室谷さん、今回のテーマ、名前を聞いただけでお腹いっぱいになるんですが(笑)。
正式名称、いきますよ。「令和7年度_産油国石油精製技術等対策事業費補助金(石油天然ガス権益・安定供給の確保に向けた資源国との関係強化支援事業のうち産油・産ガス国産業協力等事業に係るもの)_第5回公募」です。長いですね(笑)。
息継ぎなしでは読めない。でも、こういう名前って中身はシンプルなことが多いんですよね?
まさにその通りです。要は「産油国・産ガス国との関係を強くして、日本が石油や可燃性天然ガスを安定的に確保するための事業」を助ける補助金です。jGrants上では「資源国・産油国支援事業補助金」という制度名で、キャッチコピーは「資源国補助金(燃料)」になっています。
じゃあ、まず「この補助金はどんな事業を対象にしているのか」から教えてください。
交付要綱を読むと、大きく2つの柱があります。1つ目は産油・産ガス国で、日本と相手国との関係強化に資する多様な人材を育成する「産油・産ガス国高度人材育成支援事業」です。
人材育成! じゃあ現地の方が日本で研修を受けたりするイメージですか?
そうですね。具体的な研修内容まではここでは想定を書けませんが、相手国との関係強化につながる人材を育てる事業が対象です。2つ目が、日本の先端技術の移転や石油産業の基盤施設・設備の高度化、石油・可燃性天然ガス開発にかかわる調査などを実施する「産油・産ガス国事業環境整備事業」です。
この補助金の2つの柱産油・産ガス国高度人材育成支援事業
産油・産ガス国において、日本と相手国の関係強化に資する多様な人材を育成する事業が対象。
産油・産ガス国事業環境整備事業
日本の先端技術の移転、石油産業等の基盤施設・設備の高度化、石油や可燃性天然ガス開発にかかわる調査などを実施する事業が対象。
なるほど。人材育成と技術・インフラ整備、その両方を後押しするわけですね。最終的には何を目指しているんですか?
目的は、産油・産ガス国と日本との関係を強化して、石油や可燃性天然ガスの安定的かつ低廉な供給を確保することだと明記されています。資源を輸入に頼る日本にとって、相手国との太いつながりを作るのは大きなテーマなんです。
対象地域や業種を見ると「全国」で、業種も農業から金融、教育、医療・福祉まで幅広いんですね。
そうなんです。農業・林業、鉱業・採石業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、金融業・保険業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、教育・学習支援業など、ほぼまんべんなく指定されています。
えっ、それなら「どんな会社でもチャンスがある」ってことですか?
ここが大切なポイントですが、あくまで対象は産油・産ガス国での人材育成や事業環境整備です。「海外で事業をやりたいから何でもOK」ではなく、この補助金の政策目的にかなう事業内容かどうかが問われます。業種の広さは「門戸の広さ」と受け取っておくのがいいでしょう。
それでは気になるお金の話です。今回の上限はいくらなんですか?
補助上限額は34,000万円、つまり3億4000万円です。jGrantsの掲載上は「340,000,000円」と表記されています。
マジですか? 億単位のプロジェクトを組める規模じゃないですか!
国際的な人材育成や技術移転、設備高度化を考えると、それなりに大きな事業を想定している数字ですね。補助率も「定額、2/3、1/2」の3パターンが設定されています。
補助率が3種類あるっていうのが気になります。どんな事業なら2/3で、どんな事業なら1/2になるんですか?
この制度の公募要領では「事業を実施するために直接必要な経費について、予算の範囲内で定額または3分の2、または2分の1とします」とされています。つまり事業内容に応じて定額、2/3、1/2のいずれかが適用される形です。
申請前に「うちは2/3だから」と決められるわけではないんですね。
そう捉えたほうが正確です。最終的な実施内容や交付決定額は経済産業省と調整した上で決定すると明記されています。どの事業区分でどの補助率が適用されるかも含めて、公募要領を確認しながら、事業計画を詰める必要があります。
1件あたりの上限が34,000万円だと、予算も大きいんでしょうね?
令和7年度政府予算で約3億円とされています。上限額と予算額だけを見ると「予算より1件の上限のほうが大きい?」と驚く方もいるかもしれませんが、これはあくまで1件当たりの上限という位置づけです。
なるほど。じゃあ数十件も採択されるわけではない可能性もある?
採択予定件数は「特に上限等は設けませんが、予算の範囲内での採択」という表現です。要するに、予算の範囲で採択が決まるので、上限額いっぱいが必ずもらえるわけではないと理解しておくのが大事です。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 補助上限額 | 34,000万円 |
| 補助率 | 定額、2/3、1/2 |
| 予算額 | 約3億円(令和7年度政府予算) |
| 採択予定件数 | 特に上限なし(予算の範囲内での採択) |
| 交付決定額 | 最終的には経済産業省と調整して決定 |
jGrantsの「利用目的」を見ると、新たな事業、海外展開、イベント運営、研究開発、人材育成、設備導入、SDGs、教育、スポーツ支援まで書いてあって、もう何でもありに見えます(笑)。
確かに一覧だけ見ると「夢の補助金」ですよね(笑)。ただ、この制度の場合、あくまで中身は「産油・産ガス国高度人材育成支援事業」か「産油・産ガス国事業環境整備事業」のどちらかに当てはまるかが本質です。
具体的には例えば、産油・産ガス国で開かれる催事で日本の技術を紹介するセミナーや展示事業、といった形でもいいんですか?
資源エネルギー庁の公募案内にも、産油・産ガス国で開催される催事などで日本が持つ環境対応技術等のセミナーや展示事業を開くケースや、石油・可燃性天然ガス開発分野での共同研究、調査研究、人材交流を通じた開発支援協力などが紹介されています。あくまで公募案内での表現ですが、事業のイメージをつかむ参考になるでしょう。
「環境対応技術」にも対応してるんですね。最近の流れを感じます。
とはいえ、この補助金の軸は産油・産ガス国との関係強化と資源の安定供給です。そこを外すと評価の土台に乗りにくいので、申請を考えるなら「相手国にとってどんな価値があり、日本の安定供給にどうつながるか」をきちんと言語化する必要があります。
基本は「事業を実施するために直接必要な経費」です。ここはどの補助金でも同じような考え方ですが、本制度にはユニークな注意点があります。日本法人と現地法人が共同申請する場合、補助金はいったん幹事法人または共同申請者(日本法人に限る)に交付され、そこから現地法人に分配される形になります。
じゃあ、その振り分けのときに手数料がかかったりするじゃないですか。あれは経費になるんですか?
ならないんです。明記されているのが「当該分配に係る手数料等は補助対象外とします」。つまり、日本法人から現地法人へお金を動かす際の手数料や関連コストは、補助金の対象外として自分たちで負担する必要があります。
地味に効いてきそうな注意点ですね。あと、コンソーシアムで再委託ってどうなるんですか?
「幹事者が業務の全てを他の者に再委託することはできません」という制約があります。全部を丸投げする形はNGなので、幹事者自身が責任を持って業務を遂行する体制が必要です。
制度のうれしいポイント・注意ポイント- 産油・産ガス国との関係強化につながる国際事業を大きく後押し
- 人材育成から技術移転、設備高度化、調査まで幅広い事業が対象
- 補助上限34,000万円と大型の事業設計が可能
×デメリット
- 予算は約3億円で、予算の範囲内での採択
- 最終的な交付決定額は経済産業省との調整が必要
- 現地法人への分配に係る手数料などは経費にできない
- 幹事者が業務の全てを再委託することはできない
次は応募資格です。どんな団体なら応募できるんですか?
公募要領上の表現は「民間団体等」です。単独での応募に加えて、コンソーシアム形式での申請も可能です。コンソーシアムで応募する場合は「幹事者」を決めて、その幹事者が事業提案書を提出する流れになります。
民間団体なら全部OK、というわけではないですよね?
最低限押さえるべき条件が5つあります。1つ目は日本に拠点を有していること。2つ目は本事業を的確に遂行する組織や人員を有していること。3つ目に、事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤と、資金等について十分な管理能力を有していることです。
4つ目は、経済産業省からの補助金交付等停止措置や指名停止措置が講じられている者ではないこと。5つ目は、経済産業省におけるEBPMに関する取組に協力することです。全部クリアして初めて応募資格が整います。
コンソーシアムで複数社が集まる場合、幹事者がやることは多いんですか?
幹事者は事業提案書を提出するのが役割です。ただし、さきほど話した通り、幹事者が業務の全てを他の者に再委託するのはできません。連携先に一部分を任せるのはあり得ますが、すべてを外注するような形は制度趣旨に合わないと考えるべきです。
幹事者が全体を引っ張っていく覚悟が必要ってことですね。
日本法人と現地法人の共同申請も可能と聞きました。現地法人との組み合わせはどんな条件があるんですか?
共同申請者になる現地法人は、幹事法人または共同申請者(日本法人に限る)の海外子会社であれば、日本側出資比率10%以上であることが求められます。
はい。さらに海外孫会社の場合は、日本側出資比率が50%超の海外子会社が、その孫会社に対して出資比率50%超で保有していることが条件になります。つまり「日本の会社がしっかり支配している先」かどうかを見られているんですね。
海外法人を巻き込むなら、資本関係もクリアにしておかないといけないわけか。結構シビアですね。
現地法人側にも、組織・人員、経営基盤、資金管理能力といった条件が課されます。補助金は日本法人側に交付されて現地法人に分配されるので、事業管理体制を明確に示す必要があります。
現地法人との共同申請を考えるときの確認フロー共同申請する相手は現地法人ですか?
はい幹事法人または日本法人の共同申請者の海外子会社で、日本側出資比率10%以上か
または日本側出資比率50%超の海外子会社が、出資比率50%超で保有する海外孫会社か
要件を満たせば共同申請を検討できる(分配手数料は補助対象外)
いいえ日本に拠点を有する民間団体等として、単独またはコンソーシアムで応募可否を確認
組織・人員、経営基盤、資金管理能力などの5条件を満たすか確認
応募資格に「EBPMに協力すること」とありましたけど、これって何ですか?
EBPMは「Evidence-Based Policy Making」の略で、日本語だと「証拠に基づく政策立案」です。政策をその場限りのエピソードに頼らず、政策目的を明確にしたうえで、統計などを正確に分析して合理的根拠に基づいて政策を選択していく考え方です。
なるほど、国の政策づくりの話ですね。それがなぜ申請者に求められるんですか?
補助金の効果を適切に評価するには、事業者の協力が必要だからです。応募資格の1つに組み込まれている以上、採択後も含めて「EBPMの取組に協力する」前提で応募するのが筋でしょう。拒否する姿勢はマイナスにしかならないので、社内で共有しておいてください。
ここからは手続きの話です。今回の第5回公募の募集期間はいつですか?
2026年9月1日から2026年9月25日までです。政府の補助金申請システム「jGrants(Jグランツ)」を通じて応募します。
えっ、もう始まってるんですね。申し込みには何が必要ですか?
jGrantsを利用するには、GビズIDの取得が必要です。そして、この公募は「当サイトの代理申請:不可」とされています。つまり、コンサルタントに丸投げするのではなく、申請者自身がGビズIDを取得して手続きをする必要があります。
代理申請ができないのは意外と盲点ですね。GビズIDはどのくらい前に用意すればいいんですか?
発行に時間がかかるケースもあるので、公募期間に入る前に取得しておくのが安全です。jGrants上でログインし、第5回公募のページから申請書類を提出する流れになります。申請に必要な書類は、公募要領や交付要綱、それに「公募要領別紙(積算基礎)」というExcel様式がセットで掲載されています。
そうです。どの経費が補助対象で、補助率や金額をどう計算するかは積算基礎で示すことになります。公募要領を読んでから様式を開かないと、戸惑うかもしれません。
第5回公募・申請の流れ- 1
GビズIDを取得
jGrants利用に必要。代理申請は不可なので自社で発行する。
- 2
公募要領と積算基礎を確認
対象経費・応募資格・様式をあらかじめ把握する。
- 3
事業計画を組み立てる
コンソーシアムなら幹事者を決め、幹事者が事業提案書を提出する。
- 4
jGrantsで電子申請
募集期間内に必要書類を添付して提出する。
- 5
経済産業省と調整
最終的な実施内容・交付決定額を調整して決定する。
書類をそろえるだけで時間がかかりそうですね。スケジュール感を教えてください。
まず2026年9月1日が公募開始。ここから約3週間強、2026年9月25日までが応募期間です。応募後は、経済産業省での審査を経て、予算の範囲内で採択が決まります。交付決定までに事務局や経済産業省との調整が入るので、「採択通知が来てから準備しよう」ではなく、応募時に事業計画を固めておくのが大切です。
第5回公募スケジュールのイメージ2026年9月1日
公募開始
公募要領を確認し、事業計画と積算の準備を進める
2026年9月25日
応募締切
jGrants上で申請書類を提出する
締切後
審査・調整
経済産業省との調整を経て実施内容と交付額が決まる
採択後
交付決定
補助金の交付決定を受け、事業を開始する
応募に際して提出された申請書や関連書類に記載の事項に虚偽が認められたり、疑義が生じたりした場合は、採択後であっても経済産業省が内容を確認し、採択の取り消しを行う権利を留保しています。
金額が大きいからこそ、書類作成は正確に、そして説明できる根拠を残しておくことが重要です。特に海外事業は現地の状況を確認するのが難しいので、共同申請者との役割分担や経費の根拠資料は丁寧に残しましょう。
最後に気になるのが「どうやったら採択されるか」です。審査のポイントはどこにあるんでしょうか?
まず大前提として、この補助金は「産油・産ガス国と日本との関係強化」と「石油・可燃性天然ガスの安定的かつ低廉な供給の確保」を目的にしています。申請する事業がこの目的に沿っているかが最も基本的な軸になります。
海外展開したい企業なら、どの事業も「関係強化につながる」と言いたくなりますけどね。
そこが腕の見せどころです。単なる技術輸出の話ではなく、相手国の人材育成や石油産業の基盤整備に、どう資するのか。そして、それが日本の資源の安定供給にどう結びつくのか。この2段構えのストーリーがきちんと描けるかが問われます。
「日本にとっても相手国にとっても意味がある」と伝えられるかってことですね。
もう1つは、応募資格にもあった「事業を的確に遂行する組織、人員」と「経営基盤・資金管理能力」です。海外事業は契約や渡航、現地法人との調整など複雑な要素が多いので、実行体制が整っていないと採択後に事業が回りません。
確かに。現地法人と組む場合も、資本関係の整理や役割分担が曖昧だとリスクですよね。
特に幹事者の場合は、業務の全てを再委託できない点にも注意してください。自分たちが主体的に動ける範囲を示すことが、信頼につながります。
つまり、「事業の意味」と「実行体制」と「経費の透明性」の3つが揃うかどうかですね。
その理解で大丈夫です。あとは審査の結果が「予算の範囲内での採択」ですから、同じくらい良い事業が並んだときに、経費の積算に無理がないか、EBPMへの協力姿勢も含めて総合的に見られるだろうと思います。
ここからは細かい疑問を片付けていきましょう。まず、応募の代理申請は本当にできないんですか?
jGrantsの掲載で「当サイトの代理申請:不可」とされています。ですから、社内でGビズIDを取得して、自社名義で申請する必要があります。もし手続きに不安があるなら、公募要領とjGrantsのマニュアルを併読しながら進めるのがおすすめです。
応募期間ギリギリになって書類が足りないことに気づいたら、どうすればいいですか?
今回の募集は2026年9月25日までなので、それまでにjGrants上で提出を完了させる必要があります。締切間際はシステムが混み合うことも考えられるので、期日に対して余裕を持った提出を心がけましょう。最終日の何時まで受け付けるかなどは公募要領で確認してください。
「とりあえず出して、後から直せばいいや」はできない感じですか。
書類に虚偽や疑義があれば、採択後でも確認が入る仕組みです。提出前に、積算基礎の数字が他の書類と整合しているかを必ず確認してください。担当者1人で抱え込まず、経理や現場とダブルチェックできる体制が理想的です。
どうしても分からないことがあったら、どこに聞けばいいんですか?
経済産業省 資源エネルギー庁 資源・燃料部 資源開発課で、担当は松尾さんと鳥原さんです。所在地は東京都千代田区霞が関1-3-1、経済産業省本館になります。
jGrantsの公募ページには、「交付要綱(産油・産ガス国産業協力等事業)」「公募要領(R7FY5次公募)」「公募要領別紙(積算基礎)」の3点が掲載されています。積算基礎はExcel形式です。
とりあえずこの3つを全部ダウンロードすればいいんですね。
それでは最後に、今回の制度を表にまとめてください。
かしこまりました。申請を検討するときの最終チェック用に、基本情報を一覧にしますね。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 令和7年度_産油国石油精製技術等対策事業費補助金(石油天然ガス権益・安定供給の確保に向けた資源国との関係強化支援事業のうち産油・産ガス国産業協力等事業に係るもの)_第5回公募 |
| jGrants上の制度名 | 資源国・産油国支援事業補助金 |
| 補助上限額 | 34,000万円 |
| 補助率 | 定額、2/3、1/2 |
| 予算額 | 約3億円(令和7年度政府予算) |
| 募集期間 | 2026年9月1日〜2026年9月25日 |
| 対象地域 | 全国(日本に拠点を有することが必要) |
| 応募方法 | jGrantsで電子申請(GビズID要・代理申請不可) |
| 公式URL | https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDeNwMAL |
ありがとうございます、これで全体像が掴めました! 最後に、検討している事業者へメッセージをお願いします。
この補助金は、産油・産ガス国を舞台にした人材育成や事業環境整備に取り組む民間団体等を対象にしたものです。上限が大きく、国際協力の経験を積みたい企業にとっては挑戦しがいのある制度ですが、予算約3億円の範囲内での採択になる点は忘れないでください。
そうですね。特に海外に拠点を持つ企業や、産油・産ガス国との関係構築に知見のある企業は、公募要領を早めに読んで体制を整えてみてください。2026年9月25日の締切に向けて、着実に準備を進めましょう!