そもそもどんな制度?まずは全体像をつかもう

事業場内最低賃金を50円以上引き上げるのが条件

佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、この制度、名前がすごく長いんですけど、いったい何がもらえるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

正式名称は【静岡】令和8年度中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)ですね。長いですが、中身は「業務改善助成金」です。
佐藤

佐藤

編集長

助成金ってことは、返済不要でお金がもらえるってイメージでいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

はい。事業場内で最も低い賃金、つまり「事業場内最低賃金」を50円以上引き上げて、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど!賃上げをして、設備投資をする。その両方がセットなんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そういうことです。ただし、あらかじめ賃金引上げ計画と設備投資等の計画を立てて申請し、交付決定後に実行して、結果を報告してもらう流れになります。
佐藤

佐藤

編集長

給料を上げるだけじゃなくて、生産性を上げるための投資も必要。それがこの制度の特徴っていう感じですね。

静岡県内の事業場なら労働局に申請

佐藤

佐藤

編集長

対象地域は静岡県とありますが、県外の事業場はダメなんですか?
室谷

室谷

代表取締役

この申請フォームは静岡労働局への申請フォームです。つまり、静岡県内の事業場で使うことを想定した申請窓口になっています。
佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、静岡県外の事業場がここに出すと?
室谷

室谷

代表取締役

提出先は、事業場の所在地を管轄する都道府県労働局です。誤った提出先に申請すると、その労働局で「棄却」処理が行われます。申請期間内に正しい提出先へ再度申請する必要がありますから、注意してくださいね。
佐藤

佐藤

編集長

えっ、せっかく書類を作っても、出し先を間違えると最初からやり直しになるんですね。それは怖い。
室谷

室谷

代表取締役

申請先を間違える事例は実際にあるようです。私も、ここではっきり言っておきます。静岡県内の事業場かどうかを、まず確認してください。

対象業種はかなり広い?

佐藤

佐藤

編集長

対象業種はどんな感じですか?
室谷

室谷

代表取締役

Jグランツの対象業種を見ると、農業、林業、漁業、鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、教育、学習支援業、医療、福祉などが並んでいます。
佐藤

佐藤

編集長

おお、かなりたくさんありますね。
室谷

室谷

代表取締役

さらに「サービス業(他に分類されないもの)」「分類不能の産業」まで対象に含まれています。とりあえず、一般的な事業活動をしている会社なら、業種のハードルは低く感じるでしょう。
佐藤

佐藤

編集長

それは心強いですね。まずは業種が対象かどうかから確認できそうです。

いくらもらえる?補助額と補助率をチェック!

上限600万円、ただしコースと人数で変わる

佐藤

佐藤

編集長

いくらもらえるのか、気になります。上限は600万円と出ていますけど、誰でも600万円もらえるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

そこが大事なポイントです。上限600万円は、あくまで上限。実際の助成上限額は、事業場内最低賃金の引上げ額と、引き上げる労働者数によって変わります。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。コースがあるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

公式リーフレットでは、50円コース、70円コース、90円コースに分かれています。たとえば50円コースで引き上げる労働者1人なら、事業場規模30人未満の事業者で40万円、それ以外の事業者だと30万円です。
佐藤

佐藤

編集長

へええ、同じ1人でも事業場規模で金額が違うんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです。表にすると、こうなります。
コース引き上げる労働者数事業場規模30人未満右記以外
50円コース1人40万円30万円
50円コース2〜3人70万円40万円
50円コース4〜5人70万円70万円
50円コース6〜7人90万円90万円
50円コース8人以上110万円110万円
50円コース10人以上※130万円130万円
70円コース1人50万円40万円
70円コース2〜3人100万円50万円
70円コース4〜5人130万円130万円
70円コース6〜7人180万円180万円
70円コース8人以上230万円230万円
70円コース10人以上※300万円300万円
90円コース1人100万円90万円
90円コース2〜3人240万円150万円
90円コース4〜5人270万円270万円
90円コース6〜7人360万円360万円
90円コース8人以上450万円450万円
90円コース10人以上※600万円600万円
佐藤

佐藤

編集長

おお、しっかり変わりますね。90円コースで10人以上だと600万円。なるほど。
室谷

室谷

代表取締役

ただ、この「10人以上」の欄は、特例事業者が10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合に対象になる区分です。全員がここに当てはまるわけではありません。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。だから表に※が付いているんですね。やっぱり「自分がどこに当てはまるか」が重要ですね。

助成率は事業場内最低賃金で変わる

佐藤

佐藤

編集長

補助率は3/4〜4/5と書いてありますけど、どうやって決まるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

申請事業場の事業場内最低賃金が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4です。
佐藤

佐藤

編集長

1,050円が境目なんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。事業場内最低賃金が低い事業者ほど、手厚く助成されるイメージです。
事業場内最低賃金助成率
1,050円未満4/5
1,050円以上3/4
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。低い賃金を引き上げようとしている会社への支援が厚くなるんですね。

計算例でイメージしよう

佐藤

佐藤

編集長

実際の支給額はどうやって計算するんですか?
室谷

室谷

代表取締役

公式リーフレットに計算例があります。事業場内最低賃金が1,040円の事業場で、8人の労働者を1,130円まで引き上げる90円コースを申請したとします。
佐藤

佐藤

編集長

1,040円なら助成率は4/5ですね。
室谷

室谷

代表取締役

そのとおりです。この場合、助成上限額は90円コース8人以上なので450万円。設備投資等が600万円なら、600万円×4/5=480万円です。
佐藤

佐藤

編集長

480万円もらえるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

いえ、ここが大事なところで、計算した480万円と助成上限額450万円を比べて、安い方の金額になります。つまり、450万円の支給です。
佐藤

佐藤

編集長

ああ、なるほど。かかった金額に助成率を掛けるだけじゃなくて、上限額との比較があるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そこを理解しておかないと、思っていた金額と違う!ってなりがちです。

引き上げる人数の数え方も要注意

佐藤

佐藤

編集長

「引き上げる労働者数」は、単純に全員を数えればいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

そこも注意ポイントです。事業場内最低賃金である労働者を引き上げることで、いままでその人より少し高い賃金だった人も「引き上げる労働者」に算入される場合があります。
佐藤

佐藤

編集長

えっ、追い越される人の分も数えられるってことですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうです。ただし、いずれも申請コースと同額以上、賃金を引き上げる必要があります。
佐藤

佐藤

編集長

具体的にはどういうことですか?
室谷

室谷

代表取締役

たとえば、事業場内最低賃金1,050円の事業場で70円コースを申請する場合を考えます。Aさんは事業場内最低賃金の労働者なので算入可。Bさんは申請コース以上に賃金を引き上げていないので算入不可。CさんはAさんに賃金が追い抜かれる労働者で、かつ70円以上引き上げるなら算入可。Dさんはすでに引上げ後の事業場内最低賃金以上なので算入不可です。
佐藤

佐藤

編集長

ああ、なるほど。人数を数えるときも、人員計画をちゃんと考えないといけないんですね。

誰が申請できる?対象者と申請単位を確認!

要件は中小企業・小規模事業者であること

佐藤

佐藤

編集長

そもそも、誰が申請できるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

公式資料では、中小企業・小規模事業者であることが前提です。そのうえで、大企業と密接な関係を有する企業、いわゆる「みなし大企業」でないこと、事業場内最低賃金が令和8年度地域別最低賃金未満であること、解雇や賃金引き下げなどの不交付事由がないこと、といった要件が並びます。
佐藤

佐藤

編集長

不交付事由って、ちょっと怖い響きですね。
室谷

室谷

代表取締役

解雇や賃金引き下げなどをやっていると、助成しないよ、という考え方です。申請前に、自社がこの要件を満たしているかをチェックしましょう。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。ちゃんと雇用を守っている会社じゃないとダメ、と。

個人事業主でも対象になる?

佐藤

佐藤

編集長

個人事業主でも申請できますか?
室谷

室谷

代表取締役

ここは慎重に言いますね。提示された資料では「中小企業・小規模事業者であること」と書かれていますが、法人なのか個人事業主なのかという区分までは明記されていません。
佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、個人事業主は対象外なの?
室谷

室谷

代表取締役

いえ、対象外とも言い切れないんです。中小企業・小規模事業者に該当するかどうかの線引きは、公募要領で確認するのが確実です。
佐藤

佐藤

編集長

曖昧なまま進めないほうがいいですね。問い合わせ先で確認するのが安心そうです。

申請単位は事業所ごと

佐藤

佐藤

編集長

会社全体でまとめて申請するんですか?
室谷

室谷

代表取締役

いいえ、申請の単位は、工場や事務所のような、労働者がいる事業所ごとです。
佐藤

佐藤

編集長

工場Aと事務所Bがあったら、それぞれ別々に申請するってことですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうです。公式リーフレットには「別々に申請」と書かれています。事業所ごとに計画を立てる必要がありますから、管轄の労働局も事業所の所在地で判断されます。
佐藤

佐藤

編集長

ここでも「事業場の所在地」が大事になってくるんですね。

どんな経費が対象?対象外との線引きを確認

生産性向上に資する設備投資等

佐藤

佐藤

編集長

助成の対象になるのは、どんな設備投資なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

基本は「生産性向上に資する設備投資等」です。公式リーフレットには、例がいくつか載っています。
佐藤

佐藤

編集長

ぜひ教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

POSレジシステム導入による在庫管理の短縮、リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮、国家資格者による顧客回転率の向上を目的とした業務フロー見直し、顧客管理情報のシステム化などです。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。レジを新しくするとか、システムを入れるとか。飲食店や小売店にも使いやすいイメージですね。
室谷

室谷

代表取締役

経営コンサルティングのような人を使った取り組みも例に出ています。設備だけではないのがポイントです。

パソコンやスマホは対象になる?

佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、パソコンやスマホを新しく買うのは対象ですか?
室谷

室谷

代表取締役

ここが「特例事業者」の話になります。一般の事業者の場合、パソコン等は通常、助成対象外です。
佐藤

佐藤

編集長

えっ、そうなんですか?
室谷

室谷

代表取締役

ただし、特例事業者のうち「物価高騰等要件」に該当する事業者は、パソコン、スマホ、タブレット等の端末と周辺機器の新規導入が助成対象になります。新規導入に限るという点に注意してください。
佐藤

佐藤

編集長

物価高騰等要件って、どんな要件ですか?
室谷

室谷

代表取締役

原材料費の高騰など社会的・経済的環境の変化等の外的要因により、申請前6か月間平均における利益率が前年度と比べて3%ポイント以上低下している事業者です。
佐藤

佐藤

編集長

利益率が落ちている会社への配慮があるんですね。ほかにも特例事業者があるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

はい。賃金要件として、申請事業場の事業場内最低賃金が1,050円未満である事業者も特例事業者です。ただし助成対象経費の拡大が受けられるのは、物価高騰等要件に該当する場合のみです。

対象外になるケース

佐藤

佐藤

編集長

これは対象外だよ、という代表的なケースはありますか?
室谷

室谷

代表取締役

公式資料で明確に言えるのは、交付決定前に助成対象設備の導入を行った場合は、助成の対象にならない、という点です。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。先に買っちゃうとダメなんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです。そのほかの経費の線引きについては、公式資料だけでは細かい例がすべて書かれているわけではありません。交付要綱・要領や申請マニュアルで必ず確認してください。
佐藤

佐藤

編集長

「なんとなく対象でしょ」は危ないんですね。
助成対象経費のイメージと注意点
メリット
  • POSレジシステム導入による在庫管理の短縮
  • リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮
  • 国家資格者による顧客回転率向上のための業務フロー見直し
  • 顧客管理情報のシステム化
×デメリット
  • 一般事業者はパソコン等の新規導入が対象外
  • 交付決定前の設備導入は対象外
  • その他の線引きは公募要領で要確認

申請の流れは?スケジュールと手続きのポイント

申請期間と賃金引上げ期間は別物

佐藤

佐藤

編集長

申請期間はいつですか?
室谷

室谷

代表取締役

公式ページでは、令和8年9月1日から、申請事業場の都道府県において適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日まで、と説明されています。
佐藤

佐藤

編集長

あれ、でも基本情報の欄には、2026年8月31日から2028年3月31日までと出ていましたよ?
室谷

室谷

代表取締役

そう、そこがちょっとやっかいなんです。提示されている情報の中でも、Jグランツ上の表示と公式ページの説明が食い違って見えます。これは勝手に判断せず、公募要領で確認してください。
佐藤

佐藤

編集長

うわあ、これは見落としがちなポイントですね。募集期間を勘違いすると申請できなくなっちゃいます。
室谷

室谷

代表取締役

さらに、賃金引上げ期間はまた別です。賃金引上げ期間は、令和8年9月1日から、申請事業所に適用される地域別最低賃金の発効日の前日までです。
佐藤

佐藤

編集長

ということは、11月30日というのは申請期間の話であって、賃金を上げる期間の話ではないんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そのとおりです。ここを取り違えると、申請も賃上げもタイミングを間違えますから、しっかり区別してください。

Stepで見る申請の流れ

佐藤

佐藤

編集長

実際の手続きの流れを教えてください。
室谷

室谷

代表取締役

まず計画を立てて、電子申請の準備をして、申請書類を提出する流れになります。Jグランツを使うなら、GビズIDの準備も必要です。
佐藤

佐藤

編集長

GビズID、大事ですね。
室谷

室谷

代表取締役

申請フォームに必要事項を入力し、作成した交付申請書・添付書類を、申請フォームの「申請書類」欄にアップロードします。Jグランツ申請マニュアルも用意されています。
申請の流れ
  1. 1
    計画を立てる
    賃金引上げ計画と設備投資等の計画を策定
  2. 2
    GビズIDを用意
    Jグランツの電子申請に必要
  3. 3
    申請書類をアップロード
    交付申請書と添付書類をJグランツで提出
  4. 4
    審査・交付決定
    都道府県労働局で審査され、交付決定
  5. 5
    事業を実施
    賃金引き上げと設備投資等を計画どおり実行
  6. 6
    結果を報告
    事業結果を報告し助成金の支給を受ける
佐藤

佐藤

編集長

交付決定をもらってから実施して、最後に報告する。ここまで流れで見ると、長丁場ですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。事業完了期限もありますから、計画は無理のない範囲で立てるのがおすすめです。

電子申請の注意点

佐藤

佐藤

編集長

電子申請で気をつけることはありますか?
室谷

室谷

代表取締役

まず、書類の添付漏れや記載ミスが多く見受けられるそうです。申請ボタンをクリックする前に、もう一度確認してください。
佐藤

佐藤

編集長

ああ、わかります。オンライン申請は「ぽちっ」と押したら終わりになりがちですからね。
室谷

室谷

代表取締役

あと、申請先の間違い。静岡労働局の申請フォームだからといって、管轄外の事業場が申請してしまうと、棄却されます。事業場所在地を管轄する労働局が正しい提出先です。
佐藤

佐藤

編集長

申請先を間違えたら、また最初からですか?
室谷

室谷

代表取締役

そうです。正しい提出先に再度申請する必要があります。しかも申請期間内に。これは本当に注意してください。
佐藤

佐藤

編集長

あと、何か電子申請できない手続きもあるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

公式情報では、取得財産の処分に係る事前承認手続きなど、一部の手続きは電子申請ができません。こうした手続きは都道府県労働局に直接行うことになっています。

審査で見られるポイントは?

賃金引上げの要件を正確に満たす

佐藤

佐藤

編集長

審査では、どんなところを見られるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

まず、賃金引上げが制度の要件を満たしているかどうかです。事業場内最低賃金を50円以上引き上げること。引上げ後の事業場内最低賃金と同額を就業規則等に定めること。これが基本です。
佐藤

佐藤

編集長

就業規則に書かないとダメなんですね。
室谷

室谷

代表取締役

さらに、複数回に分けての事業場内最低賃金の引上げは認められません。一度で引き上げる計画が必要です。
佐藤

佐藤

編集長

何回も少しずつ上げるのはダメなんですね。
室谷

室谷

代表取締役

対象労働者も確認が必要です。引き上げる対象労働者は、週所定労働時間が20時間以上の雇用保険加入者が対象になります。

地域別最低賃金の発効日との関係

佐藤

佐藤

編集長

地域別最低賃金の発効日も関係するんですよね?
室谷

室谷

代表取締役

はい。地域別最低賃金の発効に対応して事業場内最低賃金を引き上げる場合、発効日の前日までに引き上げておく必要があります。
佐藤

佐藤

編集長

発効日当日に上げるのではダメってことですか?
室谷

室谷

代表取締役

ダメです。公式リーフレットの例では、10月1日に新しい地域別最低賃金が発効される場合、9月30日までに引き上げを完了しているケースは対象、10月1日に実施するケースは対象外とされています。
佐藤

佐藤

編集長

1日ズレるだけで対象外になるんですね。スケジュール管理はシビアに。

設備投資等の導入タイミング

佐藤

佐藤

編集長

設備投資側の注意点は?
室谷

室谷

代表取締役

交付決定前に助成対象設備の導入を行った場合は、助成の対象になりません。つまり、先に買ってしまうと、費用が出ない可能性があります。
佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、発注だけして、納品を待てばいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

そこは私から断言しません。公式資料には「交付決定前に助成対象設備の導入を行った場合は、助成の対象となりません」としか書かれていないからです。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。発注のタイミングについての記載はないから、具体的な取り扱いは確認が必要ってことですね。
室谷

室谷

代表取締役

そういうことです。資料に書かれていること以上を勝手に判断するのは、申請のとき一番危ないです。

申請書類のミスに気をつける

佐藤

佐藤

編集長

書類で特に多いミスはありますか?
室谷

室谷

代表取締役

公式情報でも、書類の添付漏れや記載ミスが多く見受けられると案内されています。申請ボタンをクリックする前の最終確認が大切です。
佐藤

佐藤

編集長

付け忘れ、書き忘れ。地味に怖いですね。
室谷

室谷

代表取締役

もし交付申請後に書類の修正や添付漏れがわかった場合は、申請を行った都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に連絡してください、とされています。
佐藤

佐藤

編集長

あと、不正受給の話もありましたよね。
室谷

室谷

代表取締役

故意に事実と異なる記載をした場合や、添付書類の偽造などを行うと、不正受給額の返還に加えて加算金を支払う義務が生じたり、刑事事件として告発されたりする可能性があります。
佐藤

佐藤

編集長

それは絶対に避けたいですね。正しく申請するのが一番です。

申請前に押さえたい基本情報まとめ

基本情報を表で整理

佐藤

佐藤

編集長

最後に、もう一度基本情報を確認させてください。
室谷

室谷

代表取締役

はい。申請前に押さえておきたい情報を表にまとめました。
項目内容
制度名【静岡】令和8年度中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)
実施機関・申請先静岡労働局(事業場所在地を管轄する都道府県労働局)
対象地域静岡県
補助上限額600万円
補助率3/4〜4/5
対象者中小企業・小規模事業者(みなし大企業でないこと)など
主な対象経費生産性向上に資する設備投資等(POSレジ、リフト付き特殊車両、コンサルティング、システム化など)
申請期間公式説明:令和8年9月1日〜(地域別最低賃金発効日の前日または令和8年11月30日のいずれか早い日)/Jグランツ表示:2026年8月31日〜2028年3月31日 ※要確認
賃金引上げ期間令和8年9月1日〜申請事業所に適用される地域別最低賃金の発効日の前日
事業完了期限交付決定年度の1月31日
公式URLhttps://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDe68MAD
問い合わせ業務改善助成金コールセンター 0120-366-440(平日9時〜17時)
佐藤

佐藤

編集長

助かります。特に申請期間は、公式説明とJグランツ表示が食い違って見えるので要注意ですね。
室谷

室谷

代表取締役

こういうときは、自分で「こっちだ」と決めずに、公募要領やコールセンターで確認するのが一番です。

スケジュール感を確認

佐藤

佐藤

編集長

申請までの流れをもう少し時系列で見たいです。
室谷

室谷

代表取締役

公式ページの情報をもとにすると、令和8年4月22日に令和8年度の交付要綱・要領が公開され、令和8年9月1日から申請受付が始まります。
佐藤

佐藤

編集長

そこから申請期間が始まるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

申請期間の終わりは、地域別最低賃金の発効日の前日か、令和8年11月30日かの、いずれか早い日です。その後、交付決定年度の1月31日が事業完了期限になります。
スケジュールの目安
  1. 令和8年4月22日
    要綱・要領の公開
    公式ページで公表
  2. 令和8年9月1日
    申請受付開始
    賃金引上げ期間も開始
  3. 地域別最低賃金発効日の前日
    賃金引上げ期間の終了
    地域別最低賃金の発効に対応する場合は前日までに実施
  4. 申請期間末日
    発効日前日または11月30日
    いずれか早い日
  5. 交付決定年度の1月31日
    事業完了期限
    ここまでに設備投資等を完了
佐藤

佐藤

編集長

申請期間も短めに感じますね。資料集めから考えると、早めに動かないとです。

問い合わせ先を確認しておく

佐藤

佐藤

編集長

わからないことがあったら、どこに聞けばいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

業務改善助成金コールセンターです。電話番号は0120-366-440、受付時間は平日9時から17時まで。
佐藤

佐藤

編集長

フリーダイヤルなんですね。
室谷

室谷

代表取締役

ただし、Jグランツの「この補助金に問い合わせる」機能には対応していません。電話で聞く形になります。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。申請前の確認は電話が確実そうですね。

この記事のポイントをまとめると

佐藤

佐藤

編集長

それでは、この制度の要点を最後にまとめてください。
室谷

室谷

代表取締役

事業場内最低賃金を50円以上引き上げて、生産性向上に資する設備投資等を行い、その費用の一部を助成してもらう。これが骨格です。
佐藤

佐藤

編集長

補助額の上限は600万円でしたね。
室谷

室谷

代表取締役

上限は600万円ですが、コースと引き上げ人数で上限額が変わります。補助率は事業場内最低賃金が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4です。
佐藤

佐藤

編集長

そして、交付決定前に設備を導入すると対象外、と。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。あとは申請期間の確認。公式説明とJグランツ表示が食い違って見える部分があるので、必ず公募要領で確認してください。

よくある質問に答える!

過去に利用したことがあるけど、また申請できる?

佐藤

佐藤

編集長

過去に業務改善助成金を使ったことがあるんですけど、また申請できますか?
室谷

室谷

代表取締役

公式リーフレットには「過去に業務改善助成金を活用した事業者も助成対象となります」とあります。
佐藤

佐藤

編集長

よかった、過去に使ったからダメ、ではないんですね。
室谷

室谷

代表取締役

ただし、同一事業所の申請は年度内1回までです。同じ事業所で何度も申請するのは難しいので、計画は一回でしっかりまとめましょう。

設備を先に導入してしまった場合は?

佐藤

佐藤

編集長

もう設備を導入しちゃったんですけど、対象になりますか?
室谷

室谷

代表取締役

公式資料では、交付決定前に助成対象設備の導入を行った場合は、助成の対象となりません。
佐藤

佐藤

編集長

ああ、やっぱりダメなんですね。
室谷

室谷

代表取締役

設備投資を予定しているなら、申請して交付決定を受けてから導入するのが大前提です。先に買うのは絶対に避けてください。

申請先を間違えたらどうなる?

佐藤

佐藤

編集長

申請先を間違えて提出してしまったら、どうなりますか?
室谷

室谷

代表取締役

誤った提出先に申請した場合、その申請先の労働局において「棄却」処理が行われます。
佐藤

佐藤

編集長

棄却、ですか。
室谷

室谷

代表取締役

その後、正しい提出先へ再度申請する必要があります。ただし、申請期間内に正しい提出先へ申請しなければいけません。
佐藤

佐藤

編集長

時間との戦いになりますね。提出前に管轄を確認するのが大事です。

予算が尽きたらどうなる?

佐藤

佐藤

編集長

あと、予算が限られているとかってありますか?
室谷

室谷

代表取締役

公式資料には、予算の範囲内で交付するため、申請期間内に募集を終了する場合があると書かれています。
佐藤

佐藤

編集長

え、申請期間内でも締切が早まる可能性があるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

だからこそ、検討しているなら早めに準備するのが安心です。公募要領を確認して、計画をまとめましょう。