究開発・実証事業です。国産の木質バイオマス燃料を、どう安定して効率的に供給し、どう利用していくか。そのシステムを作り上げるための支援事業ですね。
木質バイオマスって、木材を燃料として使うことですよね。でも、なぜ「安定的・効率的な供給・利用システム」が必要なんですか?
公式の事業概要には「森林・林業と発電事業等が持続可能な形で共生する商慣行が定着していない」とあります。つまり、森で木を育てて燃料にするところから、発電所に届けて使うところまで、全体の仕組みがまだ発展途上だということです。
なるほど。森と発電所のあいだに“まだ道ができていない”から、その道をつくるのがこの事業なんですね。
第2回公募の予告では2つの項目があります。1つ目は「新たな燃料ポテンシャル(早生樹等)を開拓・利用可能とする“エネルギーの森”実証事業」です。早生樹など、成長の早い樹木を燃料として使うために、植林・育林から伐採・搬出、再造林と循環する各段階を効率化する要素技術、たとえば機械装置や資材などの研究開発を支援します。
“エネルギーの森”という言葉、キャッチーですね。森全体をエネルギー基地と考える発想か。
そうです。2つ目は「木質バイオマス燃料(チップ、ペレット)の安定的・効率的な製造・輸送等システムの構築に向けた実証事業」です。国産のチップやペレットの生産システム全体を安定化・効率化するための研究開発です。
チップとペレットは、実際に発電所で使われている燃料ですよね。製造だけでなく輸送も対象になっているのは大きいです。
はい。作る側と運ぶ側、使う側をつなぐシステム全体を見るのがこの事業の特徴です。単体の機械開発ではなく、トータルの仕組みづくりが問われます。
第2回公募の研究開発項目項目[1] エネルギーの森
早生樹等の造林・伐採コスト削減に資する機械装置・資材等の研究開発
項目[2] チップ・ペレットの製造・輸送
国産燃料の生産システム全体の安定化・効率化に資する研究開発
研究開発項目[1]と[2]の比較| 項目 | 項目[1] | 項目[2] |
|---|
| 対象 | 早生樹等の造林・伐採コスト削減に資する要素技術 | チップ・ペレットの製造・輸送に関する研究開発 |
| 事業期間 | 3年度以内 | 3年度以内 |
| 事業類型 | 補助事業 | 補助事業 |
公式の事業概要には「バイオマスエネルギーの利用拡大を推進し、木質バイオマス燃料に係る事業の持続性に資するため」と書かれています。そのうえで、国産燃料の資源量拡大、燃料の安定供給確保、発電コストの低減、地域との共生が課題だとされています。
4つも課題があるんですね。特に「発電コストの低減」は、事業として成り立たせるために欠かせません。
そうです。木質バイオマス発電は燃料の安定供給と利用システムが発展途上で、森林・林業と発電事業が持続可能な形で共生する商慣行がまだ定着していない、というのが事業の前提です。だから単発の技術開発ではなく、システム構築と商慣行の定着まで見据えた提案が求められます。
技術の実証だけでなく、ビジネスの仕組みづくりまで含まれる。ハードルは高いけど、やりがいもありそうですね。
NEDOのページには第1回公募の情報もありました。第2回はどう違うんですか?
第1回公募は2026年3月2日から4月6日正午まで実施されました。今回の第2回は8月20日から9月29日まで。事業の目的や研究開発項目は、基本的には同じ枠組みです。
つまり、同じ年度の中で2回チャンスがあるわけですね。
そのとおりです。第1回で検討しきれなかったテーマを第2回に出す、という使い方も考えられます。ただ、募集時期によって要件が調整される可能性もあるので、第2回の公募要領を必ず確認してください。
では、応募できるのはどんな人ですか? やっぱり発電事業者や林業会社に限られるとか?
NEDOの募集要項では「企業(団体等を含む)、大学等、地方公共団体」と記載されています。企業の規模についても、jGrantsのページでは「従業員数の制約なし」とあります。
大企業だけじゃなく、自治体や大学もいける。意外と門戸が広いですね。
対象者区分には「団体等を含む」とありますし、研究開発項目も要素技術の開発ですから、メーカーや研究機関、あるいは複数の主体が組む体制も考えられます。
複数社でコンソーシアムを組む形もあり得るんですか?
NEDOの事業分類には「委託、共同研究、補助」とあります。共同研究の形を取れる可能性はありますが、第2回公募の詳細は公募要領で確認してください。勝手に「できます」とは言えません。
従業員数の上限はあるんでしょうか。小さい会社だと不利とか?
jGrantsには「従業員数の制約なし」とあります。人数で制限されることはなさそうです。
対象地域は全国です。地方の林業現場での実証を想定した提案にしやすいのは、やはり森に近い地域かもしれませんが、公募上の制約は全国になっています。
とはいえ、現地の実証がしやすいかどうかは地域の事情が絡みますよね。「全国」だからといって、机上の話だけでは通じないかもしれません。
jGrantsのページでは対象業種が「学術研究、専門・技術サービス業」になっていました。うちは運送会社なので、当てはまるか不安です。
なるほど。この業種表示は、あくまでjGrantsの分類上です。一方、NEDOの募集要項では「企業(団体等を含む)、大学等、地方公共団体」が対象です。両方の情報を照らし合わせて、自社の業種が対象になるかは公募要領で確認するのが確実です。
ここの読み違いは怖いですね。たとえ研究開発をするにしても、事業内容が「輸送」などだと業種区分と合わない可能性もありますから。
はい。そういうときはNEDOの事前相談で聞いてしまうのが早いです。あとで「やっぱり対象外でした」となると時間がもったいないですから。
正直に言うと、jGrantsのページでは補助上限額が「—」になっています。補助率の記載もありませんでした。
えっ、ほんとですか? 事業によって上限が変わるってこと?
おそらく、応募する研究開発項目や内容によって額が変わるからではないかと思います。ただ、これは私の推測です。数字が公表されていない以上、記事で勝手に「〇〇万円」とは書けないんです。
そこはプロとしての線引きですね。じゃあ、具体的な金額を知るには?
公募要領を確認するのが第一歩です。あとは事前相談で、「想定している事業規模に対してどのくらいの補助が見込めるのか」を聞いてみるのも手です。
NEDOの公募予告では、研究開発項目[1]、[2]ともに「3年度以内」とされています。3年間の研究開発・実証を計画するわけです。
3年規模というのは、それなりに重いテーマですね。単年度で成果を出す補助金とは覚悟が違います。
だからこそ、1年目に何を検証し、2年目にどこまで作って、3年目にどんなシステムを見せるのか。ロードマップが重要になります。3年かける意味を説明できる提案が必要です。
確かに。補助率や上限がまだ見えない中でも、事業計画の枠組みは作れるんですね。
| 確認項目 | jGrants上の表記 |
|---|
| 補助上限額 | —(公募要領で要確認) |
| 補助率 | 記載なし(公募要領で要確認) |
| 事業期間 | 3年度以内 |
表にするとすっきりしますね。特に「補助上限額:—」の理由をきちんと理解しておかないと、会社に説明するときに困ります。
そうですね。数字が「—」だからといって、補助が出ないわけではありません。NEDOが実施する公募ですから、採択されれば補助・助成の対象になる事業です。
なるほど。まずは情報が公開されたらすぐ公募要領を取りに行く。これが鉄則ですね。
では、補助対象になる費用のイメージを教えてください。機械を1台買うだけでも対象になりますか?
この事業の目的は「研究開発・実証事業」です。公式の内容を見ると、項目[1]では「造林・伐採に係るコストの削減に資する要素技術の研究開発(機械装置、資材等)」とあります。
つまり、機械を買うこと自体が目的ではなく、その機械によってコストをどう削減するかが問われるんですね。
そうです。項目[2]も「チップ、ペレットの製造・輸送に関する研究開発」です。だから単なる設備導入ではなく、燃料の生産システム全体をどう安定化・効率化するかという視点が求められます。
では、既存の設備を買い替えるだけのような提案は難しいんでしょうか。
あくまで事業目的からの推測になりますが、この事業はシステム構築がテーマです。国産木質バイオマス燃料の資源量拡大、安定供給、コスト低減、地域共生にどう寄与するかを説明できないと、補助対象にはなりにくいでしょう。
なるほど。「研究開発・実証」の言葉に込められた意味がだんだんわかってきました。
ただ、具体的な経費の線引き、たとえばどの費目がどこまで認められるかは、このページだけでは確認できません。公募要領の対象経費一覧を必ず見てください。
はっきりしたリストは公表ページにありません。ただ、事業の目的に合わないものは対象外になる可能性が高いです。具体的な判断基準は公募要領か、NEDOへの事前相談で確認してください。
ここで「一般的にこれは対象外でしょ」と決めつけるのは危ないですね。
そのとおりです。同じ機械でも、研究開発のために試作するのと、量産のために買うのとでは扱いが変わるかもしれません。だからこそ、要領を読んで要件を確認するのが近道です。
経費の考え方(公式情報から見える範囲)- 項目[1]:早生樹等の造林・伐採コスト削減に資する機械装置・資材等の研究開発
- 項目[2]:チップ・ペレットの製造・輸送に関する研究開発
×デメリット
- 具体的な対象経費・対象外経費は公募要領で要確認
- 目的に合わない経費は対象外になる可能性が高い
応募手続きはどうなっていますか? 書類を郵送すればいい?
第2回公募の予告によると、応募受付は電子申請システム「Jグランツ」上で行う予定です。持参、郵送、FAX、E-mailによる提出は、第1回公募の案内では原則受け付けないとされていました。
なるほど、完全オンライン申請なんですね。ということは、Jグランツにログインするための準備が必要?
はい。予告には、Jグランツでの応募にはGビズIDプライムまたはGビズIDメンバーのアカウントが必要だと書かれています。これを事前に取得しておかないと、いざ申請しようと思ったときに動けません。
しかもjGrantsのページには「代理申請不可」とありました。これはつまり、自分たちでアカウントを用意するしかないですね。
そういうことです。GビズIDの具体的な取得手順はこの公募ページには載っていないので、GビズIDの公式サイトで確認してください。ここは時間がかかる場合があるので、余裕をもって進めましょう。
第2回公募の予告に「事前相談」の案内があります。検討している実証事業について、個別に相談できるというものです。応募を考えている企業等は、できる限り事前相談をすることをおすすめします、とまで書かれています。
問い合わせ先は、NEDO再生可能エネルギー部バイオマスユニット固体燃料チームです。予告では担当者として矢野さん、松澤さん、高橋さん、中野さん、高岡さん、二木さんのお名前がありました。
担当者名が載っているということは、ちゃんと相談窓口として動いているんでしょうね。
第2回公募の予告には「公募開始日に詳細として公募要領等をNEDO Webサイトに掲載します」とあります。第1回公募では、公募要領、基本計画、提案書書式一式などが資料として置かれていました。
つまり、公募が始まったらNEDOのページから一通りダウンロードして、それから書類を作る流れですね。
そのとおりです。公募期間の開始が2026年8月20日ですから、8月に入ったらNEDOのページをこまめにチェックしてください。予告のページには関連リンクもまとまっています。
書類を作る時間を考えると、募集開始と同時に動き出さないと間に合わなさそうですね。
第2回公募への応募ステップ- 1
GビズIDを準備
GビズIDプライムまたはメンバーを取得
- 2
NEDOのページで公募情報を確認
公募要領・申請様式をダウンロード
- 3
- 4
Jグランツで応募
電子申請。期限内に余裕をもって提出
公式の事業概要にある言葉を拾うと、「国産木質バイオマス燃料の資源量拡大」「燃料の安定供給確保」「発電コストの低減」「地域との共生」という4つの軸があります。これらにどう貢献するかを具体的に示せるかがポイントになるでしょう。
なるほど。技術の新しさだけではなく、持続性や地域への波及効果まで見られそうですね。
特に「森林・林業と発電事業等が持続可能な形で共生する商慣行の定着」がこの事業の大きな目標です。研究開発の成果をどう商慣行につなげるのか。そのストーリーがすごく重要になると感じます。
第1回公募では、2026年3月19日に公募説明会資料とQ&AリストがNEDOのページに掲載されました。第2回公募でも、公募が始まれば同様の資料が出てくる可能性があります。
なるほど。説明会に参加できなくても、資料とQ&Aリストが残るなら安心ですね。
さらに、NEDOは公募情報に関するお知らせを公式X(@nedo_info)で配信しています。フォローしておくと、更新に気づきやすいです。
最新情報の取りこぼしを防ぐためにも、公式チャンネルを押さえておこうと思います。
jGrantsのページには 2026年8月20日から2026年9月29日 までと表示されています。これが第2回公募の応募受付期間ですね。
8月20日スタートで、締切が9月29日。約1か月と少しありますね。
一見余裕があるように見えますが、GビズIDの取得や書類作成、事前相談の調整を考えると、夏に入る前から準備を始めておくのが得策です。
NEDOの予告ページでもスケジュールは出ていましたか?
2026年4月20日付けの予告では、公募開始時期は 2026年8月下旬頃 とされていました。ただし「目安であり、最大1カ月程度前後する場合がある」という注意書きもありました。
なるほど。予告だけで油断せず、実際の公募要領の掲載日を確認するのが大事ですね。
そうですね。結果的にjGrantsの募集開始日は8月20日でしたが、常に同じとは限りません。必ず公式情報を確認してください。
第2回公募のスケジュール(判明分)2026年4月20日
第2回公募の予告を公開
公募開始は8月下旬頃と案内
2026年8月20日
第2回公募を開始
Jグランツで受付開始
2026年9月29日
応募締切
公募要領で最終確認が必要
大学の研究者から相談されたのですが、応募できますか?
NEDOの募集要項では対象者に「大学等」とあります。研究開発・実証事業ですから、大学の研究成果を事業化につなげたいケースも想定されているはずです。
「地方公共団体」も対象者として記載されています。森林組合などと連携して地域の燃料供給システムを作りたい、という自治体にも可能性があると思います。ただ、jGrantsの業種区分は「学術研究、専門・技術サービス業」なので、窓口に確認しながら進めるのが安全です。
jGrantsのページには「当サイトの代理申請:不可」と表示されています。つまり、Jグランツ上での申請操作は原則自分たちで行う必要があります。
書類作成のアドバイスをもらうのは別として、申請そのものは自社のアカウントで行うんですね。
その認識で正しいと思います。そのためにも、GビズIDの取得と担当者の指定を早めに済ませておきましょう。
補助金と聞くと「返済不要」というイメージがありますが、この事業はどうですか?
第2回公募の予告では「補助事業」と記載されています。補助金という枠組みなので、返済を前提としないケースが多いですが、契約条件は公募要領に従います。安易に「返済不要です」とは言い切れない部分がありますから、確認してください。
なるほど。事業類型によって条件が変わる可能性もあるんですね。
そういう意味でも、公募要領は熟読するのが一番です。
この記事を書いている時点では、jGrantsのページに補助率の記載がありませんでした。テーマによって率が変わるのか、これから公表されるのか。とにかく、公式に数字が出るまでは推測で書くべきではないと思います。
じゃあ、公募要領が公開されたら最優先で確認する。これに尽きますね。
では最後に、この公募の基本情報をまとめてください。
これだけ揃えば、社内会議の資料にもしやすいですね。特に「補助上限額:公募要領で要確認」と書いておくと、誤解が生まれません。
最後に、最初にやるべきアクションを3つ挙げてください。
1つ目は、NEDOの公募ページを確認すること。2つ目は、公募要領をダウンロードして対象経費・要件を確認すること。3つ目は、事前相談を申し込むことです。
その3つをすれば、とりあえず迷子にならないですね!
この事業は、木質バイオマス燃料の安定供給と利用システムを作る、かなり挑戦的なテーマです。でも、だからこそ思い切って応募してみる価値はあると思います。
名前は長いけど、中身は「森と発電を育てる」事業(笑)。まずは公募要領から、ですね。今日はありがとうございました!