室谷さん、今日は東京都の商店街でお店を出す人の助成金だそうですね。でも名前が長すぎて、正直よく分からないんですよ(笑)。
ですよね。正式には「令和8年度 第3回 若手・女性リーダー応援プログラム助成事業/商店街起業・承継支援事業」。すごく長いんですが、やってることはシンプルです。都内の商店街で実店舗を開くときに、店舗の工事費と家賃の一部を助成してくれる制度です。
出るんです。しかも最大3年間。目的は都内商店街の活性化で、商店街のリーダーになってくれる人や後継者を増やしたい、という狙いがあります。
いちばん大きいもので助成限度額の合計が844万円です。ただし店舗を新しく借りて工事もして……という前提の金額なので、そこは誤解しないでくださいね。まずは全体像からいきましょう。
名前の真ん中に「/」が入ってますよね。これ、2つの制度ってことですか?
そのとおりです。「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」と「商店街起業・承継支援事業」の2つが、同じスケジュールで一緒に募集されています。
自分がどちらに当てはまるかで決まります。女性または若手の男性なら前者、それ以外の個人事業主や中小企業者なら後者、という分かれ方です。金額も助成率も違ってきます。
そうしましょう。どちらも「都内商店街での開業等」が土台なので、そこは共通です。
「第3回」って書いてあるのは、年に何回も募集してるってことですか?
はい、令和8年度は3回に分けて募集されています。今回の第3回は、令和8年10月9日(金)9時から、令和8年10月30日(金)17時締切です。
締切が17時ぴったりなんですね。郵送なら消印有効とかですか?
いえ、各回とも申請書類提出最終日の17時00分必着です。しかも備考に「電子申請のアクセスが集中した場合、システム障害で手続きが滞る可能性がある」とわざわざ書かれています。ギリギリは本当に危ないですよ。
この助成金の3つの特徴店舗の工事費と家賃の両方が対象
事業所整備費だけでなく、店舗賃借料も最大3年間助成される
若手・女性は助成率が手厚い
若手・女性リーダーは3/4以内、商店街起業・承継は2/3以内
都内の商店街であることが前提
対象地域は東京都。都内商店街での実店舗開設等が条件
なるほど、家賃が3年分出るのがいちばん大きいですね。
そうなんですよ。開業直後がいちばん資金繰りが苦しいので、そこに効いてくる設計です。
まず金額を詳しくお願いします。844万円って聞いて、まだ信じられないんですけど(笑)。
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業の助成限度額合計が844万円です。内訳は、事業所整備費が助成対象と認められる費用の3/4以内で、助成限度額が400万円。店舗賃借料も3/4以内で、1年目が月額15万円、2年目が月額12万円、3年目が月額10万円です。
はい。ただし「助成対象と認められる費用の」という言い方がすごく大事です。何でも経費にできるわけではなく、対象と認められた分の3/4になります。
商店街起業・承継支援事業は助成限度額合計が694万円。事業所整備費は助成対象と認められる費用の2/3以内で、助成限度額が250万円です。店舗賃借料は2/3以内で、月額の枠は1年目15万円、2年目12万円、3年目10万円と同じですね。
そうなんです。若手・女性のほうが手厚い設計になっています。表にすると分かりやすいですよ。
| 項目 | 若手・女性リーダー応援プログラム | 商店街起業・承継支援 |
|---|
| 助成限度額合計 | 844万円 | 694万円 |
| 事業所整備費の助成率 | 3/4以内 | 2/3以内 |
| 事業所整備費の助成限度額 | 400万円 | 250万円 |
| 店舗賃借料の助成率 | 3/4以内 | 2/3以内 |
| 店舗賃借料1年目 | 月額15万円 | 月額15万円 |
| 店舗賃借料2年目 | 月額12万円 | 月額12万円 |
| 店舗賃借料3年目 | 月額10万円 | 月額10万円 |
表にすると分かりやすい! でもこの助成率って、基本情報にも書いてあるんですか?
いえ、基本情報の欄には助成率の記載がないんです。ただ、公式の制度詳細と都の案内では「3/4以内」「2/3以内」と明記されています。細かい判定は公募要領でご確認ください。
家賃が3年でけっこうな額になりますよね。ざっくり計算すると……。
1年目の月額上限15万円が単純に12か月続くと、1年で180万円相当です。2年目、3年目と段階的に下がる設計で、借り始めを後押しする形ですね。
まさにそこを狙った設計だと思います。助成対象期間は、店舗賃借料は交付決定日から3年間です。
あります。事業所整備費は、交付決定日から、開業日が属する月の翌々月末まで、かつ1年以内です。
なので開業日から逆算して工事を進める必要があります。のんびりしていると対象期間を過ぎてしまいますよ。
ここからは誰が使えるか、ですね。「若手・女性」って具体的に何歳までなんですか?
都の案内では、女性または39歳以下(令和9年3月31日時点)の若手男性、とされています。
そうですね。申請時点ではなく令和9年3月31日時点で判定されるので、そこは覚えておいてください。この年齢・性別の条件があるのは「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」のほうです。
「商店街起業・承継支援事業」のほうになります。こちらは年齢や性別の条件はなく、個人または中小企業者が対象ですよ。
公表されている対象業種は、サービス業(他に分類されないもの)、卸売業・小売業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉です。
そうなんです。小売に限らず、整体のようなサービス業や学習塾も入ってきます。ただ業種の判定は最終的に公募要領で確認してください。
公表されている情報では、従業員数の上限は「制約なし」とされています。
とはいえ、商店街の空き店舗に入る規模感の事業が想定されているはずなので、物件とのマッチングは現実的に考えたほうがいいですよ。
「開業等」という言い方が出てきますけど、開業以外もあるんですか?
若手・女性リーダーのほうは3つです。「開業」「2店舗目」「移転(都内商店街からの移転は除く)」ですね。
移転は分かりますけど、都内商店街からの移転はダメなんですね。
そうなんです。都内の商店街以外の地域、または都外にある既存事業と同種の自分の店舗を、都内の商店街へ移す場合が対象です。都内の商店街から別の商店街へ、というのは対象外になります。
そういうことです。空き店舗を埋めて、新しい担い手を連れてくる。制度の狙いがよく出ています。
そこが面白いところで、新たに開設する店舗は2店舗目に限る、と明記されています。実店舗を持つ個人事業主が、既存事業と同じ業種で事業拡大のために、都内商店街の既存店舗とは異なる物件で新たに開設する場合、という条件です。
そう読めますね。あと、実店舗を持たずにネットショップ等で営業している人が、新たに店舗を開設する場合も対象ですよ。
もう一方は5つのパターンでしたよね。「多角化」って聞き慣れないです。
実店舗を持つ中小企業者が、既存事業とは異なる分野へ進出するため、都内商店街の既存店舗とは異なる場所で実店舗を新たに開設する場合です。
たとえば飲食店が物販を始めるとか、そういうイメージですか?
そう捉えていいと思います。それと「開業」「2店舗目」「移転」は若手・女性のほうと同じ考え方ですね。
「事業承継」が入っているのが、この事業ならではですね。
はい。中小企業者の後継者が、都内商店街で既存事業を引き継ぎ、店舗改装等をする場合です。パターンは2つ。継承する事業を営んでいる既存店舗で引き続き事業を行うときと、都内商店街に店舗を移転して事業を行うときです。
被承継者が生存している場合は、第三者の承継も可、とされています。だから親族以外の承継でも道がありますよ。
それは商店街にとっては大きいですね。空き店舗が埋まりますもんね!
あなたはどっちの事業で申請する?女性、または39歳以下(令和9年3月31日時点)の若手男性ですか?
はい若手・女性リーダー応援プログラム助成事業
開業・2店舗目・移転の3区分
いいえ商店街起業・承継支援事業
開業・多角化・2店舗目・移転・事業承継の5区分
大きく分けると事業所整備費と店舗賃借料の2本立てです。事業所整備費の中に、店舗新装・改装工事費、設備・備品購入費、宣伝・広告費が入ります。宣伝・広告費はホームページ制作費やチラシの作成費などですね。
はい。ただ、都の案内の表では、設備・備品購入費と宣伝・広告費の欄に「助成対象経費の上限は150万円(商店街起業・承継支援事業は100万円)」という注記が付いています。どの経費にどうかかるかは公募要領で確認しておいてください。
公表されている情報では、対象外経費の一覧までは示されていません。なので「これは使えるのかな」と迷ったら、募集要項とよくあるご質問を見るのが確実です。
問い合わせる前に確認しろ、って書いてありましたね。
はい、問い合わせの前に「募集要項」と「よくあるご質問」を必ずご確認ください、とわざわざ書かれています。まずはそこからですね。
この助成金のメリットと注意点- 返済不要の助成金で、店舗工事費と家賃の両方をカバー
- 若手・女性は助成率3/4以内、助成限度額合計844万円
- 店舗賃借料は交付決定日から3年間助成される
- 開業後は中小企業診断士等の専門家サポートを受けられる
×デメリット
- 都内商店街での実店舗開設等が前提で、対象地域は東京都のみ
- 事業所整備費は開業日が属する月の翌々月末まで(1年以内)と期限が短い
- 書類審査と面接審査の2段階があり、第3回は令和8年10月30日17時締切
- 対象外経費の細かい判断は公募要領とよくあるご質問で要確認
初めて店を持つ人にとっては、その伴走があるかどうかで全然違いますよ。
原則として、国(デジタル庁)が提供する「Jグランツ」での電子申請です。なのでまずGビズIDが必要になります。
GビズIDって、取るのに時間がかかるやつですよね?
そこが最初の関門です。書類をそろえてから慌てて取ると間に合わないことがあるので、先に動いてください。Jグランツの申請方法や技術トラブル、GビズIDについての質問は「GビズIDヘルプデスク」(0570-023-797)へ、と案内されています。
そうなんです。そこを間違えると時間をロスしますから、電話する前に誰に聞くべきかを整理しておきましょう。
通信回線の故障、災害、その他の理由でJグランツの利用が困難で、やむなく郵送申請を希望する場合は、事業ホームページを確認してください。ただし持参、ファクス、Eメールでの提出は受け付けていません。
それがダメなんです。あと申請受付は各回とも、申請書類提出最終日の17時00分必着です。消印有効ではないので、そこは間違えないでくださいね。
申請書類の提出が令和8年10月9日(金)から10月30日(金)まで。書類審査が12月上旬から12月中旬。面接審査が令和9年1月中旬から下旬。助成対象者の決定、つまり交付決定日が令和9年3月1日(月曜日)予定です。
5か月近くあります。だから開業時期の計画は、このスケジュールを前提に組んだほうがいいですよ。
第3回のスケジュール令和8年10月9日(金)9時
申請受付開始
Jグランツでの電子申請が原則
令和8年10月30日(金)17時
申請締切
17時00分必着。持参・ファクス・メール不可
令和8年12月上旬〜12月中旬
書類審査
提出書類をもとに審査
令和9年1月中旬〜下旬
面接審査
書類審査を通過した人が対象
令和9年3月1日(月)(予定)
助成対象者決定(交付決定日)
ここから助成対象期間がスタート
交付決定が3月1日なら、春の開業に間に合う感じですね。
そうですね。ただし事業所整備費は開業日が属する月の翌々月末までなので、決定後の動きは早めにしてください。
それで解決しないことを電話で聞く、が正しい順番です。いきなり電話すると、たぶん「まずFAQを見てください」と言われますよ。
申請から助成までの流れ- 1
GビズIDを取得
Jグランツでの電子申請に必要。早めに準備
- 2
募集要項とFAQを確認
対象経費・要件・必要書類をチェック
- 3
事業計画と見積りを用意
工事費・設備・賃借料の内容を固める
- 4
Jグランツで電子申請
令和8年10月9日9時〜10月30日17時必着
- 5
- 6
面接審査(令和9年1月中旬〜下旬)
通過した人が面接へ
- 7
交付決定(令和9年3月1日予定)
決定後、助成対象期間がスタート
- 8
開業・実績報告
工事は開業日の属する月の翌々月末まで
まず書類審査、そのあとに面接審査です。公表されている情報では配点や評価基準までは示されていないので、そこは公募要領で要確認です。
面接まであるということは、事業計画そのものが問われる、ということです。数字の作り方より、商店街でどう商売を成り立たせるかの説明が大事になりますよ。
公表情報から確実に言えるのは、期限まわりです。第3回は令和8年10月30日17時で締切、申請は17時00分必着。GビズIDの取得や電子申請のアクセス集中で手続きが滞る可能性がある、と注意書きまであります。
そういうことです。あとは対象経費の考え方ですね。「助成対象と認められる費用」なのかどうかで、助成される金額が変わってきます。
工事が遅れて対象期間を過ぎると、助成を受けられない可能性があります。そこだけは本当に注意してください。
では表にしましょう。ここを見れば応募の入り口は分かります。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 令和8年度 第3回 若手・女性リーダー応援プログラム助成事業/商店街起業・承継支援事業 |
| 実施機関 | 東京都及び公益財団法人東京都中小企業振興公社 |
| 助成限度額 | 若手・女性リーダー:844万円/商店街起業・承継:694万円 |
| 助成率 | 若手・女性リーダー:3/4以内/商店街起業・承継:2/3以内 |
| 募集期間 | 令和8年10月9日(金)9時〜令和8年10月30日(金)17時締切 |
| 対象地域 | 東京都(都内商店街での実店舗開設等) |
| 対象者 | 女性または39歳以下(令和9年3月31日時点)の若手男性/個人または中小企業者 |
| 対象業種 | サービス業(他に分類されないもの)、卸売業・小売業、不動産業・物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業、宿泊業・飲食サービス業、生活関連サービス業・娯楽業、教育・学習支援業、医療・福祉 |
| 従業員数 | 上限の制約なし |
| 使途 | 新たな事業を行いたい/事業を引き継ぎたい |
| 公式URL | https://www.jgrants-portal.go.jp/subsidy/a0WJ200000CDeT5MAL |
そうですね。あと助成率は公式の制度詳細に基づく記載で、基本情報側には助成率の項目がない点も頭に置いておいてください。
分からないことがあったら、どこに聞けばいいんですか?
お昼休みを挟みますから、かける時間には気をつけてください。Jグランツの操作やGビズIDのことは、GビズIDヘルプデスク(0570-023-797)です。
大丈夫です。商店街起業・承継支援事業では、個人または中小企業者が対象とされています。「2店舗目」の区分でも、会社及び個人事業者と書かれていますよ。
いま都内の商店街でやってて、別の商店街に移りたい場合はどうなります?
それは対象外です。移転の区分は「都内商店街からの移転は除く」と明記されています。都内の商店街以外の地域か、都外からの移転が対象ですね。
そうなので、自分の今の所在地がどこかで判断してください。都内の商店街にいる人は、移転では使えないということです。
公表されている情報では、回ごとの応募回数の制限は示されていません。そこは公募要領で要確認です。ただ令和8年度は第1回から第3回までスケジュールが組まれていて、第3回の交付決定は令和9年3月1日予定です。
はい。だからこそ、令和8年度中に都内商店街で開業したい人にとっては、この第3回が大事なタイミングになりますよ。
今日の話を聞いて、思ったより大きな制度だと分かりました。最後にまとめをお願いします。
都内の商店街で実店舗を開くなら、工事費も家賃も見てくれる手厚い助成金です。ただし期限は令和8年10月30日17時必着。GビズIDの準備だけは今すぐ始めてください。
ありがとうございました。今日からGビズIDですね!
そうしてください。間に合わなかった、がいちばんもったいないですからね。