えっ、名前が長すぎる!これって何の補助金なの?

佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、今日のお題…「令和8年度_産油国石油精製技術等対策事業費補助金(石油天然ガス権益・安定供給の確保に向けた資源国との関係強化支援事業のうち産油・産ガス国産業協力等事業に係るもの)_第3回公募」……はい、読み終える前に息切れしました(笑)。
室谷

室谷

代表取締役

おつかれさまです(笑)。私も最初見たとき「どこまでがタイトルなんだ」と思いましたよ。単体の制度名としては「産油国石油精製技術等対策事業費補助金」で、そこに長い括弧書きと回次がくっついている形ですね。
佐藤

佐藤

編集長

もっと短い呼び名みたいなものはないんですか?
室谷

室谷

代表取締役

じつは、政府の補助金ポータル「Jグランツ」のページにキャッチコピーがあって、「資源国補助金(燃料)」と登録されています。担当者も長さに困って付けたんじゃないかと勝手に想像しています(笑)。
佐藤

佐藤

編集長

それなら覚えやすい!「資源国補助金(燃料)」は、石油やガスを産む国と日本を仲良くするためのお金って理解でいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

ほぼその理解で大丈夫です。交付要綱を読むと、目的は「産油・産ガス国と我が国との関係を強化し、石油及び可燃性天然ガスの安定的かつ低廉な供給の確保を図る」ことだと書いてあります。資源国とつながりを強くして、日本が石油やガスを安定して手に入れられるようにするための補助金なんです。

この事業には「2つの柱」がある

佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、資源国で工場を造るとか、石油を掘るとか、そういう事業をやる会社がもらえるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

そこがちょっと違います。対象になるのは大きく2つのタイプの事業です。1つ目は「産油・産ガス国高度人材育成支援事業」。その国の産業人材を育てたり、将来その国の中核を担う国際的な人材を育てたりする事業ですね。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。石油を掘るのではなく「人を育てる」のが仕事になるわけだ。
室谷

室谷

代表取締役

もう1つは「産油・産ガス国事業環境整備事業」です。日本の持つ先端技術の移転、石油産業などの基盤施設・設備の高度化、石油や可燃性天然ガスの開発に係る調査といった事業が対象になります。
2つの柱で資源国との関係強化を支援
産油・産ガス国高度人材育成支援事業
産油・産ガス国において、日本の関係強化に資する多様な人材を育てる事業が対象。
産油・産ガス国事業環境整備事業
日本の先端技術の移転、石油産業等の基盤施設・設備の高度化、石油・可燃性天然ガス開発に係る調査などを実施する事業が対象。
佐藤

佐藤

編集長

「人材育成」と「技術・設備の移転」か…。「人」と「モノ・仕組み」の両面から支えるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

さらに資源エネルギー庁の公募案内では、産油・産ガス国で開催される催事でのセミナーや展示事業、共同研究、調査研究、人材交流といった活動も例示されています。「環境対応技術の導入」も柱の一つです。

中小企業にもチャンスはある?

佐藤

佐藤

編集長

こういう事業って、やはり大手の総合商社やエネルギー会社がやるイメージですが…。
室谷

室谷

代表取締役

たしかに規模は大きいですが、申請の形に注目してください。「コンソーシアム形式」での申請が可能ですし、日本法人と現地法人の共同申請も用意されています。つまり、単独では難しい事業でも、複数の企業・団体が組めば参加の道が開ける仕組みなんです。
佐藤

佐藤

編集長

それは心強い!ただ、その分「誰が申請者になるのか」のルールが細かそうです。
室谷

室谷

代表取締役

ええ。この制度の応募資格は「民間団体等」とされていて、単純に「会社なら誰でもOK」ではありません。特にコンソーシアムや現地法人と組む場合は、幹事法人の決め方や出資比率の要件まで確認する必要があります。次の章でじっくり見ていきましょう。

いくらもらえる?上限290,000万円と補助率をチェック!

佐藤

佐藤

編集長

では気になる金額から行きます!基本情報に「上限290,000万円」とありました。ゼロが多すぎて頭がくらくらします(笑)。
室谷

室谷

代表取締役

気持ちは分かります(笑)。Jグランツの表記では「補助上限額 2,900,000,000円」です。ざっくり言って29億円ですね。令和8年度の予算額は「約29億円」と案内されています。
佐藤

佐藤

編集長

29億円って、もう桁が国の規模というか…。1社で全部もらえる可能性もあるってことですか?
室谷

室谷

代表取締役

ここは注意が必要です。上限額は確かに大きいですが、公式には「予算の範囲内での採択」と明記されています。しかも採択予定件数は「特に上限等は設けません」とされています。つまり、予算約29億円をどう配分するかは、採択状況と経済産業省との調整次第なんですね。

補助率は「定額」「3分の2」「2分の1」のどれか

佐藤

佐藤

編集長

補助率は「定額、2/3、1/2」と3種類ありますが、自分で選べるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

選べるものではありません。交付要綱には「事業を実施するために直接必要な経費について、予算の範囲内で定額または3分の2または2分の1とします」と書かれています。どの事業区分にどの補助率が適用されるかは、公募要領や交付要綱で確認する必要があります。
佐藤

佐藤

編集長

全部が「3分の2」とか「2分の1」というわけではないんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうですね。「定額」は事業内容によっては全額補助になり得ますが、必ず全額、という意味ではありません。ですから最初にやるべきは、自分の事業がどの区分に当たるかを公募要領で特定すること。そこを間違えると積算の前提が崩れてしまいますから。

基本情報を表で整理しました

ここで、この補助金の基本情報を表にまとめておきます。

項目内容
制度の正式名称令和8年度_産油国石油精製技術等対策事業費補助金(石油天然ガス権益・安定供給の確保に向けた資源国との関係強化支援事業のうち産油・産ガス国産業協力等事業に係るもの)_第3回公募
制度名(短称)産油国石油精製技術等対策事業費補助金
補助上限額290,000万円(2,900,000,000円)
補助率定額/3分の2/2分の1
予算額約29億円(令和8年度政府予算)
募集期間2026年9月1日〜2026年9月25日
対象地域全国
対象業種農業・林業、漁業、鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売・小売業、金融・保険業、不動産・物品賃貸業、学術研究・専門技術サービス業ほか多数
従業員数の制約なし
申請方法Jグランツによる電子申請(GビズIDが必要)
公式URLhttps://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDeO6MAL
佐藤

佐藤

編集長

あれ? 対象業種の欄に「医療、福祉」や「宿泊業、飲食サービス業」まで入っていますね。これ、業種で絞られていないのでは…。
室谷

室谷

代表取締役

良いところに気づきました。Jグランツのページには実に多くの業種が並んでいて、なんと「公務」や「分類不能の産業」まで選択肢に入っています(笑)。つまり、業種だけで門前払いする方式ではない、ということです。
佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、どんな会社でもいける?
室谷

室谷

代表取締役

そこは「応募資格」の話が出てきます。中身がこの制度の目的に合うかどうかが大きいので、次の章で応募資格をしっかり確認しましょう。

誰が申請できる?「民間団体等」の要件を整理しよう

佐藤

佐藤

編集長

応募資格の欄には「民間団体等」とだけあって、ざっくりしていますね。
室谷

室谷

代表取締役

ざっくりしているようで、条件は細かいです。まず単独で申請する場合、あるいはコンソーシアムの幹事法人になる場合は、次の5つの要件を満たす必要があります。①日本に拠点を有していること、②事業を的確に遂行する組織や人員を有していること、③事業を円滑に遂行する経営基盤と資金管理能力を有していること、④経済産業省から補助金交付等の停止措置や指名停止措置を受けていないこと、⑤経済産業省のEBPMに関する取組に協力すること、の5つです。
佐藤

佐藤

編集長

EBP M? カタカナとアルファベットが混ざって、また目が滑りました(笑)。
室谷

室谷

代表取締役

「Evidence-Based Policy Making」の略で、日本語では「証拠に基づく政策立案」と訳されています。政策をその場限りのエピソードではなく、目的を明確にしたうえで合理的根拠に基づいて行う考え方ですね。応募者もこの取組に協力することが要件になっています。

コンソーシアム申請をする場合のルール

佐藤

佐藤

編集長

複数社でコンソーシアムを組む場合は、どうなるんでしょう?
室谷

室谷

代表取締役

幹事者を1社決めて、幹事者が事業提案書を提出します。そして幹事者が業務の全部を他の者に再委託することはできない、という制約があります。グループを組んでも「事務局に全部お任せ」はダメ、という意味ですね。
佐藤

佐藤

編集長

幹事会社にも、さっきの5つの要件がそのままかかるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。単独申請でもコンソーシアムの幹事でも、応募資格の中心は同じです。追加で気をつけたいのが、共同申請者にも要件があること。こちらは「日本に拠点を有している」か、あるいは一定の条件を満たす現地法人であることが求められます。

現地法人と共同申請するときの出資比率

佐藤

佐藤

編集長

「日本法人と現地法人の共同申請も可能」とありました。現地法人なら何でもいいわけではないんですよね?
室谷

室谷

代表取締役

その通りです。現地法人が共同申請者になるには、幹事法人または共同申請者(日本法人に限る)の「海外子会社」か「海外孫会社」である必要があります。海外子会社なら日本側の出資比率が10%以上、海外孫会社なら、日本側出資比率50%超の海外子会社がさらに50%超を出資していること、という条件です。
佐藤

佐藤

編集長

孫会社にも数字の条件があるんですね。そして補助金は現地法人に直接支払われるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

いいえ、ここも重要なポイントです。補助金は幹事法人または共同申請者のうち日本法人に限って交付され、そこから現地法人に分配するという形になります。しかも「当該分配に係る手数料等は補助対象外」と明記されています。つまり現地法人への送金手数料などを経費に含めることはできません。
佐藤

佐藤

編集長

これは実際に申請する人がつまずきやすいところですね。
室谷

室谷

代表取締役

そう思います。あとは応募書類に虚偽があったり、疑義が生じたりした場合は、採択後でも経済産業省が確認を行い、採択の取り消しを行う権利を留保しています。書類は丁寧に作りましょう。

対象になる経費・ならない経費はどこで判断する?

佐藤

佐藤

編集長

補助金をもらって何に使っていいのか、そこも気になります。設備費とか人件費とか、いろいろありそうですけど。
室谷

室谷

代表取締役

公式の記述は意外とシンプルで、「事業を実施するために直接必要な経費について」補助するとされています。この「直接必要な経費」かどうかが、まず最大の判断基準です。
佐藤

佐藤

編集長

たとえば、事務所の家賃や電気代みたいなものは入るんでしょうか…。
室谷

室谷

代表取締役

その判断は、個別の費目と事業の関係次第です。ざっくり「会社の運営費だから全部OK」とはなりません。公募ページには申請様式として「公募要領別紙(積算基礎)」というエクセルが用意されています。そこに事業の内容ごとの経費を積み上げていく形になりますから、自分の事業で何が「直接必要」かを具体的に説明できるかが問われます。

対象になり得る経費と、対象外のものを整理

経費の対象・対象外をざっくり整理
メリット
  • 産油・産ガス国で実施する事業のために直接必要な経費は、補助の対象になり得る
  • 事業の内容に応じて、定額・3分の2・2分の1のいずれかの補助率が適用される
  • 積算基礎の様式に沿って金額の根拠を示せば、設備や調査、人材育成といった幅広い活動を積算できる
×デメリット
    対象外・注意が必要なもの
    メリット
    • 現地法人への分配に係る手数料等は補助対象外と明記されている
    • 幹事者が業務の全てを第三者に再委託する形は認められない
    • 応募書類に虚偽・疑義がある場合は、採択後でも確認や取り消しが行われ得る
    ×デメリット

      ※上記の図は誤解を避けるため、2つに分けて表示しています。上の図が「対象になり得るもの」、下の図が「対象外・要注意のもの」です。

      佐藤

      佐藤

      編集長

      あれ? 上の図の最後に「幅広い活動を積算できる」とありますが、これって室谷さんの表現ですよね。制限はないんですか?
      室谷

      室谷

      代表取締役

      ああ、そこは語弊があったかもしれません(笑)。正確に言うと、まず事業の内容が「高度人材育成支援事業」か「事業環境整備事業」のどちらかに沿っていることが大前提です。そのうえで、直接必要な経費を積算していくわけです。何でも自由に計上できるわけではありません。
      佐藤

      佐藤

      編集長

      なるほど。「事業が制度の目的に合っているか」が最初の関門で、次に「経費が事業に直接必要か」を見られるんですね。

      「積算基礎」が合否のカギを握る?

      佐藤

      佐藤

      編集長

      積算基礎のエクセルって、要するに見積書みたいなものですか?
      室谷

      室谷

      代表取締役

      そう考えてもらってほぼ大丈夫です。どの経費が、どの事業の、どんな根拠でいくら必要なのか。これを事業計画と突き合わせて説明できるようにします。たとえば海外の催事でセミナーや展示を開くなら、会場費や輸送費などが想定されますが、その1つ1つに「なぜ必要か」の説明が求められます。
      佐藤

      佐藤

      編集長

      金額の大きい事業ですから、説得力が命になりそうですね。
      室谷

      室谷

      代表取締役

      そして、繰り返しになりますが、最終的な実施内容や交付決定額は「経済産業省と調整した上で決定」されます。ざっくり申請して、あとから膨らませることはできません。最初から具体的な計画で臨むのが吉です。

      どうやって申し込む?Jグランツの手順を解説

      佐藤

      佐藤

      編集長

      ここからは申請の流れですね。紙に書いて郵送…ではないですよね?(笑)
      室谷

      室谷

      代表取締役

      違います(笑)。この補助金は政府の補助金申請システム「Jグランツ」を使って応募します。資源エネルギー庁の公募案内にも「Jグランツにて応募を受け付けます」と明記されています。まずはJグランツを使うための準備から始めましょう。

      第一歩は「GビズID」の取得

      佐藤

      佐藤

      編集長

      Jグランツって、初めて聞きました。どんなシステムなんですか?
      室谷

      室谷

      代表取締役

      政府の補助金をオンラインで申請するためのポータルサイトです。マイナンバーカードのようなものだと思えばOKです。このシステムを使うには「GビズID」という法人向けのIDが必要です。
      佐藤

      佐藤

      編集長

      会社にGビズIDがない場合は、そこから始めるんですね。
      室谷

      室谷

      代表取締役

      そうなります。GビズIDの発行には審査がありますから、申請を考えたら最初に取りかかるのがおすすめです。募集期間は2026年9月1日から9月25日までですが、ID取得が終わっていなくて締切間際に焦る、というのはよくあるパターンですからね。

      申請までの流れを図にしました

      第3回公募の申請フロー
      1. 1
        GビズIDを取得
        Jグランツを使うための法人ID。事前に発行しておく
      2. 2
        公募要領・交付要綱を確認
        対象事業の区分、補助率、経費の対象を確認する
      3. 3
        申請書類と積算基礎を作成
        事業計画と積算の根拠をエクセル様式にまとめる
      4. 4
        Jグランツから申請
        2026年9月1日〜9月25日の受付期間内に提出する
      5. 5
        審査・採択
        採択予定件数に上限はないが、予算の範囲内で判断される
      6. 6
        経済産業省と調整
        実施内容と交付決定額を調整のうえ、交付決定となる
      佐藤

      佐藤

      編集長

      なるほど、結構ステップがありますね。申請自体は電子申請だから、最終的にはJグランツの画面から送信するんですね。
      室谷

      室谷

      代表取締役

      そうですね。ただし、このサイトでは代理申請ができない設定になっています。「当サイトの代理申請:不可」と表示されていますから、申請者自身のアカウントで操作する必要があります。専門家に相談するのは構いませんが、最後の提出ボタンを押すのは自社のIDで行う必要がある、と覚えておいてください。

      締切は9月25日!必着時刻は要確認

      佐藤

      佐藤

      編集長

      締切は2026年9月25日。では、9月25日の夜までに送ればいいんですね?
      室谷

      室谷

      代表取締役

      そこが要注意です。募集期間の終了日は「2026年9月25日」までとされていますが、何時までに提出すればよいか、つまり必着時刻については公募要領で確認してください。同じ資源エネルギー庁の公募でも、正午必着の回があります。第3回公募の詳細は、必ず公募要領の本文を確認しましょう。
      佐藤

      佐藤

      編集長

      これは肝に銘じます。あと、公募要領や交付要綱はどこで見られるんですか?
      室谷

      室谷

      代表取締役

      Jグランツの公募ページに「公募要領(R8FY3次公募:産油国石油精製技術等対策事業費補助金)」と「交付要綱」のPDFが掲載されています。申請様式の「積算基礎」エクセルも同じページからダウンロードできます。まずはその3点セットを開くところから始めてください。

      審査で見られるのはどこ?攻略のポイントを考えよう

      佐藤

      佐藤

      編集長

      採択されるかどうか、気になります。審査の基準はどこかに書いてあるんですか?
      室谷

      室谷

      代表取締役

      残念ながら、配点などの審査基準は公表されていません。ただ、判断の枠組みは見えています。1つ目が応募資格を満たしているか、2つ目が事業が制度の目的に合致するか、3つ目が予算の範囲内で採択可能か、という枠組みです。
      佐藤

      佐藤

      編集長

      では、私のような事業者が工夫できるのは「事業の説明」ですね。
      室谷

      室谷

      代表取締役

      その通りです。ここは私の見立てになりますが、この補助金の説明資料で何度も出てくる言葉は「我が国と産油・産ガス国との関係強化」と「石油及び可燃性天然ガスの安定的かつ低廉な供給の確保」です。つまり「儲かるからやる」ではなく、「この事業がなぜ日本の資源安定供給につながるのか」を説明できるかが大きいと見られます。

      採択予定件数は「上限なし」、ただし予算次第

      佐藤

      佐藤

      編集長

      採択予定件数が「特に上限等は設けません」とあったのは、ちょっと意外でした。落とす気がないのかな、と(笑)。
      室谷

      室谷

      代表取締役

      いえいえ(笑)。その後に「予算の範囲内での採択とします」と続きます。令和8年度の予算額は約29億円です。つまり、予算が許す限り採択するというスタンスであって、「通るかどうか」よりも「予算のパイを取れるかどうか」の競争だと考えた方が現実的です。
      佐藤

      佐藤

      編集長

      なるほど…。だからこそ、事業の質と金額の説得力が勝負になるんですね。

      EBP Mへの「協力」を計画にどう落とし込むか

      佐藤

      佐藤

      編集長

      EBPMって、さっき「政策立案の話」と聞きましたが、企業側にできることは何かあるんですか?
      室谷

      室谷

      代表取締役

      応募者として意識したいのは「成果の測り方」です。たとえば人材育成なら「何人の人材を育てて、その人たちがどう活躍するか」、技術移転なら「どの設備を導入して、現地の処理能力や環境負荷がどう変わるか」。これを数値目標として示せると、説得力がぐっと増します。
      佐藤

      佐藤

      編集長

      つまり「いいことをやります」ではなく、「こう変わります」まで言えるか、ですね。
      室谷

      室谷

      代表取締役

      その通りです。それから、現地のパートナーとの関係や、相手国政府との調整の見込みも重要です。国際協力の事業ですから、日本側だけで完結する計画では、この補助金の趣旨に合いにくいでしょう。

      スケジュールと問い合わせ先を押さえよう

      佐藤

      佐藤

      編集長

      ここで一度、時間軸を整理したいです。申請はいつからでしたっけ?
      室谷

      室谷

      代表取締役

      今回が第3回公募で、受付期間は2026年9月1日から2026年9月25日までです。この記事を読んでいる時点がいつなのかにもよりますが、もし申請を検討しているなら、まず募集期間までの残り日数をカレンダーで確認してください。
      第3回公募のスケジュール
      1. 2026年9月1日
        公募開始
        Jグランツで申請の受付が始まる
      2. 2026年9月25日
        申請締切
        この日までにJグランツで提出。必着時刻などは公募要領を確認
      3. 採択後
        経済産業省と調整
        最終的な実施内容と交付決定額を調整した上で決定する
      佐藤

      佐藤

      編集長

      公募期間が約3週間しかないんですね。9月に入ってから準備を始めたのでは、遅そうです。
      室谷

      室谷

      代表取締役

      本当にそうで、GビズIDの取得だけでも時間がかかります。事業計画をまとめ、現地のパートナーと調整し、積算基礎まで作ることを考えると、8月中から動き始めるのが現実的です。「募集が始まってから急いだ」のでは、良い申請書は書けませんよ。

      困ったときの問い合わせ先リスト

      佐藤

      佐藤

      編集長

      もし分からないことがあったら、どこに聞けばいいんでしょう?
      室谷

      室谷

      代表取締役

      問い合わせ先は2つあります。1つは公募の事務局である株式会社野村総合研究所、もう1つは経済産業省資源エネルギー庁の資源開発課です。それぞれメールでの問い合わせが案内されています。表にまとめておきますね。
      問い合わせ先連絡先
      「資源権益・安定供給の確保に向けた資源国との関係強化支援事業」事務局(株式会社野村総合研究所)〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-2 大手町フィナンシャルシティグランキューブ / E-mail: resource-interests-r8-oilgus-ext@nri.co.jp
      経済産業省 資源エネルギー庁 資源・燃料部 資源開発課(担当:松尾、鳥原)〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1 / E-mail: matsuo-yudai@meti.go.jp、torihara-tomoya@meti.co.jp
      公募ページhttps://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDeO6MAL
      佐藤

      佐藤

      編集長

      メールの担当者名まで載っているのは心強いですね。
      室谷

      室谷

      代表取締役

      ええ。ただ、質問する前に公募要領と交付要綱を一通り読んでおくのはマナーですし、実際、要綱を読めば大半の疑問は解消します。それでも分からない点は、遠慮なく問い合わせてください。

      申請前に確認したい「よくある質問」

      佐藤

      佐藤

      編集長

      ここからは、申請を検討する人が実際に抱きそうな疑問に短く答えていきたいと思います!
      室谷

      室谷

      代表取締役

      いいですね。まずは「定額って全額もらえるの?」という質問からいきましょうか。

      「定額」は全額補助って意味?

      佐藤

      佐藤

      編集長

      はい、まさにそこが知りたいです。「定額」なら事業費の全部が戻ってくるんですか?
      室谷

      室谷

      代表取締役

      交付要綱では「予算の範囲内で定額または3分の2または2分の1」とされています。つまり「定額」は、補助対象経費の全額を補助する方式として使われる言葉です。ただし、先ほども言ったように、どの事業にどの補助率が当てはまるかは公募要領の定めるところです。全事業が必ず定額になるわけではありませんので注意してください。
      佐藤

      佐藤

      編集長

      自分の事業がどれに当たるかは、要綱を読まないと分からない、と。
      室谷

      室谷

      代表取締役

      まさにその通りです。あと「定額」であっても、予算の範囲内であることや、経済産業省との調整で交付決定額が決まることは変わりません。「定額=無制限」ではないと覚えておいてください。

      現地法人には直接お金が入らないの?

      佐藤

      佐藤

      編集長

      海外の子会社と一緒にやる場合、補助金って現地法人の口座に入るんでしょうか?
      室谷

      室谷

      代表取締役

      入りません。補助金の交付先は、幹事法人または共同申請者のうち「日本法人に限る」とされています。そこから現地法人に分配する形です。そして分配にかかる手数料等は補助対象外ですから、そのぶんは自社持ちと考えてください。
      佐藤

      佐藤

      編集長

      グループ会社間のお金の流れも、申請書类にきちんと書く必要がありそうですね。
      室谷

      室谷

      代表取締役

      そうですね。幹事法人が業務の全てを再委託できないという点も含めて、グループ内の役割分担を明確にしたうえで申請するのが良いと思います。

      海外展開を考え始めたばかりでも応募できますか?

      佐藤

      佐藤

      編集長

      最後の質問です。「いつか産油・産ガス国で事業をしたい」という段階でもOKなんですか?
      室谷

      室谷

      代表取締役

      応募資格の要件を見ると、事業を的確に遂行する組織・人員があり、経営基盤と資金管理能力があることが求められます。「いつかやりたい」では、残念ながらこの事業を遂行できるとは判断されにくいでしょう。逆に言えば、具体的な計画と実行体制があれば、これから海外展開する企業・団体も門戸は開かれています。
      佐藤

      佐藤

      編集長

      「これから」の会社でも、計画と体制をきちんと見せられればチャンスがある、と。心強いですね!

      もう一度おさらい!この記事のポイント

      佐藤

      佐藤

      編集長

      制度名は長いけど、中身は「資源国と日本をつなぐ事業への補助金」と考えると、とても分かりやすくなりました。室谷さん、今日はありがとうございました!
      室谷

      室谷

      代表取締役

      ありがとうございました! 名前のインパクトに負けず、要綱を読むところから一歩踏み出してみてください。特にGビズIDは時間がかかるので、申請するかどうか迷っていても、先に取得しておくと損はありませんよ。
      佐藤

      佐藤

      編集長

      なるほど! まずは行動ですね。皆さんも、気になる方は公式ページの公募要領をチェックしてみてください!