今日は「令和8年度地域資源活用製品等の開発・販売促進事業 開発・改良フェーズ」を深掘りします。名前が長い! 室谷さん、これ、ひとことで言うと何なんですか?
東京の地域資源を使った製品や、東京の都市課題を解決する製品・サービスの開発・改良を後押しする、東京都と公益財団法人東京都中小企業振興公社の助成事業です。上限は1,500万円、助成率は助成対象と認められる経費の2/3以内。なかなかの規模ですよ。
1,500万円! それは大きい。えっ、でも「開発・改良フェーズ」ということは、販売のほうにも別のフェーズがあるんですか?
あります。販路開拓フェーズという別のフェーズが用意されています。今回はそのうち開発・改良フェーズのほうを追いかけていきます。受付は令和8年10月1日から10月26日までです。
なるほど! でも締切の時刻とか、細かい縛りがありそうですね。
はい、令和8年10月26日17時までです。しかもこれ、いきなり申請書を書けばいいわけじゃないんです。ここが最大のポイントになります。
申請には「プラン作成支援」で専門家派遣を受け、事業計画の構築と申請書類の整備が「完了」している必要があります。つまり、先に支援を利用して計画を磨かないと、申請の土俵に立てないんです。
えっ、いきなり書類を出しても門前払い!? それは知らないと大変なことになる。
そうなんです。プラン作成支援は通年で受けられますが、プレスリリースでは「10月上旬までに初回利用を推奨」とされています。10月の受付に間に合わせるなら、かなり早めに動く必要があります。
ほんとに? じゃあ今から動いても間に合わない可能性があるということですか。
そういうことです。ただ、プラン作成支援は翌年度の助成金申請に向けて利用する道もあります。焦って雑に出すより、じっくり計画を固める選択もあるということですね。
この事業の3つのポイント助成上限は1,500万円
助成率は助成対象と認められる経費の2/3以内
プラン作成支援の完了が必須
専門家派遣を通じた事業計画の構築と申請書類の整備が必要
併用なら限度額3,000万円
販路開拓フェーズとの併用申請が可能
金額をもう少し詰めたいです。1,500万円って、どういう計算で出てくるんですか?
助成対象と認められる経費の2/3以内、その上限が1,500万円です。たとえば対象経費が600万円なら2/3で400万円、900万円なら600万円という計算になります。
じゃあ1,500万円を満額もらうには、対象経費がいくら必要なんですか?
2/3で1,500万円に届かせるなら2,250万円ですね。ただし「以内」ですから、審査で認められた範囲に掛かるという点は忘れないでください。
なるほど! 「以内」という言葉、地味に大事なんですね。
そうです。上限いっぱいが出る保証はどこにもありません。そこは期待しすぎないことです。
さっき出てきた販路開拓フェーズ、開発・改良と一緒に出せるんですか?
出せます。併用した場合の限度額は3,000万円で、内訳は開発・改良フェーズ1,500万円と販路開拓フェーズ1,500万円です。ただし販路開拓フェーズの経費は、開発・改良フェーズと併用申請する場合に対象となります。
マジですか! 3,000万円。で、販路開拓フェーズのほうはいつ募集しているんですか?
受付は令和8年7月27日から8月17日です。開発・改良フェーズの受付より先に来ます。ここは日程がずれているので要注意ですよ。
そうならないように、今日のうちに全体像を持ち帰ってください。
| 項目 | 開発・改良フェーズ | 販路開拓フェーズ | 併用申請 |
|---|
| 助成限度額 | 1,500万円 | 1,500万円 | 3,000万円 |
| 助成率 | 助成対象と認められる経費の2/3以内 | 同左 | 同左 |
| 助成対象期間 | 令和9年3月1日から令和10年11月30日まで | 開発・改良フェーズの完了検査の翌日から起算して1年9か月以内 | 両フェーズを対象 |
| 受付期間 | 令和8年10月1日から10月26日17時まで | 令和8年7月27日から8月17日17時まで | 令和8年10月1日から10月26日まで |
| 事業開始 | 令和9年3月1日から | 令和8年11月1日から | 各フェーズに準じる |
開発・改良フェーズと販路開拓フェーズ| 項目 | 開発・改良フェーズ | 販路開拓フェーズ | 併用申請 |
|---|
| 助成限度額 | 1,500万円 | 1,500万円 | 3,000万円 |
| 助成率 | 2/3以内 | 2/3以内 | 2/3以内 |
| 助成対象経費 | 原材料・副資材費など6項目 | マーケティング費など5項目 | 両方を対象にできる |
| 受付期間 | 令和8年10月1日から10月26日 | 令和8年7月27日から8月17日 | 令和8年10月1日から10月26日 |
| 事業開始 | 令和9年3月1日から | 令和8年11月1日から | 各フェーズに準じる |
ここからは申請資格ですね。誰が申し込めるんですか?
都内に登記のある本店または支店で、実質的に事業活動を行っている中小企業者です。会社だけでなく個人事業者も含まれます。さらに一般社団法人、一般財団法人、特定非営利活動法人、中小企業団体も対象です。
法人格がいろいろ! 個人事業主でもいけるのはありがたいですね。
加えて、都内での創業を具体的に計画している個人も支援対象事業者として挙げられています。開業前でも道があるということです。
えっ、開業前でもいけるんですか。それってすごくないですか?
ただし「具体的に計画している」状態であることが前提です。ぼんやりした希望では通りません。そこは現実的に考えてください。
建設業、製造業、情報通信業、複合サービス事業、サービス業(他に分類されないもの)、運輸業・郵便業、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業の8つです。
はい。ただ自分の業種がこのどれに当てはまるかは必ず確認してください。判断に迷うなら公社に聞くのが確実です。問い合わせ先はこのあと出てきます。
なるほど! 「たぶんサービス業でしょ」で出すのは危ないと。
危ないです。申し込み前の確認は惜しまないでください。
申請できるかどうかの分岐都内に登記のある本店または支店で実質的に事業活動を行っている中小企業者などか?
はいプラン作成支援を利用する
完了を確認できたらJグランツで申請
いいえ公社の地域資源事務局に相談する
都内での創業を具体的に計画している個人も対象として案内されている
「地域資源」って、観光地とか名産品みたいなイメージなんですが、それだけではないんですよね?
そうなんです。TOKYOイチオシナビに掲載されている地域資源でなくても、対象になる場合があります。たとえば東京の歴史・文化や、独自の製造技術・技法、デザイン等を活用した製品・サービスです。
伝統技術を活用したもの、江戸の伝統意匠、麻の葉柄や市松柄を使ったものなどが例として挙げられています。柄の話が出てくるの、ちょっと面白いですよね。
市松柄、意外と身近! 他にはどんなものがあるんですか?
東京の地域産業振興につながる製品・サービスも対象です。都内産の原材料等を使用したもの、地域の複数事業者の協同によるものなどが例として挙げられています。
防災・減災・災害予防、環境・エネルギー、まちづくり、産業振興、安全・安心の確保、交通・物流・サプライチェーン、スポーツ振興・障害者スポーツ、地域コミュニティ、子育て・高齢者・障害者等の支援、教育・働き方・女性活躍、医療・健康、文化・エンターテイメントです。
12個もあるんですね。逆に「どれにも当てはまらない」となりそうで怖い。
そこは計画の立て方で見せ方が変わります。どの課題に効く製品・サービスなのかを言葉にできるかが勝負です。詳細はホームページと募集要項で確認してください。
ダメです。誰の、どの課題を、どう解決するのか。そこが問われます。
ここが一番気になるところです。何に使えるんですか?
開発・改良フェーズの対象経費は、原材料・副資材費、機械装置・工具器具費、委託・外注費、専門家指導費、産業財産権出願・導入費、直接人件費の6つです。
機械装置が入っているのは大きいですね。設備を作り込めます。
ただし、あくまで助成対象と認められる経費であることが前提です。そして助成率は2/3以内。たとえば機械装置に900万円かけて全額認められれば600万円という計算になります。これはあくまで計算の一例です。
なるほど! でも全額が認められるとは限らないわけですね。
そうです。対象期間や用途の条件は募集要項で必ず確認してください。
マーケティング費、店舗等整備費、展示会等出展費、イベント開催費、広告宣伝費の5つです。ただしこれらは、開発・改良フェーズと併用申請する場合に対象となります。
なるほど! 販路開拓だけを単独で申請したい人は……。
単独では対象になりません。ここは誤解されやすいポイントなので、しっかり覚えておいてください。
開発・改良フェーズの対象経費と注意点- 原材料・副資材費
- 機械装置・工具器具費
- 委託・外注費
- 専門家指導費
- 産業財産権出願・導入費
- 直接人件費
×デメリット
- 助成率は2/3以内で、経費の全額が出るわけではない
- 販路開拓フェーズの経費は併用申請の場合に限られる
- 助成対象期間や用途の条件は募集要項で要確認
まずプラン作成支援の申し込みです。専門家が派遣されて、事業計画のブラッシュアップや助成金申請書の作成、申請書類の準備に係るアドバイスを受けます。この支援で計画の完成と書類の準備完了が確認できた場合だけ、開発・改良フェーズの助成金に申請できます。
つまり、申請書を書く前に、専門家と一緒に計画を作る工程があると。
そのとおりです。初回利用は10月上旬までが推奨とされています。逆算すると、早めに動かないと受付に滑り込めません。
ほんとに? 「10月になったら考えよう」だと詰みですね。
かなり危険です。まずは支援の入口を作るのが第一歩です。
申請はJグランツから行います。募集要項でも「Jグランツより申請」と案内されています。Jグランツを使うにはGビズIDが必要なので、早めに取得しておきましょう。
GビズIDって時間がかかることもありますもんね。そこで詰まる人、絶対いますよ。
います。締切は令和8年10月26日17時です。ギリギリにIDを取ろうとすると間に合わない恐れがあります。
なるほど! ID取得と計画づくりを並行で進めるんですね。
そうです。プラン作成支援の中で書類の整備が進むので、IDの準備と同時に動くのが現実的です。
書類審査が令和8年11月中旬から12月中旬、面接審査が令和9年1月下旬、助成金対象者の決定が令和9年2月下旬です。事業開始は令和9年3月1日からになります。
決定してすぐ3月からスタート、と。けっこうタイトですね。
そうなんです。開発・改良フェーズの助成対象期間は令和9年3月1日から令和10年11月30日まで。約1年9か月あります。
長いようで、開発を考えるとあっという間かもしれない。
スケジュールは状況により変更される場合があるとされています。最新情報は公社ホームページで確認してください。
開発・改良フェーズ申請の流れ- 1
GビズIDを取得
Jグランツでの電子申請に必要。早めに準備
- 2
プラン作成支援を申し込む
初回利用は10月上旬までが推奨
- 3
専門家と事業計画を構築
計画のブラッシュアップと申請書類の整備を進める
- 4
支援の完了を確認
事務局が完了を確認した事業者のみ申請できる
- 5
Jグランツで電子申請
令和8年10月1日から10月26日17時まで
- 6
書類審査・面接審査
書類は11月中旬から12月中旬、面接は令和9年1月下旬
- 7
助成対象者決定・事業開始
令和9年2月下旬に決定、3月1日から事業開始
スケジュールの全体像令和8年7月27日から8月17日
販路開拓フェーズの受付
併用を狙うならこちらが先に来る
令和8年10月1日から10月26日
開発・改良フェーズの受付
Jグランツで電子申請、26日17時締切
令和8年11月中旬から12月中旬
書類審査
計画内容や対象要件を確認
令和9年1月下旬
面接審査
自分の言葉で計画を説明できるかが鍵
令和9年2月下旬
助成金対象者の決定
採択後は専任コーディネータが伴走
令和9年3月1日から
事業開始
助成対象期間は令和10年11月30日まで
一次が書類審査、二次が面接審査です。焦点になるのは計画の中身、つまり何を作るのか、どの課題に効くのか、どう販路につなげるのかという部分です。
面接は令和9年1月下旬です。計画が自分の中で腹落ちしていれば、そこまで恐れる必要はないと思います。
なるほど! 逆に言うと、丸投げで作った計画だと面接で詰まると。
そうなりますね。プラン作成支援は専門家に任せる場ではなく、自分が計画を語れるようになる場だと考えておくといいです。
はい。採択事業ごとに専任のコーディネータがついて、事業計画の円滑な実施に向けた進捗管理やアドバイスを行います。専門性の高い課題が出てきたときは、その解決に向けた専門家がサポートします。
採択事業をPRする専用ホームページが令和9年3月公開予定です。さらに販路開拓フェーズの支援期間中には、展示会や物産展等への出展・出店機会が提供されます。
開発して終わり、ではないのがこの事業の面白いところですね。
はい。中小企業者には会社および個人事業者が含まれています。都内に登記のある本店または支店で実質的に事業活動を行っていることが条件です。加えて、都内での創業を具体的に計画している個人も対象として挙げられています。
そうですね。ただし「具体的に計画している」状態であることが前提です。
販路開拓フェーズの経費は、開発・改良フェーズと併用申請する場合に対象となります。単独では受けられません。
別です。販路開拓フェーズは令和8年7月27日から8月17日、開発・改良フェーズは令和8年10月1日から10月26日です。
今年の10月に間に合わなかったら、来年まで何もできないんですか?
いいえ。プラン作成支援は翌年度の助成金申請に向けて利用する道もあります。通年で受け付けています。
なるほど! 焦って間に合わせるより、一年かけて計画を固める選択肢もあると。
そういうことです。支援の初回利用は10月上旬までが推奨とされていますから、年度ごとに逆算するのが大事です。
東京都産業労働局商工部地域産業振興課、電話03-5320-4755が窓口として案内されています。こちらも使ってください。
助成上限は1,500万円、助成率は助成対象と認められる経費の2/3以内。受付は令和8年10月1日から10月26日17時まで。販路開拓フェーズと併用すれば限度額3,000万円です。そして申請にはプラン作成支援の完了が必須です。
プラン作成支援、忘れないようにします。GビズIDも!
そうですね。募集要項と公社ホームページを確認して、問い合わせは早めに。準備から逆算して動いてください。