そもそも、どんな制度?賃上げと設備投資がセットの理由

事業場内最低賃金を50円以上上げて、生産性向上の設備投資もする

佐藤

佐藤

編集長

室谷さん、長崎県の補助金で「中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)」というのを見つけたんですけど、名前が長くて、何がなんだか。ざっくり言うと何をする制度なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

シンプルに言うと、中小企業・小規模事業者が「事業場内最低賃金」を50円以上引き上げて、生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。
佐藤

佐藤

編集長

え、賃上げと設備投資がセットなんですね。なんで設備投資まで必要なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

賃金だけ上げるのではなく、機械設備を入れたりITを導入したりして業務の生産性を高めながら、一番低い賃金を底上げするのが狙いです。だから「賃上げ計画」と「設備投資等の計画」を両方立てて申請します。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。つまり「賃上げしました、はい終わり」ではなくて、会社の仕組みも良くしながら賃金も上げる、と。
室谷

室谷

代表取締役

そういう理解で大丈夫です。この申請フォームは長崎労働局への申請フォームなので、対象になるのは長崎県内の事業場です。なかなかピンポイントな制度ですよね。

この制度、正式名称が長い。申請先はどこ?

佐藤

佐藤

編集長

それにしても、正式名称がめちゃくちゃ長いですよ。補助金なのに助成金って書いてあるのも気になります。
室谷

室谷

代表取締役

正式名称は【長崎】令和8年度中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)です。制度の内容を見ると「業務改善助成金」と呼ばれていますから、厚生労働省のサイトでも業務改善助成金のページを確認するのがスムーズです。
佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、ここでは「業務改善助成金」って呼びましょうか。
室谷

室谷

代表取締役

それがいいですね。もらえる金額を先に知りたい気持ちもありますけど、申請期間も確認しておきたいですね。
佐藤

佐藤

編集長

はい。いつから申し込めるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

申請受付は令和8年9月1日から。ただし、締切は「申請事業場の都道府県において適用される地域別最低賃金の発効日の前日」または「同年11月30日」のいずれか早い日です。
佐藤

佐藤

編集長

おっと、11月30日で終わるわけじゃなくて、地域別最低賃金の発効日次第なんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そこは長崎県の令和8年度地域別最低賃金の発効日を確認する必要があります。まずは金額の話を聞いてから、スケジュールの話に進みましょうか。
佐藤

佐藤

編集長

それがいいです! 数字を見ないとテンションが上がらないんで(笑)。

いくらもらえる?補助上限600万円と助成率3/4~4/5

助成率は事業場内最低賃金で変わる

佐藤

佐藤

編集長

まず、補助上限は600万円とありました。大きいですね! いきなり600万円もらえるんでしょうか?
室谷

室谷

代表取締役

そこは落ち着いてください(笑)。助成上限は600万円ですが、助成率は3/4~4/5です。事業場内最低賃金が1,050円未満の事業者は4/51,050円以上の事業者は3/4という区分になっています。
佐藤

佐藤

編集長

ということは、事業場内最低賃金が1,040円の事業者で、設備投資に100万円かけたら80万円もらえるイメージ?
室谷

室谷

代表取締役

単純計算ではそう考えていいですが、実際の支給額は「設備投資等にかかった費用×助成率」と「助成上限額」を比べて、安い方の金額になります。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。つまり「600万円までは全額もらえる」わけじゃないんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。上限額は「50円コース」「70円コース」「90円コース」といった引き上げ額と、引き上げる労働者数によって変わります。ここを表で見てみましょう。

コース・人数ごとの助成上限額を表で確認

室谷

室谷

代表取締役

公式の資料に載っている令和8年度の上限額をまとめると、こんな形です。事業場規模が30人未満の事業者か、右記以外の事業者かで金額が分かれるケースがあります。
引き上げ額引き上げる労働者数事業場規模30人未満の事業者右記以外の事業者
50円コース1人40万円30万円
50円コース2~3人70万円40万円
50円コース4~5人70万円70万円
50円コース6~7人90万円90万円
50円コース8人以上110万円110万円
50円コース10人以上※130万円130万円
70円コース1人50万円40万円
70円コース2~3人100万円50万円
70円コース4~5人130万円130万円
70円コース6~7人180万円180万円
70円コース8人以上230万円230万円
70円コース10人以上※300万円300万円
90円コース1人100万円90万円
90円コース2~3人240万円150万円
90円コース4~5人270万円270万円
90円コース6~7人360万円360万円
90円コース8人以上450万円450万円
90円コース10人以上※600万円600万円
佐藤

佐藤

編集長

おお、かなり細かく分かれてますね。1人しか上げない場合と、2~3人上げる場合でも金額が違う。しかも事業場規模によっても違う!
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです。50円コースの1人目だと、事業場規模30人未満の事業者は40万円、右記以外の事業者は30万円。70円コースの1人目だと、50万円と40万円です。2~3人でも差があります。
佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、とにかくたくさん人を上げればいいわけでもない?
室谷

室谷

代表取締役

引き上げる労働者数の数え方にもルールがあります。事業場内最低賃金の労働者だけを数えるのではなく、その賃上げによって賃金額が追い抜かれる労働者も「引き上げる労働者」に算入されます。ただし、申請コースと同額以上賃金を引き上げることが条件です。
佐藤

佐藤

編集長

ああ、なるほど。下の方にいた人だけ上げると、途中の人との金額が逆転しちゃいますもんね。
室谷

室谷

代表取締役

そこを丁寧に整理しないと、申請時に人数を間違えやすいポイントです。表の※にもありますが、10人以上の上限額区分は、特例事業者が10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合に対象になります。自分がどのコースで申請できるかは、交付要綱・要領を必ず確認してください。
業務改善助成金の3つのポイント
事業場内最低賃金を50円以上引き上げる
複数回に分けての引上げは認められません。引上げ後の賃金額を就業規則等に定めます。
生産性向上に資する設備投資等とセット
POSレジ導入や特殊車両の導入、業務フロー見直しなどが例示されています。
上限600万円、助成率3/4~4/5
引き上げ人数・引き上げ額・事業場規模によって助成上限額は異なります。
佐藤

佐藤

編集長

600万円は「90円コースで10人以上」のようなケースなんですね。ざっくり「最大600万円」と覚えておけばいいのか。
室谷

室谷

代表取締役

はい。ただし、ここに「事業場内最低賃金が1,050円未満なら助成率4/5、1,050円以上なら3/4」という条件が重なってきます。だから「上限額いっぱいまでもらえるかどうか」は、費用と賃上げ計画次第です。

誰が申請できる?対象者と業種をチェック!

中小企業・小規模事業者が基本。みなし大企業は対象外

佐藤

佐藤

編集長

次は対象者です。従業員数の上限は「制約なし」と見たんですけど、誰でもいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

いやいや、そこは注意が必要です。まず、中小企業・小規模事業者であることが前提です。しかも、大企業と密接な関係を有する「みなし大企業」は対象外になると明記されています。
佐藤

佐藤

編集長

あ、そうなんですね。従業員数の制約は確かに「制約なし」と書いてありますが、中小企業かどうかや、みなし大企業かどうかは別の話だと。
室谷

室谷

代表取締役

まさにそこです。さらに、事業場内最低賃金が令和8年度地域別最低賃金未満であること、解雇や賃金引き下げなどの不交付事由がないことといった要件も満たす必要があります。
佐藤

佐藤

編集長

じゃあ、そもそも「賃金を上げなきゃいけない状況の会社」が対象なんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そう捉えると分かりやすいです。事業場内最低賃金がすでに地域別最低賃金より高い事業者は、そもそもこの制度の対象にならない可能性があります。

事業場単位で申請する。工場と事務所は別々?

佐藤

佐藤

編集長

申請の単位も教えてください。会社全体で1回なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

いいえ、工場や事務所など、労働者がいる事業場ごとに申請します。たとえば工場Aと事務所Bがあったら、それぞれ別々に申請するイメージです。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。じゃあ、会社全体の賃金が高いけど一部の事業場だけ低い、みたいなケースでも可能性がある?
室谷

室谷

代表取締役

実際の審査は事業場単位で行われます。ただし、申請事業場の事業場内最低賃金が要件を満たしているかが大事です。事業場内最低賃金は、事業場で最も低い時間給のこと。その計算方法は、地域別最低賃金と同じルールで算定されます。
佐藤

佐藤

編集長

一番低い人を上げる、というのがポイントだったんですね。
室谷

室谷

代表取締役

さらに、雇入れ後6か月を経過した労働者の事業場内最低賃金を引き上げる必要がある、という点も公式の案内にあります。新しく入ったばかりの人だけで何とかする、というわけにはいきません。

対象業種は?長崎県内の事業場なら幅広い業種が並ぶ

佐藤

佐藤

編集長

うちはサービス業なんですけど、対象になりますか?
室谷

室谷

代表取締役

jGrantsの対象業種には、農業、林業、漁業、鉱業、採石業、砂利採取業、建設業、製造業、電気・ガス・熱供給・水道業、情報通信業、運輸業、郵便業、卸売業、小売業、金融業、保険業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業、医療、福祉、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、分類不能の産業などが並んでいます。
佐藤

佐藤

編集長

これはかなり幅広い……と言いたくなりますが、具体的に並ぶとサービス業も入ってますね。安心しました。
室谷

室谷

代表取締役

対象地域は長崎県です。この申請フォームは長崎労働局への申請フォームですから、事業場が長崎県内にあるかどうかを最初に確認してください。

対象になる経費・ならない経費は?設備投資の具体例

POSレジや特殊車両、業務フロー見直しも対象例

佐藤

佐藤

編集長

設備投資等と言われても、具体的に「何を買えばいいの?」って迷いそうです。どんな経費が対象なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

公式の例では、POSレジシステム導入による在庫管理の短縮や、リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮、国家資格者による顧客回転率向上を目的とした業務フロー見直し経営コンサルティング、顧客管理情報のシステム化などが挙げられています。
佐藤

佐藤

編集長

へえ、機械や車両だけじゃなくて、コンサルティングも対象になるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

あくまで「生産性向上に資する設備投資等」というくくりです。経費区分としては機器・設備の導入や経営コンサルティングといったものが例示されています。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。じゃあ「これは業務改善につながる!」と言える設備やサービスを選ぶのが大事そうですね。
助成対象経費の例と注意点
メリット
  • POSレジシステム導入による在庫管理の短縮
  • リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮
  • 国家資格者による顧客回転率向上のための業務フロー見直し経営コンサルティング
  • 顧客管理情報のシステム化
×デメリット
  • 一般事業者はパソコン、スマホ、タブレット等の端末・周辺機器が対象外
  • 物価高騰等要件に該当する特例事業者でも、パソコン等は新規導入のみが対象
  • 交付決定前に導入した設備投資等は対象外

パソコンは対象外?特例事業者なら新規導入OK

佐藤

佐藤

編集長

よくありがちなのが「じゃあ新しいパソコンを買って業務効率化だ!」ってやつですよね。パソコンは対象になるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

残念ながら、一般事業者の場合は、パソコン、スマホ、タブレット等の端末と周辺機器は助成対象外とされています。
佐藤

佐藤

編集長

え、そうなんですか。それは結構ショックです(笑)。
室谷

室谷

代表取締役

ただ、特例事業者のうち「物価高騰等要件」に該当する場合は、パソコン等の新規導入に限って助成対象になります。まずは一般論として「パソコンは対象外」と覚えておいて、特例の要件に当てはまるかどうかを確認するのがいいですね。
佐藤

佐藤

編集長

その「特例事業者」って、どういう事業者なんですか?
室谷

室谷

代表取締役

公式の説明では、アの賃金要件とイの物価高騰等要件のいずれかに該当する事業者が特例事業者です。賃金要件の具体例としては、申請事業場の事業場内最低賃金が1,050円未満の事業者が挙げられます。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。じゃあ物価高騰等要件は?
室谷

室谷

代表取締役

原材料費の高騰など、社会的・経済的環境の変化等の外的要因により、申請前6か月間平均における利益率が前年度と比べて3%ポイント以上低下している事業者です。この物価高騰等要件に該当する場合は、助成対象経費の拡充も受けられます。
佐藤

佐藤

編集長

これが「パソコン導入OK」につながるわけですね。ただし新規導入に限ると。
室谷

室谷

代表取締役

そう。中古品や買い替えなのか、新規導入なのかも確認が要りそうです。

申請期間はいつ?スケジュールを押さえよう

申請締切は「地域別最低賃金の発効日の前日」か「11月30日」の早い方

佐藤

佐藤

編集長

気になるのは締切です。最初に「令和8年9月1日から」と言ってましたが、いつまでに申し込めばいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

公式の制度詳細では、申請期間は「令和8年9月1日から、申請事業場の都道府県において適用される地域別最低賃金の発効日の前日又は同年11月30日のいずれか早い日」とされています。
佐藤

佐藤

編集長

つまり、長崎県の地域別最低賃金が10月に発効するなら、その前日までに申請する必要がある?
室谷

室谷

代表取締役

そういう理解で大丈夫です。ただし、長崎県の発効日がいつになるかは、令和8年度の地域別最低賃金の答申状況などを確認してください。ここを誤ると申請できない可能性があります。
佐藤

佐藤

編集長

これはカレンダーに「申請締切」って書いておいてもダメなパターンですね。地域別最低賃金の発効日を確認しないと。
室谷

室谷

代表取締役

さらに注意したいのが、交付決定前に助成対象設備を導入した場合は助成対象にならない点です。先に設備を買ってしまってから申請すると、対象外になるというわけです。
佐藤

佐藤

編集長

ああ、それはやりがち。申請するから安心して、つい先に買っちゃいそう。
室谷

室谷

代表取締役

やはり順番が大事です。計画を立てて交付申請し、交付決定後に設備投資等を進める。この順序を外さないでください。

事業完了期限は「交付決定年度の1月31日」

佐藤

佐藤

編集長

交付決定後のスケジュールも気になります。いつまでに設備を入れればいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

公式のリーフレットには「事業完了期限は交付決定年度の1月31日」とあります。そこまでに賃金引上げと設備投資等を完了するイメージです。
佐藤

佐藤

編集長

交付決定年度が令和8年度なら、1月31日までに終わらせないといけない。意外と短期決戦ですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうなんです。賃金引上げにも期間のルールがあって、地域別最低賃金の発効に対応して事業場内最低賃金を引き上げる場合は、発効日の前日までに引き上げておく必要があります。
佐藤

佐藤

編集長

あれ? じゃあ発効日当日に上げてもダメなんですか?
室谷

室谷

代表取締役

公式の例では、10月1日に新しい地域別最低賃金が発効する場合、発効日の前日である9月30日までに事業場内最低賃金を引き上げて完了していなければ対象外になります。「10月1日に引き上げました」では遅いケースがあるんです。
佐藤

佐藤

編集長

うわ、これは細かい。普通に考えると「10月1日から新しい賃金にしよう」となりそうですけど、そうではないんですね。
室谷

室谷

代表取締役

だからこそ、交付要綱・要領や申請マニュアルを熟読してから計画を立てる必要があります。
令和8年度の大まかなスケジュール
  1. 2026年4月22日
    交付要綱・要領の公表
    厚生労働省のサイトで令和8年度版が公開されています。
  2. 2026年9月1日
    交付申請の受付開始
    申請期間のスタートです。
  3. 長崎県の地域別最低賃金発効日の前日または11月30日
    申請期間の終了
    いずれか早い日が締切です。
  4. 交付決定年度の1月31日
    事業完了期限
    賃金引上げと設備投資等をここまでに完了します。

申請の流れは?電子申請で気をつけること

GビズIDを用意してJグランツから申請する

佐藤

佐藤

編集長

具体的な申請方法を教えてください。どこから申し込むんですか?
室谷

室谷

代表取締役

電子申請はJグランツから行います。この制度の申請フォームは「長崎労働局への申請フォーム」です。つまり、長崎労働局が管轄する事業場向けの受付になっています。
佐藤

佐藤

編集長

電子申請には何が必要ですか?
室谷

室谷

代表取締役

GビズIDアカウントが必要になります。初めての人は事前に取得しておかないと、申請期間に入ってから慌てることになりかねません。
佐藤

佐藤

編集長

確かに、役所のシステムは「いざやろう」と思ってから時間がかかることがありますからね(笑)。
室谷

室谷

代表取締役

また、Jグランツ申請マニュアルも公式に用意されています。交付要綱・交付要領とあわせて、申請前に一通り目を通すのがおすすめです。

交付申請書と添付書類をアップロード。押す前に再確認!

佐藤

佐藤

編集長

申請フォームに進んだ後は、何をすればいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

必要事項を記入して、作成した交付申請書・添付書類を申請フォームの「申請書類」欄にアップロードします。
佐藤

佐藤

編集長

ここでよくあるミスは?
室谷

室谷

代表取締役

とにかく書類の添付漏れと記載ミスです。公式の注意事項にも「交付申請の際に書類の添付漏れや記載ミス等が多く見受けられます」と書かれています。申請ボタンをクリックする前に、今一度確認してくださいと言っているくらいですから、本当に多いんでしょうね。
佐藤

佐藤

編集長

もし申請後にミスに気づいたらどうすればいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

交付申請後に書類の修正や添付漏れが分かった場合は、申請を行った都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に連絡することになっています。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。じゃあ「とりあえず出して、後で直そう」は危険な考え方ですね。
室谷

室谷

代表取締役

しかも、故意に事実と異なる記載をした場合や添付書類の偽造などで不正受給を行った場合は、不正受給額の返還に加え、加算金を支払う義務を負う場合や、刑事事件として告発される場合もあります。
佐藤

佐藤

編集長

そこは本当に気をつけます。助成金は「もらえるもの」というより「正しく申請して、正しく事業をやった結果もらえるもの」ですもんね。
交付申請から支給までの流れ
  1. 1
    事業場内最低賃金の確認
    令和8年度地域別最低賃金未満であるか、50円以上引き上げる計画かを確認します。
  2. 2
    交付申請書類の作成
    交付要綱・要領と申請マニュアルを読み、交付申請書・添付書類を準備します。
  3. 3
    Jグランツで申請
    GビズIDでログインし、長崎労働局への申請フォームにアップロードします。
  4. 4
    交付決定
    設備投資等は交付決定後にスタート。決定前の導入は対象外です。
  5. 5
    賃金引上げと設備投資等の実施
    事業完了期限は交付決定年度の1月31日です。
  6. 6
    事業結果の報告
    計画どおりに事業を実施し、結果を報告して助成金の支給を受けます。

審査ではどんなポイントがチェックされる?

提出先を間違えると「棄却」になる

佐藤

佐藤

編集長

審査で一番気をつけたほうがいいポイントはどこですか?
室谷

室谷

代表取締役

まず、提出先を間違えることです。公式にも、誤った提出先に申請した場合は、当該申請先の労働局で「棄却」処理を行うと明記されています。
佐藤

佐藤

編集長

棄却、ですか。それは怖いですね。もう一回出し直せばいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

できます。ただし、申請期間内に正しい提出先へ改めて申請する必要があります。この制度の申請フォームは長崎労働局用ですから、事業場がある労働局と申請先が合っているかを最初に確認してください。
佐藤

佐藤

編集長

審査や助成金の支払はどこがやるんですか?
室谷

室谷

代表取締役

申請の審査や助成金の支払は、事業場所在地を管轄する都道府県労働局で実施します。申請後は都道府県労働局から問い合わせがある場合もあります。

就業規則等への記載も忘れずに

佐藤

佐藤

編集長

書類以外で審査に影響しそうなポイントはありますか?
室谷

室谷

代表取締役

賃金の引き上げ方が要件に合っているかです。引上げ後の事業場内最低賃金額と同額を就業規則等に定めなければいけません。
佐藤

佐藤

編集長

就業規則に書くまでがセットなんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そうです。「口頭で賃上げします」では不十分です。複数回に分けての事業場内最低賃金の引上げも認められていません。一括して引き上げる計画になっているか確認しましょう。
佐藤

佐藤

編集長

対象労働者は全員でいいんですか?
室谷

室谷

代表取締役

引き上げる対象労働者は、週所定労働時間が20時間以上の雇用保険加入者が対象です。公式の表には「事業場内最低賃金である労働者」だけでなく「賃金額が追い抜かれる労働者」の考え方も載っています。
佐藤

佐藤

編集長

人の選び方もコース金額も、けっこう複雑ですね。
室谷

室谷

代表取締役

だからこそ、申請前に労働局やコールセンターに確認しながら進めるのがいいですよ。特に「申請前に確認したいポイント」をここにまとめておきますね。

よくある質問

過去に業務改善助成金を使ったら申請できない?

佐藤

佐藤

編集長

以前、業務改善助成金を活用したことがある事業者なんですが、今回は出せないんですか?
室谷

室谷

代表取締役

公式の案内では、過去に業務改善助成金を活用した事業者も助成対象になると書かれています。ただし、同一事業所の申請は年度内1回までです。
佐藤

佐藤

編集長

あ、よかった。過去に使ったから終わり、ではないんですね。
室谷

室谷

代表取締役

はい。ただし、予算の範囲内で交付するため、申請期間内であっても募集を終了する場合があります。余裕を持って動くのが大事です。

同じ事業所で年度内に何度も申請できる?

佐藤

佐藤

編集長

同じ事業所で何度も申請できませんか?
室谷

室谷

代表取締役

同一事業所の申請は年度内1回までです。工場Aと事務所Bが別々にある場合は、それぞれの事業場で申請単位が異なるため、別々に申請することが考えられます。
佐藤

佐藤

編集長

だから「事業場ごとに申請」という話が効いてくるんですね。
室谷

室谷

代表取締役

そう。1つの事業場で「50円コースを申請して、また90円コースを申請する」という使い方はできません。

問い合わせ先はどこ?

佐藤

佐藤

編集長

どうしても分からないことがあったら、どこに聞けばいいですか?
室谷

室谷

代表取締役

業務改善助成金コールセンターがあります。電話番号は0120-366-440、受付時間は平日9:00~17:00です。
佐藤

佐藤

編集長

平日9時から5時までか。仕事の合間に電話しないといけないですね。
室谷

室谷

代表取締役

ただ、業務改善助成金はJグランツの「この補助金に問い合わせる」機能には対応していません。電話か、各都道府県労働局雇用環境・均等部(室)への問い合わせが基本です。
佐藤

佐藤

編集長

なるほど。申請先を間違えたり、書類を出しっぱなしにしたりしないように、ちゃんと確認しようと思います。

基本情報まとめ

申請前に必ずおさらいしたい基本情報

佐藤

佐藤

編集長

最後に、もう一度基本情報を整理しておきたいです。
室谷

室谷

代表取締役

そうしましょう。長崎県の事業者向けの業務改善助成金、令和8年度申請分の基本情報は次のとおりです。
項目内容
制度名【長崎】令和8年度中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金(業務改善助成金)
実施機関業務改善助成金(長崎労働局への申請)
対象地域長崎県
補助金額上限600万円
補助率3/4~4/5
募集期間令和8年9月1日から、地域別最低賃金の発効日の前日または同年11月30日のいずれか早い日まで
対象業種農業、林業、漁業、建設業、製造業、情報通信業、運輸業、卸売業、小売業、医療、福祉など
利用目的設備整備・IT導入
公式URLhttps://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDe6XMAT
佐藤

佐藤

編集長

よく見ると、対象業種はかなりたくさんあるんですね。私は飲食サービス業なので、まずは「対象になるかも」と期待していい感じです。
室谷

室谷

代表取締役

ただ、業種だけでなく「事業場内最低賃金を50円以上引き上げるか」「生産性向上に資する設備投資等を計画しているか」「地域別最低賃金未満か」という要件が重なります。この3つを最初にチェックするのがおすすめです。
佐藤

佐藤

編集長

やることが多そうですけど、最大600万円は大きいですからね。申請を検討する価値はありそうです。
室谷

室谷

代表取締役

令和8年度の申請は令和8年9月1日から始まります。締切は「地域別最低賃金の発効日の前日」か「11月30日」の早い方です。長崎県の発効日を確認して、スケジュールを逆算して動いてくださいね。
佐藤

佐藤

編集長

分かりやすい説明、ありがとうございました! まずは自社の事業場内最低賃金と、長崎県の地域別最低賃金の発効日を調べるところから始めます。
室谷

室谷

代表取締役

それがいいですね。申請は書類勝負でもありますから、余裕を持って準備してください。何かあれば、業務改善助成金コールセンター0120-366-440へ。平日9:00~17:00ですよ。
佐藤

佐藤

編集長

助かりました。それでは、申請を考えている皆さんも、早めの情報収集を!